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2013年11月6日(水)

3DS『ブレイブリーデフォルト』を、『FF』をほとんど知らないプレイヤーがレビュー! 思い入れ補正なしで前作を遊んでみた感想は?

文:まさ

■これがジョブチェンジシステムというものか!

 『FF』シリーズはほとんど未経験とはいえ、ゲームメディアの編集・ライターを20年近くこなしてきたわけですから、『FF』のジョブチェンジシステムが大体どんなものなのかぐらいは把握しています。しかし、“把握している”と“体験したことがある”とでは、大きな開きがあるということを、本作をプレイして改めて思い知らされました。

 ジョブ(仕事)の経験を積んで身につけたアビリティ(技能)は、ジョブをチェンジしても失われることはないし、新たなジョブでも活用することができます。ただし、ジョブによっては役に立たないアビリティも……。なんというか、ある意味リアルなシステムですよね。ちなみに余談ですが、私は前ジョブで、クレーンゲームの景品を簡単に取れそうに見えてまず一発では取れないように配置する“貯金箱”というアビリティを身につけていますが、編集者となった今現在はまったく役に立っていません。

『ブレイブリーデフォルト』 『ブレイブリーデフォルト』
▲“ブラナ”“エスナ”“プロテス”“シェル”の効果は、本作で初めて知りました。▲サポートアビリティの組み合わせは、今回プレイしていて一番悩んだ部分でもあります。

 さて、ゲームをいくらか進めていき、アスタリスク(ジョブをチェンジするのに必要なアイテム)をいくつか手に入れたところで、どのジョブを育てていくのかに頭を悩ませることになります。ここでおもしろいと感じたのが、“ジョブ=キャラ性能”だというところです。つまり、定められたキャラ特性に合わせてジョブを考えるというのではなく、純粋にプレイヤー自身の好みでキャラを育成できるということなんですね。また、ジョブはメニュー画面が開ける状況であれば、いつでもチェンジすることができるという気軽さも、いろいろと試してみたくなるカスタマイズ欲を駆り立てます。

 とはいえ、新たなアスタリスクを手に入れるたびに、4人全員のジョブを育てながらゲームを進めるのは大変なので、育てるジョブをある程度まで絞り込むことにします。ジョブチェンジシステムに限らず、こういったカスタマイズ性の強いゲームにおいて、その方向性は、もっとも有効な組み合わせパターンを追求する効率派と、効率よりも設定にこだわるロマン派に別れるかと思いますが、私はどちらかと言うとロマン派に属するタイプのプレイヤーです。なので、自分の中にある各キャラのイメージに合わせて、育てるジョブを決めることにしました。

【アニエスの育成方針】【ティズの育成方針】
『ブレイブリーデフォルト』 『ブレイブリーデフォルト』
▲やはり巫女というと、“白魔道士”か“召喚士”あたりのジョブが妥当なイメージだと思います。しかし、ここはあえてアニエスの不器用で一途な性格に注目し、“モンク”“すっぴん”で育ててみることにしました。コンセプトは“殴り巫女”。▲万能型の主人公なイメージで、新たなアスタリスクを入手したら、ひとまずティズでそのジョブを試してみることにしました。ただし、“ヴァルキリー”は乙女専用ジョブだと思うので、これだけは除外します。コンセプトは“器用貧乏”。
【リングアベルの育成方針】【イデアの育成方針】
『ブレイブリーデフォルト』 『ブレイブリーデフォルト』
▲剣も魔法も卒なくこしそうなイメージということで、“白魔道士”“黒魔道士”“ナイト”のジョブを育てつつ、“魔法剣士”をメインに育成。エースの座は譲りつつも、パーティを支える兄貴的なポジションです。コンセプトは“裏主人公”。▲イデアといえば“白”なので、“白魔道士”“ヴァルキリー”“ソードマスター”といった、白のイメージが強いジョブをメインに育成。逆に、“黒”のイメージがあるジョブは一切育てません。コンセプトは“ジャスティスホワイト”。

 効率をほとんど無視した趣味のパーティ編成。ティズのジョブチェンジである程度のバランスを取ってはいますが、これはボス戦などで苦労するだろうと思っていました。しかし、実際にプレイしてみると、他のジョブのアビリティと組み合わせたり、“ブレイブ&デフォルト”や必殺技を活用したりすることで、なんとかなることに気がつきます。

 ボス戦は一度死んで覚える的なRPGが好みの人には温いと感じられる難易度かもしれませんが、育てるジョブを間違えたから詰みorレベリングして出直しなんてことにならないゲームバランスは嬉しいところですね。また、この辺りのバランスが、『フォーザ・シークウェル』の難易度変更機能で、どんな味付けになるのかも楽しみなところです。

■さり気なく衝撃的だった“ブレイブ&デフォルト”システム

 『ブレイブリーデフォルト』最大の特徴である“ブレイブ&デフォルト”システム。“ブレイブ”でターンの前借りだとか、“デフォルト”でBPをためるだとか、言葉で説明するとなんだかややこしい感じですが、実際に使ってみると実にわかりやすいシステムであることが理解できます(詳しくはコチラの記事で)。それゆえにすんなりと受け入れてしまいましたが、よくよく考えると、これはターン制バトルの常識を覆した衝撃的なシステムだと思います。

『ブレイブリーデフォルト』 『ブレイブリーデフォルト』
▲『フォーザ・シークウェル』に搭載される“ブレイブリーセカンド”システムでは、時を止めて敵のターンに割り込めるわけですが、冷静に考えると、ターンを前借りやストックができる“ブレイブ&デフォルト”も十分に無茶なシステムですよね。

 ターン制バトルにおいて、1ターンに数ターン分の行動ができるというのは、特定のキャラだけが使えるとか、レアなアイテムが必要だとか、条件つきで使えるものであるのが一般的だと思います。それが、『ブレイブリーデフォルト』では、バトルシステムの基本となっているわけでして。実際、フルブレイブ(パーティ全員がブレイブを最大回数まで行うこと)で、1ターンで16回分の行動ができてしまうため、パラメータ的には圧倒的に上の敵を瞬殺することもできてしまうバランスブレイカーぶり。普通に考えれば使用に制限をつけるところですが、バトルの基本を“いかに1ターンで敵を撃破できるか?”とすることで、うまい具合にバランスが取られているのです。

 また、ザコ戦ではフルブレイブで1ターン撃破、ボス戦ではデフォルトで敵の様子を伺いつつ、タイミングを見計らってブレイブで攻めに転じるというのが本作のバトルの基本だと思いますが、必殺技やアビリティを駆使することで、ボスの1ターン撃破が狙えてしまうのも熱いところです。

→ボイスをスキップするなんてとんでもない! 特にアニエス(3ページ目へ)

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MAIN CHARACTER DESIGN:Akihiko Yoshida.

データ

▼『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』前作所持者向け優待DL版
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:3DS
■ジャンル:RPG
■配信日:2013年12月5日
■価格:2,900円(税込)
▼『ブレイブリーデフォルト ドラマCD ~リユニオンの祝祭~』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■発売日:2013年12月25日
■希望小売価格:3,150円(税込)
 
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