2014年6月10日(火)

PS4版『Thief(シーフ)』レビュー。数あるステルスアクションゲームとの違いとなる“盗み”の自由度の高さを高評価

文:イトヤン

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『Thief(シーフ)』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 スクウェア・エニックスが6月12日に発売するPS4/PS3/Xbox One ※/Xbox 360/PC用ソフト『Thief(シーフ)』。この作品の日本語版を実際にプレイしたレビューをお届けします。

※Xbox One版の発売は9月4日。

『Thief(シーフ)』

 『シーフ』は1998年にPCで第1作が発売されて、海外では非常に人気の高いシリーズです。筆者もかつて、PCの英語版をプレイしたことがあるのですが、その当時はまだ“ステルスアクション”というジャンルになじみがなかったために、「なんて難しいゲームなんだ!」と挫折してしまった記憶があります。

 本作は、シリーズを現代に通用する形でリブート(再構築)した作品であり、シリーズについての予備知識はまったく必要ありません。またゲームのプロローグ部分では、非常に丁寧なチュートリアルが用意されているので、この後でご紹介する本作ならではのゲームプレイが、すんなりと身につくようになっています。このあたりは、シリーズになじみの薄い日本のゲーマーにとってもうれしい配慮だと言えるでしょう。

■闇に身を潜めて、マップ上の各所に隠されたアイテムを盗み出せ!

 ファンタジーRPGが好きな人なら一度は聞いたことがあると思いますが、タイトルの『シーフ』は“盗賊”という意味です。主人公であるギャレットは、“マスターシーフ”と呼ばれる凄腕の盗賊であり、産業革命期のヨーロッパを思わせる“シティ”の各所に眠っている財宝や、隠された真実を盗み出すことになります。厳重に警戒された場所に“潜入”し、財宝を“盗み”出して、無事に“脱出”する。この流れが本作のゲームプレイの基本になっています。

『Thief(シーフ)』
▲主人公のギャレットは皮肉っぽいセリフをつぶやくクールな性格で、決して義賊と呼べるような人物ではありませんが、よほどの理由がない限り他人を傷つけないことを信条としています。

 “盗む”のがゲームの基本となっているだけに、本作ではマップ上のあちこちで、豊富な種類のアイテムを取ることができます。もっとも、机の上や道ばたで簡単に拾えるのは、価値にして数G(ゴールド)程度の安物で、本当に貴重な財宝は、鍵のかかった金庫や隠し扉の裏などに隠されています。

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
『Thief(シーフ)』
▲周囲を見回してキラッ! と光る物があれば、それは“盗む”ことのできるアイテムです。また、戸棚の扉やタンスの引き出しを開けると、そこにアイテムがある場合も。通常のアイテムであればギャレットが盗んだ瞬間に、その価値が金額で表示されます。

 街の通りや建物の内部には、衛兵たちの監視の目が光っています。それに対してギャレットは、闇の中に潜むことで、自分の姿を完全に隠すことができます。画面左下にある“ライトジェム”が明るく光っている時には、ギャレットの姿が光に照らし出されており、敵に見つかってしまいます。

『Thief(シーフ)』
▲画面左下のライトジェムが明るく光っている状態で、衛兵の前に姿を現してしまったために気付かれてしまいました。衛兵が不審に思って怪しんだり、こちらに気付いて敵意を持っていたりする状態は、頭の上のアイコンで確認できます。

 そこでギャレットが移動する際は、物陰を伝って闇の中を進んでいくのが基本となります。時にはロウソクの炎を指で消したり、離れた位置にある炎をウォーターアローを使って消したりして、自分の手で暗闇を作り出すことも必要です。また、どうしても明るい場所を通らなければいけない場合には、クイック移動を使って素早く通り抜けることもできます。

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
▲ロウソクの炎は、近づいて手で消すことができます。ウォーターアローを使うと、離れた位置にあるたいまつを消すことができますが、消せるのは覆いのない炎だけで、ランプを消すことはできません。

 弓矢はギャレットにとって、単なる武器ではなく、さまざまな用途に役立つツールです。ウォーターアロー以外にも、高所に上るロープを射ることのできるロープアローや、ガスを発生させ敵を窒息させるチョークアローなど、多彩な種類の矢が用意されています。

 さらにギャレットは、“フォーカス”と呼ばれる特殊能力を使用できます。フォーカスゲージを消費する間、感覚が研ぎ澄まされて、操作可能なオブジェクトを探知できたり、敵を探知できたりといった効果を得ることができる他、物語を通じてフォーカスの能力を成長させることもできます。

『Thief(シーフ)』
▲フォーカスの能力を使用すると、拾えるアイテムや上ることのできるハシゴなど、操作可能なオブジェクトが青く浮き上がります。ただし消費したフォーカスゲージは、基本的にアイテムでしか回復できません。

 これらのツールや能力を駆使することで、ギャレットはさまざまな“盗み”のミッションにチャレンジしていきます。続いてはゲーム序盤の“チャプター1:封鎖”を例にとって、具体的な“盗み”のテクニックをご紹介しましょう。

■どのように潜入し、盗み出すかはプレイヤーのアイデア次第!

 ギャレットは、弟子である女盗賊のエリンとともに、ノースクレスト男爵の邸宅へ忍び込みます。そこで男爵が行っていた奇妙な儀式に巻き込まれてしまい、エリンは消息不明になってしまいます。

 意識を失ったギャレットが目を覚ますと、シティには“グルーム病”と呼ばれる疫病が蔓延し、男爵による圧政が人々に暗い影を落としており、街の様子が一変していました。実はギャレットが男爵の邸宅に潜入してから、1年もの時間が経過していたのです……。

『Thief(シーフ)』
▲エリンはギャレットから盗みの手ほどきを受けた女盗賊です。しかし、目的のためなら殺しもいとわない彼女の態度を見かねたギャレットは、彼女が操る鉤爪を奪ってしまいます。
『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
『Thief(シーフ)』
▲ノースクレスト男爵が行っていた奇妙な儀式に巻き込まれたエリンは、消息不明となってしまいます。ギャレットも意識を失い、目を覚ますと1年もの時間が経過していました……。

 以上のようなプロローグに続いて、“チャプター1:封鎖”のプレイがスタートします。意識を取り戻したギャレットは、自分の隠れ家である時計塔に戻ろうとしますが、街の門は衛兵たちによって封鎖されています。そこでギャレットは、門を迂回するために宝石店の内部を通り抜けようとします。衛兵たちの会話によると、この宝石店には豪華な宝石が散りばめられた仮面が飾られているそうなので、ついでにこの仮面も盗み出したいところですが……。

『Thief(シーフ)』
▲宝石店の周囲を、3人の衛兵が巡回しています。さらに建物の内部にも、店主の家族や警護の衛兵がいるようですが……!? 

 宝石店の内部へ潜入するには、店の前を巡回している衛兵たちの監視の目をかわさねばなりません。通りの片隅に置かれている空きビンを拾って衛兵のそばに投げ、注意を引きつけている隙に、路地を通って店の裏側へと回り込むことができます。

 しかし、潜入ルートはそれだけではありません。周囲の路地を注意深く探索すれば、地下道への入り口が見つかるはずです。この地下道を通り抜ければ、衛兵たちにまったく見られることなく、店の裏側へと回り込めるのです。

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
▲空きビンを拾って衛兵のそばに放り投げると、しばらくの間、注意を引きつけることができます。その隙に明るい道路を横切って路地に入り、店の裏に回り込めます。
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▲一方、店の反対側にある路地を探索すれば、地下道に通じる入り口を発見できます。ここを通れば、衛兵にまったく見つかることなく、店の裏に回り込むことが可能です。

 店の裏側に回り込んだら、今度は店内への潜入です。ロープを伝って隣の建物の壁を上れば、開いている2階の窓から店内に潜入できます。また、鍵のかかった扉をピッキングで開けると、店のさらに脇へと回り込むことができ、そこから1階の天井裏へと入り込むことができます。

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
▲ギャレットはロープをよじ上ることで、高所へと移動できます。あとは隣の建物の壁伝いに、開いた2階の窓から店内へ潜入できます。
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▲鍵のかかった扉を開けると、衛兵のいる門のすぐそばにある路地に出ることができます。そこから壁をよじ上って、店内の屋根裏へ入り込むことが可能です。

 しかし、店の裏側へ回り込むのではなく、堂々と正面玄関から入り込むことだって可能です。ブロードヘッドアローで材木を吊しているロープを射抜き、材木を落として衛兵たちの注意を引きつけたら、素早く正面玄関の前へ移動して、ピッキングで玄関の扉を開きます。さすがに気付かれる可能性は高いものの、決して不可能ではありません。このように本作では、現場の状況をしっかりと観察して、ツールやテクニックを使いこなせば、幾通りもの攻略方法を見つけることができるのです。

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
『Thief(シーフ)』
▲数種類ある矢の中から、ブロードヘッドアローを選択。PS4版ではタッチパッドを使ってアイテムを選択できます。矢でロープを射抜くと、木材が転落して大騒ぎに! 
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『Thief(シーフ)』
▲衛兵が大騒ぎしている隙に、正面玄関へと移動してピッキングで鍵を開けます。解錠の難易度はやや高いものの、気付かれずに扉を開けることができました。

 なんとか店内に潜入できましたが、仮面の置かれている売り場には、衛兵が監視の目を光らせています。可能な限り他人の生命を奪わないことを信条としているギャレットですが、いざという時には相手を攻撃して、気絶させることもできます。

 もちろん、気絶させることすら避けて、完全なステルスプレイを目指すことも可能です。その場合はスイッチを押して店内の照明を消して、ギャレットの姿を隠せる暗闇を作り出す必要があるでしょう。

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
▲屋根裏から下にいる衛兵にダイブすれば、相手に気付かれずに、確実に気絶させることができます。
『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
▲戸棚の中に身を隠して、衛兵をやり過ごすという作戦だって可能です。衛兵が戸棚の前を通過する瞬間に、勢いよく扉を開けてノックダウンすることもできます。

 無事に仮面が飾られたショーケースまでたどり着き、ついに仮面を手にしたギャレットですが、なんと仮面につけられた宝石はガラス細工のニセ物だと判明! では本物の仮面はどこにあるのでしょうか? 

『Thief(シーフ)』
▲ショーケースの鍵を開けて、ついに仮面を入手! ……と思いきや、どうやらこの仮面の宝石は、ガラス製の模造品のようだ。

 建物の内部を探索すると、階下にある作業場では、店主が何やら作業中です。そっと店主の背後に忍び寄り、机の上にある手紙を盗み読むと、本物の仮面はこの作業場のどこかに隠されているらしいことがわかりました。

 改めて室内を見回すと、大きな絵が目につきました。絵の近くに置かれたローソクの炎を消して闇に姿を隠し、じっくりと額縁を探ってみると、隠しスイッチの存在が判明! スイッチを押すと絵の裏側から、隠し金庫が姿を現しました。慎重に金庫を開いて、中から本物の仮面をゲット! 

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
▲階下の作業場で店主に宛てた手紙を盗み読むと、本物の仮面はこの作業場に隠されていることが判明。マップ上を探索していると、手紙や新聞などの文書を入手することも。こうした文書は、後から読み返すこともできます。
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▲怪しい絵を見つけて、額縁の周囲を慎重に探ると、絵の裏側から隠し金庫が出現! 金庫を開けるには3ケタの番号が必要ですが、その手がかりはどこかで見たような気も……? 
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▲なんとか金庫を開くと、中から本物の仮面をゲット! 一連の探索は店主のすぐそばで行っていましたが、暗闇に姿を隠すことで気付かれずに進められました。

 宝石店内にあるお宝は、仮面だけではありません。コインや指輪といった無数のアイテムを取ることができる他、金庫の中にはさらなる財宝も隠されています。しかしその金庫の前では、衛兵が椅子に座ったまま居眠りをしています。

 衛兵を起こさないよう、静かに金庫まで近づいて、ピッキングで解錠しようとしたところ……失敗して音を立ててしまいました! すると衛兵が目を覚まし、ギャレットは攻撃を受けてゲームオーバーに。もちろん、寝ている隙に衛兵を気絶させることもできますが、ピッキングを成功させれば、気付かれることなく財宝を盗むこともできます。

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▲金庫の前で寝る衛兵。
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▲ピッキングに失敗すると音が……!
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▲なんとか金庫を開けることに成功。

 こうして宝石店の内部をくまなく物色し、可能な限りのアイテムを盗み出したら、店を脱出してミッションクリア! 警戒の目を巧みにかいくぐり、自分なりの潜入ルートを見つけ出してマップ上を探索し、高価な財宝を盗み出すという本作のスリリングなプレイスタイルを、実感してもらえたのではないでしょうか。

 チャプターをクリアすると、ステルス重視の“ゴースト”、マップ上の環境を活用する“オポチュニスト”、そして敵のダウンを狙う“プレデター”という3種類の要素を円グラフで表示する、プレイの評価を見ることができます。ただし、これはあくまでプレイヤーがどのようなスタイルでクリアしたかを表すものであって、どのスタイルが優秀かという評価を表すものではない点に注意してください。

『Thief(シーフ)』
▲チャプターをクリアすると、プレイスタイルの評価が円グラフで表示される他、発見したアイテムの数などの統計データを見ることもできます。

■退廃的な“シティ”に革命の炎が渦巻く、ダークで重厚なストーリーに注目!

 隠れ家である時計塔に戻ってきたギャレットは、旧友であるバッソからの連絡を受け取ります。彼にさまざまな裏の仕事を提供する仲介屋のバッソと会うために、ギャレットは“シティ”を移動するのですが、チャプターの幕間に当たるこのシティの移動は、ちょっとユニークなものになっています。

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
▲ギャレットは、シティにそびえ立つ時計塔の内部を隠れ家にしています。この隠れ家では、これまでに収集した財宝を眺めることもでできます。
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▲仲介屋のバッソは、盗賊であるギャレットを陰から支えている存在です。バッソからの連絡は、彼のそばにいるカラス“ジェニヴィア”によって、ギャレットのところに運ばれてきます。

 “シティ”は巨大なオープンワールドとなっていて、ただ単に次のチャプターの起点となる場所に向かうだけでなく、建物の内部に潜入して文書やアイテムを盗み出すといった、寄り道も可能になっています。またシティには、新たな種類の矢などを売ってくれる商人や、フォーカスの能力をアップグレードしてくれる“物乞いの女王”といった人物も存在しています。

 一方で、物語が進むとシティの各所を衛兵たちが巡回するようになり、ギャレットは闇に身を隠しながら進んでいく必要に迫られます。マップが広大な上に衛兵が出現するため、シティの移動はやや苦労する面もあるのですが、それがまた裏稼業に生きる盗賊らしい雰囲気を醸し出しているとも言えるでしょう。

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
▲シティの街頭では衛兵による巡回が行われており、盗賊であるギャレットの姿が見つかれば、即座に攻撃を受けてしまいます。建物が立体的に入り組んだシティの構造を利用して、衛兵の目を避けて移動する必要があります。
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▲うさんくさい様子の武器商人からは、矢などの消耗品や、通気口をこじ開けるレンチなどのツールを購入できます。
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▲“物乞いの女王”と呼ばれている盲目の老婆に寄付をすれば、フォーカス能力をアップグレードできるフォーカスポイントがもらえます。この不思議な能力について、彼女は何か知っているのでしょうか?

 さて、ここで以降のチャプターの展開を、簡単にご紹介しましょう。

 “チャプター2:塵は塵に”では、ギャレットは死体が身につけている指輪を盗み出すよう依頼されます。この死体を追ってギャレットは、大量の死体が運び込まれている工場へと潜入することになります。工場内にいる衛兵の監視をかいくぐり、ギャレットは目的の死体の元へとたどりつきますが、肝心の指輪は男爵に雇われた保安総監に奪い取られてしまいます。ギャレットは保安総監から指輪を盗み出し、工場から脱出しなければなりませんが……!? 

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
▲チャプター2の舞台となるのは、大量の死体が運び込まれている不気味な工場です。この工場にはなぜ、死体が集められているのでしょうか? 
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▲衛兵たちを率いてシティの治安を維持する役目を担う保安総監は、その地位を利用して街中で法外な“闇税”を取り立てている、冷酷非道な人物です。

 “チャプター3:穢れた秘密”では、金持ちや上流階級の人々が集う秘密の館“ハウス・オブ・ブロッサム”の内部に潜入します。ギャレットと出会う以前のエリンもいたという、この退廃的な館の奥深くには、巨大な遺跡が存在していました。そこでギャレットは、不気味な影を目撃します! 

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▲“ハウス・オブ・ブロッサム”は、上流階級の人々に快楽を提供する秘密の館です。その客はこのような変態オヤジだけでなく、中には意外な人物の姿も……!? 
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▲“ハウス・オブ・ブロッサム”の地下には、巨大な遺跡が眠っていました。エリンの隠れ家で見つかるあるアイテムと、この遺跡とは何か関係があるようですが……。

 このように本作のストーリーでは、支配者と民衆が対立を深めて革命の炎が燃え上がる一方で、上流階級の人々は退廃的な快楽をむさぼっているといった具合に、ダークで重厚な世界観が描き出されています。一方で、男爵の邸宅で繰り広げられる奇妙な儀式や、ギャレットが身につけた不思議な能力など、超自然的な要素もかいま見えており、この先いったいどのように展開していくのか、非常に気になるところです。

■難易度のカスタマイズからスコアアタックまで、やり込み要素も充実!

 上で紹介しているように、ダークで重厚なストーリーが味わえる本作ですが、一方でストーリー以外のやり込み要素も、しっかりと用意されています。中でも注目したいのは、チャプターの途中からシティでの移動まで、さまざまな場所で大量に用意されているアイテムの収集です。

 クリア後の表示を確認しただけでも、1つのチャプターの中に数十個から100個近くのアイテムを取ることができるようで、それらをすべて集めようとすると、かなりのやり応えがありそうです。すぐそばに衛兵がいたりして、安全に取るためにはひと工夫が必要なアイテムも少なくないのですが、そういうアイテムに限って、いざ取ってみるとほんの数Gの安物だったりするのは、かなり複雑な心境です(笑)。とはいえ、本作は“盗む”ことがプレイの中心に据えられているだけに、こうしたアイテム集めはついつい、ストーリーそっちのけで夢中になってしまいます。

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
▲“マスターシーフ”と呼ばれる盗賊が、スプーンやヘアブラシを必死に拾い集めているのを想像するとヘンな感じですが(笑)、収集できるアイテム数がかなり多いだけに、思わず熱中してしまいます。

 また本作では、ゲームの難易度に関するさまざまな要素を、プレイヤーが自分自身で自由にカスタマイズすることも可能です。フォーカスの能力を使用できないようにしてみたり、衛兵に見つかった時点で即ゲームオーバーになるようにしてみたりと、かなり幅広いカスタマイズが可能です。いわゆる“縛りプレイ”に挑戦してみたい人にとっては、便利な機能だと言えるでしょう。

『Thief(シーフ)』
▲ニューゲームで、難易度のカスタマイズが選択可能です。いったん選択した難易度は、プレイの途中で変更することができないので注意してください。

 さらに、インターネット上でのスコアアタックが可能な“チャレンジモード”も用意されています。こちらはいくつかのルールが存在していますが、アイテムを素早く、連続して集めることでボーナスポイントを獲得していくことが基本となります。

 また一方で、衛兵に見つかったり、気絶させたりすると減点されてしまうので、ステルス状態を保つことも重要です。タイムアタックの要素も加わっているだけに、本編のプレイとはまた違ったアクション感覚が求められるモードです。

『Thief(シーフ)』 『Thief(シーフ)』
『Thief(シーフ)』
▲チャレンジモードでは、短い間隔でどんどんとアイテムを集めていくと、より多くのボーナスポイントを得られます。

 いずれにしても、本作は数あるステルスアクションゲームの中でも“盗む”ことを中心にすえている分、戦闘が中心のゲームとは違い、じっくりと落ち着いて取り組める作品になっています。それだけに、普段こうした海外製のアクションゲームを遊んだことがないという人でも、すんなりと入り込むことができると思います。

 ダークで重厚なストーリーが気になる人はもちろん、落ちているアイテムは全部拾わないと気が済まない人、そしてタンスを見たらつい開けたくなる人は(笑)、ぜひプレイしてみてください! 

データ

▼『Thief(シーフ)』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PC
■ジャンル:アクション
■発売日:2014年6月12日
■希望小売価格:7,800円+税
 
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