2013年10月25日(金)

『PS Vita TV』先行体験レポートをお届け! ヘッドマウントディスプレイ『HMZ-T3』と4Kテレビで『ゴッドイーター2』を遊ぶ

文:さくたろう

 11月14日にいよいよ発売される『PlayStation Vita TV(以下、PS Vita TV)』。本機は、PS Vitaのゲーム機能はほぼそのままに、TVに映像を出力してPS Vitaのゲームをプレイできる、画期的な新ハードとなっている。

 そんな期待の新ハードの発売を控えた今回、プレス向けのPS Vita TVの体験会に参加できたので、さっそくPS Vita TVの機能やサービス、使い心地などをレポートしていこう。

●PS Vita TVって、PS Vitaと何が違うの?

 まずはPS Vita TVについて簡単に説明していこう。本機は、PS Vitaのような携帯機ではなく、TVなどの映像機器を接続する据え置き型のゲーム機となっているのが、大きな特徴だ。

『PS Vita TV』
▲本機のサイズは65×105×13.6mm、重量は約110gと、これまでのプレイステーションのハードの中で最も最小サイズのもの!

 TVとの接続はHDMIで行うことになり、PS Vita TV本体自体にディスプレイやボタンなどは搭載されていないため、本機だけではゲームをプレイすることはできない。PS Vita TVを使用する際は、先にも述べたようにTVに接続し、PS3用コントローラのDUALSHOCK3をPS Vitaにワイヤレス接続して使うことになる。

『PS Vita TV』
▲機器の側面にメモリーカードスロットが、背面にPS VitaスロットやUSB、Ethernet、HDMI端子がある。また、本体には1GBのメモリーカードが内蔵されており、別途メモリーカードを用意しなくとも、コンテンツを保存できる。

 PS Vita TVでは、PS VitaのタイトルやDL版のPSPタイトル、ゲームアーカイブスがプレイできるほか、各種動画コンテンツサービスや電子書籍サービス、『nasne』との連動が可能。さらに来年2月に発売されるPS4のリモートプレイ機能にも対応しており、PS Vita TVだけでゲームや映像コンテンツをたっぷりと楽しめるハードになっている。

『PS Vita TV』
▲ACアダプタのサイズは画像を参照。ほぼPS Vita TVと同サイズで、大きさはほとんど気にならなかった。

●PS Vita TVを4KのTVに接続して『GOD EATER2』をプレイしてみた!

 この体験会では、SONYの4K対応液晶テレビ『KD-65X9200A』(65V)型を使って、PS Vita TVと同日に発売される『ゴッドイーター2』(TGS出展版)のプレイを体験することができた。ちなみに4Kとは、フルハイビジョンの4倍に相当する解像度(3,840×2,160ピクセル)のこと。とはいえPS Vita TVは4Kには対応しておらず、ゲームプレイ時は720P(1,280×720ピクセル)の解像度で表現されることになる。

『PS Vita TV』 『PS Vita TV』
▲大画面でもくっきりと映像が映し出されているのがわかるはず。文字が見づらいといったこともなく、快適にゲームをプレイできた。

 大きな画面にPS Vitaのゲームを映しても、画面のアラが目立って見難くなるだけなのでは……と最初は思っていたが、実際にプレイしてみると、それが一瞬にして杞憂に変わってしまった。『ゴッドイーター2』のクオリティが高いこと、そして今回のテレビのアップスケーリング機能が素晴らしいこともあるだろうが、この大画面にPS Vitaタイトルを映しだしても全く違和感がなく、むしろその迫力と美しさに圧倒されてしまうほどだった。

『PS Vita TV』
▲ヘッドマウントディスプレイ『HMZ-T3』を使ったプレイも体験。眼前に大きな画面が広がり、こちらでもかなり快適にゲームをプレイできた。

 なお、DUALSHOCK3でPS Vitaタイトルをプレイした感想だが、遅延は感じられず、はっきり言えばPS Vitaでプレイするよりも快適にプレイすることができた。これはPS Vitaでのプレイが劣っているということではなく、コントローラを持ったプレイは、やはり手に馴染みやすいというのが大きな要素だろう。

『PS Vita TV』
▲PS Vita TVには最大でDUALSHOCK3を2つ登録することができ、マルチプレイ対応のゲームアーカイブスなら、2人同時プレイも可能だった。

 なおL1/R1、L2/R2ボタンはPS VitaのL/Rボタンに割り当てられており、タッチ操作に関しては、L3/R3ボタンの押し込みによって前面と背面のタッチを切り替える仮想タッチ操作が可能だった。

 手に馴染んだDUAKSHOCK3でPS Vitaのゲーム(特に激しいアクションやシューティングゲーム)をプレイしたいというゲーマーなら、PS Vita TVは非常にオススメしたい商品と言える。

●PS4のリモートプレイにも対応

 PS4自体はまだ発売されていないが、PS Vitaに今後追加される機能の一つにPS4とのリモートプレイ機能がある。これは、ネットワークを通じてPS VitaとPS4を接続することで、PS4のゲームや操作などをPS Vitaでもできるようになるというもの。PS Vita TVもその機能に対応予定で、今回はTGSでも体験できたPS4の『KNACK』を、PS Vita TVのリモートプレイで体験した。

 PS Vitaの解像度は先にも述べたとおり720Pなので、リモートプレイで映しだされている画面は、PS4と同等とはいえないが、それでもかなりくっきりと表示されており、大きな差を感じることはなかった。また、プレイに関しても遅延はほとんど感じられず、快適にプレイできた。

『PS Vita TV』
▲自室にあるPS Vita TVから居間にあるPS4にアクセスし、PS4のゲームをそのまま自室でプレイする、友人の家にPS Vita TVを持って行き、そこから自宅のPS4にアクセスしてゲームをプレイするなど、このリモートプレイでは新たな遊び方の一端を感じることができた。

●『torne PlayStation Vita TV』で、PS Vita TVとnasneを連携!

 PS Vita TVの発売日に配信される『torne PlayStation Vita TV』は、PS Vita TVにインストールすることで、ネットワークレコーダー『nasne』に保存された番組を、PS Vita TVに接続したディスプレイで楽しめるというアプリだ。

 このアプリは、現在配信中の『torne PlayStation Vita』と比較すると、“おでかけ転送”などの書き出し機能がないこと以外、内容自体はほぼ同じ。そして大画面のテレビで見たときに見やすくなるように、解像度も720Pにアップしている。

『PS Vita TV』 『PS Vita TV』 『PS Vita TV』
▲ネットワーク上にnasneがあれば、このアプリを起動して簡単な設定を行うだけですぐに利用可能。操作感覚はPS3でtorneの操作をしているときと同様に快適で、サクサク動いてくれる。

 なお操作感に関しては大きな差を感じることはほとんどなく、これまでどおりに操作可能だ。ちなみにこのアプリは、通常は800円(税込)だが、11月14日から1月15日までは期間限定で無料配信されている。PS Vita TVを購入していなくともDLは可能なので、将来のことも考えて配信されたら忘れずにDLしておくといいだろう。

●ビデオ配信サービスなどのコンテンツサービスも体験してみた!

 PS Vita TVは、各種ビデオ配信サービスにも対応している。現在対応しているサービスは、DMM.com、Hulu、niconico、TBS世界遺産コレクション、スカパー! オンデマンド、テレビドガッチなど。これらはサービスごとのアプリをPSストアからダウンロードして、PS Vita TVにインストールすることで利用できるようだ。ただ料金体系はまだ詳細が未定とのことで、情報が判明次第改めて紹介していく予定だ。

『PS Vita TV』 『PS Vita TV』 『PS Vita TV』
▲DMM.com ▲TBS世界遺産コレクション ▲TSUTATA TV
『PS Vita TV』 『PS Vita TV』
▲スカパー! オンデマンド ▲テレビドガッチ

 他にも、カラオケ用の配信サービス“JOYSOUND”やラジオアプリ“radiko”、電子書籍リーダアプリ“Reader”などにも対応。“JOYSOUND”はUSBマイクをPS Vita TVに接続して、カラオケを楽しむことができる。

『PS Vita TV』 『PS Vita TV』 『PS Vita TV』
▲JOYSOUND ▲radiko ▲Reader

データ

▼『PS Vita TV』
■メーカー:SCE
■型番:VTE-1000 AB01
■発売日:2013年11月14日
■希望小売価格:9,954円(税込)
▼『PS Vita TV Value Pack』
■メーカー:SCE
■型番:VTE-1000 AA01
■発売日:2013年11月14日
■希望小売価格:14,994円(税込)

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