2014年5月14日(水)
【レビュー&攻略】『ぐんたま~軍師の魂~』コーエーテクモの戦国パズルが配信開始! 軍師となって合戦を勝ち抜け(電撃おすすめアプリ 第144回)
皆様こんにちは。20数年ぶりに思い切って桜の花見をしたら、数日間意識朦朧となっていた激甚花粉症ライターの石田賀津男です。今回ご紹介するアプリは、本日5月14日より配信が始まったコーエーテクモゲームスのスマートフォン用アプリ『ぐんたま~軍師の魂~』です。
コーエーテクモゲームスといえば『信長の野望』をはじめとした歴史ゲームの最大手。お堅いゲームを作っている印象の強い会社ですが、今回はずいぶんユルめのタイトルで……と言いかけて、モバイルでは『のぶニャがの野望』なんてのもあったりして、わりと何でもありなのを思い出しました。細かいことは気にせずゲームを見ていきたいと思います。(※画面は開発中のものです)
■『ぐんたま~軍師の魂~』とは?
戦国時代を舞台にしたパズルゲーム。プレイヤーはさすらいの軍師となり、さまざまな武将と出会い、力を合わせて合戦を勝ち抜いていきます。ゲームは3マッチパズルをそろえることで敵軍を攻撃。敵陣を次々に破り、総大将を倒せばミッションクリアとなります。
▲パズルで敵軍を倒しますが、基本的には歴史物です。 |
■得意の戦国ものと流行のパズルを見事に融合
『ぐんたま~軍師の魂~』は日本の戦国時代を舞台にしたゲームで、主人公は合戦を指揮する軍師となって戦います。軍師のなすべきことは、パズルゲーム。もはやスマートフォン向けアプリでは定番となった3マッチパズルを攻略し、敵陣を抜いて総大将を討つのがゲームの目的です。
ゲームの流れは、いわゆるクエストに当たる合戦に参加して敵を倒し、経験値や武将カードを入手して強化していくというもので、一般的なソーシャルゲームの体裁です。武将はカードの形で、合戦やガチャで入手できます。最大5枚の武将カードでデッキを組んだら、合戦を選んで参加します。
▲武将カードでデッキを組んで合戦に向かいます。 |
合戦では画面上に敵軍、画面下にパズルが表示されます。パズルは動かしたいものをタッチし、そのまま指を滑らせて動かし、移動し終えたら離すだけ。これで縦横いずれかに3つ以上同じパズルがそれえば、そのパズルが消えます。そろえたパズルからは、パズルの絵柄に応じた兵士が現れ、敵に攻撃を仕掛けます。
敵は大将と兵士の組み合わせで登場します。兵士は大将の前に陣取っているので、まずはこの兵士を倒さないと大将を攻撃できません。パズルを消した時に現れる自軍の兵士は、消した列から真上に走っていって敵を攻撃します。うまく1列にそろえるパズルを集中させれば、効率よく大将を狙えるというわけです。
ただし大将の前にいる兵士をすべて倒すと大将へのダメージが1.5倍になるので、余裕があれば全部倒したいところ。しかしのんびり時間をかけて兵士を倒していると、敵の大将から攻撃されたり、敵の援軍が来て兵士が補充されたりします。すべての列でまんべんなくパズルを消しつつ、一度に多くのパズルを消すコンボを決めて、一気に倒すのが理想です。
▲3マッチパズルの醍醐味、コンボを決めて敵軍を倒します。 |
敵の大将をすべて倒せば、次の敵陣へと前進できます。合戦ではいくつかの敵陣があり、最後の陣にたどり着くと総大将が現れます。総大将との戦いにも勝てば、その合戦での勝利となります。
要するに、パズルでいっぱいコンボを決めて敵を蹴散らして進んでいくゲームです。合戦クリア後には、クリアにかかったターン数や最大コンボなどがスコア化され、最終評価が表示されます。最高ランクのSを取れば、レア武将が手に入るガチャを回せる小判がもらえます。
……といったゲームの説明だけだと「なるほど」と思って終わりかもしれませんが、本作の注目点は演出の素晴らしさです。パズルをそろえるたびに兵士が現れ、コンボをつなげれば次々に兵士が現れてはワラワラと突撃を繰り返していきます。コンボの達成感とともに見た目の爽快感もあり、やたらと「コンボが気持ちいい!」と感じられるゲームになっています。
▲敵陣を次々に突破していく爽快感もあります。素早くクリアできれば高評価をもらえます。 |
■流れの軍師が武将たちに出会う物語
主人公は何をしている人なのかと言いますと、ゲーム中では“さすらいの軍師”とか“流れの軍師”と紹介されます。「主君からの信頼が何よりも重要な軍師を流れで……?」とツッコミたくなる気持ちはぐっと抑えてください。
そんな珍妙な設定の本作でいったい何がしたいのかは、プレイしているとすぐに気づきます。主人公は日本各地の武将や大名のもとを訪れ、一時の合戦に限って軍師として働くことになります。武田晴信(後の武田信玄)や毛利元就といった歴史に名を遺した人物のもとにふらりと現れ、彼らの危機を救って見せたかと思うと、すぐにその場を去っていきます。ツッコミたくなる気持ちはぐっと抑えてください。
▲「あなたは戦場を求め、とある山中を旅していた」という主人公に、都合よく活躍の場面が……。 |
ここでおもしろいのが出会う武将たち。武田信玄と言っても上杉謙信や織田信長とドンパチやった頃ではなく、まだ父である武田信虎が当主として健在だった頃に出会います。あまり歴史で触れられない若いころを描くことで、武将の人間性、キャラクター性をうまく引き出しています。
武将や大名のビジュアルは、本格派の歴史ゲームのようにシブいものではなく、比較的マンガチックで今風なイラストになっています。これなら歴史に詳しくない人でも気軽に遊べますし、ゲームならではの新たな解釈で描かれた若き武将たちにより深く興味を持ってくれる人も多いはずです。
シナリオはいくつかの合戦をまとめて章立てされており、1つの章が終われば別の武将や大名のもとへと赴いていきます。先々どんな武将が現れ、どんな一面を見せてくれるのか、歴史物が好きな筆者としては興味が沸いてきます。そして本作を遊ぶほどに史実も恋しくなってきて、『信長の野望』シリーズを遊びたくなります。コーエーテクモゲームスにはなかなかの軍師がいらっしゃるようです。
▲武田信玄の若かりし頃、武田晴信との出会い。撤退戦でのしんがりで作戦を任されます。 |
▲若さみなぎる毛利元就はなかなか新鮮。ミステリアスな美男子に描かれています。 |
■マジメで華やか! 新たな歴史物の見せ方を示す一作
本作でもう1つおもしろいのが、武将の強化要素です。おなじみカード合成によって行いますが、大きく分けて強化と覚醒という2つの方法があります。強化は単なるカード合成で、強化元のカードのレベルが上がり、ステータスが上昇します。
覚醒はカードを進化させる要素で、それまでとは別の新たなカードに生まれ変わります。ポイントは、単にカードの絵柄が変わるだけでなく、名前も変化することです。例えば初期カードの1枚として選べる【犬千代】は、覚醒を繰り返すと最終的に【前田利家】になります。これは前田利家の幼名が犬千代だった、という史実に基づいていて、歴史物のファンのツボを見事に突いたアイデアです。秀吉はどこからどこまで覚醒するのか気になります。
▲こちらは筆者が選んだ初期カード【ほたる】。1回目の覚醒で【小蛍】と名前が変わり、最終覚醒で鉄砲集団・雑賀衆の【雑賀の蛍】となります。 |
大河ドラマが『軍師官兵衛』だけに、軍師を題材にするなら今……ということだとは思います。ただ本作は、そのネタを武将の新たな魅力を引き出すという発想で仕上げられているのが見事です。武将はマンガ的独自解釈を含んではいますが、あまりにかけ離れたイメージで遊びすぎているわけでもなく、歴史物のファンにも楽しめる形にまとまっています。この辺りの調整力は、さすがはコーエーテクモゲームスと言うほかありません。
新たな歴史物の見せ方を示したというところが本作最大の魅力ではありますが、ゲームの持つ爽快感など、全体のクオリティも一級品です。良質なパズルゲームを遊びたい方、ユニークな歴史物に触れてみたい方、どちらの興味で入っていただいても構いません。ぜひ一度お試しあれ。
▲パズルゲームとしても歴史物としても十分評価できる完成度の高さ。コーエーテクモゲームスならではの一作です。 |
■ワンポイント攻略「特別合戦を活用しよう!」
メインシナリオが進む通常合戦の他に、期間限定の特別合戦も登場します。特別合戦では、強化に便利な特殊な武将など、通常入手しづらいものが手に入りやすくなっています。合戦の内容によって入手できるものは違うので、自分が欲しいものが手に入る特別合戦はどんどん参加し、武将を強化していきましょう。
▲特別合戦は合戦のルールも特殊なものがあります。注意しながらうまく活用しましょう。 |
●石田賀津男’s profile
電撃文庫で軍師……と考えて思い浮かんだのが『学園キノ』なんですが、どうしてその発想に至ったのか考えてみると、犬山・ワンワン・陸太郎が軍師っぽいよなと思ったようで、自分でも何を言っているのかわかりません。でも『学園キノ』は何を言っているのかわからない作品なので、結果的にうまく紹介できたと思いました。ツッコミたくなる気持ちはぐっと抑えてください。
(Twitter:@wis_Arle/ブログ:ougi.net)
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
※画面は開発中のものです。
データ
- ▼『ぐんたま~軍師の魂~』
- ■メーカー:コーエーテクモゲームス
- ■対応機種:iOS/Android
- ■ジャンル:PZG
- ■配信日:2014年5月14日
- ■価格:基本無料/アイテム課金