2014年5月3日(土)
1994年12月3日に発売された初代PlayStationは今年で20周年! 同じく電撃プレイステーションも今年で20周年を迎え、雑誌、Web、イベント等、さまざまな記念企画を実施していく予定だ。
その一環として今回からスタートする電撃PS 20周年企画『電撃プレイステーション バックナンバークロニクル』では、バックナンバーの発売当時に思いを馳せながら、注目の記事やPSタイトルとPSの歴史について振り返っていく。まずは、19年と4カ月前の1994年12月16日に発売されたVol.1の内容を見ていこう。
この第1号発売から少し前、1994年12月3日にプレイステーション本体は発売された。ファンと業界は初代PSに熱い視線を送り、3DのCGで描かれた新しいゲームの世界に注目が集まっていた。コンシューマで目にする本格的なポリゴン、それがどんな表現力と可能性を秘めているのか、誰もが期待に胸を高鳴らせていた。
▲“極限までつきつめた3D・CG機能”“ソフトの中心価格は5000円台”“待たずに買える(※CD-ROMの採用)”など、PlayStationはゲーム業界に数々の革命をもたらした。 |
リアルタイムで描かれる3Dの画像を最も迫力満点かつスピーディに表現できるゲームジャンル、その筆頭にレースゲームが挙げられるかもしれない。当時を振り返ると、レースゲームは“マシンパワーの具現者”としての使命も与えられていたように思う。
だからこそ、3DダンジョンRPG『クライムクラッカーズ』や麻雀ゲーム『麻雀ステーション MAZIN ~麻神~』など、“フルポリゴン”を売りにしたPSの新作タイトルのなかにおいても、当時のゲームセンターで現役バリバリで活躍していたレースゲーム『リッジレーサー』は特別な存在感を放っていた。
そんななかで、我らが電撃プレイステーションの第1号表紙には『プリンセスメーカー ゆめみる妖精』(SCE)が採用された。生まれたばかりの編集部は「他誌とは違う色を出そう!」という気概に満ちあふれており、赤井孝美氏が描く内面から美しさがにじみ出るようなイラストを使った表紙はたしかに、独自色と内容の濃い記事を目指した本誌を表していた。
時は流れ、定期刊行されていたライバル誌は時代の波に飲み込まれ、姿を消していった。幸いにも本誌は、読者のみなさんからの温かい応援をいただき、もうすぐ20周年を迎えることができる。ここまで来られた理由はたくさんあるが、第1号の表紙に象徴される本誌の“色”がみなさんに支持を得られたのではないかと思う。
こうして歩み続けて19年と数カ月、本誌にはさまざまなエピソードが刻まれてきた。そのなかには、今では想像しがたい笑い話や、近年のゲームシリーズ生誕にまつわる興味深い話、意外な事実などにあふれている。電撃PS20周年を迎える2014年、そんなエピソードを1つ1つヒモ解き紹介しつつ、この20年を振り返ってみよう。
■■■■■電撃プレイステーション Vol.1(発売日:1994年12月16日)■■■■■
■■■■■表紙:プリンセスメーカー ゆめみる妖精■■■■■
◇『フォーチュン・クエスト』(メディアワークス)
深沢美潮原作、迎夏生のイラストで人気の小説がボードゲーム型のシミュレーションに! ステキなイメージイラストとともに、その情報を独占で紹介した。
◇『ときめきメモリアル』(KONAMI)
先立って1994年5月にPCエンジンで発売されて爆発的な人気を誇っていた恋愛シミュレーションが、早々とPSでも発売されることが決定。このページでは、当初は知名度の低かった『ときめきメモリアル』がどんどん注目されていった歴史などを振り返り、PSへの移植を祝福した。
◇『闘神伝』(タカラ)
初代PSで初となる3Dタイプの対戦格闘を紹介&徹底攻略! 同一タイトルのページは別の企画としても掲載された。
◇『プリンセスメーカー3』(ガイナックス)
娘の育て方1つで結末がガラリと変わる、育成シミュレーションを紹介。
◇『東京SHADOW』(タイトー)
女優・宝生舞がヒロインを務めた、実写取り込みタイプのアドベンチャーを紹介。
◇『鉄拳』(バンダイナムコゲームス)
当時最先端のグラフィックで描かれた、衝撃の3D・対戦格闘を紹介。
◇読みきり漫画『闘神伝』(原作:TAKARA 漫画:ことぶきつかさ)
新作『闘神伝』のバックストーリーを24ページで漫画化! 漫画のあとには、キャラクター設定資料紹介、開発者インタビューのページも続いていた。
◇読みきり小説『フォーチュン・クエスト外伝』
小説版でもおなじみのクレイとトラップが、主人公パステルたちと出会うエピソードを掲載。作者は深沢美潮、イラストは迎夏生。
◇電撃コラムス
いわさきひろまさ氏とかまやん氏による、ディープな業界事情をコラムで連載開始。
◇プレイステーションはじめて物語
プレイステーションのハードの秘密を漫画(画:岩瀬さとみ)で解説。のちに連載が続くことになる『はじめて物語』の雛形となった。
▲電撃PSのマスコットであるお姉さんとポリタンはこの頃から登場! ポリタンは最初“プレタン”という名前で登場しており、顔も現在の釣り目ではなく、タヌキのような顔だった。 |
◇ソフトメーカー質問箱
PSの主要なソフトメーカーさんにアンケートを行い、その集計結果からPSの将来を占うという企画ページ。
◆1994年3月20日:Panasonic 3DO REAL(松下電器産業)
PSのライバル機の1つ。ゲーム機の枠を越えたマルチメディアマシンを標榜していた。
◆1994年11月22日:セガサターン(セガ・エンタープライゼス)
PSのライバル機の1つ。2Dメインの設計思想のハードながら3Dも普通にこなせた。
◆1994年12月3日:プレイステーション(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
ゲーム界では“新参者”だったSCEが贈る、3Dの描画処理をメインに設計されたハード。
◆1994年12月23日:PC-FX(NECホームエレクトロニクス)
PSのライバル機の1つ。3Dを切り捨て、動画再生機能に特化した個性派のマシン。
◆1994年12月3日:『リッジレーサー』(バンダイナムコゲームス)
アーケードから移植されたレースゲーム。PSのマシンパワーを世に知らしめた名作。
◆1994年12月3日:『A.IV.EVOLUTION A列車で行こう4 エボリューション』(アートディンク)
線路を敷いて鉄道会社を経営し、周辺の街を発展させていくシミュレーション。“大人”のニッチに応える1本として注目された。
◆1994年12月3日:『クライム・クラッカーズ』(SCE)
3Dダンジョンを探索するアクションRPG。戦闘ではシューティングの要素も楽しめた。
◆1994年12月3日:『極上パロディウスだ! DELUXE PACK』(KONAMI)
アーケードの横スクロールシューティング、『極上パロディウス』と『パロディウスだ!』をカップリングで移植。
◆1994年12月16日:『KING'S FIELD』(フロム・ソフトウェア)
ダークファンタジー系の世界を冒険する、一人称視点のアクションRPG。後年、このテイストは『DARK SOULS』シリーズへと継承されていく。
◆1994年12月16日:『モータートゥーン・グランプリ』(SCE)
ポップなノリが特徴的なレースゲーム。のちに『グランツーリスモ』シリーズを手がける山内一典氏の処女作。
◆1995年1月1日:『闘神伝』(タカラ)
3Dタイプの対戦格闘が『バーチャファイター』と『鉄拳』しか知られていなかった時代に、彗星のように現れた3Dの対戦格闘。
以上、記念すべきVol.1の内容をお届けした。次回の記事では、月刊化されたVol.4や『電撃プレイステーション G』などのジャンル増刊も登場した、Vol.2~Vol.10を一挙に紹介するのでお楽しみに!!
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(C)GAINAX イラスト:赤井孝美
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