『統率者2013』のプレゼントもあり！ 1度遊んでもらいたい『マジック：ザ・ギャザリング』の“統率者戦”のプレイ映像をお届け

文：カワカミ雁々

■『統率者2013』デッキ解説その3：『精神掌握』デッキ■

　『精神掌握』は、青黒赤の3色で組まれたデッキで《ネファリアの災い魔、ジェリーヴァ》、《精神破壊者、ネクサル》、《スラクジムンダール》のいずれかから統率者を選べます。デッキの方向性としては、クリーチャーよりもインスタントやソーサリーに比重をおいていて、それらの呪文で戦場をコントロールしていきます。このデッキもあまり自分から攻めることはせず、自分を攻撃する相手に対して除去などで対応しつつ、弱った相手を着実に刈り取っていくという戦略になるでしょう。

　統率者は《ネファリアの災い魔、ジェリーヴァ》、《精神破壊者、ネクサル》、《スラクジムンダール》の三者どれもが違った方向性の強さを持っているため、好みで選んでいいのではないでしょうか。ジェリーヴァなら呪文に特化した待ちの戦術を取ることになりますし、ネクサルなら全員が潤沢な手札を持つのでダイナミックなゲームが期待できます。《スラクジムンダール》ならその除去能力で戦場を荒らしまくることになるでしょう。

　ただ、どの統率者を選んた場合も、このデッキでは自分より弱った相手を作り出し、そちらに攻撃が向くよう誘導することが重要になります。除去が豊富にあるため、1人から集中攻撃されても十分に耐えられますが、クリーチャーが貧弱なこともあり、複数のプレイヤーに狙われてはひとたまりもありません。なので、自分を含めてすべてのプレイヤーが均等に弱体化していくように仕向け、最後の一瞬で差しきることを狙うといいでしょう。

　継続的にダメージを与えるカードが多めに入っているため、全員のライフが危険水域になって動けない状態こそが、このデッキが有利に戦える時間となります。では続いて、『精神掌握』の統率者以外の注目カードを紹介します。

　《真の名の宿敵》は、古今例のない、戦場に出るに際して選ばれた1人のプレイヤーに対する“プロテクション”を持ったクリーチャーです。1対1の状況になった時に出せれば、すみやかにそのプレイヤーのライフを削りきってくれるでしょう。そうでなくとも、1人のプレイヤーに対して非常に強力なアタッカー兼ブロッカーとなってくれます。生け贄に捧げさせる効果や、対象を取らないタフネスへのマイナス修正には弱いものの、強力なクリーチャーであることは間違いありません。

　《沈黙の預見者、ウヨウ》はインスタントやソーサリーをコピーできるクリーチャーです。コピーする対象は自分のものに限らないので、時には他のプレイヤーと連携しつつ、呪文をコピーしてアドバンテージを獲得しましょう。追加コストで土地を戻す必要がありますが、ここで《アクームの隠れ家》を戻すことで、地味ながらライフを回復することもできます。《ボジューカの沼》なら墓地対策にもなります。

　《苦痛の命令》は、異なる2種の全体除去が1枚になった呪文です。8マナでプレイした場合、すべてのクリーチャーを破壊し、破壊したクリーチャーの数と同じ枚数のカードを引けます。ゲーム終盤、全員の手札が尽きかけている状況でプレイできれば、1人だけ大きく有利に立てるでしょう。

　黒マナ2点を含む5マナで“サイクリング”した時は、サイクリングの効果でカードを1枚引きつつ、全体に－2/－2の修正をかけられます。トークンが戦場にあふれかえっているような状況をリセットするのに便利でしょう。サイクリングした時は呪文としてプレイしたわけではないので、打ち消されにくいのもポイントです。

　《残酷な根本原理》は1人を徹底的に痛めつける呪文で、対象となったプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げ、カードを3枚捨てたのち、5点のライフを失わなくてはいけません。逆にあなたは墓地からクリーチャーカードを回収し、さらにカードを3枚引き、ライフを5点得ることができます。

　7マナと決して軽くないマナ・コストですが、それだけの効果を持った強力な呪文です。前述した《沈黙の預見者、ウヨウ》などでコピーできれば、相当な優位を築くことができるのではないでしょうか。

■『統率者2013』デッキ解説その4：『覇道渇望』デッキ■

　『覇道渇望』デッキは、黒赤緑の3色で構築されたデッキで、《カーの空奪い、プローシュ》、《破砕団の兄弟》、《死の守り手、セックァー》のいずれかを統率者に選べます。巨大クリーチャーによる大ぶりな戦い方を、豊富なトークン生産能力を絡めてサポートするという戦略をとっており、トークンをエサに巨大クリーチャーが暴れまわるカード間のシナジーが強いデッキになっています。

　オススメの統率者は《カーの空奪い、プローシュ》です。自身が大型の“飛行”クリーチャーであり、かつ唱えるたび大量のトークンを生み出すことができ、さらにそのトークンを攻撃力に変換することも可能と、1枚で完結した強さを持っているのがポイントです。もちろん、大量のトークンを背景にデッキに仕込まれたさまざまなカードとのプチ・コンボで戦場を制圧することも可能です。

　大量のトークンを攻めにも守りにも使うことができるうえに、プローシュを唱えるだけで補充もできるため、マナがそろったら積極的に動いていくことができます。『統率者2013』の5つのデッキの中では1、2を争う攻撃的なデッキなので、他のデッキが守りを固める前にどんどん動いて、ゲームを進めていくのがいいでしょう。プローシュに目をつけられたプレイヤーから脱落していくということも多いはずです。

　注意すべき点としては、トークンを利用するエンジンを潰されてしまうと、破壊力が鈍ってしまうことがあげられます。いかにプローシュが強大とは言え、コンボパーツを片っ端から破壊されると、ゲームを決めるのは難しくなります。仕掛けていくのが重要とは言え、目立ちすぎないようにしましょう。続いて『覇道渇望』に収録されている、その他の注目カードを紹介します。

　《死を運ぶソクター》は、クリーチャーが死亡するたび+1/+1カウンターを得て、そのカウンターを使ってクリーチャーやプレイヤーにダメージを与えることができます。一度+1/+1カウンターを得てしまえば、タフネス1のクリーチャーを全滅させることができる他、トークンなどをたくさん生け贄に捧げることで一気にカウンターを得て、大型クリーチャーとして重い一撃を叩き込んだあと、さらにカウンターを消費して対戦相手に大ダメージを与えることが可能です。

　《納骨蔵のワーム》は、このデッキの数少ないカードアドバンテージ獲得要員です。いずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、墓地から好きなカードを回収できるので使い終わった除去カードやクリーチャーなどを手札に戻して、再展開していきましょう。サイズが6/6のうえに“トランプル”も持つので、複数の対戦相手がいれば、攻撃先に困るということもないでしょう。

　《血の儀式》は、クリーチャーを2点のダメージに変換できる強力なエンチャントです。能力の起動には多少マナがかかってしまいますが、それでも一度に2点のダメージは非常に強力で、プローシュなどが生み出す大量のトークンを使えば、相手の主力クリーチャーを撃墜したり、弱ったプレイヤーにとどめをさすことができるでしょう。ダメージが1点の代わりに、機動にマナがかからない《ゴブリンの砲撃》とともに、このデッキでもっとも有用なトークン活用手段と言えるカードです。

　《大量反逆》は、ゲームを決める時に使いたい、大量コントロール奪取呪文です。他のプレイヤー1人につき1体、そのプレイヤーのコントロールするクリーチャーを奪い、“速攻”を与えて攻撃させることができます。やっかいなブロッカーを奪い、さらにそれを攻撃手段に転じることができるので、守りを固めている相手の計算を狂わせることができるでしょう。

　攻撃後は、奪ったクリーチャーを前述の《血の儀式》などで生け贄に捧げてしまえば、返すターンのスキを減らすことができます。ただし統率者戦には《家路》という、各クリーチャーのコントロールを戻すカードもあるので、それが戦場にある場合は無力化されてしまうことに注意が必要です。

→『野獣属性』デッキを解説！（4ページ目へ）

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データ

関連サイト

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