2014年1月8日(水)
こんにちは、電撃オンラインのカネキングです。電撃オンラインでは、ファンによる投票で2013年のベストゲームを決める“電撃オンラインアワード2013”を開催中です。そこで今回は、2013年の記憶に残る1本として、8月29日に発売されたPS3用ソフト『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル(以下、ジョジョASB)』を紹介したいと思います。
『ジョジョASB』は、大人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』の登場キャラクターたちが多数登場して戦いを繰り広げる対戦アクションゲーム。コミックからそのまま飛び出して来たようなすばらしいグラフィックや、大量に用意された勝利&挑発台詞など、『ジョジョ』ファンを燃え尽きるほどヒートさせるこだわり抜かれたゲームになっています。
▲ビジュアル面のこだわりと、セリフや衣装などの“物量”はとにかくハンパないです。 |
それでは本作の魅力を語っていきましょう。僕はこのゲーム、まず対戦格闘ゲームとして非常に楽しんでいます。どのくらい楽しんでいるかというと、9月21日に行われた東京ゲームショウでのゲーム大会に、一般枠で出場するぐらいです(笑)。動画の配信を見てくれていた人たちに、少しでもこのゲームのよさが伝わればと思って頑張りました。結果は自分でも驚きの準優勝となったのですが、いろいろな知人から「『ジョジョASB』をやってみたくなった」と言ってもらえたことが、本当にうれしかったです。
▲TCGの決勝戦の様子。決勝で戦った相手は相当やり込んでいたようで、舞台裏でも濃い情報の交換ができたのを覚えています。やっぱり格闘ゲームは、対戦が楽しいですね。 |
対戦格闘ゲームとしては非常にシンプルな作りで、2D対戦格闘ゲームに軸移動の概念が追加されたような形です。システム自体はオーソドックスなのですが、波紋やスタンドなど、キャラクターによって操作感は大きく異なっているので、やり込み甲斐があるんです。
そしてキャラクター数は、ダウンロードコンテンツを合わせて全41体。1作目とは思えない大ボリュームです。完全新作のタイトルだと、使えるキャラって大体20キャラ前後だと思うんですよね。しかも、これだけキャラクターがいながら、いわゆる“コンパチキャラ”や、モーションの使い回しなどは存在しません。「どのキャラも手抜きをせず作り込むぞ」というこだわりを感じます。(唯一似ているのは川尻浩作と吉良吉影ですが、これは設定上似ていて当然かなと)
▲多彩なキャラクターも本作の魅力。スタンドや騎乗スタイルのキャラクターは、モードが切り替わると技も変化するので、この使い分けもポイントになります。 |
▲もう慣れてしまっていますが、馬に乗ったキャラクターがいる時点で何かがおかしいと思うんですよこのゲーム(笑)。しかもちゃんと対戦が成立してるし。 |
コンボもシステムも、極端に難しいものはあまりなく、基本的なコンボと立ち回りを覚えれば、すぐに対戦を楽しめます。このとっつきやすさも魅力ですね。初心者には、ボタン連打で攻撃がつながる“イージービート”というシステムもありますし、もっとも攻撃力の高い技“グレートヒートアタック(GHA)”も全キャラ共通してワンボタンで出せます。格闘ゲームとしての敷居は非常に低いと言えるでしょう。
発売直後、本作は永久コンボが発見され騒がれましたが、実際には難しかったり、ステージギミックに阻まれたり、キャラクター限定コンボだったりするので、目くじらを立てるほどの問題はありませんでした(もちろん、ないに越したことはないのですが)。プレイしている側としては、むしろDIOとディアボロのコンボ抜けに悩まされたものです……。
ここから3回に渡るアップデートにより、ゲームバランスがかなり改善され、現在はほとんどのキャラクターに可能性を感じるゲームになりました。もう一歩調整と修正が必要なキャラクターも確かに存在しますが、全体で見れば十分楽しめるゲームに仕上がっているかと思います。
個人的に本作のよかったところは、アップデートの際に開発スタッフがユーザーのやり込みを尊重してくれたことでした。格闘ゲームに精通したスタッフが調整に参加したというVer.1.03からは、ユーザーの間で話題になっていた、“スタイリッシュムーブ” を連続で入力するテクニックを踏まえたうえでの調整が行われました。言うなれば裏技のようなこのテクニックですが、その時点ですでに『ジョジョASB』の駆け引きの中心になっており、これありきでの対戦が行われていました。きっと調整スタッフもどうするか悩んだことでしょう……。
▲“ジョジョ立ち”で攻撃をかわす“スタイリッシュムーブ”。本作の駆け引きの軸になるシステムです。タイミングよくガードすることで発動するのですが、ガード入力を連続で入れることで簡単に狙えるテクニックが開発されました。通常のガードと異なり、ガード不能技にも有効だったり、中下段関係なく回避できたりするメリットがあります。 |
結果的にこのテクニックは削除されず残ったのですが、中下段の強力な揺さぶりやガード不能技など、他の格闘ゲームではちょっとあり得ないような強力な技を尖らせる調整が可能になったので、本作ならではの仕上がりになったかと思います。後付けにはなりますが、このスタイリッシュムーブを軸にした駆け引きこそが、“『ジョジョASB』らしさ”なのかなと。
また、Ver.1.02からは挑発を挟んだコンボなども猛威をふるっていましたが、削除せずに調整を加えてくれたところも、ユーザーへの配慮を感じました。調整に関してまだまだ不満に思う人もいるとは思いますが、最初のバージョンと比べればよくなったのではないでしょうか。本作を買った人は、とにかく対戦をやってみてください! 絶対おもしろいので。それに尽きます。対戦相手が身近にいない人は、プレイヤーマッチがオススメですよ。
(C)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
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