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2014年4月4日(金)

東京バーチャルサーキットで本格派のレーシングシミュレーターを体験! ゲーマー向けの特別メニュー“TVCチャレンジ”もスタート!!

文:チョロ松

 『REAL STEAL(リアル・スティール)』や『パシフィック・リム』、『WWE 2K14』などの対戦・スポーツゲームで知られるユークスが、東京バーチャルサーキットというレーシングジムを運営しているのはご存知だろうか。この東京バーチャルサーキットでは、日本初の本格的なレーシングシミュレーターを使って、ドライビングテクニックのトレーニングを行うことができる。

『東京バーチャルサーキット』 『東京バーチャルサーキット』

●TVC本店
・住所:港区赤坂6-6-19 メゾン・ド・ヴィレ1F
・営業時間:10時~20時
・定休日:不定休

●TVC大阪店
・住所:兵庫県西宮市室川町4-26 ZEROSUN西宮店2F
・営業時間:10時~20時
・定休日:火曜日およびメンテナンス日(不定休)

 この東京バーチャルサーキットにて、ゲーマーでも手軽に楽しめるスペシャルメニュー“TVCチャレンジ”がスタートしたということで、どんなサービスとなっているかを取材してきた。通常のトレーニングコースは30分10,000円(USBメモリを持参すれば自分のドライビングデータを持って帰ることが可能)。また富士スピードウェイで5周の体験トレーニングとインストラクターの指導が受けられる体験トレーニングコースは1回5,000円となっているが、今回紹介するTVCチャレンジは5周のタイムアタックで1回2,000円! 基本は富士スピードウェイでの計測となるが、F1が開催されている現在は、オーストラリアGPのメルボルンやマレーシアGPのセパンなど、その周に開催されるグランプリのコースにチャレンジすることも可能だ。

『東京バーチャルサーキット』

 初めは、フォーミュラ・ルノー2.0またはポルシェクラスからスタート。各クラスのターゲットタイムをクリアすれば、プロレーサーと同様にさらに上位のクラスへステップアップできる。またGP2クラスのターゲットタイムをクリアした人には、5,000円分のトレーニングチケットがプレゼントされる。

●体験可能なクラスとターゲットタイム(富士スピードウェイ)

・フォーミュラ・ルノー2.0クラス…1分43秒
・ポルシェクラス…1分44秒
・F3クラス…1分41秒
・GP2クラス…1分26秒

 ●体験トレーニングコースで“全額返金制度”がスタート!

 4月1日からは、体験トレーニングコースにて“全額返金制度”がスタートする。富士スピードウェイで5ラップのタイムを計測し、2分30秒を切ることができなければ、料金の5,000円全額が返金されるという太っ腹な制度(シミュレータ酔いの方は除外)。体験トレーニングコースでは、自分の走りを記録したロガーデータをUSBメモリなどに入れて持って帰ることが可能。さらにインストラクターによるデモンストレーションを見学することもできる。なおGP2クラスで1分40秒を、もしくはフォーミュラ・ルノー2.0で1分50秒、ポルシェクラスで2分00秒をクリアすると、5,000円分のトレーニングチケットがもらえる仕組みだ。

■7メートルの巨大スクリーンに投影されるリアルなサーキット!

 今回訪問したTVC本店には、世界にもまだ数台しかないフォーミュラSIMと、ポルシェ996 GT3の実物を使って独自に開発されたポルシェSIMの2台が設置されている。どちらも、コックピットの目の前に全長7メートルの巨大スクリーンが設置されており、リアルかつ迫力満点の映像で、さまざまなサーキットの臨場感を味わうことができる。自分の目から2メートル以上の距離に巨大スクリーンが設置されていることでドライバーの脳に錯覚を起こさせ、近くに設置されたモニタとは違う独特な感覚が生まれるのだそうだ。

【ポルシェSIM(TVC本店のみ)】【フォーミュラSIM】
『東京バーチャルサーキット』 『東京バーチャルサーキット』
ポルシェ996 GT3のボディを利用し、ドライバーの視界をリアルに再現。6速シーケンシャルミッションを搭載し、アクセルやブレーキも本物のパーツを使って究極のタッチを再現している。またステアリングの剛性感も文句なし! 実車主義を貫き通したシミュレーターとなっている。2008年におけるレッドブルのF1マシン・RB4と同系のマシン筐体で、パドルシフト&2ペダルのフォーミュラ仕様。独特な着座ポジションやハンドリングも実車と同様となっている。ブレーキのフィーリングもレーシングマシンそのもので、非常に硬く、体全体で踏みつける感覚を味わえる。

 まずはフォーミュラSIMに挑戦。実車と同様に、ボディの一部とハンドルを外して、狭いコックピットに入り込む。普通の乗用車と違って、まるで風呂桶に寝そべっているかのような感覚だ。無料レンタルのドライビンググローブをしっかりとはめ、ペダルの位置(前後)を調節したら、ピットからコースへ向かってアクセルを踏み込んでいく。すると、ボディ全体がビリビリと震えるようなエンジンの爆音! 第1コーナーの手前でブレーキをがっつりと踏み込み、強烈なダウンフォースから生まれるグリップ力を感じながら次のコーナーへ向かっていく。

『東京バーチャルサーキット』
『東京バーチャルサーキット』 『東京バーチャルサーキット』
▲強烈なトルクを生み出すサーボモーター。これにより、ゲーム用のホイールコントローラとは比べ物にならない強いフォースフィードバックが発生する。▲一部のスピーカーがボディに向けて貼り付けられており、コックピット全体が実際にエンジン音で震えるという仕掛け。

 TVCチャレンジでは若干のアシスト機能が働いており、ファストイン・ファストアウトの鉄則をきちんと守れば、ある程度はスムーズなドライビングを楽しむことができる。今回試遊した3名はいずれも本格的なレース経験はないものの、大きなトラブルもなく周回することができた。そして、ドライビングに慣れるにつれて、徐々にタイムを詰めていくこともできた。

『東京バーチャルサーキット』 『東京バーチャルサーキット』
『東京バーチャルサーキット』

 「フォーミュラSIMでこれなら、意外にカンタン!?」と根拠のない自信を抱きながら、今度はポルシェSIMにチャレンジ。実車を改造したコックピットだけに、こちらもかなり本格的な雰囲気だ。ところが、実際に運転してみると、フォーミュラマシンとはまったく比較にならないほどの“車の重み”を感じる。コーナーの手前でブレーキを踏み込んでも、全然速度が落ちない感覚なのだ。しかも、それに戸惑っているとすぐに速度が落ちすぎてしまい、コーナーを脱出する姿勢はヨタヨタとまるで鳥のヒナが歩くような状態だ。

『東京バーチャルサーキット』
『東京バーチャルサーキット』 『東京バーチャルサーキット』
▲ボディの内部には実車と同じ6POTのブレーキキャリパーが。これを油圧モーターで制御するため、実車とまったく同じブレーキ感覚を味わえる。

 また、コーナーでハンドルに掛かってくる荷重もかなりのもので、とても右手をハンドルから離してシーケンシャルシフトを操作する余裕がない! 結局、フォーミュラSIMよりもかなり遅れたタイムで5周を回りきることとなった。

『東京バーチャルサーキット』 『東京バーチャルサーキット』
『東京バーチャルサーキット』

 2台のシミュレーターにチャレンジした後は、着ているTシャツがぐっしょりと濡れるほどの疲労感。アシスト機能のおかげでかなりゲーム感覚で楽しめたものの、その没入感と満足感はやはり本格派のレーシングシミュレーターならではのものだった!

■シミュレーションインストラクターの砂子塾長に話を聞いた!

――どのような経緯で、東京バーチャルサーキットが生まれたのでしょうか?

砂子智彦氏:(以下、砂子塾長):もともと、新しくレーシングゲームを作ろうということで、弊社の代表取締役社長の谷口が実際にWTCC(世界ツーリングカー選手権)のチームに参加して、レースを体験してみたんです。その中で、シミュレーターを使って練習するのが当たり前ということで、レーシングシミュレーターに興味を持ったようです。日本にはまだ本格的なシミュレーターがなかったので、レーサーの皆さんにトレーニングで活用してもらおうということで、2012年の2月にこの施設をオープンしました。

『東京バーチャルサーキット』

――普段はどんな方が多く利用しているのでしょうか?

砂子塾長:ほとんどが、実際にモータースポーツをやっていらっしゃる方たちですね。メインはミドルフォーミュラに参加している方で、ジェントルマンドライバーの方やサンデーレーサーの方たちも多いです。でも、およそ3割くらいの方はモータースポーツ未経験の方たちですね。

――やはりトレーニングを目的にしている方が多いのでしょうか?

砂子塾長:トレーニングも多いんですけれど、シンプルに「本格的なシミュレーターを体験してみたい」という方も多いですよ。実際にサーキットで走るには、金銭面や車両・装備の準備などのさまざまな障害がありますから。

――シミュレーターとして、最もこだわっている部分はどこでしょう?

砂子塾長:やはりハンドリングの部分でしょうか。自分が現役で走っていた時、タイヤのグリップ状態をお尻で感じていたつもりだったのですが、やはりステアリングへのフィードバックというものがきちんと存在していて、このシミュレーターでもそれをしっかり再現しています。自分の走りを大胆に変えてみて、それがタイムの大幅な短縮につながったドライバーもいますよ。

――実際にサーキットを走っていらっしゃる方と、ちょっと体験してみたいくらいの方で、一番違うのはどのような部分ですか?

砂子塾長:“知識”です。反射神経や運動神経は二の次で、やはりコーナーの手前でブレーキを踏まなくてはといったクルマを扱う知識の部分で、大きな差がありますね。またアマチュアの方は、プロのドライバーと比べてその日ごとのバイオリズムの変化が大きいですね。

――今回、「実際のレースには参加していないけれど」といったライトなモータースポーツファンのために、TVCチャレンジというメニューを始めたとお伺いしました。どんな方が、このTVCチャレンジを利用されていますか?

砂子塾長:やはり未経験者がほとんどです。楽しく走ってもらうことが目的ですから。逆に、サーキットでバリバリ走っている方には、体験トレーニングやトレーニングコースをおすすめしています。

――TVCチャレンジを遊んだ方からは、どんな感想が聞かれますか?

砂子塾長:ストレートに「すげえ面白い!」って言われますね(笑)。

――われわれも体験してみて、それとまったく同じ感想です(笑)。

砂子塾長:これがきっかけで、本物のレースに興味を持っていただければうれしいですね。東京バーチャルサーキットは本物のレーサーが多く利用しているということで、どうもハードルが高く感じてしまう方が多いようなのですが、ぶつけてしまってもまったく問題ないノーリスクなサービスなので、もっと気軽に利用してもらいたいです。免許だって必要ないんですから(笑)。

――なるほど、価格もお安いですしね。

砂子塾長:そうやって体験しているうちに、いずれ「もっと速くなりたい!」と思うようにになります。そして体験トレーニングを受けたときに、「ブレーキやアクセルはこう使うのか。」と。そうなった時、その先にいろんな世界が広がって、さらにモータースポーツへの興味が高まるんじゃないでしょうか。でも、まずは「クルマってめっちゃ楽しい!」というのを感じてほしいですね。

――将来的に、どんなところを目指していますか?

砂子塾長:施設の面では、湾曲した360度のスクリーンを用意したいですね。実は今、BMW Z4のシミュレーターを作っているのですが、日本できちんとしたシミュレーターを作れるのは今のところウチだけなので、さらに本格的なものを目指したいです。やはり、この分野での第一人者であり続けることで色んな話や企画が生まれていくと思うので、これからもいっそう頑張っていきます。

――本日はありがとうございました。

●チョロ松の感想
 視野いっぱいに広がっている景色が、猛スピードで脇から後ろへ流れていくところから、相当なスピード感を味わいました。横を向いて走っているワケではないんだけれど(笑)。これはゲームでは味わえない感覚ですね。それと、走り終わった後の心地よい疲労感。ぐったりとなってしまって、「もうしばらくはやりたくない!」となるのに、ちょっと休憩するとまた走りたくなってくる(笑)。この価格設定なら、体験してみて損はないハズ!

●Rustyの感想
 東京バーチャルサーキットのTVCチャレンジを体験してきた感想としては、とにかく、おもしろいのひと言! もう、それ以外の言葉が浮かばないくらい楽しかったです!! 仕事柄、これまでいくつものドライビングシミュレーター的なものを体験してきましたが、今回がダントツで楽しかった。根っからのクルマファンはもちろんですが、レースゲームが好きでクルマにも興味がある人には、ぜひとも体験してもらいたいです!

 と、いきなり鼻息荒く急発進してしまいましたが、正直に言います。体験してからもうすぐ1週間近く経ちますが、いまだに興奮が冷めません(笑)。最近のシミューレーター系レースゲームをステアリングコントローラで楽しんだことのある人なら、あの楽しさがさらに数倍跳ね上がった感じを想像してみてください。TVCのシミュレーターは座席も本物さながらというか、ポルシェにいたっては本物の車体を使っているので、ハンドルやアクセル、ブレーキの剛性感は本物のレーシングカーそのまま。さらに、視界の左右までカバーする巨大なスクリーンと、超リアルな爆音サウンドによる臨場感がハンパないです。ハンドルのフォースフィードバックはやや強めでしたがすごくリアルな手ごたえで、ブレーキングでタイヤがロックした感覚や、リアが滑り出した感覚もすぐにつかめます。中~上級者なら、数周走ればタイムアタックを楽しめるゾーンに突入できると思います。

 今回、TVCチャレンジのターゲットタイムくらいは出せた者からアドバイスをするとしたら、ただ1点。とにかくブレーキがブースター(倍力装置)なしなので重い! 床を踏み抜くくらいガツンと踏んでも、ブレーキングとしてはまだ6~7割。それくらい、高い踏力が必要です。最初はそれに戸惑うと思いますが、数周すれば感覚をつかめるので、あとはブレーキングをどこまで我慢できるかというチャレンジの時間。これが本当にアツいです!

 もう少し書きたいことはありますが、すっかり予定の文字数をオーバーしているのでまとめます。東京近郊の方はもちろん、地方にお住いの方も、何かの用事で東京に立ち寄る機会があるなら、スケジュールを調整してでも体験してみる価値はあると思います。今回の取材には予備知識なしでお邪魔したので、最初は「5周で2000円かぁ、どんなもんかなぁ」くらいの感じだったのですが、そんな自分に対して、今はコーナリング中に後ろからコツンとやってやりたいくらいです。TVCチャレンジの5周走行でも、大きな興奮と心地よい疲労感を体験できます! 1人では抵抗あると思いますので、ぜひ友だちを誘って体験してみてください。本当にオススメ!!

●YK3の感想
 主なレースゲームは一通り遊んでいて、カートも何回か乗ったことがあり、SUPER GTを観戦するために富士ともてぎに足を運ぶといったステータスの私。ガチなレース走行は未経験ですが、本格的なシミュレーターということでワクワクしながら乗り込みました。

 まずはフォーミュラ・ルノーにチャレンジ。コースは富士スピードウェイ、操作説明を受けさっそくスタート! おおお、エンジン音が気持ちいいですねー。視野も広いので臨場感は抜群、実際にサーキットを走っている錯覚さえ覚えます。

 ゲームではほぼオートマでプレイしているので、どこを何速でといったシフト操作に苦戦しましたが、ダウンフォースが効いているせいか、派手なコースアウトもなくメチャメチャ楽しく走れました。

 走り終わった後、走行ログを見せてもらったのですが、砂子塾長のログと比較してビックリ。ブレーキング1つ取っても塾長のほうは短い時間でハードブレーキング、逆に私のほうはヨタヨタとぬるいブレーキングをしていました。全体的に動作開始タイミングが遅いのもわかったわけで、これが私のクセなんだと思います。こういうのがわかっただけでも大収穫でしたね。

 TVCチャレンジではこのサービスはありませんが、通常コースだとこんな感じでログを見ながら自分の走りを確認できるところが素晴らしいですね。これなら上達も早いだろうなと思います。

 次にドライブしたのはポルシェ996 GT3のシミュレーター。こちらは試しにシーケンシャルシフトに挑戦してみたのですが、ステアリングのフォースフィードバックが非常に強くて(本物と同じなんでしょうけど)、片手を離してのシフト操作が大変でした。ストレートならまだしもコーナーの前後ではステアリングが暴れちゃって押さえ込むのに苦労しましたね。モーター“スポーツ”と言われるゆえんを垣間見た気がしました。

 今回2種類のクラスを体験したのですが、ゲームではとても味わえないリアルさを、視覚的、肉体的に体感することができました。実際にサーキットでレーシングカーを運転する機会はなかなかないと思いますが、これだけ手軽に「本物」の片鱗に触れることができるのはすごいなと思いました。レースゲームを遊んでいる人、レース観戦によく行く人、カートでたまに遊ぶ人(つまり私みたいな人ですが)に、ぜひともこの施設で一歩先を行ったレース体験をしてみてほしいと思っています。モータースポーツの見方が変わりますよ。

●東京バーチャルサーキット セパン(GP)プレイ動画


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