2014年2月7日(金)

PS4発売目前クリエイターアンケート! 第2回は、カプコンの小野義徳氏、コーエーテクモゲームスのシブサワ・コウ氏など、12名の回答を公開!!

文:電撃オンライン

PS4発売目前クリエイターアンケート

 2014年2月22日、いよいよ日本でも発売となるPS4。国内発売を目前に控え、ゲームの制作に携わるクリエイターの皆様に、PS4に関するアンケートにお答えいただく電撃オンラインの特集企画“PS4発売目前クリエイターアンケート”

 このアンケートでは、クリエイターの方々が個人的に注目しているPS4ならではの部分や、クリエイターとしてPS4で挑戦してみたいこと、気になってるPS4タイトルなどについて質問しています。

 第2回となる本記事では、カプコンとコーエーテクモゲームスのクリエイターの方々からお寄せいただいたアンケートのご回答を公開します。なお、回答は各回ごとにメーカー名50音順で掲載しており、各回答の番号は以下の共通設問に対応しています。

■クリエイターアンケート設問内容

【1】性能や機能といったPS4本体に関する感想、個人的に注目しているPS4ならではの部分についてお答えください。

【2】既存のハードとPS4とで、もっとも大きく異なる部分と、それによってユーザーが得られるメリットはなんだと思いますか?

【3】PS4で開発を行うことによって得られる、メーカーとしてのメリットはなんだと思いますか?

【4】設問1でお答えいただいた、“個人的に注目しているPS4ならではの部分”を利用して、挑戦してみたいことなどがありましたらお答えください。

【5】PS4で発売が予定されているゲームの中で、気になるタイトルを最大3つまであげてください。また、お答えいただいたタイトルについて、抱いている印象や注目しているポイントなどを教えてください。

【EX】現在、ご自身が手がけているタイトルについて、読者の皆さんに向けてのメッセージをお願いします。


PS4発売目前クリエイターアンケート

カプコン
執行役員
『deep down』エグゼクティブプロデューサー
小野義徳氏

【1】SHARE機能。 実況、配信が特別な装置の元ではなく、気軽に出来る事に注目をしています。TGSで、『deep down』を使ったSHARE実況をいち早く行いましたが、多くの方が視聴をTGSとほぼ同時体験で見られる、という状況は、新鮮さと新しいコミュニティ作りの可能性を感じる事象になりました。

【2】新しい映像体験。ハードや技術が進む毎に、ゲーム機に必要/不必要の論議がありますが、ビデオゲームというだけあり、その「ビデオ」という部分は技術の進化と、クリエーターとハードとの共存共闘だと思います。今回のPS4で新しく感じる次元は映像体験が一番分りやすく、更に「ビデオ」ゲームとしての興味深さをプレイヤーの皆さんに与える事になるのではないでしょうか。

【3】想像の現実化。あの機能がこうだから、この容量がこうだから、と、いう逃げを許さない開発環境だと思います。メリットというよりも、挑戦をし続けさせてくれる対戦相手(ハード)だと実感しています。その挑戦のなかで、新しいモノを如何に産み出していくか、も、メリットというよりは、考えさせてくれる開発環境だと思います。

【4】ヴァーチャルだけど、そこで一緒に居る快感、喜び、焦り、憤り、重圧を感じられる工夫ができたら良いなぁと、思っています。観戦している人、参加している人が同じ境遇、感覚を共有できる状況のサービスを提供できれば、「次」の体験を実感して頂けるのではないでしょうか。

【5】
・『ウォッチドッグス』(ユービーアイソフト)
・『THE DIVISION』(ユービーアイソフト)

 ゲームTechに対して、挑戦をし続けている姿勢が非常に見えるタイトルだと感じています。制作チームも非常にポジティブ思考で、制作姿勢も見習う体制が多くあり、ビデオゲーム=技術=楽しさ というエンタテインメント提供姿勢に対して尊敬をしています。

【EX】東京ゲームショウでプレイアブル出展してから、しばらくの間、新情報を出せていません。挑戦相手に、だいぶ四苦八苦しながら次のお披露目タイミングまで開発チームが七転八起しながら制作を進めている『deep down』です。新しい体験ができたっ! ってプレイヤーの皆さんに思って頂けるような内容でお披露目できるまで今暫くお待ちください。

PS4発売目前クリエイターアンケート
▲『deep down』

PS4発売目前クリエイターアンケート

カプコン
CS開発統括 副統括
『戦国BASARA』シリーズプロデューサー
小林裕幸氏

【1】PS4の「つながる」という機能がユーザーに新しいゲーム体験をもたらし、凄く楽しませてくれるのではと思います。

【2】「つながる」という機能がネット世界とゲームプレイを近づけると思いますし、内(家)と外との連動でゲームLIFEが変わる。

【3】難しいですね。新しい体験をユーザーの皆さんに提供できるかな?

【4】ゆっくり考えたいですね。

【5】
・『ウォッチドッグス』(ユービーアイソフト)

 『ウォッチドッグス』は、高解像度の映像はさることながら先進的な特殊効果を表現しています。本作の舞台であるシカゴの街並は驚くほど忠実に再現されています。

【EX】PS3『戦国BASARA4』は、シリーズ最新作で新たなキャラクター、アクション、システム、ストーリーなど新要素が満載な作品となっています。シリーズユーザーも、新規ユーザーも楽しめる内容になっています。是非一度プレイして下さい!!

PS4発売目前クリエイターアンケート
▲『戦国BASARA4』

【PROFILE】プロデューサーとして『biohazard』シリーズ、『Devil May Cry』シリーズ、『戦国BASARA』シリーズ、『Dragon’s Dogma』シリーズ、『ガイストクラッシャー』等の作品に関わる。ゲーム以外にも映画「バイオハザード」シリーズ、TVアニメ「デビルメイクライ」、映画&TVアニメ・舞台・TVドラマ・宝塚「戦国BASARA」シリーズ等で活躍している。


PS4発売目前クリエイターアンケート

カプコン
第二開発部 部長
『deep down』プロデューサー
杉浦一徳氏

【1】SNS関連の機能の充実。PS Vitaでのリモートプレイ。この2つが組み合わさることで、自宅だけではなく外出時もゲームやゲーム内フレンドと充実した楽しさを味わう事が出来ると思います。個人的には、ダウンロードやアップデートなどの煩わしさがオンラインゲームの高いハードルですが、それがPS4では低くなったことも嬉しいです。

【2】純粋にPS4がハイスペックになったことで、ゲームのグラフィックのリッチさなど細かな部分も込みで様々な表現手法が可能になると思います。それはユーザーの皆様からすれば、過去の夢物語が現実化できるということですから、過去のユーザーの夢がいろいろと実現されていく意味でメリットではないでしょうか。

【3】過去はハードの性能が大半を占めていたゲーム開発も、今は「サービス」という概念が取り入れられています。ハードの性能は有限ですが、サービスは無限ですから、2つを組み合わせる開発チームのスキルアップはメリットです。そして数年に1回しかない新ハードでの先行開発ですから、毎日が修羅場です。新しいハードですから、いろいろと悩みながらも熱い議論の毎日は当たり前。これもかなりの開発へのメリットです。

【4】『deep down』をPS VitaかつWi-Fiでバリバリ遊べるようにしたいです。

【5】
・『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』(ユービーアイソフト)
・『リリィ・ベルガモ』(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)
・『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』(スクウェア・エニックス)

 3作品とも共通で言えることですが、PS4のスペックやサービスをどこまで使っているかという点は、開発者としてどうしても気になる部分です。『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』は過去作をほぼ全てプレイしているので、PS4ではどういう切り口で攻めてくるのか実際に触れてみたいです。

【EX】『deep down』ですが、本格的なユーザーの皆様への情報出しは夏以降かなと思うので、2月22日のローンチ時からは少し時間を頂くかもしれません。「これ、PS3でも出せたジャン!」と突っ込みを受けないような、PS4のハードスペックをしっかり使ったオンラインゲームに仕上げたいと思っています。

PS4発売目前クリエイターアンケート
▲『deep down』

PS4発売目前クリエイターアンケート

カプコン
プロデューサー
川田将央氏

【1】グラフィック能力も当然気にはなるのですが、それ以上に従来のハードでは搭載されていなかった機能に注目しています。たとえばSHAREボタンはゲームをあそんでいない人にもゲームの楽しさを伝えられる手段になり得るので、うまくゲームの設計をすることができれば、今まで以上にユーザーの連動感を作り出すことができてスポーツゲームやそれに準じた観戦型のゲームが非常に盛り上がるのではないかと期待しています。

【2】今回のハードは従来の世代交代時にあったような性能の向上以上に、ユーザーにゲームというメディアを楽しんでもらうために腐心されたハードだという印象を受けました。SHAREボタンもそうですし、PS Vitaとのリモートプレイやダウンロードを感じさせないゲームの実行など、非常に気づかいされたハードだと感じています。

【3】新しいハードで新しいゲームを作ることができる喜びと、スマホとは違うコンソールゲームならではの遊び方を改めて考える事が出来る環境を構築してくれたことだと思います。いまコンソールに興味が無い人も注目してくれるような魅力ある市場が形成できる可能性を感じています。

【4】観戦型のゲーム企画に挑戦してみたいです。ゲームを実際に遊んでいる人も、ゲームを見ているだけの人も共に楽しむことができて、いま以上にユーザー同士のコミュニティが盛り上がるようなゲームを作ってみたいですね。

【5】
・『ウォッチドッグス』(ユービーアイソフト)
・『METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN』(KONAMI)
・『deep down』(カプコン)

 『ウォッチドッグス』は、いま一番好調なスタジオが最新の技術で最新のトレンドに挑戦しているため、注目しないはずはありません。『メタルギア』は逆に老練な魅力を持ったタイトルで新技術にも注目ですが、それ以上に作品性を優先したタブーへの挑戦に注目しています。弊社の『deep down』も野心作として様々な試みを考えているようなので注目しています。

【EX】去年一年は企画を考える年で様々な情報を収集していましたが、今年は企画を形にする年だと考えています。PS4というハードそのものの魅力に負けないようなゲームを作りたいですね。

【PROFILE】1995年にデザイナーとしてカプコン入社。2005年のPS2版『バイオハザード4』でプロデューサーへ転身。近作では『バイオハザード リベレーションズ』『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』をプロデュース。


PS4発売目前クリエイターアンケート

カプコン
『ストライダー飛竜』プロデューサー
アンドリュー・サマンスキー氏

【1】PS4本体の魅力と言えば、まずはハードパワー(処理能力)ですね。シンプルですが、とても重要です。パワーが増したことによって、ビジュアルを高解像度にしてもスムーズに動かすことができ、フルHDで60フレーム/秒といったようなハイスペックなゲーム体験を提供できることになります。特にアクションゲームを作る上では、その処理能力を重宝します。PS4ならではの部分として、新しいコントローラーであるDUALSHOCK 4は、軽さ、操作感、レスポンス、拡張機能(タッチパッドなど)、全ての面において極めて洗練されたデバイスとなっており、このコントローラーに触っているだけで次世代ゲームハードの印象が伝わってきます。

【2】既存ハードと最も違うところは、様々なコンテンツやユーザー体験の「融合」にあると思います。PS4は色々な映像配信や音楽配信サービスに対応しておりますが、「サスペンド機能」(ゲームの一時停止、いわばスリープ状態)を利用することで、ゲームのポーズをかけて数秒後に映像配信サービスを視聴することもできますし、ゲームに戻ったらゲーム進行はポーズをかけたそのままの状態となります(ゲームの立ち上げ直しなどは必要ありません)。これまでの据え置き機のように「ゲームをやる時とその他のコンテンツを利用する時は別々で行う」といった隔たりもなくなり、スムーズかつスピーディーに様々なコンテンツにアクセスできる環境はユーザーの皆様にとって大きなメリットになります。

【3】開発の目線でお答えしますと、今回のPS4のハードウェア・アーキテクチャ(基本設計概念)は我々にとってゲームが作りやすくなるように設計されていると言えます。開発ツールの仕様や、開発環境の構築などの面で、これまで以上スムーズに開発が行えるよう配慮されており、これによって我々開発スタッフはゲームの面白さやビジュアルのクオリティなどにより集中してゲーム作りに没頭することができます。なので、今後もPS4で更に進化したゲーム体験を皆様に提供できるようになると思います。

【4】PS4はまだローンチ時期ということもあり、今後開発されるタイトルは更にそのマシン・パワーを引き出せるようになっていくものだと思います。私自身も、マシン・パワーをフルに活かしたレスポンス重視のアクションゲーム開発に挑みたいと考えております。ユーザーの的確な入力に対して、いかに美麗でカッコいいアクションを画面上で表現するか、これこそがアクションゲームの神髄だと思っておりますので、PS4のパワーを使って究極のハイスペック・アクションに挑戦できればと思っています。

【5】
・『deep down』(カプコン)
・『METAL GEAR SOLID V GROUND ZEROES』(KONAMI)
・『THE DIVISION』(ユービーアイソフト)

 『deep down』:弊社タイトルですが、オンラインを使った意欲的な要素がたくさん入っていますので、プレイするのがとても楽しみです。
 『METAL GEAR SOLID V GROUND ZEROES』:シリーズのファンなので、とにかく最新作に期待しております。PS4のマシンパワーを使って、小島監督がどのような体験を提供してくれるか、考えいているだけでワクワクします。
 『THE DIVISION』:海外のメーカーもとても魅力的な作品を用意していますね。次世代のミリタリーアクションでありながら、ソーシャル連動機能やマルチデバイスのサポートプレイなど、挑戦的な要素がたっぷりです。

【EX】私が手掛けている新作『ストライダー飛竜』は、PS4本体と同じ2014年2月22日発売となっており、PS4版はデジタル配信専用で2,000円(税込)と、かなりお買い得になっているかと思います。名作シリーズの最新作として、歴代の作品にあったハイスピードなアクションに加え、広大なマップでアイテムを探しながらパワーアップしていく探索要素もたくさん入っている自信作となっておりますので、PS4本体を購入予定の方にはぜひチェックしていただきたいと思っております。PS4の他、同じく2月22日に発売するPS3版(新作に加え過去作『ストライダー飛竜1&2』のプロダクトコードを同梱したパック)や2月26日に発売するXbox 360版、2014年内に発売予定のXbox One版、PC版もありますので、てごたえのある本格派アクションゲームが好きな方には、ぜひこの新作『ストライダー飛竜』をプレイいただきたいと思っております。

PS4発売目前クリエイターアンケート
▲『ストライダー飛竜』

【PROFILE】2009年、カプコン入社。アメリカ出身で日本の大学卒業後、10年以上に渡って日本でゲーム開発に携わる。『ロスト プラネット 3』のプロデューサーを経て、新作『ストライダー飛竜』のプロデューサーとして開発の指揮を執る。


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