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2014年3月24日(月)

ポケモンの初代竜王が決定! 『ポケットモンスター X・Y』と『ポケモンカードゲーム』のハイレベルな戦いが繰り広げられた大会をレポ

文:カネキング

 ポケモンの公式イベント“ポケモン竜王戦”の決勝大会が、3月22日に東京都内のよみうり大手町ホールで開催された。

 “ポケモン竜王戦”は、読売新聞社・日本将棋連盟共催による3DS用ソフト『ポケットモンスター X・Y』と『ポケモンカードゲーム』の大会。年齢制限が設けられており、小学生以下だけが出場できる。『ポケットモンスター X・Y』はダブルバトル、『ポケモンカードゲーム』は60枚のスタンダードデッキでの戦いとなるが、“竜王戦”にちなんでドラゴンタイプのポケモンを使用しなくてはならないという特殊なレギュレーションが設定されている。

 決勝大会には、1月19日の名古屋大会を皮切りに全国主要都市で開催された予選大会、そして前日に行われたラストチャレンジ大会を勝ち上がった猛者たちが集結。優勝を目指して火花を散らした。

“ポケモン竜王戦”
▲“ポケモン竜王戦”の出場選手たち。各会場を勝ち抜いてきたトッププレイヤーたちだ。

 決勝大会の優勝者は、2014年ポケモン竜王の称号と、自分の名前が入った特製の3DS LLがもらえる他、世界大会“ポケモンワールドチャンピオンシップス2014”への招待も受けられる。

“ポケモン竜王戦” “ポケモン竜王戦”
▲展示されていたトロフィーと3DS LL。3DS LLには、“ポケモン竜王戦”の象徴ともいえるメガリザードンXが描かれている。

 この記事では、そんなポケモン竜王戦の模様と、同時に行われた棋士たちによるエキシビションマッチの模様をレポートする。

■棋士たちがポケモンバトルで激突!

 エキシビションマッチその1では、田中悠一四段、中村太地六段、野月浩貴七段、阿久津主税八段が『ポケットモンスター X・Y』でミニトーナメントを行った。

“ポケモン竜王戦”
▲画像左から、田中四段、野月七段、阿久津八段、中村六段。将棋をポケモンに変えて、熱いバトルを繰り広げた。

 決勝は、中村六段と野月七段の対決に。中村六段は、メガガルーラとキリキザンが暴れ回った後、ニョロトノ+キングドラの特性“あめふらし”+“すいすい”でシャットアウトする構築。対する野月七段は、メガリザードンYが“ねっぷう”を連打し、ボーマンダ、ゲッコウガ、ナットレイがサポートするという作戦だ。

“ポケモン竜王戦” “ポケモン竜王戦”
▲ナットレイが“やどりぎのタネ”と“まもる”で鉄壁の防御力を見せつけた決勝戦。惜しくも敗れた棋士たちは、口々に「将棋で負けるのと同じぐらい悔しい」とコメントしていた。

 試合は野月七段のナットレイが絶対的な守りを見せつけ、中村六段を完封。試合を見守っていた阿久津八段は、攻めの将棋を指す野月七段が、守る戦略を取っているところがおもしろいと話していた。

“ポケモン竜王戦”
▲棋士たちによる白熱のポケモンバトル。トーナメントを制した野月七段にも、特製の3DS LLが贈られた。

■将棋界の竜王とマルチバトル!

 エキシビションマッチその2では、将棋界の竜王・森内俊之さんが登場し、『ポケットモンスター X・Y』でマルチバトルを行った。対戦相手は、バラエティ番組『ポケモンゲット☆TV』からのスペシャルゲストとして、オードリーの春日さんが駆け付けた。

“ポケモン竜王戦” “ポケモン竜王戦”
▲『ポケットモンスター X』をハリマロンでプレイしたという森内竜王。「竜王として負けるわけにはいきません」と意気込みを語ると、対する春日さんも「僕もお笑い界の竜王として負けるわけにはいきません」と返し、会場を沸かせていた。

 森内竜王、春日さんがそれぞれ1人ずつ観客から助っ人を選ぶと、4人によるマルチバトルがスタート。バトル用のポケモンはすでに用意されており、森内竜王チームがメガサーナイト、メガリザードンX、ゼクロム、ゼルネアス。春日さんチームがメガチャーレム、メガバンギラス、イベルタル、レシラムと、豪華な構成になっていた。

 試合はいきなり春日さん側のメガチャーレムが倒される波乱の幕開けとなったが、イベルタルがタイプ相性をひっくり返す活躍を見せ、最後はメガリザードンXとメガバンギラスの一騎打ちに。メガバンギラスが見事森内竜王が使うメガリザードンXを撃破し、春日さんチームの勝利となった。

“ポケモン竜王戦” “ポケモン竜王戦”
▲マルチバトルで対決! 拮抗する試合展開に、会場は大いに盛り上がった。

■カードゲームの決勝戦ではランドロスとリザードンが激突!

 “ポケモン竜王戦”は、午前中に予選リーグが行われ、それを勝ち上がった選手4名による決勝トーナメントにより、優勝者を決定する流れになっていた。

“ポケモン竜王戦” “ポケモン竜王戦”
▲午前中からスタートした予選リーグ。ここを勝ち上がった選手が、決勝トーナメントに駒を進めた。

 カードゲームの決勝戦は、ラストチャレンジ大会を勝ち抜いたハセガワ アサキ選手と名古屋大会1位通過のニシムラ コウト選手が激突。ハセガワ選手は、《ランドロスEX》のワザ“ハンマーヘッド”を軸に、《レックウザ》などで効率よくダメージを与えていくデッキ。ニシムラ選手は最新カードである《メガリザードンX》を使い、一気に勝負を決める爆発力が高いデッキだ。

 試合はまずニシムラ選手がどんどんデッキを回し、《メガリザードンX》を出す準備を整えていく。一方のハセガワ選手は《ランドロスEX》でうまくベンチのポケモンにもダメージを与え、堅実な立ち回りを見せる。

“ポケモン竜王戦”
▲非常に戦略が異なるデッキタイプ同士の対決に。ニシムラ選手はどうやって《メガリザードンX》を通すか、ハセガワ選手はそれをいかに防ぐかが勝負のポイントとなった。

 サイドカードの取り合いではハセガワ選手が一歩リードしているものの、ニシムラ選手側に《メガリザードンX》が出てくると逆転されかねない、一進一退の攻防が続く。しかしハセガワ選手がベンチのポケモンにうまくダメージを与えていたことから、ニシムラ選手は《メガリザードンX》を生かせず、ハセガワ選手がリードを守る形で勝利を収めた。

“ポケモン竜王戦”
▲優勝したハセガワ選手。普段はお父さんやお母さんとバトルの腕をみがいているとのことだ。

■ゲーム部門はラストチャレンジ大会通過者同士によるハイレベルなバトルに

 ゲーム部門の決勝戦は、お互いラストチャレンジ大会を勝ち上がってきたテラサワ リン選手とオオグシ カズキ選手のマッチアップに。カードゲーム部門でも、準決勝ではラストチャレンジ通過者同士のバトルが行われており、前日のラストチャレンジ大会が非常にレベルの高い内容だったことがうかがえる。

 試合は、テラサワ選手がクチート+ウォッシュロトム、オオグシ選手がガブリアス+ウォッシュロトムを展開してスタート。お互いのウォッシュロトムが相手のクチート、ガブリアスにそれぞれ“おにび”を入れる定番の立ち上がりとなった。

“ポケモン竜王戦”
▲弱点が少なく使いやすい人気のポケモン・ウォッシュロトム。“おにび”や“でんじは”などのサポートから、“10まんボルト”や“ハイドロポンプ”による攻撃までこなせる、器用なポケモンだ。

 中盤はテラサワ選手がメガクチートとボーマンダ、オオグシ選手がメガクチート+トゲキッスという並びに。ここでテラサワ選手が、メガクチートが倒れる寸前にボーマンダをナットレイに交換する巧みなプレイングを見せる。これにより、ボーマンダの特性“いかく”を2回メガクチートに入れることに成功した。

 その後はボーマンダの“いわなだれ”でトゲキッスがひるむ幸運もあり、試合はオオグシ選手のメガクチートとテラサワ選手のナットレイの一騎打ちにもつれ込む。メガクチートはこうげきが2段階下がっているものの、“ほのおのキバ”を覚えているとナットレイに勝てる状況だ。見守っていた観客からも、どちらが勝つかわからない困惑の声がもれる。

“ポケモン竜王戦”
▲メガクチート対ナットレイ。ナットレイが有利な組み合わせではあるが、何が起こるかはわからないのがポケモンバトルだ。

 しかしオオグシ選手のメガクチートは“ほのおのキバ”を覚えておらず、テラサワ選手のナットレイがダメ押しとばかりに“のろい”を発動。これが決定打となり、威力が上がった“ジャイロボール”でメガクチートを一気に倒したのだった。

“ポケモン竜王戦”
▲優勝したテラサワ選手。“ポケモンワールドチャンピオンシップス2014”への意気込みを語っていた。

 こうして、カードゲーム部門はハセガワ アサキ選手が、ゲーム部門はテラサワ リン選手がそれぞれ竜王に輝いた。試合を見守っていた森内竜王からも、「『ポケモン』の奥深さを知って、ますます発展していくと思いました。世界に向けて頑張ってください」とエールが贈られた。

 今後は“ポケモンワールドチャンピオンシップス2014”の出場権をかけて、カードゲームは大型公式大会“リザードンメガバトル”が、ゲームは“ポケモングローバルリンク ジャパンカップ2014”がそれぞれ5月に開催される。腕に自信のある人は、ぜひ挑戦してみるといいだろう。

“ポケモン竜王戦”
▲最後は大会を見守っていたゲームフリークの増田順一さんと株式会社ポケモンの石原恒和さんも加わり、記念撮影。数々のドラマを生んだ“ポケモン竜王戦”が、これで閉幕となった。

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データ

▼『ポケットモンスター X パック ゼルネアス・イベルタル ブルー』
■メーカー:ポケモン
■対応機種:3DS
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年10月12日
■希望小売価格:22,800円(税込)
▼『ポケットモンスター Y パック ゼルネアス・イベルタル ブルー』
■メーカー:ポケモン
■対応機種:3DS
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年10月12日
■希望小売価格:22,800円(税込)
▼『ポケットモンスター X』ダウンロード版
■メーカー:ポケモン
■対応機種:3DS
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年10月12日
■希望小売価格:4,800円(税込)
▼『ポケットモンスター Y』ダウンロード版
■メーカー:ポケモン
■対応機種:3DS
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年10月12日
■希望小売価格:4,800円(税込)

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