2014年4月8日(火)
アークシステムワークスが4月10日に発売するPS3/PS Vita用ソフト『魔都紅色幽撃隊(まとくれないゆうげきたい)』。今回は、本作に登場する白峰勇槻(声:沼豪)について、キャストインタビュー付きで紹介していく。
『魔都紅色幽撃隊』は、今井秋芳監督が手掛ける『學園ジュヴナイル伝奇』シリーズの最新作で、『東京魔人學園伝奇』『九龍妖魔學園紀』と世界観を共有する學園ジュヴナイル伝奇アドベンチャー+RPG。プロデューサーは金沢十三男さん、キャラクターデザインは倉花千夏さん、音楽はThe Key Project、OP曲は植松伸夫さんが担当している。
なお、キャストインタビュー中には、通りすがった今井監督や金沢プロデューサーから補足やツッコミ(!?)が入ることも。まだオフィシャルには公開されていない裏情報が語られていることもあるので、ぜひ開発スタッフのコメントにも注目してほしい。
「訓練や努力というのはボクの性に合わないが、仕方ない」
台東区の高校三年生でフェンシング部主将。女は人類の宝だと思っており、美しい女性を見ると声をかけずにはいられない長髪長身の色男。
時折流暢なフランス語を交えながら話す姿は、まるで少女漫画から出てきたかのように見える。
●所属:台東区聖リヴァイユ高校
●得意科目:フランス語 ●部活:フェンシング部
●出身地:島根県 ●血液型:A型
●誕生日:2月22日 ●年齢:17歳 ●身長:176cm
「ボクに会いに来たのかい?」
「このボクがキミに命じているんだ。戻ってきたまえ」
「薔薇は美しく……散るもの……だ……」
◆沼豪(ぬまっち) プロフィール
『機動戦士ガンダム』に登場するシャア・アズナブルのモノマネを得意とし、“天王寺区の赤い彗星”を自称するシャア芸人。松竹芸能に所属。趣味は『ガンダム』シリーズ鑑賞、ガンプラ収集。工作(衣装は手作り)を得意とする他、スポーツインストラクターの経験もある。
――“ゲームキャラの声優”というお仕事は初めてかと思いますが、オファーが来た時の感想を教えてください。
沼:アニメやテレビ番組などでナレーションや声をあてたことはありますが、ゲームの声優は初めてです。こんなにしっかりとしたキャラについて演技をするのは初めてですね。
ゲーム自体はファミコン時代から好きで、ゲームに声がつき始めた時には驚いたような世代ですが、そんな自分がゲームに出演させていただけるのは、すごくうれしいと思いました。
――そもそも、今井監督と知り合ったきっかけはなんだったのでしょうか?
沼:今井監督が、僕のお笑いライブを見に来てくれたことがきっかけです。ただ、最初は一般人のファンだと思ってましたし、大阪の本格中華料理屋で僕が今井さんに食事をおごっていました。
今井:本格中華料理屋って、チェーン店だったじゃないですか(笑)。
沼:いやあ、正直、ゲームのクリエイターという自己紹介もうさんくさいと思っていたんですが(笑)。まさか、こんなにすごい人とは。
『東京魔人學園伝奇』シリーズというゲームがあることは知っていましたが、本当にそれを作った本人ということで驚きましたね。
自分としても異業種の方と知り合うのは刺激があって楽しいんですが、おそらく今井監督的にも、そういう刺激の部分を期待して僕を声優に起用したんだと思っています。
――実際に録音に挑戦してみて、いかがでしたか?
沼:今回、白峰勇槻というキャラを演じたんですけど……ぶっちゃけ、僕はこのキャラのことが嫌いなんですよね(笑)。
――いきなり問題発言ですね(笑)。
沼:いやいや、同性である男から見たら、こんなキャラはいけすかないでしょう(笑)。
――ああ、たしかに男としては、ちょっとキザでイケメンで、いけすかないですね。
沼:自分としては、こういう完璧な男にはなかなかなれないので、強い嫉妬を感じます。そんな嫉妬のせいか、ちょっと意地悪な演技になってしまって、今井監督から指摘を受けた場面がありました。
今井:「お前は何年、声優をやってるんだ!」と、厳しく注意しました(笑)。
沼:いやいや、そんなことは言ってなかったじゃないですか。優しく指導してくれたじゃないですか(笑)。
――初めて白峰というキャラを見た時と演じた後で、印象が変わった部分などはありましたか?
沼:実は、本当に初めて白峰を見たのは何年も前にまだ開発が本格化する前の時で、その時は髪がロン毛だった覚えがあります。ただ、その時から薔薇を持っていた気がしますね。
キャラを見た時の印象として、ホストや王子様的な部分も感じましたが、個人的には人を平気で傷つけることができる冷たい男だと感じました。彼はどんな育ち方をしたのかと考えた時、もしかして両親がいないんじゃないかと。
フランス語を得意としていることからも、フランスで暮らしていて日本に戻ってきた帰国子女的なイメージがありますし、決して明るい家族環境ではないはずだと分析し、そういう妄想も含めて演技に生かそうと思いました。
――なるほど。白峰はそういう複雑な家族環境で育ったキャラなんですね……って、そのへんは全部沼豪さんの妄想なんですか!? まぎらわしい!
沼:妄想は大事ですよ。そうやって考えることがおもしろいんです。
――たしかに、そういう妄想力は大事かもしれませんね。話を戻して、今回の演技の際に印象に残っていることはなんですか?
沼:白峰はセリフの中で「ボンジュール」など、フランス語を使うキャラなので、どうしようかちょっと悩みました。僕らの世代では、おフランスと聞くと「シェー!」のようなイメージもありますし(笑)。
でも、今は便利な世の中になりまして、スマホにフランス語の翻訳アプリがあったですね。これで発音を調べたら、あまりに本格的というか、普段の生活で使わないような発音ばかりだったので、さらに悩んでしまいましたが(笑)。
――演技の際に苦労した部分はありましたか?
沼:ゲームならではの部分だと思うんですけど、物語の流れの中でキャラやセリフを演じるのではなく、シーンごとに次々と異なる心情で演じ分けないといけない部分が大変でしたね。日常の中でのやりとりを収録した次の瞬間には激しいバトル中のセリフを演じて、また次には別の場面を演じないといけない……なんてことがあるので、瞬時の切り替えが難しかったです。
そういう意味では、自分的にちょっと不安な部分もあるので、実際にゲームが発売されて、自分の声を聞いたら、「もっとこうすればよかった!」と反省するかもしれません。
――沼豪さんと聞くと、シャアの声マネでなじみがある低くて渋い声での演技になるのかと思っていましたが、実際には王子様系の高くて軽い声で白峰を演じていて、そのギャップにビックリしました。しかもいい感じで、かなりハマり役だと感じました。
沼:そう言っていただけるとホッとしますし、本当にありがとうございます。リハーサルの時には、そういう低めの声も出してみたんですけど、キャラの年齢的にもっと若い声にしてほしいと指導を受けました。
――今井監督的に、沼豪さんの演技はどうでしたか?
今井:かなりうまかったですよ。ちゃんと声で“演技”ができているなと感じました。
――ちなみに、ダメージを受けた時のセリフを収録する時、やたらと気合が入っていたようでしたが、あれはなぜでしょうか?
沼:個人的に対戦格闘ゲームの印象が強いんですけど、バトル中の掛け声やダメージを受けた時の声って印象に残るじゃないですか。なので、ああいう声を演じると、「ああ、自分はゲームの声優をやってるんだな」と強く実感できる部分がありまして。
収録中は何度かリテイクを受けましたが、ダメージを受けた時のセリフだけはバッチリと一発OKでしたね(笑)。
――今回、夕隙社というオカルト系出版社が登場しますが、オカルト的な出来事に出会ったことはありますか?
沼:僕はけっこう霊感があるほうで、霊は確実にいると思うんですよ。人間が死んだ後、お墓に埋葬したりしますけど、どこかにその人の存在が残っていてほしいなと感じる部分があるじゃないですか。そういう気持ちが人の生きる望みや支えになったりするわけで……。
今井:そんなイイ話はいらないから(笑)。芸人的にもっと笑える話を求められてるんですよ、きっと。
沼:邪魔しないで(笑)。
今井:あれは名古屋の時の話ですわ。ライブ中に突然、霊が降りてきて……なんて、スピリチュアル芸人的な話をしてくださいよ(笑)。
沼:いやいや(笑)。ええと、そんなこんなで、自分はお墓をめぐるのが好きなんですよ。幕末の偉人たちのお墓をめぐっていた時期があるんですけど、そうしたら自分の部屋で不思議なことが起こったんです。
深夜3時くらいの話です。トントントントンと外の階段をのぼるような音がして……うちは玄関に暖簾(のれん)があって上半身は見えないんですけど、なんだか袴をはいている人の姿が……。
今井:それでよく見たら、その人たちが「トリック・オア・トリート!」って言ってきて、実はハロウィンでコスプレをした人たちでしたっていうのがオチなんですけどね。
沼:いやいや、お笑いじゃなくてオカルトな話をしているんですよ。だから、うちにはきっと坂本竜馬さんの幽霊がいるんじゃないかと……。あれ、インタビュアーさんが黙っちゃったけど、大丈夫ですか?
――ああ、えっと、いろいろと話がすごくて、ついていけず……。
今井:大丈夫です。これは無言芸ですから。沼豪さんはライブ会場でもお客さんを沈黙させることがありますから(笑)。
沼:そうそう、「あいつら、黙らせてやったわ!」って、やかましいわ(笑)。
ええと、なんでしたっけ、だから自分的には霊は怖い存在ではないんですよという話です。
――な、なるほど。ちなみに白峰は、女性の霊しか相手にせず、女性であれば霊であっても口説くそうなので、霊が怖くないという意味では沼豪さんと白峰さんは共通しているのかもしれませんね。
沼:ああ、それはちょうどよかったです。まとまりましたね。
――……なんだか、自分も何を言っているのか、よくわからなくなってきましたが(笑)。さておき、ご自身が演じたキャラクター以外で気になるキャラクターは誰ですか?
▲小菅春吉(声:関口英司)。 |
沼:小菅春吉くんが気になりますね。18歳くらいでこの中年じみた体格ということは、食べて寝ているばかりで、本当に何もしていないと思うんですよ。普通、この歳でここまでお腹が出ないでしょう。
おそらく、春吉くんは夕隙社で一番弱いでしょうね。最初は何もしないし、できないけど、とあることをきっかけに覚醒して成長する……気がします。
今井:また、勝手にキャラ設定を作っちゃって(笑)。
沼:オカマの双子(華山竹・梅)もいるんですね。オカマと聞くと『毎度おさわがせします』を思い出しちゃいますね。すごいです(笑)。
あとは……久伎千草が気になりますね。なんだか、白峰とキャラがかぶっているような?
今井:久伎はクールというよりも少年っぽいイメージです。白峰はキザなキャラなので、かぶってないですよ。
▲華山竹(声:坪井智浩)&梅(声:浜田賢二)。 | ▲久伎千草(声:竹葉佑実子)。 |
――最後に、本作に期待するユーザーに向けてメッセージをお願いします。
沼:僕は『魔都紅色幽撃隊』の開発が本格化する前から今井監督に話を聞いていたので、いよいよその完成が近づいてきたのを見て感慨深いものがあります。かなり長い時間をかけた大きなプロジェクトなので、僕自身もしっかりとした演技をしてお役に立ちたいし、力になりたいと思っているゲームです。
ゲーム好きの皆さんにとっても、きっと気になるキャラクターが見つかるゲームだと思っているのでオススメです。オカマからナイスバディな美女まで、本当にいろいろなキャラクターが登場するゲームですので。その中でもぜひ、白峰を好きになってもらえるとうれしいですね。……ただ、声を演じた僕を見て、イメージと違うとがっかりしないでほしいところですけど(笑)。
それから、“幽撃隊”という言葉のイメージって、かっこいいですよね。幽霊=ゴーストを倒すっていうのは、男の子的にあこがれの部分があると思うんですよ。『うしろの百太郎』とか『悪魔くん』とか、幽霊や妖怪といった、見えない敵に立ち向かうシチュエーションって燃えますからね。そういうバトル部分や、現実の社会を舞台にしたリアリティがある部分も、このゲームの魅力だと思います。
▼『魔都紅色幽撃隊』キャラ名鑑:ページリンク▼ |
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白峰勇槻(声:沼豪) |
(C) ARC SYSTEM WORKS/TOYBOX Inc.
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