AC『ブレードアークス』ロケテレビュー＆インタビュー。『シャイニング』シリーズ新作アーケードゲームはコア層に向けた骨太2D対戦格闘

文：ゴロー

　本日5月9日～11日にかけて実施されている、アーケード用対戦格闘ゲーム『BLADE ARCUS from Shining（ブレードアークス フロム シャイニング）』のロケーションテスト。その開催直前に会場の東京・セガ 秋葉原1号館にて、本作の試遊および『シャイニング』シリーズ総合プロデューサー・澤田剛氏へインタビューをする機会が設けられた。

　本作は、TVアニメ化もされたファンタジーRPG『シャイニング』シリーズで初となる2D対戦格闘ゲーム。Tony氏描き下ろしの歴代シリーズのキャラクター＋完全オリジナルキャラクターたちが、豪快なアクションや必殺技、パートナーキャラとの“リンクアタック”などを駆使してバトルを繰り広げる。新規書き起こしのストーリーや豪華声優陣にも注目だ。

　この記事ではロケテスト版をプレイした感想や澤田プロデューサーへのインタビューの他、本日公開された主題歌情報をお届けする。

【レビュー】『ブレードアークス』らしさと2D対戦格闘の原点が融合

　本作ではレバー＋4ボタン（弱・中・強攻撃＋サポートリンク）を組み合わせてキャラクターを操作する。一見、ハイスピードな対戦アクションをイメージしたが、実際にプレイしてみると意外と緩やかなゲームスピードとなっていた。

　というのも、最近の2D対戦格闘で主流の空中ダッシュや空中ガードの概念がなく、全体的なゲームスピードも遅めにできている。考える時間があるぶん、相手のジャンプを見てからでも対空技がギリギリ間に合ったり、試合中にゲージの溜まり具合を確認したりと、駆け引きをじっくり楽しむことができる。感覚的には『ストリートファイターII』シリーズに近いものがあった。

　このゲームで特筆すべき部分は、パートナーキャラの存在にある。試合前にメインキャラクターを選択した後は、残りのキャラクターの中から好きなパートナーを選べる。選んだパートナーは試合中に“サポートリンク”ボタンを押すことで、いつでも呼び出すことが可能だ。パートナーキャラに関する要素を下にまとめたので、まずはそちらを確認してみてほしい。

　コンボの可能性が広がったり、リンクフォースアタックでダメージアップを図ったりと、サポートキャラは攻撃面で非常に役に立ってくれる。しかし、防御面においてはイマイチ使いどころがわからず、ただやられて戻る、いっしょに攻撃を食らうというケースが目立った。こればかりは自分の知識不足という他になく、呼び出すタイミングやレバーの入力方向による技のチョイスが重要になるのではないかと。

　総評としては、2D対戦格闘から離れて久しい自分でも、早い段階で馴染めそうなゲームだと感じた。パートナーキャラを使った『ブレードアークス』特有のゲーム性を強調しながらも、2D対戦格闘の原点でもある地上戦を重視していて、新しさと懐かしさがある。『シャイニング』シリーズファンはもちろん、2D対戦格闘ゲームから離れていた人や興味がなかった人も、今回のロケテストに参加してみてはいかがだろうか。

▲ロケテ会場の秋葉原1号館では開店直後から待機列が。

【インタビュー】コアな格闘ゲーマー向けた骨太の対戦格闘ゲームとして

　『シャイニング』シリーズ総合プロデューサーである澤田 剛氏へのインタビューをお届けする。

▲澤田 剛プロデューサー。

――本日のロケテストを迎えた率直な感想をお願いします。

　初のロケテストでドキドキしています。2月に発表した時の反響が大きく、その期待に応えられるかというプレッシャーもありますね。今回のロケテストで皆さんからいろいろと意見をいただいて、よりおもしろい格闘ゲームに仕上げていきたいと思います。

――そもそも、なぜ『シャイニング』シリーズを格闘ゲームにしようと思ったのでしょうか？

　自分が『ストリートファイターII』世代で、スタジオ最前線のスタッフにも格闘ゲーム好きや制作経験者がいたので、以前から格闘ゲーム化の話はあったんです。これが実現したきっかけは、社内でオールネットプラスマルチを盛り上げようという企画の話が出た時ですね。

――どういったユーザーに向けて制作していますか？

　じつは、シリーズファンというよりも、コアな格闘ゲーマー向けた骨太の対戦格闘ゲームとして作っています。ゲーム性については、コンボ主体ではなく、技の差し合いを大切にしていて、ゲームスピードも今よりもう少し考える時間を増やそうか検討中です。

　また、浮かせてからコンボを決めたり、コマンドの追加入力で追撃できたりと、キャラクターごとにいろいろな格闘ゲームの要素を楽しめるものにしています。

――最近の2D対戦格闘は初心者向けの配慮がされていますが、そういったシステムは用意されていますか？

　昇竜拳コマンド（右→下→右下）を取り入れるべきかなど議論を重ねてきましたが、今のバージョンでは導入しています。やはり、格闘ゲーマーがなじみやすい新作の格闘ゲームを目標としていたので。もちろん、そこは今回のロケテで皆さんの声を聞いてから調整しようと思っています。

――タッグ戦にした意図を教えていただけますか？

　パートナーとのコンビネーションは『シャイニング』シリーズの特徴でもあるので、まず好きなキャラクターを2人選べるところをコンセプトとして取り入れました。サポートキャラクターも単なる助っ人ではなく、呼び出す場面が選べたり、任意にいろいろな技を出せたりして重要な立ち位置にしています。

――新キャラのリュウガとパイロンはどういった特徴のキャラクターになりますか？

　格闘ゲームファンになじみやすい“飛び道具・対空・移動攻撃”をそろえた、主人公ポジションのキャラクターです。あと、格闘というところでデザイン的にも中華風のイメージにしています。

――それ以外のキャラクターは4人とも『シャイニング・ブレイド』からの参戦になりますが、他のシリーズのキャラクターを登場させる予定はあるのでしょうか？

　他シリーズからの参戦はあります。シリーズで人気の高いキャラクターや格闘ゲームに出したらおもしろいと思うキャラクターを登場させる予定です。

――最終的なキャラクター数は何人になるのでしょうか？

　具体的な数字は言えませんが、10体以上は登場します。

――キャラクターを格闘ゲームへ落とし込む際に苦労した点はありますか？

　Tonyさんの描くキャラクターはモデル等身なので、ボディバランスの調整は何度もやり直しました。比較的サイズが大きいので、キャラクターのダイナミックなアクションが楽しめると思います。

――本作の対戦で肝になるポイントはどこになるのでしょうか？

　パートナーキャラクターの使い方ですね。プレイヤーキャラクターの状況に応じて呼び出した時のゲージの消費量が変わるので、そこの判断や使い分けが肝になってくるかと。

――最後にユーザーに向けてメッセージをお願いします。

　『シャイニング』シリーズファンの方が満足できるつくりにしていますが、一番遊んでほしいのは普段から格闘ゲームをプレイしている皆さんです。興味のある方は、ぜひ会場に足を運んで一度プレイしてみてください。

▲筺体の付近にあるテーブルにアンケート用紙が用意されている。プレイした際は意見や感想などを書いて投稿してほしい。

■『BLADE ARCUS from Shining』ロケテスト概要
【実施期間】2014年5月9日～11日
【実施店舗】セガ 秋葉原1号館（東京都千代田区外神田1-10-9）

■『ブレードアークス』の主題歌が決定！　歌い手は保志総一朗さん

　本作の主題歌が、レイジ役の保志総一朗が歌う『Brave Heart ～輝きの彼方へ～』に決定した。歌詞も保志総一朗さん自らが書き下ろしたものになり、5月30日発売の2ndミニアルバム『LITTLE WORLD』に収録される。

【商品名】『LITTLE WORLD』
【アーティスト名】保志総一朗
【発売・販売】キングレコード
【発売日】2014年5月30日
【価格】2,300円＋税
【公式サイト】http://www.starchild.co.jp/artist/hoshi/
※初回製造分のみスリーブケース付きデジパック仕様

(C)スタジオ最前線 (C)SEGA

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データ

関連サイト

• 『BLADE ARCUS from Shining（ブレードアークス フロム シャイニング）』公式サイト