News

2013年11月15日(金)

『ガルパン』戦車を『World of Tanks』でも使いたい! 大洗女子学園の戦車はゲームでどんな性能に!? 【めざせ! 戦車道免許皆伝 第7回】

文:田中尚道

■ドイツで最多生産数を誇った装甲戦闘車両【StuG III】(Tier V)

『World of Tanks』 『World of Tanks』

 “カバさんチーム”(歴女チーム)が乗るのが、III号突撃砲こと【StuG III】。通称、“III突”ですね。III号戦車の火力不足から、砲塔を廃して、長砲身の5.0cm砲や長砲身の7.5cm砲を積んだ突撃砲です。さて、ここで初めて出てくる突撃砲という言葉。何かと言えば、要は『WoT』で言うところの駆逐戦車とほぼ同じものです。では、なぜ名前が違うのか? 駆逐戦車は機甲部隊所属なのに対して、突撃砲は砲兵部隊所属なのです。駆逐戦車が戦車の火力支援を主に行うのに対し、突撃砲は歩兵の火力支援を行うものとなっています。まぁ、管轄の違いですね。III号戦車を歩兵の直協(直接協力)車両として改修したわけですが、歩兵支援車だったⅣ号が対戦車車両に改修されたのと逆に、対戦車車両が歩兵支援車両になったのです。

『World of Tanks』
▲車体前面の“VENI, VIDI, VICI”(来た、見た、勝った)の銘刻。これ、迷彩パターンの1バージョンとして欲しいですね。『WoT』にも実装されないものでしょうか。

 派生型まで含めて、およそ10,500両が生産されたIII号突撃砲は、第二次世界大戦のドイツ軍装甲戦闘車両の中でも、最多の生産数を誇ります。砲兵科扱いだったので、歩兵の支援要請で火力支援を行うのが主な役割でした。歩兵にとって、戦車部隊は少々取っ付きづらく、一緒に進んで目の前の敵を粉砕してくれる突撃砲は、より親しみやすく信頼できる戦友だったようです。

『World of Tanks』
▲オットー・カリウスと並ぶ戦車戦のエースだった“ミヒャエル・ヴィットマン”。生涯に138両の戦車を破壊したとされる彼も、東部戦線ではIII突の車長でした。砲兵科出身なのに、戦線から突出するクセがあったとか。連携を重視したカリウスと対称的です。ちなみに、『WoT』の勲章に彼の名を冠したものはありません。

●『WoT』での【StuG III】

 前回紹介した【Hetzer】(ヘッツァー)の上位互換車両なので、戦い方は基本的に同じです。搭載砲もヘッツァーと同じく“7.5cm Pak 42/70”。装甲だけは、ヘッツァーより厚くなっています。ただ、Tierが上がったことに伴い、相手の装甲も厚くなっているので、さらに近くに寄らないと正面装甲を貫通できません。左右に布陣する味方と連携して、なるべく敵の側面、あるいは背面を狙いましょう。むろん、撃ち合いに向かないのも一緒です。装甲が厚くなっているとはいえ、敵の砲の貫徹力はそれ以上に向上しています。撃ったらすぐ逃げることを、くれぐれもお忘れなく。

■対戦車戦車の一歩手前の【Type 3 Chi-Nu Kai】(Tier V)

『World of Tanks』

 “アリクイさんチーム”(ネトゲチーム)の戦車は、日本陸軍の三式中戦車(チヌ車)。『WoT』では、【Type 3 Chi-Nu Kai】として登場しています。第二次世界大戦のさなか、東南アジアの南方戦線でアメリカ軍のM3軽戦車と戦うようになると、九七式中戦車(チハ車)の威力不足がどうにもならなくなります。九七式中戦車が採用された皇紀2597年って、西暦で言うと1937年ですから、物持ちがよすぎでしょう。

 あわてて、装甲貫徹力の増した新砲塔を搭載したチハ車と、一式中戦車(チヘ車)を実用化して、なんとか対抗できるようになったと思ったら、今度はアメリカ軍がM4中戦車を大量配備(戦車開発の後進国より遅れていた日本軍の戦車開発……)。そこで、とりあえずM4をなんとかしようと開発されたのが、三式中戦車でした。本当は、ちゃんとした対戦車戦車である四式中戦車(チト)とか、五式中戦車(チリ)を開発していたのですが、まったく間に合わず、仕方なく一式中戦車の車体に三式七糎半(7.5cm)戦車砲II型を搭載して、三式中戦車としました。

『World of Tanks』

 三式戦車が“チヌ”なのは、四式や五式よりも後発の開発プランだったからです。元々が「軽戦車に勝てればいいや」くらいの、一式戦車の砲塔強化バリエーションですから、装甲は紙同然。かつ避弾経始も考慮されていません。また一部の装甲はリベット留めと、防御を捨てる日本軍の設計思想がこんなところにも表れている始末です。

 車重も18.8tと、日本軍戦車としては重く、機動戦闘は不向き。なので、歩兵が進軍している時に敵戦車と遭遇したら、陣地から出てきてこれに逆襲するという運用方法が計画されていました。なんだか、マジノ線にこもっているフランスのB1戦車のイメージとかぶります。ちなみに、正面装甲は50mmで、B1よりさらに薄い……。また機動戦闘に向かないので、塹壕を掘って、砲だけ上に出して駆逐戦車のように運用する案もあったようです。最終的に、本土決戦用に温存されたため、外地に派遣されることはなく終戦となりました。あわてて作ったけど、結局使わなかったわけです。うーん。

●『WoT』での【Type 3 Chi-Nu Kai】

 つい先日のアップデートで、プレミアム戦車として登場したばかりの【Type 3 Chi-Nu Kai】(ギフトショップにて購入可能)。これは、三式中戦車のサスペンションと搭載砲を、四式中戦車で使用予定だったものに変えた車両です。三式と偉そうに名乗っていますが、一式中戦車の砲塔を変更したした三式中戦車をさらに強化した、一式中戦車のバリエーションの1つと言えるでしょう。

『World of Tanks』
▲各国戦車の中でも命中精度に優れるドイツ軍の戦車砲と比べても、さらに優れた【Type 3 Chi-Nu Kai】の命中精度。装甲貫徹力も、中戦車としては大変優秀です。

 先ほど、前面装甲は50mmと書きましたが、これはTier Vの中では軽戦車級。ですから、「撃ち合っちゃダメ、絶対!」とコメントさせていただきます。しかも、軽戦車のような機動力もありません。とりえあえず、旋回砲塔の乗っかった駆逐戦車くらいに考えておきましょう。砲の威力と命中精度だけは、同Tierの戦車と比べて優れた点となっています。このメリットを生かして、ロングレンジからの撃ち合いに活路を見出してください。

『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲『WoT』で初めて登場した日本兵。各国の戦車は、その国々の特色に合わせてスキル/パークを補正するアイテムを装備できますが、日本軍の場合は“おにぎり”。この細かなコダワリは、さすがのヒトコト!

→ポルシェ博士の奇抜なアイデアから生まれた【Tiger(P)】!?(3ページ目へ)

(C) Wargaming.net
(C) GIRLS und PANZER Projekt

データ

▼『World of Tanks(ワールド オブ タンクス)』
■メーカー:ウォーゲーミングジャパン
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月5日
■価格:無料(アイテム課金)

関連サイト