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2014年3月28日(金)

Xbox 360版『World of Tanks』をやり込んで発見した新事実!? 技術ツリーの進め方のコツも【めざせ! 戦車道免許皆伝 第25回】

文:田中尚道

 『World of Tanks(ワールド オブ タンクス)』(以下、『WoT』)を筆頭に、個人的にここ数年はPCでゲームをプレイすることが多いのですが、絶賛サービス中の『World of Tanks: Xbox 360 Edition』を遊ぶために、久しぶりにXbox 360本体を引っ張り出してみました。ところが、愛用していた有線コントローラの根元のコネクタをなくしていて、あわてて別の無線コントローラを買いに行く羽目に。でもってつないでみたら、今度はHDDユニットが死んでました。今度はそれを買いに……って、RPGのお使いクエストかよ!

 さらに、使えるモニタが10年前のモデルでS端子接続。文字とかさっぱり読めません。それじゃあHDMIケーブルでプロジェクタに接続しようと思ったら、初期型Xbox 360にはそもそもHDMI端子がついてませんでした……。こんなことなら新しいXbox 360本体を買った方が早かったかもしれません。

 さて、なんだかディティールの甘い感じの画面でのプレイとなったのですが、Xbox 360版『WoT』はローエンド環境でのプレイも念頭において作られているようで、ちゃんと遊べるのがすごい。昔、PC-8801FEというAV端子付きのパソコンがあったのですが、大画面で遊ぼうと29インチのテレビに出力したら解像度が合わなくて、歴史シミュレーションの武将名が苗字しかわからないという体たらく。曹なんとかさんみたいに苗字が同じ&名前の画数が多い武将ばかりなので、さっぱり誰だかわからない。能力値の6と8と9の区別もつかないという致命的な状態で、遊ぶのを断念したことをふと思い出しました。アレに比べれば十分すぎるくらいに遊べますが、家庭用の大画面に高解像度のグラフィックを映し出してこそ、戦車バトルの真の楽しみが味わえるハズです。

 というわけで今回は、Xbox 360版『WoT』をあらためて紹介しつつ、第22回の記事では突っ込みきれなかったさまざまな側面をご紹介していきます。

『World of Tanks』

■Tier IV~Tier Vの戦いを考察してみた

 PC版ではドイツの技術ツリーをメインで伸ばしていた小官ですが、Xbox 360版ではアメリカの技術ツリーに挑戦。とはいえ、もちろんPC版でも使っていた車両が中心になるわけですが。Xbox 360版にまだ実装されていないフランスの軽戦車【ELC AMX】やアメリカの駆逐戦車【M18 Hellcat】、ソ連軍の重戦車【KV-1S】などの強車両とマッチングしないだけで、随分と気が楽です。また、さすがにベーシックなラインナップが中心となっているだけあって、そうクセの強い戦車もいないので、Xbox 360版から始めたプレイヤーでも安心して戦えるのがありがたいところ。

『World of Tanks』 『World of Tanks』

 とはいえ、“Tier IVの谷”(Tier IVに入ると苦戦を余儀なくされる現象)はXbox 360版でもしっかり再現されており、足の速さ以外すべての数値が凡庸なドイツの【Pz.Kpfw. III】をはじめ、ひたすら硬いだけのイギリスの【Matilda】、車体固定砲のせいで駆逐戦車的な使い方しかできないアメリカの【M3 Lee】と、なかなかクセのある車両たちの洗礼がプレイヤーを待ち構えています。ここを抜ければドイツは【Pz.Kpfw.Ⅳ】、アメリカは【M4 Sherman】と、使い勝手のいい戦車たちが待っています。

 イギリスは【Churchill I】へと収れんされて、以降は重戦車のルートになります。【Churchill I】は【Matilda】ほどでないにしてもクセのある重戦車ですので、Xbox 360版から『WoT』を始めた人はイギリスの技術ツリーは後回しにした方がいいかもしれません。もちろん、そんな逆風をはねのけるほどのイギリス戦車愛があれば、軽く乗り越えられる程度のハンデですが。

 さて車両について補足すると、Tier IVくらいだと、どの陣営でも中戦車よりも駆逐戦車の方がスコアを稼ぎやすいと言えます。ここらへんも、PC版と同じように感じます。これは単純に、攻撃力が中戦車より高いため。『WoT』では与ダメージがスコアに直結するので、高いダメージを叩き出せるということは、その分が得られる経験値とシルバーに反映されていくわけです。反面、駆逐戦車は装甲が薄いので、撃たれるともろいのはもはやおなじみ。とはいえ隠蔽率が高いので、必殺の一撃で敵を破壊できることもしばしば。Xbox 360版はまだ市街地マップが少なく、開けた地形が多いので、その点を考えても固定砲の車両はPC版より活躍できると言えます。

『World of Tanks』
▲固定砲の車両でも活躍できると書きましたが、【M3 Lee】についてはPC版より背が高い気がします。その分、やられやすくなっていると言いますか、隠れにくくなっていると言いますか、やたら発見されている気がします。後述の“発見”アイコンが実装されているからかもしれませんが。

■技術ツリーの進め方のポイント!

 Xbox 360版『WoT』ではまだまだ車両の種類が少ないため、開発ツリーの先を見据えてゲームを進めていかないと、進化の先で行き詰まってしまうことがあります。また、特定の強力な戦車を目指して進めていこうという方も、PC版にはあった車両がXbox 360版ではまだ実装されていないということが十分にあり得ます。もちろん、今後どんどん実装されていくハズなのですが。どのタイミングのアップデートで実装されるかは明らかにされていませんので、いつ追加されてもいいように、経験値がたまってエリートステータスを獲得した車両でも、余った経験値をフリー経験値に変換しないでそのままキープしておいた方が良いかもしれません。

『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲アメリカ軍の【Wolverine】(Tier V)は旋回砲塔を持つ使い勝手の良い駆逐戦車ですが、Xbox 360版では開発パッケージという概念の関係から、105mm砲を装備した型だと非力なエンジンで戦わなければならないという残念な結果に。

 また、技術ツリーの先がTier Xの手前で途切れていたとしても、この先も伸びていく可能性があるわけですから、まったく開発しないでいいわけでもありません。優先度としては、どの陣営でも駆逐戦車と重戦車についてはTier Xまで開発できるわけですから、ここに向けて進めていける車両を使っていき、余裕ができたら軽戦車や自走砲の開発を進めるのがよいでしょう。

『World of Tanks』
▲アメリカの技術ツリーの一部。PC版ではTier Vに駆逐戦車の【M18 Hellcat】がいますが、Xbox 360版ではまだ実装されていません。現時点では【Wolverine】から【Jackson】にあえて進まずに、今後のアップデートを待つというのも手かもしれません。
『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲ドイツの上位Tier車両。小官、ドイツの技術ツリーの極致は【MAUS】だと思うのですが、残念ながらまだその姿を見ることはできません。▲戦車の経験値をフリー経験値に変換するには、PC版と同様にゴールドが必要になります。この変換は“店”で行いますが、PC版と違って搭乗員の訓練の促進ができないので、エリート戦車になってしまうと経験値はたまる一方。

■PCゲーマーにはアナログスティックの操作がネック!?

 PCゲームのキーボード&マウスでの操作に慣れていると、ゲームパッドでの操作に違和感を感じるという話を以前に書きましたが、照準を合わせる操作をアナログスティックで行うことには対応できるようになっても、アナログスティックで車体の操作を行うことには個人的になかなか慣れません。第3回の記事でも書いた通り、アナログ入力だと斜めにスティックを倒してしまって、車体が弧を描いて進んでしまうのです。

 車体の向きによって装甲の厚さが変化することから(装甲面に対して斜めに砲弾が当たると、実際の装甲の厚さよりも高い防御力を発揮する)、精密な操作を要求される『WoT』では、これがかなり致命的でした。アナログスティックのフレキシブルさが裏目に出ているわけです。なんとかならんものかと設定画面を調べていたら、ありました。コントローラのコンフィグ画面。1つ1つのボタンを変更する細かな設定はできませんが、これの【操作C】が、車体の前進、後進をトリガーに配置して左スティックをステアリングにしているパターンでした。これなら前進、後進、旋回をキーボード操作に近い形で操作できます。

『World of Tanks』 『World of Tanks』
『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲ゲームをインストールしたままのデフォルトが【操作A】。【操作B】はマイナーチェンジパターンで、オートクルーズを十字キーの上下に配したもの。【操作C】は左右のトリガーに前進、後進を振ったタイプ。【サウスポー】は左右のアナログスティックが【操作A】と逆転しており、右スティックで移動、左スティックでレティクルの操作を行います。この4つのタイプから自分にあったものを選択してください。

■360版ならではのオトク(?)なシステム

 Xbox 360版は非常によくできていて、PC版となんら遜色のないプレイが楽しめるのですが、いくつかの差異はあります。その1つが、敵車の発見を発見した時と、逆に発見された時のアラートに関するもの。自分が敵に発見された場合、PC版だと車長のパークスキルである【第六感】があれば3秒後にアイコンが点灯します。しかしXbox 360版ではスキルに関係なく、全車両が敵から発見された時にアイコンが表示されます。これは、自分の向いている方向の敵に対してのみ作用するもので、自分のカメラの死角から敵に見られた場合には点灯しません。そこのところに注意してください。また、自分が発見した車両に関しては双眼鏡のアイコンが表示されます。

『World of Tanks』
▲発見されてしまったことを示すアイコンが、画面左下の車両インジケーターの横に出ています。敵車両がこちらを見ている際に表示されるものなので、次の瞬間には、まぁ撃たれます……。
『World of Tanks』
▲こちらは、敵を発見した時に出る双眼鏡(観測)アイコン。このアイコンが出ている状態で、発見されたことを示すアイコンが出なければ、大チャンスの到来!
『World of Tanks』
▲発見して、発見されて、ついでに火災も起きているという、なかなかドタバタとした状況。なお“射撃せよ”のアイコンは、“火災発生”の誤訳のようです。どちらも「Fire!」ですから。

 また、PC版では鶏小屋を壊すと鳴き声がするなど、オブジェクトの破壊による効果がありましたが、Xbox 360版ではそれがさらに派手になっています。消火栓を壊すと水が噴き出すという、戦闘には特に関係ないものから、射撃による建物の破壊と火災といったものまで、実にさまざま。特に、建物の破壊は敵の視線を遮る、砲弾を避けるという観点から、とても重要な要素となっています。PC版では砲弾を使用して障害物を排除するという行為はあまり見られませんが、Xbox 360版では全プレイヤーがやたらめったら撃ってきます。破壊可能な障害物の陰に隠れる際は注意してください。

『World of Tanks』
▲進軍中に偶然気づいたワンシーン。消火栓を破壊すると、地面から噴水のように水しぶきガ飛び出してきます。
『World of Tanks』 『World of Tanks』 『World of Tanks』
▲敵に発見されたので建物の陰に隠れたら、その建物が木っ端微塵に吹き飛ばされ、前に進んで他の建物の陰に入ったらそれも破壊され、最期は自分が撃たれて終了。『三匹のこぶた』もかくやという追い立てられっぷりでした。

■搭乗員の概念について

 PC版では名前や階級、顔イラストもある搭乗員。スキル取得による個性づけも可能で、なかなかの存在感ですが、Xbox 360版では搭乗員に関する要素を積極的にいじることができません。ただし第22回の記事でも書いたように、負傷の概念は存在するので、スキルなどをいじれないだけで搭乗はしています。さらに、能力強化アイテムや換気装置など搭乗員のスキルアップアイテムも実装されています。これらは搭乗員個々の能力を云々するものではなく、戦車全体の能力強化アイテムだと考えるといいかもしれません。また、一部の戦車のように搭乗員数が少なく、車長が他の役割を兼務する車両の場合、負傷をどのように処理するのかは残念ながら不明です。

『World of Tanks』
▲アメリカ戦車ならアイテムの“コーラ”で搭乗員の能力が上昇します。

■始めるなら今!

 選択できる陣営はサービス開始時からイギリス・アメリカ・ドイツの3カ国となっていますが、車両の種類は随時アップデートされ、次々と新たな車両が追加されています。プレミアム戦車も、ドイツ軍のTier VIII重戦車【Lowe】が先日実装されました。また、マッチングを見てもTier VIII以上の戦車での参加が徐々に増えてきているので、みなさん順調に研究・開発を進めているようです。とはいえ小官、Tier IVとかTier Vのあたりでうろうろしておりますが……。新規に参入される方でも、今ならまだ開発できる戦車も少ないので、始めやすいと思います。基本プレイ無料ですし、Xbox 360ユーザーの皆さんはここらが始め時ですよ!

(C) Wargaming.net
(C) Wargaming.net 2008-2014.

データ

▼『World of Tanks(ワールド オブ タンクス)』
■メーカー:ウォーゲーミングジャパン
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月5日
■価格:無料(アイテム課金)

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