2014年1月30日(木)
――アクションゲームが得意な人は自由に遊べると思うんですが、今作から入る方もいらっしゃると思います。そういった方々に向けてオススメのキャラクターを教えていただけないでしょうか。
山本:初めての人なら政宗か幸村がいいんじゃないかなと思います。『戦国BASARA4』の新章の中で、幸村に大きな役割を持ってもらっています。さらに幸村には以前の『戦国BASARA』らしさをどこまで出せるのかという追及をしてもらいたいと思っていて、馬鹿馬鹿しさもありながら突っ走るキャラにしています。
――遊ばせていただいていて、ややお笑いのような物語が多いと感じていたのですが、それは昔のシリーズに戻ったという認識でいいのでしょうか?
山本:たぶんそうだと思います。『3』がシリアスだった分、余計にそれを感じるんじゃないでしょうか。キャラが増えた分、話もたくさんあって風呂敷を広げられたので、シリアスなものもあればコミカルなものもあるし、ホラーテイストもある。初期に『戦国BASARA』でやりたいと思っていた“ジャンクなエンターテイメント”になっていると思います。
――衣装についてお聞きします。店舗特典でつく直虎のコスチュームは、「普段以上にいいな!」と思ったんですが、これは顔のテクスチャーも変えているんですか?
山本:いえ、変えているのは髪型だけです。
門脇:髪を下しただけでこんなに印象変わるんですよ。僕たちも驚きました。
――メインモードである、戦国創世モードが生まれた経緯と見どころをご説明ください。
山本:戦国時代を創るというところから生まれた経緯もあるんですが、もう少し踏み込んで話すとこれまでも『戦国BASARA』って、天下統一であったりドラマであったり、いろんなことが起きているという部分を作っていたんですね。それをよりパワーアップさせてエンターテイメントにしたものを作りたいと思ったんです。
何が起こるかわからないという要素、ランダムさはすごく大事だと思っていて、その中にドラマをどう融合させるかを意識したのが“戦国創世モード”だと思っています。ステージへ進軍するたびに、同じ政宗でも1周目と2周目では各地の状態が違っていますし、ゲームの中で行われている進軍が、ライブ中継で飛び込んできます。
――演出についても、こだわられているとお聞きしました。
山本:ドラマやBGMにも力を入れていて、話に合わせた曲をアテンドしているので、1回戦のドラマと2回戦のドラマでは、BGMが違っていたり、戦場に合わせて組み立て直したりしているんです。エンターテイメントであるゲーム『戦国BASARA』のランダムさの融合が、戦国創世モードには詰まっています。
それにプラスして、プレイヤーにもいろいろさせたいということで、自由度を持たせています。難易度を選べるのもそうですし、設定で合戦遊戯書を付けたり、恩賞を選んでステージを選んだりできるのもそういう部分ですね。
――そこについては、『3』や『3 宴』を遊ばれたユーザーさんからの要望なのでしょうか? それとも開発の中で自由度を上げようという意識があったのでしょうか。
山本:『戦国BASARA』シリーズでは、アニメや舞台の方々など、いろいろなエンターテイメントの作り手とプレイさせていただく機会が多かったんですが、目指しているものはエンターテイメントでありながらもゲームでもあり、両方楽しいというところでした。
義輝により投げられた巻物がキャラクター選択になり、最後の年表が書かれてまた天に戻るというところで、一貫のドラマを見ている感覚になってほしいなという願いがこめられています。これまでのシリーズの中で勉強させてもらったものを打ち出せないか、チャレンジできないかというところで、いろいろと模索してできた結果です。
――アクションのさわりごこちだけではなく、エンターテインメントとしての完成度にもこだわられたと。
山本:ドラマチックに感じる部分へのこだわりは、いろんなところに出ていますね。勝利ポーズをして次に移り変わる時は、BGMが次のところから鳴り始めているとか、勝利ポーズ中から次のBGMが鳴り出して、そのまますっと移れるとか……他にもロード時間や、長いイベントをなくしてテンポよく気持ちのいいステージを作ったり。普通のプレイ中の演出カメラも全部をドラマチックにしたいなというのが組み込まれていますね。
――レベルアップがそのままステージ中で行われるというのも、そういったさわりごこちへのこだわりからでしょうか?
山本:そうですね。
――本作では、敵兵士も今までになかったような陣形合体を繰り出してきますね。こちらは、初期の段階から考えていらっしゃったのでしょうか。
門脇:そうですよ。初期段階からありました。当初は陣形合体という名前ではありませんでしたが、『戦国BASARA』シリーズは基本人対人のゲームですよね。ステージの進化を求める中で、より生きた合戦場を作りたい、またユーザーさんに合戦場がどんどん変化していくところを見せて、先に山本が言っていたような“状況把握と決断”をしてもらいたいというところから兵士の陣形合体が生まれました。プレイヤーも共闘アクションするというのと合わせて、兵士も頑張る! とこの2つは遊びの面では一番最初からあったものです。
――連れて行った戦友に、L2ボタンを使ってあのように指示を出すのには驚きました。
山本:初期では2人で何かするというのをやりたいと思っていたんですけど、形になったのは後半ですね。そこまでは別のモノがあったんですが、「これではダメだな」ということで作っては捨て、作っては捨てを繰り返していました。何個か試しながら最後にテコ入れをして作った感じです。
――一緒に移動しつつ勝手に攻撃してくれるのはよくありますが、あえて自分で命令させるようにしたのはなぜでしょうか?
山本:今回は戦場がすごく変化するようにしたんですね。軍師がいて、陣形合体する人がいて、陣も立って……さらに軍師が複数いることもあるので、そうなると1人ではなくて2人必要かなと。『戦国BASARA』ではそこまで細かい指令を出したくないのですが、
複雑な操作をしたくない中であえてやってほしいのが、“状況把握と決断”なんです。戦場の状況を見て、そこに命令を出したら自分はココに行くというのをできるようにしたいなと思って、戦友指令という形にしましたね。
戦友指令にも自由度があります。ただお使いさせるのでもいいですし、敵に対して2人でやっつけるというスタイルでもいいです。そこはユーザーの任意にできるようにしたく、いいところに落とせたと思っています。
門脇:2武将を同時に操作させたいという点を、追及したものになったと思うんですよ。32武将いるから、できるだけたくさんのキャラクターを触ってもらいたい。“豪快感”と“爽快感”に加えて“共闘感”を加えたい。その結果、同時に2武将を操作している感覚になれるものができたなと思うんですね。そこら辺は山本が考えていたものがすごくハマったなと思っていて、本作『戦国BASARA4』の大きな売りになりました。
ユーザーが思い描く行動をとってくれるようになる成長要素があり、育つたびにアクションのバリエーションが増えていきます。ただ単にタッグチェンジして2人を操作できるというのではなくて、2人を同時に操作している感覚はこれまでにないまったく新しいものができたという自負を持っています。
――今作からダウンロードコンテンツ(DLC)を展開することになりましたが、こちらの経緯についてお伺いできますでしょうか。
門脇:PS3オンリーになったということもありますし、ユーザーさんもコンテンツをダウンロードして購入することに慣れてきているという背景もあります。さらに、シリーズのファンの皆さんも求めていて、需要が出てきているのではないかというのも大きな理由です。
ただ僕らが絶対に守りたかったのは、例えば第2衣装をDLCにするなど、今までは基本としてディスクに収録されていたものをDLCとして切り離して売ることは止めようということでした。
――つまり、それ以上のプラス要素を、欲しいと思ってくれる人に向けて配信する形にしようと。今回ご用意されているのは衣装とアイテムのみになるのでしょうか?
衣装やアイテム以外だと、プレイ時間がない人や忙しい方に向けて、労力を短縮できるアイテムをDLCとして用意するのがマッチすると考え、そこを用意しています。あとは、BGMがあります。
――ステージやキャラクターが追加されることはないのでしょうか。
門脇:今のところは考えていないですね。
――アクションゲームとしてこだわっているところ、譲れないところはどちらでしょうか。
山本:これは毎回そうなんですが、60フレームに近いアクションゲームを作りたいと思っています。今回もステージが広くて、たくさんの人が多くいるんですが、描写は追求しています。
門脇:コントローラを通じて伝わってくる気持ちよさですね。ヒットストップだったりサウンドだったりと、いろいろなところから気持ちよさを感じるポイントがあると思うので、そこはとことん追求してやっている自信はあります。戯画バサラ技や粋の至り、陣形合体を崩したりとお客さんにさらに気持ちいいと思ってもらえるゲームになったと思いますね。
――では最後に読者に向けたメッセージをお願いします。
山本:お待たせてしまった分、随所がパワーアップしていますので、隅々までやっていただいて、いろいろな人に広めていってほしいですね。アクションでもいいですし、変な部分でもいいんですがこんなところがおもしろいというのを話題にしていただけたら幸いです。
門脇:まずは大変お待たせしました。ようやく発売することができました。今回は32武将のプレイアブルのキャラクターがいますので、新しいシステムの戦友を最大限に駆使して全武将を触っていただきたいと思っております。そして、山本が言うような新しいバサラの広がりや繋がりを一緒に作っていっていただければと思います。よろしくお願いします!
▲開発スタッフのこだわりが詰まった『戦国BASARA4』。まだプレイしていない人は、ぜひその手で時代を創ってほしい。 |
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