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2014年2月21日(金)

『ナチュラル ドクトリン』をレビュー! 心をへし折られたいSRPGファンよ、2014年ベスト“激辛”ゲーム候補の洗礼を受けてみよ!!【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 角川ゲームスが放つPS4/PS3/PS Vita用シミュレーションRPG『NAtURAL DOCtRINE(ナチュラル ドクトリン)』。3月19日の発売まで約1カ月と迫った本作を、電撃PlayStationの担当ライター・Lがいち早くプレイ。そのレビューをお届けします。

PS4/PS3/PS Vita『NAtURAL DOCtRINE(ナチュラル ドクトリン)』

 仕事という名の趣味で、魔界で億単位のダメージを狙ったり、ロボットに魂を込めたりと、何かとSRPGをプレイしていることが多いせいか、今回『ナチュラル ドクトリン』の世界に降り立つことになったLです。

 ぶっちゃけると“艦娘”を愛でる仕事で忙しかったのですが、目の前に好物(サンプル版ROM)があるのに食べないわけにはいきません。(まあ、この原稿を書いている最中にも並行して愛でているわけですが、それは最重要機密デース)

 ただ、かなり本格派のSRPGのようなので、主な戦い方が“レベルを上げて物理で殴る”か“魔法のような特殊な力に頼る”といった力押しの人間としては、途中でギブアップしないか心配だったりもしますがッ!

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▲一見、TPS的なアクションRPGですが、中身は立派なSRPG。独自システムが豊富で、新感覚のバトルが楽しめます。ちなみに、視点は上から見下ろす俯瞰(ふかん)視点と、より上空から見下ろす鳥俯瞰視点に切り替え可能。

■『ナチュラル ドクトリン』はバトルが特徴的なSRPG

PS4/PS3/PS Vita『NAtURAL DOCtRINE(ナチュラル ドクトリン)』
▲主人公・イフ

 さっそく『ナチュラル ドクトリン』をプレイした感想を……の前に、この記事で初めて本作のことを知るという人がいるかもしれないので、まずは軽くゲーム内容を説明しましょう。

 『ナチュラル ドクトリン』は、人類と、ゴブリンやオークといった亜人種が共生するファンタジー世界を舞台に、主人公・イフたちが亜人種や他種族と戦っていく、王道的な剣と魔法(と銃)のSRPGです。

 で、そんな王道的な世界観と同様に、システムも基本的にはオーソドックスです。戦いの準備を行う“ワールドマップ”と、ダンジョンなどのステージで敵と戦う“ミッション”を繰り返すゲームの進行や、敵味方が行動順のとおりに移動や攻撃などを行うターン制のバトルなど、SRPGが好きな人には違和感のない要素ばかり。……なのですが、じつはオーソドックスなのは基本的な部分のみだったりします。

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▲イベントはミッションの開始&終了時や、進行中に特定の条件を満たした場合などに発生。なお、イベントが起きるのはストーリーミッションのみです。ミッションにはレベル上げやアイテム集めに利用できるフリーミッションも存在。
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▲え? なぜ銃が出てくるのかって?? それはあとのお楽しみということで。現時点では、個人的には銃と盾(と魔法)の作品だったりします。いや、ホント。

 さりげなく本題のインプレッションに突入すると……、例えば物語は、イフの立身出世を描くと思わせておいて、すぐに伝説の怪物・グリオンを見つけて「出世? 何それおいしいの?」的な展開になっていきます。

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▲いや、最終的に出世するのかもしれませんが、さすがに序盤をプレイしただけではわかりません(無責任)!

 物語は、主にミッションのスタート&クリア時のイベントと、ワールドマップに戻った際の会話で進行します。ワールドマップでの会話は自動で進行し、自分から仲間に話しかけるといったことはできません。そのため、ミッション中のイベントはドラマチックでも、ワールドマップでは意外なほどアッサリ風味で進んでいきます。

 もう「まずは戦え。とにかく戦え」という開発スタッフの声が聞こえてきますね。かなりバトル重視な感じです。

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▲そのバトルは、多数の独自要素によりこれまでにない戦いが楽しめる……というか、独自要素のおかげでヤバイくらいムズイ!

■“SRPGってこんな感じだよね”という常識を覆す独自システム

 まず独特なのが、マスがエリアになっているところ。通常のSRPGは基本的に1マスに1キャラクターしか配置できませんが、『ナチュラル ドクトリン』は1マス=1エリアに最大4キャラクターまで配置できます。もちろん、敵も1エリアに最大4体。そして、移動できるのは基本的に2エリアまでで、敵がいるエリアに進入できるのは攻撃時のみです。

 ただし、銃や魔法は2エリア(以上)先の敵を攻撃可能。例えばエリアが一直線に並んだステージの場合、主に剣&盾を装備するイフが攻撃できるのは隣接したエリアの敵だけで、その奥の2エリア目にいる敵は攻撃できません。ここで銃を装備したキャラクターや魔法使いをイフと同じエリアに配置すると、2エリア目の敵を攻撃可能なのです。

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▲遠方を攻撃できる反面、銃や魔法の使い手はHPが低くて打たれ弱いので、敵の攻撃を受けると驚くほどアッサリと倒されます。さらにいうと、銃を装備した敵もバリバリ出現。その敵が隣接エリアにいる場合、魔法使いなどをイフより後方のエリアに配置していても攻撃を受けることに!

 通常のSRPGでもキャラクターの配置は重要だったりしますが、本作ではより重要な、文字どおり生死を分ける要素になっています。なにせ基本的に味方が1人でも倒されるとゲームオーバーなので! ここで“キャラの配置に気をつけるだけのどこが難しいの?”なんて思ったアナタ、配置は本作の基礎中の基礎だけに、難易度を辛さで表すと“1辛”や“2辛”程度です。

PS4/PS3/PS Vita『NAtURAL DOCtRINE(ナチュラル ドクトリン)』
▲俯瞰視点や鳥俯瞰視点にすると、ステージの状況がよくわかります。青線が味方のエリアで、赤線が敵のエリア。バトルには、敵を倒して赤線のエリアを青線に変えていく陣取り合戦のような要素もアリ。もちろん、どこに誰を配置するかも重要です。

 『ナチュラルドクトリン』の最大の目玉要素にして、危険要素と言えるのは“連携ターン”です。これのおかげで“100辛”や“1,000辛”な難易度になっているんじゃないかと。序盤をプレイしただけでも、そのヤバさは身に染みました、ホントに。

■味方だけでなく、敵にも便利な連携ターンに絶望!

 連携ターンは、キャラクターが行動する際に『同じエリアにいる』などの条件を満たすと発生。ほかのキャラクターが“連携”して、行動する人物に続いて連続で行動する(行動順が入れ替わる)システムです。

 連携ターンが発動すると、各キャラクターが連携することで“ダメージ+”などの追加効果が発生し、それで味方同士がつながる戦術リンクが形成されます。……いやー、文字ではわかりにくいですね! 

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▲ぶっちゃけると私もプレイしたおかげでなんとなくわかっていますが、すべてを理解しているわけではありません(無責任再び)!! とりあえず“表示されている行動順は連携ターンが発動するとムシされる”と思っておけばいいかと。

 その行動順は画面上部、左から順番に行動する形式で“敵A<味方A<敵B<味方B<敵C<味方C”というように表示されます。この例の順で、敵味方が順番どおりに行動する通常のSRPGをプレイしているとしましょう。

 普通は“敵Aのあとに味方Aの行動順が来るから、まず敵Bを倒して味方が攻撃を受けずに済むようにし、続けて敵Cを狙う”といった戦術を考えると思います。ですが、本作では連携ターンにより、敵Aに続いて敵Bと敵Cが連続で行動して来るうえに、なんと敵Bが行動する際に、すでに行動を終えている敵Aが再び連携&攻撃してくることがッ!! 

PS4/PS3/PS Vita『NAtURAL DOCtRINE(ナチュラル ドクトリン)』
▲システムがまるでわかっていなかったときは、なんというか「何を言っているかわからねぇと思うが(以下略)、行動済みの敵がまた攻撃してきた」という状態でした。いわゆる“ずっと敵のターン!”で、敵A<味方Aだったはずの行動順が敵A<敵B……<敵Hになるのです。

 あえて恐怖を強調してみましたが、連携の起点になれるのは敵味方ともに1ターンに1人1回だけの様子。なので、敵の連携は必ず終了しますし、当然のことながら味方も『連携ターン』を発動できます。

PS4/PS3/PS Vita『NAtURAL DOCtRINE(ナチュラル ドクトリン)』
▲1人では倒せない強敵をみんなでフルボッコにして倒したり、ピンチのときに敵の行動順をすっ飛ばしてHPを回復したりと、うまく活用することで一発逆転が可能!

 また、多数の敵が連続して行動して来るのはまさにムリゲーですが、イフが盾防御などの行動で敵の攻撃に耐え、その間に安全な場所にいる銃装備キャラが敵を倒すという感じで戦うと、絶望的な状況だったハズなのに勝ててしまったり! 

 いや、誰が見てもムリゲーな状況を、うまく戦って乗り切ったときの達成感はハンパないです。大型な何かに挑んで6時間40分とか8時間とか経過したあとですから、なおさらですね。え? 意味不明?? すみません、忘れてください。とりあえず、前述の“銃と盾のSRPG”は、この勝利の感動の影響です。えぇ。

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▲防御効果が上がる盾防御や回避率がアップする『合致する反撃』など、各種スキルを活用して戦うと敵の猛攻をしのげます。いや、クリティカルを受けることもあるので、確実ではないですが……。戦場で生き残るには運も必要です。

■未知の戦い方がある……かも!? “辛党”の方はぜひ挑戦を!!

 ちなみに、しつこく銃をプッシュしていますが、これは味方の銃の射程内にいる敵が攻撃を行う際、その対象を自動的に攻撃してくれる『応射』システムがあるからです。イフに斬りかかろうとした敵が、攻撃する前に撃たれて倒れていくのは、かなり快感! というか、応射に頼らないと乗り切れない自信があります!!

 なお、ここで白状しておくと、“レベルを上げて(以下略)”な人には、ほとんどのミッションがムリゲーの連続で、何度ゲームオーバーになったかわかりません。フリーミッションですら“扉を開けるとゴブリンの大群がお出迎え→あきらめの境地”のコンボを食らいまくりですよ(逆ギレ)。

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▲扉があったら開けたい、スイッチがあったら押したい、と思うのは普通のコトじゃないですかッ! コンティニューもミッションの最初に戻されることが大半なので、苦労して敵の猛攻を潜り抜けたあと、少しの油断で起こる悲劇に、枕を何度濡らしたことか。

 そんな感じの『ナチュラル ドクトリン』ですが、最後にまたまた衝撃発表を。上記のレビューはすべて、難易度“イージー”でプレイしたものです。(※サンプル版なので、製品版ではゲームの難易度は調整されるかもしれませんが)

 もはや開発スタッフからの「コレ、クリアできる?」という挑戦状としか思えません。心が折れない自信がある人は、ぜひプレイしてほしいですね。

PS4/PS3/PS Vita『NAtURAL DOCtRINE(ナチュラル ドクトリン)』
▲画面写真からはまったく伝わらないと思いますが、数あるSRPGのなかでもトップクラスの難しさ。「“甘党”が進められているじゃねぇか」というツッコミはナシでお願いします! 自分でも不思議なので(笑)。

(C)2013-2014 Kadokawa Games, Ltd.

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