2014年3月20日（木）

【GDC 2014】『The Last of Us』がゲームオブザイヤーを含む3冠を獲得＆久夛良木健さんも受賞！ GDC、IGFアワード授賞式の模様をレポート

　ゲーム開発者によるゲーム開発者のための賞・GDCアワード（Game Developers Choice Awards）が、現地時間の3月19日にサンフランシスコのモスコーニセンターでにて発表された。


▲会場はノミネート関係者やクリエイターたちで大にぎわい。同様の授賞式では日本だと厳かな雰囲気になりがちだが、GDCではお酒を飲みながら歓声を上げるといったオープンな雰囲気が印象的だった。

　大賞にあたる“Game of the Year”を受賞したのは、“Best Design”“Best Narrative”を含め3冠を獲得したノーティドッグ開発の『The Last of Us』。『BioShock Infinite』は“Best Audio”“Best Visual Art”の2冠に輝き、携帯機とモバイルゲームを対象にした“BestHandheld/Mobile Game”には、『The Legend of Zelda: A Link Between Worlds（邦題：ゼルダの伝説神々のトライフォース2』が選ばれた。


▲全世界のクリエイターから称賛を集め、『The Last of Us』が前評判通りGame of the Yearを獲得。ノーティドッグのスタッフたちが壇上で喜びを爆発させた。


▲「なぜ日本人ではないのかとお思いでしょうが、彼らは日本でゲームを創っているからです」と『ゼルダの伝説神々のトライフォース2』ではNintendo of Americaのスタッフが登壇し、ユーモアたっぷりのコメントを披露。


▲テクノロジー賞の受賞コメントで、「Thank you」のひとことだけを残し壇上を後にしたロックスター・ゲームス。「おかげで時間通りの進行だわ」とプレゼンターも苦笑い。


▲ゲームのネタ動画で有名なMega46による映像が随所に挿入され、会場は爆笑に包まれた。

　GDCアワード授賞式に先駆け、インディーゲームの祭典・IGFアワード（Independent Games Festival Awards）の授賞式が行われた。大賞“Seumas Mcnally Grand Prize”に輝いたのは、ナラティブ、デザイン、イノベーション、ベストダウンロードと、全5冠を獲得した『Papers, Please』。ちなみにSeumas Mcnallyとは、2000年にIGFアワード大賞を獲得して間もなく、21歳の若さでこの世を去った独立系デベロッパー・Longbow Digital Artsの創始者Seumas Mcnally氏を指す。


▲計5回の登壇を数え、「もうそろそろ僕に飽きているとは思いますけど」と自嘲気味に語るLucas Pope氏。最後の登壇となったダウンロードゲーム賞では、「最も“速く”ダウンロードできる賞のことでは（※『Papers, Please』は容量が非常に小さい）」と笑いを誘った。

　特別賞として、ゲーム業界における女性への偏見、ハラスメント問題の根絶に取り組んだFeminist FrequencyのAnita Sarkeesian氏が“Ambassador Award”を受賞。また『League of Legends』でeスポーツの発展に寄与したRiot GamesのBrandon Beck氏、Marc Merrill氏に“Pioneer Award”が贈られた。

　そして、“プレイステーションの父”と呼ばれ、PS、PS2、PS3、PSPを開発。ゲーム産業を世界のメインストリームにまで押し上げた久夛良木健氏に、生涯功労賞“Lifetime Achievement Award”が授与された。


▲PlayStation 4の開発をリードしたマーク・サーニー氏がプレゼンターを務め、スタンディングオベーションで迎えられた久夛良木氏。PSを開発当時のエピソードや、これからのクリエイターたちにエールを送った。