2013年12月13日(金)
バンダイナムコゲームスは、同社の人気RPG『テイルズ オブ』シリーズの最新作として、PS3用ソフト『テイルズ オブ ゼスティリア』を12月12日に発表した。
▲2015年は『テイルズ オブ』シリーズ20周年にあたる。 |
『テイルズ オブ ゼスティリア』は、『テイルズ オブ』シリーズ20周年記念タイトルと銘打った作品。2つの強国が支配権を争う大陸・グリンウッドを舞台に、ゼスティリアの“Zest”が意味する情熱・熱意が伝わる豊かな物語が描かれるという。
本作の発表が行われた“『テイルズ オブ』シリーズ20周年記念タイトル制作発表会”では、20周年記念タイトルのプロデューサーを務めるバンダイナムコスタジオの馬場英雄さんなどが登場し、本作に関する説明などを行った。ここではその様子をお伝えする。
▲発表会は、東京・お台場にあるコルトーナ東京にて開催された。結婚式場として使われるスペースだ。 |
▲バンダイナムコゲームス代表取締役社長の大下聡氏。 |
まずステージに登場したのは、バンダイナムコゲームス代表取締役社長の大下 聡氏。大下氏は『テイルズ オブ』シリーズが1995年の登場以来、現在に至るまでに全世界で1,600万本販売していることを告げた。
本シリーズは、ゲームだけでなくモバイルコンテンツやアニメなど、幅広く展開するIPに成長しているとコメント。初代からシリーズを楽しんでいるファンにとっては、自らの子どもとも一緒に楽しめるといった、世代をこえて愛されるコンテンツとして育てていきたいと語った。
続いて、SCEJAプレジデント河野 弘氏からのビデオレターが流された。
▲SCEJAプレジデントの河野 弘氏。 |
PSフォーマットとしては、1997年に『テイルズ オブ デスティニー』が登場したのを皮切りに、PS2では『テイルズ オブ デスティニー2』や『テイルズ オブ ジ アビス』など、シリーズの根幹を紡ぐタイトルが登場。PS3でも『テイルズ オブ ヴェスペリア』、『テイルズ オブ エクシリア』といったタイトルが発売されるなど、多くのシリーズ作品がPSフォーマットにて発売されたとコメント。
▲PSで発売された『テイルズ オブ デスティニー』。 | ▲PS2で発売された『テイルズ オブ デスティニー2』。 |
▲PS3で2012年11月に発売された『テイルズ オブ エクシリア2』。 |
ワールドワイドで展開する日本のコンテンツとして、PSフォーマットとともにますます進化して、世界のファンに喜んでもらえるようなタイトルになっていくことを期待していると語った。
次に登場したのは20周年記念タイトルのプロデューサーを務める馬場英雄さん。「ようやくこの時がやってきた」と語る馬場さんのもと、プロモーション動画が流れると、さまざまなシーンとともに最新作『テイルズ オブ ゼスティリア』のロゴが大きく表示された。
本作のタイトルになっている『ゼスティリア』は、“ZEST”という言葉が元になっており、情熱や熱意といったテーマが本作の根幹となっているとのこと。何かを成し得る時に必要なものとしての熱意をキャラクターを通して表現していくという。
また、20周年記念タイトルとして“原点回帰”もキーワードの1つとして挙げた。15周年記念タイトルの『テイルズ オブ エクシリア』でも、この原点回帰は追求されてきたが、今作では“物語”が原点回帰のポイントとのこと。豊かな物語として、キャラクター性、そしてメッセージを伝える道徳性といったものを作品に込めているという。
続いて、本作のキャラクターデザインについても公開された。『テイルズ オブ エクシリア』では、藤島康介さんといのまたむつみさんの2人がダブル主人公としてデザインを担当した経緯があるが、今作ではなんと4人がキャラクターデザインを担当した。
前述の2人に加えて、『テイルズ オブ エクシリア2』などでキャラクターデザインを担当した奥村大悟さん、『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』などでキャラクターデザインを担当した岩本稔さんが参加する。なお、岩本さんは今作のアートディレクターも務めているとのこと。
馬場さんはキャラクターデザインを4人が担当することについて、「『エクシリア』では藤島先生といのまた先生のお2人と仕事をご一緒させていただいて、とてもいいものができました。今回もとても大変でしたが、とてもいい仕上がりになっていますのでご期待ください」と語った。
今回公開されたキャラクターは、本作の主人公にあたるスレイと、スレイとともに冒険をするアリーシャの2人。
▲主人公のスレイ | ▲スレイと冒険をしていくアリーシャ。 |
スレイは自分の置かれている場面の状況にて思考力を発揮し、自分が何をすべきなのか、自分が何をしなければいけないのか、といったことを考えていくようなキャラクターだという。一方のアリーシャは、騎士という役割を自ら全うしているようなキャラクターだ。彼女がなぜ騎士という役割を選んだのか、彼女の生きる目的とは何なのか。「スレイとの冒険の中で彼女がどのように成長していくのかを注目してほしい」と馬場さんは述べた。
▲ゲーム中の画面写真。 |
続いて話題は本作の世界背景について。本作は、グリンウッドと呼ばれる大陸が舞台となり、ハイランド王国とローランス帝国という2つの強国が支配権を争っている。また、2国以外にも“天族”と呼ばれる人間には見えない、触ることもできない神秘の存在がある。この天族がさまざまな自然現象を起こしていると伝えられており、作品内では天族とのかかわりによって世界がどのように変化していくのか、などが語られるとのこと。
次に明かされたのは、冒険の舞台となるフィールドについて。今作では従来作とは異なるフィールド表現が用いられているという。従来作のフィールドはどちらかというと平坦なグラフィック表現がされていたが、今作では起伏のあるフィールド表現がされているとのこと。
馬場さんはフィールドについて「RPGにはとても大切なもので、冒険感をくすぐり、冒険をしたくなるフィールドは大事」とコメントした。
続いて、本作のバトルシステムや会場で流されたPVで登場したドラゴンについての紹介が行われた。バトルシステムは、従来と同じくリニアモーションバトルシステム(LMBS)を採用するが、正式名称についてはまだ明かされなかった。従来作でユーザーからの評判がよかったものをベースに、これまでとはまた異なる遊び方ができるようなシステムを開発中とのこと。馬場さんはこのバトルシステムについて「皆さんが想像するその上を行けるようなものをお届けしていきたい」と語った。
一方のドラゴンについては、ロゴにも描かれていることから本作の象徴となる存在であることがわかった。ドラゴンに焦点を当てた作品は従来シリーズにはなかったが、馬場さんによるとデザインやイベントチームに「細かく注文をいれている」とのこと。
『テイルズ オブ』シリーズで欠かせない要素といえば、アニメーション。このアニメーションを制作するのはアニメ制作会社・ufotableであることが発表された。
▲アニメーション制作を担当するのはufotable。ufotableによるキャラ表も公開。 |
ufotable代表取締役社長の近藤 光氏がステージに登場。近藤氏は「『テイルズ オブ シンフォニア』からシリーズにかかわらせていただいて、スタッフも思い入れの強いシリーズになっています。20周年ということで声をかけていただいて、また社内が引き締まりました」と意気込みを語った。
▲馬場プロデューサー(左)と近藤社長(右)。 |
次に公開されたのは、今回発表された2人のキャラクターの声優について。スレイの声を演じるのは木村良平さん、アリーシャの声を演じるのは茅野愛衣さんと発表され、2人がステージに登場した。
木村さんは10代の頃にプレイしていた『テイルズ オブ』シリーズに出演できることに対する喜びを語り、「シリーズの世界を作っていけるのはうれしい」とコメントした。馬場さんは『テイルズ オブ』シリーズの主人公を演じるということについて、これから現場で歴代の主人公役から「いじられる」かもしれないと笑顔で木村さんに話していた。
茅野さんも「ストーリーの一部になれるのはうれしい」と語り、収録も木村さんを含め出演者を揃えて一緒に行うことが多かったので心強かったとコメントした。
最後に馬場さんは、2015年に20周年を迎える『テイルズ オブ』シリーズについて、「長い間支えてくださっている皆様、ファンの皆様によってここまで続けていくことができています。スタッフ1人1人が本作に思いを込めてがんばっています。皆さんの期待に応えられるような楽しく、新しい体験ができるゲームになるように作っています。また、さらなる一歩ということも踏まえてお届けいたします」と語り、発表会を締めくくった。
(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)NAMCO BANDAI Games Inc.
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