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2013年9月19日(木)

PS4版『新生FFXIV』のプレイ動画は年内に公開? 吉田直樹氏にPS4版やワールド移転サービスなど今後の展開を聞いた

文:ほっちゃん♂

 先月の8月27日より正式サービスが開始されてから瞬く間に同時接続数32万5千人という驚愕的な数値を記録した『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、新生FFXIV)』。今なおユーザー数は増加傾向にあり、旧『ファイナルファンタジーXIV(以下、旧FFXIV)』の悪いイメージを吹き飛ばし、文字通りの“新生”を成し遂げた。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏。

 今回、本作のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏に、現在のサーバー状況とPS4版の展開に関してインタビューを行った。すでにプレイ中の読者はもちろん、まだ様子を見ている人にもぜひ目を通してほしい内容となっている。

■ワールド移転サービスは9月末~10月頭にはスタート予定

――本日はよろしくお願いします。

 よろしくお願いします。まず、ずっと楽しみにお待ちいただいていた『旧FFXIV』からのプレイヤーさんや『FF』シリーズのファンの皆さん、ずっと追いかけていただいたメディアの方々、本当にありがとうございました。8月27日に『新生FFXIV』をローンチすることができました。

 ただ、その後予想だにしなかったほどのご好評をいただき、正式サービス開始からしばらくの間サーバー数が足りず、ゲームにログインしづらい状態が続いてしまい申し訳ありません。正直な話、もう少し緩やかな立ち上がりになると思っていました。『旧FFXIV』のネガティブインパクトは相当なものでしたし、αテストからの復帰データを見てもβテストフェーズ3の段階で23%ほどだったので、多くの方が様子を見ているのではないかと判断したのですが、まさか『ファイナルファンタジーXI』の最大同時接続を超えるほどとは予測がつきませんでした。

 9月4日のメンテナンス後、海外のデータセンターにあるサーバーに関してはほとんどログイン制限がなくなり、あちらのプレイヤーさんも「とりあえずログインだけしておこう」という心理が働かなくりました。9月12日に行ったメンテナンス後は、全ワールドのキャパシティを増やして同時接続数をさらに約5万人ほど引き上げたので、日本側のサーバーも必ず毎日ログインでき、ご自身のペースにあった時間だけプレイするサイクルができるまで落ち着くと考えています。

――私たちもβテストフェーズ3のころから予想以上の反響があるな、と感じていたのですが、今までのオンラインゲームの常識からは想像がつかない同時接続数に驚いています。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』

 プレイヤーの皆さんからの信頼回復を目指して『新生FFXIV』の開発を行ってきたので、自分たちでもどれくらいのレベルのものになっているかが分からなくなるくらい、感覚が麻痺していたんだと思います。本当に予想外だったのが、80%を軽く超えるログイン率と一度ログインしたプレイヤーさんの離席期間を含めないプレイ時間で、ピークタイムだけではなく全時間帯でこの状態が続いていたことには驚きました。実は8月上旬にさらに追加投資を行いサーバー増設をかけていて、仮に『FFXI』の最大同時接続のラインに届いても大丈夫なようにしていたのですが、それを遥かに超えてしまいました。

――なぜここまで人気が出たのかを考えた時、『FFXI』の正式サービスが開始されたころはネットワーク環境がまだ整っていなく、ハードディスクの制限もあったことでプレイまでのハードルが高かったものが、今はものすごく低いことが大きな要因じゃないのかなと思います。

 そうですね。触っていただけるシチュエーションは遥かに増えています。ただ、それでも最近は若い世代の方も含めて皆さん忙しいと思うので、ガッツリというよりはちょっとだけプレイ、という感覚だと想定していましたので、もっと消化率は緩いと思っていました。

――というと、プレイヤー全体のゲーム進行度も想定していたより速いのでしょうか?

 そこは僕が思っていたよりちょっとゆっくりめです。電撃さんはトップ集団からやや後ろの辺りを全力で突っ走ってくれている印象がありますね。

――いえ、想定されているよりもうちょっと後ろにいると思いますよ(笑)。

 プレイヤー全体のデータを見てみると、レベル30台になってから他のクラスで遊んでいる人たちが最大勢力ですね。トッププレイヤーのほうを見てみると、大迷宮バハムートのターン1をクリアし、その奥を攻略している人はまだ少ないです。現実装分のラストであるターン5へ到達するパーティが現れるのは、3週間経過後と僕たちは想定していたのですが、1週早く海外の方たちがターン4を突破していましたね。ただ、今のペースだと次のパッチまでにターン5まで抜けられるのは100人いかないぐらいだと思います。

――新規のワールドでもメインシナリオクリア後にもらえる魔導アーマーに乗っている人を多く見るようになりましたね。

 オンラインゲームを今まで経験されている方だと、始める前にしっかり情報を集めてどういうプレイをしようか考えておく人が多いと思います。『新生FFXIV』はシナリオ部分に力を入れているという話をずっとしてきたから、ゲームに慣れている方はまず1つのクラスとジョブに絞ってレベルを上げ、メインストーリーを進めています。とはいっても、新規プレイヤーのほとんどは、三都市を周り始めるタイミングでギャザラーやクラフターを含めた他クラスのレベルも少しずつ上げていくプレイスタイルですね。

――パッケージ版やダウンロード版の販売再開と同時に、ワールド移転サービスもスタートするのでしょうか?

 いえ、まずはサーバーの安定化が先です。もし何かあった場合、すべてのコストをそこに集中しなければいけませんし、プレイヤーの皆さんのデータを扱わせていただくことなので、今はデバック作業を行っています。おそらく今月末から来月頭にはサービスを提供できると思います。

――正式サービス開始当初の混乱で、やりたいワールドに友だち同士で集まれなかったという話をよく聞きますが、そういった方々に1回限り無料でワールド移転サービスを行うというのは考えられていますか?

 無料の権利を1回配布という案ではありません。なぜなら、移動しようと思っていなかった方たちにまで迷いを与えてしまう可能性があるからです。ワールド統合とは違い、皆さんの持つ1アカウント毎のデータを扱わせていただくので、約3日はキャラクターをホールドして問題なく移動できたかどうかの確認をしなければなりません。そこが肥大化してしまった場合、ホールド期間が長くなって皆さんにストレスを与えてしまいます。なので、まだ明言はしないのですが、一定の期間を設けてから、「意思のある方のみ期間中に移動の手続きを済ませてください」、という案内をしようと考えています。

 それを行ううえで、サーバーの安定度が見えてからワールド移転サービスの説明をしていきます。ワールド移転はメリットばかりではありません。例えばそこのワールド名が好きだから移動したい方がいるとします。でも、そのワールドが過密状態の場合、日本のピークタイムにはたくさんのプレイヤーがいる分、物理限界があるのでログイン制限がかかりやすくなってしまう可能性があります。また、お友だちと同じワールドに集まりたい場合、上限に余裕があるワールドにまとまって移動したほうが安全です。その辺りをしっかり説明しないと、また混乱させてしまうでしょう。特に、今回は新規にMMORPGに触れた方が多いので、しっかりと説明したうえで提供させていただきます。

→PS4版のクオリティには自信あり! 気になる詳細を伺った(2ページ目へ)

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