2013年11月6日(水)
私のプレイ時間が長めな理由の1つとして、イベントシーンでのボイスをスキップしていないからというのもありあます。ボイスをスキップする理由として、早く先を知りたいというのもあるでしょう。また、携帯ゲーム機なので音を消してプレイすることも多々あるかと思います。しかし、それでもあえて言わせてもらいます。ボイスをしっかりと聴いてみてくださいと!
▲あまりアピールされていませんが、サブキャラクターのキャストもかなり豪華。声優にさほど興味がない人でも、聞いた覚えがあるだろうというクラスの方々が声を演じています。 |
各キャストのマッチングが絶妙で、どのキャラをとっても聴き応えがあるのですが、私が特に推したいのが、アニエスのボイスです。個人的には、ボイスをスキップした場合、アニエスの魅力は3割ぐらいカットされてしまうのではないかと思っています。
アニエスの魅力は、不器用なひたむきさにあると思うのですが、彼女のセリフをテキストだけで読んだ場合、なんだか融通の利かないキャラに思えて、ちょっと反感を抱いてしまいそうなシーンが時折あります。ですが、ちゃんとボイスを聴いてみると、世界を救うという大きすぎる使命にせっぱ詰まっている感や、巫女として時には心ないとも取られかねない決断を下さなければならない彼女の悲痛さがひしひしと伝わってきて、こちらも「なんとかしてあげなくちゃ!」という気持ちがふつふつと沸き上がってくるのです。
また、アニエスの名ゼリフといえば、「拒否します」だと思いますが、これもシーンによって言い方がそれぞれ違うので、せひ聴き比べてほしいです。ちなみに、ボイスの面で私が一番好きなアニエスのセリフは、ヴィクトリアに対して怒りをあらわにする「……ヴィクトリア!」のところ。このボイスは、聴いていて本当にゾクッときました。今のところ、『フォーザ・シークウェル』が発売されたら、イベントビューワでまた見直したいシーン筆頭候補です。
▲テキストだけ見ると、どこか冷たくも感じるアニエス。しかしボイスを聞くと、押し殺した声の内に秘められた、熱い想いが感じられるのです。 |
今になって思えば、私が『ブレイブリーデフォルトAR体験アプリ』で本作に惹かれたのも、アニエスの声から彼女の想いが伝わってきたからなのでしょう。まあ、祈祷衣からスラリと伸びたおみ足に見とれたことも否定しませんが。
なお、電撃オンラインのキャラ人気投票では、アニエスを押さえての1位となったイデアですが、こちらのボイスもアニエスとはまた違う意味で必聴モノとなっています。テキストから伝わってくるイメージとボイスが完璧に一致していて、ボイスが入っていないパーティチャットのセリフも、余裕でイデアの声が脳内再生されます。
すでにクリア済みの方々の話を聞いていると、私の現時点でのゲーム進行度は、おそらく“起承転結”の“承”あたりだと思いますので、ストーリーについては、まだレビューできる段階ではありません。ただ、4章までのストーリーを感想程度に語らせてもらうなら、プレイヤーの想像に揺さぶりをかけるのがうまい展開だと思いました。
物語の大筋だけをなぞると、クリスタルの力を我が物にしようと企むエタルニア公国に、世界を救うために立ち上がったクリスタルの巫女たちが立ち向かう、勧善懲悪モノのように見えます。しかし、いかにもな悪役が出てきたかと思えば、どこか訳ありな部分がチラチラと見え隠れしていたり、「もしかして、間違っているのはこちらなのでは?」と思わされた直後に公国のド外道なやり口を見せつけられたりと、プレイしていてさまざまな予想や妄想が浮かび上がってきます。
さらに、予言のような文章が書かれた“Dの手帳”の存在がこれまた曲者で、「Dの手帳に書かれていることが、あのことを指し示しているのだとしたら……」といったように、プレイヤーの考えをさらに惑わせるのです。
▲そもそも、“Dの手帳”とはなんなのかということを考え出すと、予想はさらにこんがらがってきます。 |
最後に、ここまでのプレイで気になった点をいくつかあげておきます。一番気になったのは、ダメージ限界値と与ダメージのバランス。ダメージ限界値が9,999なのはいいのですが、ある程度まで強くなると、威力の高い攻撃系アビリティの使いどころがなくなってしまうのです。例えば、BP1を消費する強力なアビリティと、BP2を消費する超強力なアビリティがあって、前者で与ダメージ9,999を叩き出せるのなら、後者を使いませんよね。ジョブを育てて新たに習得したアビリティが、すでに覚えている同ジョブのアビリティと(結果的に)威力が変わらないというのは、率直に言うとガッカリします。そう考えると、『フォーザ・シークウェル』の“ブレイブリーセカンド”による“ダメージ限界突破”は、ある意味、救済措置と言えるのかもしれません。
▲“ブレイブリーセカンド”は、『ブレイブリーデフォルト2(仮)』に搭載されるシステムの先行体験となるものですが、『BDFF』の時点で入っていてほしかった要素だと思います。 |
その他、気になった点といえば、ごく細かいところを除けば、アクセサリの効果があまり役に立っていない感じがする、一部武器の必殺技の使用条件のバランスが悪い、テキストの自動送りが欲しいといった程度でしょうか。このあたりについては、“100の改善案”でもあがっていたことなので、『フォーザ・シークウェル』で改善されていることでしょう。総合的には、最初にあげたダメージ限界値のこと以外、おおむね不満ナシです。
今回、暫定で85点という評価を付けましたが、ゲームのシステム部分についての評価は、おそらくこの先のプレイで大きく変わることはないかと思います。今後のストーリー展開で、自分の評価がどう動いていくのか楽しみなところです。実際どういう結論に落ち着いたかは、今後の特集記事にてお伝えできればと思います。
→続けて『BDFF』ファンによる複数人レビューPart.1を読む方はこちら!
→続編『ブレイブリーセカンド』最新情報に迫るインタビューを掲載中!
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