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2014年6月12日(木)

『俺屍2』レビュー。新要素の“百鬼祭り”や他国への“遠征”などのプレイ感覚をチェック

文:長雨

『俺の屍を越えてゆけ2』

 SCEが7月17日に発売するPS Vita用RPG『俺の屍を越えてゆけ2(俺屍2)』。その最新ロムをプレイしたレビューをお届けします。

 『俺屍2』は、1999年にPSで発売され、2011年にPSPでリメイクされた名作RPG『俺の屍を越えてゆけ(俺屍)』の最新作です。前作と比べて、プレイヤーによってゲーム開始時に出現する迷宮や中の構造、出現するボスが違っていたり、街への投資の仕方などによって品ぞろえの変化や特徴が変わったりと、よりいっそう十人十色な展開が用意されているのが特徴です。PS Vita TVにも対応しているので、大画面でじっくりとプレイできるのもポイントですよ!

 今回は、迷宮での戦闘や世代交代など本作の基本を改めてチェック! また物語に深く関係する期間限定の祭り“百鬼祭り(ひゃっきまつり)”と、他国へ出かけられる“遠征”の2つの新要素についても詳しくレポートしていきます。

→体験版からの追加・変更点をまとめたレビューはこちら

■復讐する力を蓄えるため、今日もマジメに迷宮探索

 神々の力で無事に地上に蘇り、最初の迷宮出撃も大きな問題もなくクリアできた我が長雨一族。しかし一族の仇である陰陽士・阿部晴明(あべのせいめい)を討つには、まだまだ力が足りません。そこでご近所の迷宮に出陣しては、鬼を倒して一族を鍛える日々を送っております。

 迷宮に行くと、鬼のシンボルがうろうろしています。その鬼にぶつかると、戦闘スタート。後ろからぶつかると先制攻撃が可能で、逆に鬼に後ろから接触されると先制攻撃を許してしまうので注意しましょう!

 戦闘がスタートすると、画面に“戦利品スロット”が登場。このスロットによって、戦闘勝利時の戦利品が決まります。『俺屍2』からは、レアアイテムが入手しやすくなる“熱狂の赤い火(迷宮内の時間経過を示す火時計に、まれに登場する赤い火)”の時のみ、スロット上に“戦利品ルーレット”も出現するようになったんですよね。このルーレットによって、“熱狂の赤い火”が増えるというメリットが! なんか、ちょっとお得感が増した気がします。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲戦利品スロットの中には、術の巻物や武器、防具などいろいろなものがそろっています。中には、神様に関係する貴重な品物も……。

 序盤の攻撃手段は、主に“攻撃”と“術”の2種類。“攻撃”は武器による通常攻撃で、職業によって個性があります。“術”は属性攻撃や回復など、さまざまな効果がありとっても便利。私は、“術”の“併せ(あわせ)”を中心に戦っています。

 “併せ”は出撃メンバーで術を重ねて強化していく戦術で、2人なら4倍、3人で6倍、全員なら8倍と威力が増していきます。ザコ戦はもちろん、ボスにも大ダメージを狙えるのがうれしいところ。

 ただ、術は最初から全部使えるだけじゃないんですよね。戦利品スロットで術の巻物を入手し、一族の能力を一定まで上げることで使用可能な術が増えていきます。個人的にはこの術の巻物集めが好きで、前作ではプレイするたびにきっちりコンプリートしていました。今回も、頑張って全部そろえたいですね。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲術の属性はさまざま。鬼の弱点となる属性を気にしつつ使うのがオススメですよ。

 敵を一掃するか鬼の大将を倒すと、勝利になります。勝利すると戦利品とともに、戦勝点(経験値)や交神の儀(こうしんのぎ)に必要な奉納点を獲得。一定以上戦勝点を入手するとキャラクターが成長して、体力や術を使う時に必要な技力が増えたり、、屋敷に戻った後に新しい術を覚えたりします。このささやかだけど、確実な成長を実感できるのが本作のいいところですよね。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲成長するごとに、必要な戦勝点も増えていきます。ドンドン強い鬼とも戦いましょう。

 そうして迷宮のザコ鬼を術で駆逐していく中で、我が一族もかなり強くなってきました。そこで、怖くて近寄りたくなかった迷宮のボス・鬼神(おにがみ)に挑んでみることに!

 まずは“ねうねう亭”の鬼神にケンカを売ってみました。ここにいた鬼神は、黄黒天吠丸(コウコクテンホエマル)様。猫尽くしの迷宮に、虎がいるとはこれいかに……。まあ、確かに虎は猫科ですけどもね。

 やはり鬼神というだけあり、ザコの鬼たちとは比較にならないほど体力があります。そして、固有の技を使ってくるところがなんともいやらしい。ただし序盤に登場する鬼神とあって、戦力さえちゃんと整えておけば勝てない相手ではなかったですね。

 黄黒天吠丸様に無事勝てたので、調子に乗ってもう1つの迷宮“竜宮渡り”の鬼神にも挑戦してみました。こちらは、なんと前作でいろんな意味でお世話になった九尾吊りお紺(クビツリオコン)さん! こちらも前作を彷彿とさせるような技を使われて苦戦はしましたが、無事に勝つことができました。今回は勝つことができましたが、これは勝てないと思ったら鬼神戦でも逃げることが可能です。自分の実力に合わせて、戦っていきたい存在ですね。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲黄黒天吠丸様と九尾吊りお紺さんというケモノコンビが、我が一族に最初に立ちはだかった鬼神でした。出現する迷宮や鬼神は人によって違うというのに、私のケモノ萌えがバレているとしか思えない……(笑)。ちなみに鬼神は、戦闘前と戦闘後にセリフが入ります。お紺さんの話はとてもよいです。ぜひ、聞いていただきたい!

■生まれて生きて、生まれて死んで……

 鬼神にも勝てるようになってきた我が一族ですが、寿命にだけは勝てません。一族が全滅したら、そこで復讐の道は途絶えてしまいます。ということで、“交神の儀”で素敵な女神様との間に子孫を残していこうと思います。

 屋敷で“交神の間”のコマンドを選び、“交神の儀”を行う一族と神様を選択します。交神をできるのは、元服を迎えた生後8カ月以上の一族のみ。どんなに天才でもすぐに子孫は残せないので、元服まで大事に育ててあげてください。

 また、神様にはそれぞれ必要な奉納点が設定されています。能力が高い神様ほど必要奉納点も多くなるので、迷宮でたくさん稼いでおかないと苦労しますよ!

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲必要な奉納点が10というお手軽な方から、まだまだ手が出せそうもない方まで、たくさんの神様がプレイヤーを待っています!

 相手を選んだら、いよいよ“交神の儀”です。ここで神様たちがひと言メッセージをくれるのですが、これがとても素晴らしい! ツンデレだったり、男前だったり、謎の言語だったり、神様ごとの個性豊かな愛のささやき(?)を聞くことができます。

 しかもこのセリフは、同じお相手と複数回交神をすることで内容が変化していくのです。このステキなシステムに、前作のPSP版では交神のたびにニヤニヤが止まりませんでした。そして今回も、周囲を気にせずニマニマしています。

 豪華声優陣が神様の声を担当していることもあり、その破壊力は前作比2倍以上! ぜひぜひぜひ、神様ファンの皆様には期待していただきたいです。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲初代当主の嫁は、伊吹の宮 静(イブキノミヤシズカ)様。前作でも美人でしたが、本作でもステキ!

 そんな交神を楽しみつつ、我が家にも新たな家族が増えました。みんな、一族の特徴である長い耳を受け継いでくれたのがうれしい。ちゃんと、血が受け継がれているのだなという感じがひしひしとします。そして子どもたちの能力が親よりも着実に強くなっているのが、一族を見守る立場として、とても心強いです。

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▲優秀な子が生まれるのは、やはりうれしいものです。最初は弱い子どもも、戦いを重ねていく中で親の能力などを抜いていくんですよね。それが頼もしくも少しさみしいと思うのは、親心ですかね。

 そして3人目の子どもに、初めてケモノ耳が生えました!! コウモリの女神・羽黒ノお小夜(ハグロノオサヨ)様の娘さんで、コーちんも太鼓判を押すほど母親似です。神様の容姿を受け継ぐというのは知っていたのですが、実際に自分の一族に生まれてくるとやっぱり驚きますね。本当にかわいいし、うれしいものです。この耳が、これから子孫に受け継がれるとさらにいいですね。

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▲お母様によく似た耳が生えました。ネコ耳や、狸耳への期待が増します!

 新しい一族が増えるのと同じように、寿命を迎える者もいるわけです。一族を引っ張ってくれた初代当主・深雪と、その弟・月光が静かに天に召されました。2年ほどしか生きられない“短命(たんめい)”の呪いがかかっているとはわかっていても、1歳半ばで散ってしまうのが切ないです……。しかも、2人の遺言がまた涙を誘います。彼らの無念を晴らすためにも、頑張って戦っていこうと思います。

『俺の屍を越えてゆけ2』 『俺の屍を越えてゆけ2』
▲初代当主・深雪。名前の通り、雪の深い2月に旅立っていきました。お前の屍は、しっかり越えてゆくよ!!▲月光は、花咲く5月に寿命を迎えました。名前にピッタリすぎる遺言に泣きました。

■いざ、鬼たちの祭り“百鬼祭り”へ!

 一族との初めての別れにしんみりしましたが、いつまでも立ち止まっているわけにはいきません。戦いへの決意を新たにしている時、ちょうどコーちんから鬼たちの祭り“百鬼祭り”の情報が! 鬼神にも勝てるようになりましたし、これは挑むしかないでしょう。“百鬼祭り”は6月に開催されるとのことなので、それに合わせて一族の調子を整えていきます。

 6月になり、いざ“ねうねう亭”へ。迷宮を進んでいくと、ある場所で“百鬼祭り”への門が開いていました。そこに入ると、景色が一変。本当に祭りのようなにぎやかな景色が広がっています。しかも、火時計の火は全部赤! これは、レアな道具や術を手に入れるチャンスですね。鬼を倒して戦利品を奪いつつ奥へ進んでいくと、ボスの姿が……。

 これまで戦った鬼神とは、ちょっと格が違う敵が登場しておののきました。ただ序盤の鬼神が倒せるなら、勝てないことはないです。私は当主が全体回復の術“お地母”を使えたこともあり、なんとかかんとか勝てました。でもまだまだ力を蓄えないと、宿願を果たすのは難しそうです。

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▲“百鬼祭り”は、コーちんがお知らせしてくれます。お見逃しないように。▲“百鬼祭り”の中にも、絶景が!! 青森県のねぶた祭りみたいで、すごくキレイでしたよ。

■船を手に入れ、金雀枝国に遠征へ

 戦いを終えて屋敷に戻ったらイベントが発生して、船を入手することができました。これで、本作からの新要素“遠征”が可能に!! 自国の迷宮の鬼神はひとまず倒せていますし、コーちんもオススメしてきたので、新たな戦いを求めて他国に行ってみることにしました。

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▲船や遠征に、大喜びしてくれるコーちん。この姿を見ただけで、船を手に入れたかいがあるというものです。

 最初に訪れることになった金雀枝国には、私の国とは別の迷宮が出現していました。しばらくの間は、遠征してこの2つの迷宮を探索していこうと思います。

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▲金雀枝国の迷宮その1“根の子参り”。薄暗い通路を、ろうそくの明かりを頼りに進む迷宮。とっても、不気味です。
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▲金雀国の迷宮その2“富士見ヶ原”。美しい緑が印象的で、迷宮内に川が流れています。

 他国では、街の品ぞろえが自分の国とまったく違うところもおもしろいです。屋敷では一族の様子を見ることができ、養子や結魂(けっこん)候補を探すこともできるようですね。遠征先にはその国ならではの特色が、色濃く出るようです。早く他の国にも行ってみたいし、うちの国にも来てほしいですね。

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 というわけで、今回はここまで! 悲願達成に向けて、今後も『俺屍2』をじっくりとプレイして、記事をお届けしていきたいと思います!


[CHECK]期間限定でPSP版『俺屍』を無料でプレイできる!

 『俺屍2』発売を記念して、7月16日までの期間限定で前作『俺屍』をエンディングまで遊べる『俺の屍を越えてゆけ ご新規体験版 ~俺屍2の前にバーンとォ!遊んでみましょ~』が無料配信中。ぜひこの機会にダウンロードしてみては?

 そして、『俺屍2』のゲームシステムを体験できる『俺の屍を越えてゆけ2 体験版(ゲームシステム編)』も配信中。こちらも期間限定なので、早めにプレイしてみてほしい。

『俺の屍を越えてゆけ2』

 また、『電撃PlayStaiton』の記事担当スタッフ3人が自分たちの一族を立ち上げてゲームをプレイし、その様子をTwitter(@DPS_Oreshika2)でお届けしている他、電撃オンラインでは『俺の屍を越えてゆけ』のこだわりプレイに関するアンケートを実施中。

 アンケートの締切は、6月21日(土)の24時まで。賞品として、『俺屍2』ポスターセットを3名様にプレゼントいたします。B2ポスター1枚に加え、コーちん、黄川人、阿部晴明、夜鳥子がそれぞれ描かれたB2半裁ポスター4枚をセットでご用意しましたので、奮ってご応募ください!

アンケートに答える

■体験版『 俺の屍を越えてゆけ ご新規体験版~ 俺屍2の前にバーンとォ!遊んでみましょ~ 』の概要

【配信期間】2014年5月8日~7月16日
【対応機種】PS Vita/PS Vita TV/PSP
【内容】
 PSP版『俺の屍を越えてゆけ』の物語をゲームクリア(エンディング)まで遊べる。

※ゲームの難易度設定は“あっさり”で固定。
※ゲームクリア後にプレイ可能となる“裏京都”へは進めない。
※体験版のセーブデータは、PSPの製品版でも使用できる。
※PSPの製品版のセーブデータ(裏京都へ進んでいるもの以外)は体験版でも使用できるが、難易度設定は強制的に“あっさり”に変更される。


(C)Sony Computer Entertainment Inc.

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