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2013年9月19日(木)

PS4版『新生FFXIV』のプレイ動画は年内に公開? 吉田直樹氏にPS4版やワールド移転サービスなど今後の展開を聞いた

文:ほっちゃん♂

■PS4版は一番選択肢の多いハードに。PC版とほぼ同様のプレイアビリティを実現

――現状、国内外を合わせたPS3版のユーザー数は吉田さんの想定内でしょうか?

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』

 国内はPS3版のほうが多いと思っていたので想定通りです。USは考えていたよりもPS3ユーザーが多く、MMORPGをプレイしたことがない方が、“『FF』シリーズの最新作”ということで触れてくれているようですね。さすがにPC版プレイヤーのほうがまだ多いのですが、上昇率を見ると互角です。

 あちらではショップで買うよりもダウンロード版を購入する方が多いですから、販売が再開されるともう少しPC版が伸びる気がしています。日本での比率はPC:PS3=1:2と想定していましたが、大体その通りでした。ただ、僕の予想よりもPC版でプレイしている方が多く、こんなにPCでゲームをプレイする方がいたのかと驚いています。

――低スペックのPCでも十分プレイできることが大きいと思います。そういった面も『FFXI』の時とは違うなと感じました。

 この前ようやく新宿の量販店を自分の足で見てまわったのですが、1本も売っていませんでした。完売と書いてある箱を見て何人もの方が帰ってしまい、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

――今ちょうどPS3版のお話が出ましたが、PS4版の展開についてはどのようなものになりますか?

 僕からSCEさんにずっとお願いしていたのは、PS3版を持っているプレイヤーの方には無料でPS4版に乗り換えできるようにしたいということです。これは、今年のE3でPS4版の対応を発表した段階からお話をしていました。

――システム的にはレジストレーションコードがメールなどで送られてくるのか、PSNに紐付けられているアカウントであれば無料でダウンロードできるのかのどちらかでしょうか?

 実はPS3版のプレイ権を失効してPS4版へ乗り換えるという形になります。真っ先に自動的にPS4のアカウントもバインドしてほしいとお願いしたのですが、日本の法律に一物二価を禁止するという法律があって、そこに引っかかってしまうのです。

 例えばPS3版の価格は3,300円ですけれど、あの価格はPS3で『新生FFXIV』を遊ぶ権利であるという1対1の価値になっています。これにPS4でも遊べる権利をつけてしまうと1つの価格に2つの価値がつき、法的にアウトになってしまうのです。

 ですが、PS3でプレイされている方はすでに『新生FFXIV』をプレイする権利を得ているわけですし、PC版だって新しいPCに切り替えてもそのまま遊べるわけですから、そこは是が非でもどうにかしたいと思っていました。そこで自社の法律専門家に、乗り換えという考えならどうなのかを検討してもらい、徹底的にSCEさんともお話を続けた結果、「ではやりましょう」となりました。ただ、PS4をリビングに置いて自室ではPS3版を、という場合に関しては、もう1つパッケージが必要になってしまいます。

――PS4の発売と同時にβテストが開始されるという発表には驚きました。

 ずっと、「予想よりは早くなる」と言ってきましたからね。新しいハードのローンチに『FF』が用意されている機会を作りたかったですし、これだけ会社的にも人的にも情熱を注いだタイトルですから、世界中の1人でも多くの方にプレイをしていただきたいので、PS4を購入した方はそのままβテストへの参加権を得られるようにしようと思っています。

 PS4自体がそれなりに高価な商品ですし、おそらく何かしらのゲームタイトルを1つは購入するでしょう。そのゲームを遊び終えた後、無料で『新生FFXIV』に触れられる選択肢があることは、1人でも多くの方に遊んでいただけるチャンスですので、日本での発売時期に合わせられるよう調整してきました。

――このβテストは、イメージ的には以前行われたフェーズ3に近いイメージでしょうか?

 そうですね、ほぼオープンという感じです。

――今プレイされている方が自分のキャラクターを使ってテストに参加することも可能になるのでしょうか?

 ネットワーク周りのSDKの安定性が高いのであれば、最初からプレイヤーの皆さんのアカウントを使っていただくこともできます。しかし、何が起こるかわからないのがテストであり、既存キャラクターに何か影響が出てしまうかもしれません。なので、もしかすると2週間くらいは新規のキャラクターでテストを行い、引き継ぎの対応はオープンβ以降とさせていただくかもしれません。

――意外と2月22日のβテスト開始から正式サービス開始は早くなりそうですね。

 僕は1カ月くらいしか想定していませんが、開発チームがなんて言うか(笑)。

――PS4向けにチューニングしなければいけないことはありますか? 以前お話を伺った時はPC版とほとんど変わらないので、特にないとのことでしたが。

 グラフィックス周りのチューニングに関してはほぼないですね。元々見越していましたし、PS4自体が素晴らしいハードで開発しやすかったので、何も心配されなくて大丈夫です。PS4版にはゲームパッドモードに加えてマウス&キーボドモードも入れてありますので、PS4にゲーミングマウスとゲーミングキーボードを接続してプレイすることも可能です。その他にもPS Vitaでのリモートプレイやデュアルショック4のタッチパッドを使ったUI操作など、選択肢が一番多いハードになると思います。

――PS4でオンラインサービスを受ける場合、PS Plusに加入が必要とアナウンスがありましたが、こちらのタイトルではどうなりますか?

 そこはまだ最後の協議中です。基本的にサービスの質が違うので、SCEさんがPS4を使った一段上のネットワークサービスの基本料と『新生FFXIV』のプレイ料金は別のものと考えています。それでも、できるだけ他のハードで遊ぶのと差がない状態を作りたいと思っています。

――実際にPS4でゲームが動いているところを見られる機会というのはいつごろになりますか?

 年末にパッチ2.1をリリースする予定ですが、その直前に行うプロデューサーレターLIVEの中で可能であればお見せできるかもしれません。

――その中でPS Vitaのリモートプレイも見せていただけるとインパクトがありそうですね。

 リモートプレイは年内にいけるのかなぁ(笑)。これはSCEさんのSDK次第といったところでしょうか。

――ちなみに海外では11月にPS4が発売されるわけですが、あちらのβテスト開始も2月22日になる予定でしょうか?

 そうです。欧米はローンチ時に有力タイトルがそろっているので、それらを遊び終えて次のゲームが欲しくなる時期に「『新生FFXIV』はどうですか?」というアプローチとなります。僕たちとしては一番タイミングのいい時期ですね。

――ちなみにリモートプレイ以外にPS Vitaでできることは用意されるのでしょうか? 例えば『ファイナルファンタジーXIV: ライブラ エオルゼア(以下、ライブラ エオルゼア)』を見られるとか。

 3月末まで『ライブラ エオルゼア』のアップデートスケジュールががっちり組まれてしまっているので、入る隙がないですね。もちろん、将来的にやらないとは言いませんが、今のところ考えていません。まずはAndroid版をリリースしなければいけませんし、インスタンスダンジョンやF.A.T.E.(フルアクティブタイムイベント)のデータをコンバートしたり、ギャザラーやクラフターの手帳を入れたりと、まずはその辺りからですね。PS4版がリリースされるタイミングには、データを万全にして、『新生FFXIV』を拡大路線に切り替えられるタイミングで検討しようと思います。データ的には問題ないのですが、UIを作るのが大変なんです。

――『ライブラ エオルゼア』のアップデートはどれくらいのスパンで行われていきますか?

 だいたい月イチで行い、大きいものは2カ月に1回を予定していて、パッチがあたるタイミングには最新のデータに更新されます。

――以前、プレイヤーの方がデータベースを作っていけるようにしたいとおっしゃっていましたが、その辺りはどのようになっていますか?

 それは新生Lodestone側で行えるようになっていて、今最終のデバッグに入るところです。また、それらとはまったく別になりますが、新生Lodestone上で各ワールドの軍票収集ランキングやPvPランキングを閲覧できるようになります。軍票収集ランキングに関しては上位500名くらいまでは表示する予定で、1~2回自分がランクインされたらいいかな、というくらいの作りにしてあります。

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