2013年10月8日(火)
――鳥山さんからの指示以外で、ユニットごとに決めた部分はどういった部分なのでしょうか?
澤田:鳥山から提示されるのは、最初と最後の道筋くらいなんです。そこに肉付けしていくのがユニットの役割です。たとえばウィルダネスだと、チョコボをどう使っていくかというところに対しての指示はなく、こう育てたらこんなことができるといった要素を決めていくのはユニットなんです。ロケーションの見た目に関しても、宮嶋がドンドン作っていってくれました。
宮嶋:草原や森といった、大自然を表現するうえで欠かせない要素をユニット内で決めて、それをゲームとして、1つの大陸内に落とし込んでいきました。
澤田:ただ、初期の企画段階では、鳥山からかなりのダメ出しをされましたね。思っていたものとは違うと。企画段階で森のロケーションを入れたいと伝えたら、広大なウィルダネスのイメージに合わないと言われ、草原のロケーションを軸にチョコボを登場させ、今の形になっていきました。でも、森はそのまま残しています(笑)。
宮嶋:やはりうっそうとした森だと、どうしても視界が狭くなってしまい、広大さからはかけ離れていってしまうんです。個人的には森のうっそう感を意識したんですが、広大さという意味では草原のほうがテーマにそっていたので、そちらをメインにしつつ、森も1つの要素として残しています。
澤田:でも実は、森も草原と同じくらいの広さがあるんですよ。
宮嶋:その広さや探索感を味わってもらうという意味で、一度ナビマップを消して遊んでみてほしいですね。開発陣もよく迷っています(笑)。
澤田:あと、見た目以外の部分だと、他の大陸よりも道中で拾えるアイテムが比較的多いのもウィルダネスの特徴ですね。
――逆にデッド・デューンは砂漠ということで、見た目としては何もない感じになりそうですが?
井上:そうですね。なので、砂漠にあってもおかしくないものをどう作るか、そこは齋藤も悩んだところだと思います。
齋藤:実は個人的に、砂漠は作っていて楽しかったんですよ。『FFXIII』『FFXIII-2』ともに砂漠的な場所を作ったのですが、あれらは砂漠に見えて、実際にはクリスタルの結晶という特殊な砂漠でした。今回は鳥山からのオーダーがオーソドックスな砂漠だったので、やっとリアルな砂漠を作れるなと。
井上:それは初めて聞きました(笑)。ユニット内では齋藤は砂漠を作りすぎているから、フラストレーションがたまっているかもと思われていたんですが、そんなことはなかったんですね!
――やっと念願の砂漠が作れたワケですね。
齋藤:作りたかったワケではないですよ(笑)。与えられた仕事に対しては最大限の努力をしたいので、これまでとは違う砂漠だったので「よし、やってやろう」と。今回はベタな砂漠を目指したので、砂丘があって風紋があって、そして少し乾いた大地があってといったような部分を心がけてみました。
――砂漠では斜面を滑るシーンもあるようですが、このギミックはどのような経緯で導入したのですか?
井上:とにかく広いんだから、降りる時ぐらいはラクをしようといったところですかね。何もないところをただ移動し続けるのはツライだろうという話になった時、いろいろな案が出て、一番実装しやすそうだった“砂すべり”を入れました。これは鳥山にも好評でした。基本的には砂に大きく傾斜がついていれば、遺跡内でもどこでも滑れます。
――ウィルダネスはチョコボに乗れますが、デッド・デューンに乗り物はあるのでしょうか?
井上:乗り物はありませんが、何カ所かにワープポイントを用意していて、移動時間を短くできるようにしています。
――ちなみに昼と夜の差はどうでしょう?
宮嶋:ウィルダネスの森は、昼間はわりとオーソドックスな森ですが、夜になると光るキノコの胞子で地面全体が緑色に光って、一気にファンタジックな雰囲気になります。岩石エリアもあるんですが、ここは夜になるとクリスタルで青く光ったりしますよ。
澤田:夜になると集落にしか人がいなくなってしまうので、遠くに明かりが見えるとホッとすると思います。集落は4つ、5つあるんですが、そこにたどり着いた時の安心感や、次に何があるんだろうというワクワク感も見どころです。
井上:デッド・デューンでは、昼にモンスターが活発に動き回っています。しつこく追いかけてくるモンスターもいますので、そういう意味の怖さもあると思います。その逆に、夜は静かな雰囲気を出したかったので、モンスターはあまりいません。あとは、大灯台に明かりが灯ります。
齋藤:夜は安らぐというか、静寂の中を歩いていただければと。
――ルクセリオやユスナーンでは、夜になると閉まってしまう施設があるようですが、こちらについてはどうですか?
澤田:ウィルダネスには結構あります。ウィルダネスの人々は死の世界が来ることを受け入れているので、昔のままに日が昇ったら起きて、日が沈むと眠る生活サイクルの人が多いんです。そんな生活リズムと連動している施設があります。
逆にモーグリは夜にしか出てきません。昼の森には狩猟民族がいたりするのですが、夜になるとモーグリが出現します。もちろんモーグリの里も、夜じゃないと入れません。
井上:デッド・デューンは、ショップが24時間営業ではあるんですが、序盤は人々のヤル気がないため、ショップ自体が営業していないところが多かったりします。そして、進行に応じてショップの数が増えていきます。
遺跡内部ですと、時間で開いたり閉じたりする扉がありますね。1時間おきに開閉を繰り返すなど、短い間隔で時間による変化が起こります。あと10分で扉が開きそうだけど、少し待つか、それとも別の場所を探索するかといった、短い時間の中でのタイムマネージメントを楽しむ遊びになっています。
――迷宮ではマップの確認も、非常に重要な意味を持ちそうですね。
井上:マップの機能として、自分で印を付けることができるようになっていますので、怪しい場所や扉の情報をマッピングしてもらえればと思います。チェックポイントも用意しているので、探索に疲れたら一度戻ってもらうこともできます。
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