『コール オブ デューティ ゴースト』発売直前レビュー！ 戦術の幅が広がる軍用犬・ライリーとの連携に注目

文：イトヤン

　世界的な人気を誇るミリタリーFPSシリーズの最新作、PS4/PS3/Wii U/Xbox One/Xbox 360/PC用ソフト『コール オブ デューティ ゴースト』が、スクウェア・エニックスよりリリースされます。このうちPS3/Wii U/Xbox 360/PCの字幕版は、11月14日に発売されますが、今回はPS3の字幕版に、いち早く触れる機会を得ることができました。そこでFPS好きのライターである私・イトヤンが、キャンペーン序盤をプレイしたレポート＆レビューをお届けします。

■新たなストーリーが繰り広げられる本作では、シリーズ初の宇宙での戦闘も発生!?

　『コール オブ デューティ』（以下、CoD）のファンの方なら、ここ数年は『モダン・ウォーフェア』と『ブラックオプス』という2つのシリーズが、毎年交互に発売されていたことをご存じでしょう。ところが今回の『CoD ゴースト』では、『モダン・ウォーフェア』シリーズを制作してきたInfinity Wardによって、これまでとは異なる新しい世界観、新しいストーリーの物語が生み出されています。キャンペーンのプロローグでは、本作ならではのまったく新たな世界観が明らかにされています。

　キャンペーンの主人公となるのは、ローガン・ウォーカーという名前の青年です。ローガンは兄のヘッシュとともに、軍人である父イライアスが森の中で語る“伝説”に耳を傾けています。幻の精鋭部隊“ゴースト”についてイライアスが語り終えると、親子3人は自宅へと向かいますが、その途中で突如、町が燃え上がり、地面が引き裂かれるという天変地異に遭遇します。

▲主人公ローガンの父イライアス（写真左）と、兄のヘッシュ（写真右）。父親はどうやら軍人らしく、ゴースト部隊やオーディンといった、普通の民間人が知らないはずの知識を持っています。

▲親子3人の前で、突如として建物が燃え上がり、地面が裂ける事態が発生。この惨劇が、すべての始まりとなるのです。

　ここで場面が切り替わり、青い地球を見下ろす衛星軌道上に浮かぶ、宇宙ステーションが映し出されます。アメリカが所有する戦略衛星“オーディン”の内部に敵が侵入し、搭載された兵器のコントロールを奪って、地上を攻撃し始めたのです。ウォーカー親子が遭遇した天変地異は、このオーディンによる攻撃だったのです！

　この場面では、オーディンのクルーの1人として、侵入した敵と戦うことになります。宇宙空間の無重力状態の中で銃撃戦を繰り広げるという、『CoD』史上初のシチュエーションを体験することができるのです。時間としては短いものですが、フワフワと漂うように移動しながら戦うのは、なんとも新鮮な感覚でした。

▲アメリカの戦略衛星“オーディン”。この場面では、プレイヤーはこの宇宙ステーションで働くクルーの1人を操作することで、シリーズ初の宇宙空間を体験できます。

▲オーディン内部に侵入してきた敵と、無重力状態での銃撃戦を戦うことに。血しぶきが小さな球形になって飛び散るといった表現も、実にリアルな感じです。

▲敵にコントロールを奪われたオーディンは、地上の都市を攻撃します。地上で災厄に襲われるローガンたちと、宇宙空間での戦闘が1つにつながって、壮大なスケールを感じさせてくれる場面です。

　ここで本作のグラフィックについて触れておきましょう。本作は次世代機であるPS4/Xbox Oneでも発売されるということで、グラフィックエンジンはシリーズの過去作品と異なる、まったく新しいものになっているそうです。そのため建物や森の木々、そして宇宙ステーションの構造物といった細部のディテールが非常に細かく表現されており、リアリティが格段にアップしています。

　また、山の坂道や崩壊した建物の段差といったフィールドの高低差の部分は、かなり力を入れて表現されていると感じました。もう1つ、特に目を引くのが人物の表情です。会話場面などでじっくり観察すると、さすがに生身の人間との違いを感じますが、パッと見た瞬間ではまるで写真のようで、思わずハッ！　としてしまうほどの生々しさになっています。

　さて、キャンペーンのストーリーに戻りましょう。オーディンに侵入して地上を攻撃したのは、“連邦軍”と呼ばれている組織です。この組織は南アメリカを1つの旗のもとに統一し、オーディンによる攻撃を皮切りに、アメリカへの侵略を開始しました。生き残ったアメリカの人々は、廃墟の中で連邦軍との戦いを続けてきたのです。

▲災厄から10年後、ローガンたち兄弟は、生存した人々を連邦軍から守る兵士となっていました。2人と一緒にいるのが、本作のマスコット的存在でもある軍用犬のライリーです。

　物語が本格的にスタートするのは、オーディンの攻撃から10年が経過した時代です。ローガンとヘッシュの兄弟は兵士となって、連邦軍の侵入を防いでいる巨大な壁の警戒にあたっています。その巨大な壁の彼方に見える山の看板から、壁のある廃墟がかつての大都市であるロサンゼルスの中心部だとわかるのです……。

▲有名なハリウッドの看板が遠くに見えることからわかるように、この場所はかつて繁栄を誇ったロサンゼルスの廃墟です。現在は連邦軍の侵略から人々を守るための、巨大な壁が建設されています。

　このように本作では、アメリカの国土が破壊され、軍事的にも弱体化した状態で敵と戦うという、これまでの『CoD』とは大きく異なる状況設定で、物語が展開されていきます。次のページでは、ローガンとヘッシュの兄弟に、本作の中で最も注目の“兵士”である軍用犬のライリーが加わったチームによる、本格的な戦闘をチェックしてみましょう！　

→頼れる相棒・ライリーの愛らしさに注目！（2ページ目へ）

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