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2013年9月25日(水)

ハートフルな紙の世界に干渉して楽しめる『Tearaway ~はがれた世界の大冒険~』はPS Vitaの機能をフル活用している【TGS2013】

文:電撃オンライン

 SCEから12月5日に発売予定のPS Vita用ソフト『Tearaway ~はがれた世界の大冒険~』。開発を担当しているのは『リトルビッグプラネット』シリーズの開発で有名なMedia Molecule。

 今回、東京ゲームショウ2013の出展に合わせ、同社のコミュニティマネーシャーを務めるJames Spafford氏が来日。本作のプレゼンテーションを行なうとともに、『Tearaway』の魅力についてお聞きする機会を得たので、これを紹介していこう。

 『リトルビッグプラネット』シリーズとは異なる新タイトルだけあり、新たな独創的な要素に期待が高まる作品だ。

『Tearaway』

 『Tearaway』は、主人公のイオタ、アトイを操作して進んでいくアクションアドベンチャー。プレイヤーのもとに届けられる予定だった“手紙”が、紙の世界に落下してしまい、それをメッセンジャーであるイオタ(orアトイ)がプレイヤーに送り届けるために旅をする、というのがストーリーラインとなっている。

 なお、操作キャラについては、イオタかアトイをゲーム開始時に選択可能。『Tearaway』の世界は、すべてが“紙”でできており、“切る”“貼る”“折る”など、紙ならではの特性を生かしたアートスタイルが特徴の1つだ。

 また、PS Vitaの機能のすべてを使うことを前提に開発されたというだけあり、PS Vita独特の機能をふんだんに使ったアクションが楽しめる。

『Tearaway』 『Tearaway』

 本作のユニークな特徴のひとつに、“プレイヤーと主人公は同一でない”ことがあげられる。多くのゲームでは、主人公はプレイヤーがゲームに没入するのを助けるために感情移入しやすいキャラクターという認識だが、『Tearaway』ではプレイヤーと主人公は友だちのような助けあう存在だという。

 プレイヤーは神様のように強大なパワーを紙の世界に対して行使できる、(紙の世界から見れば)超常的な存在として描かれる。この“強大なパワー”こそが、プレイヤーがゲームに介入できる要素で、その内容もタッチスクリーンをスライドして扉を開けたり、背面タッチパッドを指で触ることで、ゲーム内に指を突き出して薄い壁を破ったりと多岐にわたる。こういった、主人公たちの力ではどうにもならない障害を取り除き、道を示してあげるのが、主なプレイ内容となる。

 実際にプレイした感じでも“世界をまるごと手の中に収めた感覚”を体験してもらいたい、というコンセプトがしっかり反映された、神の視点的な感触を味わうことができた。こういった神のような力を行使しない場面では、主人公を操作してアクションや謎解きを楽しむことが可能だ。

 ちなみに、プレイヤーの顔はPS Vita前面のカメラで捉えられており、ことあるごとにゲーム内世界の太陽に自分の顔が映る、という斬新な内容になっている。ゲーム内世界の住人も、手助けしてくれるプレイヤーの存在を認識しているようで、まさに“(物理的に)大きいお友だち”という言葉がしっくりくるだろう。

『Tearaway』 『Tearaway』

 また、Media Moleculeお得意の、クリエイティブな要素についても見ることができた。『Teataway』の世界ではスクラッピーという存在が悪さをしており、住人たちを困らせている。冒険の先々で主人公は困っている住人を助けることができるのだが、その方法が非常におもしろい。

 今回確認できたのは、スクラッピーに王冠を盗まれたリスのために、新たに王冠を作ってあげるというイベント。自分で黄色い紙に線を引き、それに沿ってハサミで切り取って王冠の形に仕上げ、リスにかぶせてあげるという一連の流れのデモンストレーション。

 かなり自由度が高いようで、単純に黄色い紙を王冠の形に切り取ったものでもいいし、ほかの色の紙を使って装飾を施してもいいとのこと。この作業に数時間をかけるプレイヤーも続出しそうなほど、できることが多そうだった。まったく王冠に見えないデザインのものを仕立てても、リスは喜んでくれるかは少し気になるところ。加えて、こういった自分で作った装飾品を使い、主人公の姿をカスタマイズすることも可能。自分だけの主人公で冒険を楽しむことができる。用意された装飾品もあるので、工作が苦手な人でも安心だ。

『Tearaway』

 もうひとつは、ゲーム内で使えるカメラ。リスに王冠を作ってあげるとプレゼントされるもので、ゲーム内のさまざまな風景や主人公の姿をスクリーンショットとして撮影することが可能になる。ただ撮影できるだけでなく、レンズやフィルターなどが豊富に用意されており、アーティスティックな写真を撮ることもできる。

 レンズやフィルターは、ゲーム内で手に入る“紙のかけら”を消費してアンロックしていくようだ。また、カメラにはさらに重要な機能がある。スクラッピーによって色を奪われ、真っ白になってしまった住人やオブジェクトを撮影することで、それらに色を戻すことが可能になる。色を戻したオブジェクトは、ペーパークラフトのテンプレートがアンロックされ、プリンターで印刷することができるようになる。本作のデザインにあたり、一度すべてのものを実際の紙で作ってみた、というだけあって、その完成度の高さは折り紙つき。リアル『Tearaway』ワールドを展開することができるかも!?

『Tearaway』 『Tearaway』

 プレゼンテーションの最中にも、新たな情報が次々と飛び出し、絶えずワクワクしっぱなしだったほど独特の魅力に満ちた『Tearaway』。これまでのゲームにはない、斬新な要素を詰め込んだ作品だけに、今後の情報に期待しつつ、年末の発売を心待ちにしたい。

→開発の要・James氏へのインタビューをお届け(2ページ目へ)

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■東京ゲームショウ2013 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデイ……2013年9月19日~20日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2013年9月21日~22日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

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