2014年1月26日(日)
――『軌跡』シリーズの帝国編の構想は10年前から存在
近藤:『閃の軌跡』はエレボニア帝国を舞台としたものですが、実はその構想は10年前に『空の軌跡 FC』を作っているころからあったんですよ。当時の企画書には、すでにクロウというキャラクターについて書かれています。
ただ、10年の間に、その帝国編の要素を別のゲームに入れ込んだり、『軌跡』シリーズの中に盛り込んだりと、いろいろと形を変えている部分もありますけど。
――『空の軌跡』と『ガガーブ・トリロジー』の関係
オカジ:『空の軌跡』は、近藤さんが初めて企画から参加したゲームなんですよね?
近藤:そうですね。それ以前にもゲーム開発には参加していましたが、企画段階からがっつりとかかわったのは『空の軌跡』が最初でした。
あの時は、とにかく『ガガーブ・トリロジー』(『白き魔女』『朱紅い雫』『海の檻歌』からなる『英雄伝説』の三部作)を超えたいと思って必至でした。『零の軌跡』のロイド風に言えば、超えなければいけない高い壁ですね(笑)。
それと同時に、日本ファルコムらしさを失わないことは大前提でした。ファルコムらしさを大事にしながら、それでいてファルコムがやっていないことをやりたいなと。
そんな時に出てきたキーワードが“産業革命”でした。とにかく活気があってエネルギッシュな時代。なんだかよくわからないけど、便利な新エネルギーが出てきてみんなが盛り上がっている時代は面白いなと思ったんです。
▲『空の軌跡』の初期のプレゼン資料。この時から、すでにカシウスは存在していたという。 |
オカジ:プレゼン資料を見る限り、エステルの父のカシウスは最初からいたんですね。
近藤:そうなんですけど、実はエステルの父はオープニングで死ぬ予定でした(笑)。シナリオのスピード感を出すために、最初からすごいイベントを盛り込もうという考えからだったんですが、最終的には今のように最強キャラになりました。
オカジ:そう考えると、ずいぶんと強くなった気がします(笑)。
――『空の軌跡』のオーブメント誕生秘話
近藤:スタッフ内に機械仕掛けの時計が好きな人がいて、その人に専門書を見せてもらったんです。それがもう、とてもキレイで、ゲーム中でも使いたくなったんです。
ちなみにオーブメントは、開発初期は“プリズム”という名称でした。でも、オリジナルの造語にしたいという意見が出て、時計の部品であるムーブメントと、プリズム→水晶→オーブという言葉を組み合わせて、オーブメントという造語になったんです。
――『空の軌跡』のキャラクターの作り方
近藤:最初にまず、主人公を決めました。その際は、『ガガーブ・トリロジー』からの流れとして、少年少女がいいだろうと。こうしてエステルとヨシュアが生まれましたが、これまでにやっていない要素を入れたいと思い、主人公を女性にすることにしたんです。
ちなみに、最初は男性を主人公とする案もありまして、その時はエステルとヨシュアの役割が逆だったんですよ。
オカジ:ヨシュアがヒロイン的になっていたかもしれないということですか(笑)。
近藤:ある意味では、今もそうなんですけど(笑)。ただ、普通は男の主人公がヒロインを追いかけるような構図になるじゃないですか。そこを逆転して、エステルがヨシュアを追うような流れになったんです。
こうして主人公を決めて、彼女たちが新米の冒険者になることが決まりました。そうなると、それを軸に人間関係を考えていくわけです。
きっと、面倒見がいい先輩がいるだろう……というところからシェラが生まれ、優しい先輩だけじゃなくてイヤな先輩もいるだろう……と、アガットに結びつくわけです。
オカジ:アガットも、結局はいい人ですけどね。
近藤:そのあたりは、ファルコムらしさと言いますか。面倒見がいい村人が多くて、いい人がとても多いのがファルコムゲームの伝統の1つですからね(笑)。
――『空の軌跡』のリベール王国とタイの意外な関係
オカジ:『空の軌跡』の世界観はどうやって作られていったんですか?
近藤:一番最初は、風光明媚なところのイメージでスイスやオーストリアのような場所を考えていました。そうやって考えていくうちに、強大な勢力に囲まれた緩衝国という設定が出てきまして。そうして生まれてのがリベール王国です。
ちなみに、緩衝国として有名なのはタイです。なので、初期の設定画では、僕がタイの地形を意識して手書きで書いたリベール王国の地図があるんですよ。
▲近藤社長の手書きの地図。 |
オカジ:そういえば近藤さんはタイに住んでたことがあって、グリーンカレーが好きなんですよね。
近藤:僕は子どものころにタイに住んでいたので、ずっとグリーンカレーを食べていました。ちなみに、うちの会長もタイに住んでいたことがあるので、よくグリーンカレー話で盛り上がります(笑)。
ちなみに、そんな経緯もあって、我が家ではプランターでパクチーを育てているんですよ。日本中を探しても、プランターでパクチーを栽培しているゲーム会社の社長は、僕くらいかもしれません(笑)。
――『空の軌跡』のキャラクター裏話
オカジ:開発中に名前が変わったキャラクターはいるんですか?
近藤:細々とした変更はたくさんあるんですけど、中でもジンはいろいろと変わりましたね。一番最初はシドという名前だったんですが、スタッフ内で、なんだか空を飛ぶ船に乗っていそうな名前だと指摘がありまして(笑)。
オカジ:なるほど(笑)。
近藤:もうちょっと東方出身っぽい名前にしようと、カズマという名前にしたんですが、これもちょっとバランスがよくないかなと。そんなこんなで、ジンという名前に落ち着いていったんです。
長時間におよびトークの後は、『戦国ソーサリアン』のサントラといった豪華賞品が用意されたプレゼント抽選会を経て、イベントをしめくくるシメを行う展開に。
最後は、アニメ『みんな集まれ!ファルコム学園』の主題歌でおなじみの「ゴーファイ!」を観客とともに4連続で叫ぶという熱い流れでイベントが終了した。オカジさんは「今の時代に民放で『スタートレーダー』の曲が流れるとは……」と、戸惑いを隠しきれない表情でコメントをしつつも、しっかりと「ゴーファイ!」を熱唱していたのが印象的だった。
なお、3月29日のお昼にも、ファルコムjdkバンドが関連したイベントが行われるとのこと。詳細は不明だが、ちょうど3月は『白き魔女』20周年にあたることから、何かが起こるかも? イベント情報は追って公開されるとのことなので、楽しみにしていてほしい。
■“Falcom Acoustic Live & Talk Show”公演概要
【出演者(敬称略)】
コテカナ/小寺可南子(Vo)
オカジ/岡島俊治(Dr)
テル/井上央一(Gt)
大ちゃん/宮崎大介(Gt)
【演奏曲目/出展作品】
01.『もっと近くで』(『英雄伝説 空の軌跡FC リベールの歩き方』より)
02.『寮に帰ろう』(『英雄伝説 閃の軌跡』より)
03.『星の在り処』(『英雄伝説 空の軌跡』より)
04.『波音のレクイエム』(『ドラゴンスレイヤー 英雄伝説』より)
05.『誰かがあなたを愛してる』(『ぽっぷるメイル』より)
06.『パンドラ』(『イースVI~ナピシュテムの匣』より)
※画面は開発中のもの。
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