2013年10月8日(火)
――続いてストーリー展開はどうでしょう? ルクセリオは捜査、ユスナーンは潜入など、各大陸ごとにテーマがあるようですが。
澤田:ウィルダネスでは、世界の終りに伝説のチョコボが現れるという伝説があり、その伝説のチョコボが傷ついているのをライトニングが発見したことにより、物語が動いていきます。テーマは“チョコボとの絆”でしょうか。
この大陸に関しては、自由度の高さと、他の大陸に比べてタイムマネージメントをあまり気にしなくていいというものを作りたかったので、傷ついたチョコボを回復させる方法についても、手段をいくつか用意していて、その手段はプレイヤーの選択にゆだねられています。他の大陸でタイムマネージメントを強いられる分、こちらは時間が空いたから行ってみようかなという感じで、寄ってもらえればと思います。
――傷ついたチョコボを回復させるというのが、『FFVI』にあった、セリスがシドに魚を食べさせるイベントを思い出させます。
澤田:チョコボのイベントは、社内のテストプレイでメインのクエストじゃないと思われていたんです。クエストにはメインのものとサイドクエストがあるのですが、ウィルダネスの場合は、サイドクエストをクリアすることがメインクエストにつながっていきます。この展開は鳥山の指示でもあり、サイドクエストをしっかり作ってくれと言われていました。
――チョコボの回復&成長によって、行動範囲が広がっていくのでしょうか?
澤田:そうですね。チョコボと出会った当初は、傷ついていて乗ることができません。そこからチョコボに乗れるようになって、移動が快適になったところからが、本格的なスタートになります。チョコボは走れるようになり、飛べるようになりと、段階的に成長していきます。そしてバトルにも参加してくれるようになります。育ていくにつれて、ドンドン活躍してくれます。
宮嶋:プレイヤーの皆さんが、チョコボに愛着を持てるような作りを目指しました。成長すれば、かなり頼れる存在になります。
澤田:名前も付けることができるので、かわいがってあげてください。ちなみにチュートリアルでチョコボについてのテキストが表示されるのですが、そこでもちゃんと名前が反映されているので、そういった細かい部分も確認してもらいたいですね。
――デッド・デューンのストーリー展開は?
井上:メインとなる物語は“宝探し”です。この大陸に暮らす人たちは、基本的に盗賊団や遺跡の研究者なのですが、彼らは何百年間も宝を探し続けているのに、いまだ何も見つからず、ヤル気をなくしています。でも、ライトニングが遺跡を探索していくことで、ヤル気を取り戻していき、盗賊団たちの話す内容も変わってくるなど、ストーリーの進行にあわせて、人々のモチベーションが変わっていきます。
――ちなみに遺跡の探索は、どのようにして進めていくのでしょうか?
井上:デッド・デューンの砂漠の下に、遺跡は広がっています。潜っていく感じになるのですが、行ける場所をドンドン探してもらって、さまよってもらえればと。
――遺跡は複数存在するのですか?
井上:大きな遺跡があって、それを取り巻く形で入口がいくつか点在しています。迷宮というよりは、遺跡探索のためのキーアイテムをまつっている宝物庫のような位置づけですね。
――では最後に、各大陸の見どころを教えてください。
齋藤:従来の『FF』にはない広さと、リアルに歩けるスケール感。デッド・デューンのロケーションでいうと、高低差があって、同じように砂漠は続くのですが、上ったり下ったりで、見える風景が違ってきます。また、時間の経過によっても砂丘の見え方が変わったり、風紋の見え方が変わったりと、砂漠ならではの変化があるので、ぜひそのあたりを見てもらえたらと思います。
井上:デッド・デューンは、基本的に一本道な展開にはしていません。いろいろなところからアクセスして、必要なキーアイテムを取りに行ったり、本来の流れでは入手できないようなアイテムを早めに入手できたりと、自由度の高い遊び方ができるようになっています。行けそうなところは概ね行けるように作っていますので、探索を楽しんでいただけたらなと思います。
宮嶋:ウィルダネスは他の大陸以上に、エリアごとの変化が大きいところです。平原や森など、見た目にも差をつけているので、昼間の大自然感と、夜のファンタジーさを楽しんでいただけたらと。あとはチョコボで行ける先にある宝箱だとか、そういった探索も楽しんでいただけたらと思います。
澤田:大自然の中で、街から街へと移動していく展開は、今までの『FF』らしい部分もあると思いますが、その中で「どのように遊んでもいいよ」と提示された時、自分の行動が今後の展開へとつながっていく自由度は、今までの『FF』らしからぬところではないかと思います。チョコボが飛べるようになってからは、怒涛の急展開も待っています。『FF』らしさと、何をやってもいい『FF』らしからぬ部分の共存を、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
本記事は、8月29日発売の『電撃PlayStation Vol.549』に掲載したインタビューの、全文を掲載したものです。
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