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2013年9月22日(日)

イトケンライブ再び! 伊藤賢治さん、光田康典さん、下村陽子さん出演のスクウェア・エニックスステージをレポート 【TGS2013】

文:電撃オンライン

 東京ゲームショウ2013のスクウェア・エニックスブースで9月21日に行われた、“コンポーザー スペシャルトークショウ”の模様をお届けする。

 伊藤賢治さん、光田康典さん、下村陽子さんの3名が登壇し、スクウェアで一緒だった頃の思い出話や作品の製作秘話、そして今後の活動について語った。

“東京ゲームショウ2013”
▲左から、伊藤賢治さん、光田康典さん、下村陽子さん。

伊藤賢治さん
 (代表作:『サガ』シリーズ、『聖剣伝説』シリーズ、『パズル&ドラゴンズ』他)

光田康典さん
 (代表作:『クロノ・トリガー』、『ゼノギアス』、『クロノ・クロス』他)

下村陽子さん
 (代表作:『ライブ・ア・ライブ』、『聖剣伝説 レジェンド オブ マナ』、『キングダム ハーツ』他)

 スクウェアを退社してから、3人が一堂に会すことはなかなか珍しいとのこと。冒頭では、それぞれの入社当初の思い出話が繰り出し、当時のサウンドチームの自由さと仲のよさがうかがえた。

 初の女性メンバーだった下村さんは、「お嬢様が入社してきた!」と開発部の中で相当な話題になったのだとか。下村さんの姿をわざわざ確認しに来て、「あぁ……」とだけこぼして帰った人もいたそうだ。それに対し、「失礼ですよ! どういう意味だったのか(笑)」と話していた。

“東京ゲームショウ2013”
▲スクウェアの発表タイトルから、3人の歴史が読み解ける年表。下村さんの入社は、モニター上で1994年となってるが、実際は1993年とのこと。

 1990年に伊藤さんが入社し、2年後に光田さんが、その1年後に下村さんがスクウェアに入社している。当時、金沢へプライベートで旅行に行った時の光田さんと下村さんの写真も公開された

 伊藤さんが写真の中にいない理由について、「黙々と仕事をしていました」とこぼした。光田さんが、「(当時の伊藤さんは)付き合いが悪くて!」と、気の置けない仲を感じられるトークも飛び出していた。伊藤さんは真面目に、1人で黙々と仕事をするタイプだったらしい。フリーとなった時に、「これじゃあいけない!」と心の壁を取り払ったことで、現在のような社交性が開花したと語った。

“東京ゲームショウ2013”
▲左が下村さんで、中央が光田さん。「僕、この頃は髪の毛が多いなぁ(笑)」との感想を。

 3人の上司は植松伸夫さんだった。現在のようにチャームポイントのヒゲも生やしておらず、ボストンメガネをかけた“学生のお兄ちゃん”のようだったという。普通の会社の上司像とはかけ離れた存在で、開発チームの中では年長者ということもあり、皆で敬っていたそうだ。

 サプライズとして、3人に関わり合いのある人からのVTRメッセージが流された。画面に登場したのは。現・ガンホー・オンライン・エンターテイメントの田中弘道さん。田中さんは、『クロノ・クロス』や『Sa・Ga2 秘宝伝説』を手掛けたことから、伊藤さんや光田さんと一緒に作品を作り上げた過去がある。

 伊藤さんへのメッセージの中では、クラシック派だった伊藤さんがプログレ派の植松さんと菊田裕樹さんに(音楽的に)いじめられていたことを暴露! それがバネになって、いい曲を書いたのではないかと語った。

“東京ゲームショウ2013” “東京ゲームショウ2013”

 光田さんへのメッセージでは、『ゼノギアス』のマスター入れの直前に、救急車で光田さんが運ばれたことが明かされた。体に気をつけて、ほどほどにいい曲を書いてほしいと労った。

“東京ゲームショウ2013” “東京ゲームショウ2013”

 下村さんのことを、“ゲムラー”と呼んでいるという田中さんは、直接的に一緒に仕事をしたことはないが、妹と似ているので他人の気がしないという。下村さんの曲が好きで、よく聴いているそうだ。

“東京ゲームショウ2013” “東京ゲームショウ2013”

 続いて、“My Favorite Songs”と題して、3人が選んだそれぞれの好きな曲を発表。楽曲への思い入れを明らかにした。伊藤さんは自身の好きな曲として、『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』のオープニングタイトルを選択。作品の制作発表動画に使われた曲で、それを聴いたファンの多くが涙を流してくれていたと、人づてに聞いたそうだ。「この曲は、自分の手から離れたんだな」と感慨深く思ったという。

“東京ゲームショウ2013”
“東京ゲームショウ2013”
“東京ゲームショウ2013”

 最後に、3人の今後の活動についての発表と告知が行われた。伊藤さんは、『パズドラZ』や『月英学園 -kou-』への楽曲提供の他、『Re:Birth II』の続編音楽CDの製作について明かした。また、2013年3月に開催されたライブイベント“One Night Re:Birth”の再演を、2014年1月に行う。

 光田さんも、20周年を迎える『クロノ・トリガー』について、企画があることを示唆。「アレンジとか……」とこぼしていた。下村さんも、『キングダム ハーツIII』や、『FFXV』の楽曲を担当することになった他、『キングダム ハーツ χ(キー)』に新曲を書き下ろしたことを発表。アルバム作成に加えて、「またコンサートをやりたいという野望を持っています」と告げると、会場からは歓声が沸いた。

“東京ゲームショウ2013”

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