2013年10月2日(水)
電撃オンラインのスタッフたちが、それぞれ興味のある分野を読者の皆さんにお届けするほぼ毎日特集。編集の私・ミゲルは、ほぼ毎月大好きなゲーム音楽の作曲家の方々へインタビューを敢行します。
今月は、タイトーのサウンドチーム・ZUNTATAの土屋昇平さんを大紹介! 前後編に分かれての特集となっていますので、前半を未読の方はぜひそちらからチェックしてくださいね。
【ほぼ毎日特集 ♯49】ZUNTATA・土屋昇平さんの未公開音源も公開! インタビュー企画「教えて!土屋昇平先生」(ミゲル)はこちら
この記事では、土屋さんがリスペクトしている作曲家に加え、『ダライアスバースト』や『ダライアスバースト アナザークロニクル』の裏話(!?)も飛び出します。サイン入り超豪華読者プレゼントもご用意いただきましたので、ぜひ最後までご覧ください。
▲ろくろッ! |
土屋昇平:1979年生まれ。2003年にフロム・ソフトウェア入社後、2008年にタイトーへ移籍。『ダライアスバースト』や『グルーヴコースター』の楽曲を担当し、その独特で繊細な歪んだ音がファンの心を惹きつけてやまない。
――土屋さんの担当されたタイトルについて教えてください。
土屋:タイトーに入って一番最初にかかわったのが、『ファンタジーコロシアム』の効果音でした。初めての仕事だったので、気合いが入りましたね。今までずっと、コンシューマの3Dアクションゲームばかり作っていたので、勝手が全然違ってすごくびっくりしましたね。
何より、メダルゲームは自由度が少ないんです。画に関して言えば、リニア(直線的)なんですよ。インタラクティブ(対話的)ではない。30秒~1分くらいの細かいアニメーションにMA(効果音)を付けていく感じなんですよ。
――タイトー以前のフロム・ソフトウェアでは、どのタイトルを担当されていたんでしょう。
土屋:フロム・ソフトウェアで一番最初に担当したのは、『O・TO・GI ~百鬼討伐絵巻~』です。一木裕樹さんがメインで、僕はサブではありますが、かなりの量の効果音に加えて、曲も結構かかわらせてもらっています。
――未経験で入社されて、いきなり曲を作ることになるんですか?
土屋:そうですね。そういう意味では、フロム・ソフトウェアは研修期間もほぼなかったのですごくキツかったですが、今となってはよかったと思っています。
――学生時代にたくさん作られた曲と違い、会社ではゲームタイトルなどの“テーマ”に沿った楽曲を求められますよね。その点はどう対応されたのでしょうか。
土屋:今でも思うことですけれども、すごく難しかったですね。最近はあまり考えなくはなりましたが、昔はすごく悩んだような気がします。でも、「俺でも曲を書けるんだな」とは、フロム・ソフトウェアに入って思いました。人間って“量は質を凌駕する”んだなと感じましたね(笑)。たった1年ですが、学生時代に狂ったように曲を書いていたら、曲っぽいものを書けるようになっていたらしいんです。
フロム・ソフトウェア時代の曲を今聴くと、それが音楽と言えるかどうか僕にはよくわからないですが、ただ尖っていてすごくおもしろいですよ。
僕は遅咲きだと思うので、50~60歳くらいにやっと自分のイメージしている“書きたい曲”が書けると思っているんです。それまで修行かな? 死ぬ前くらいに何か1曲、「これで十分かな~」というものが作れればいいかな(笑)。
――書けたら辞めてしまうのですか!?
土屋:できたらすごいですね。多分できない気がするんですよ。でも、自分がすっごい満足のいく、「最高だな!」ってものができたとしたら、辞めちゃうかもしれないし、惰性で続けるかもしれないです。その時になってみないとなんとも。
――ファンとしては、最高の曲を聴きたい反面、辞められては困るし……複雑です!
土屋:でも好きなので、おいそれとは辞められないかな(笑)。音楽好きだけは誰にも負けないつもりなので!
――その好きな音楽を仕事にされて、大変だったことはありますか?
土屋:もう全部! 全部大変です!
(笑い)
土屋:僕の仕事のスタンスだとか、生き方だとかがこうなので、皆さんの考えとぶつかることが多いんです。なので、しょっちゅうつらいです(笑)。やっぱり僕の考え方は、「仕事をする人間の考え方ではない」とレッテルを貼られることが多いので、ケンカまではいかなくても言い合うことは大いにあります。
→『ダライアスバースト』の制作はただつらかった?
当時のことを思い返しての裏話も登場(2ページ目へ)
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