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2014年6月18日(水)

「Nice boat.」がアイデアのキッカケ!? 『IslandDays』メイザーズぬまきちさん&河原木志穂さん&岡嶋妙さんインタビュー

文:電撃オンライン

 7月3日に、クロンから発売される3DS用ソフト『IslandDays(アイランデイズ)』。本作のシナリオを担当するメイザーズぬまきちさんと、西園寺世界役の声優・河原木志穂さん、桂言葉役の岡嶋妙さんのインタビューをお届けする。

『IslandDays』

 本作は、オーバーフローより2005年に発売され、TVアニメ化もされた『School Days(スクールデイズ)』のスピンオフタイトル。遭難して無人島へとたどり着いた主人公・伊藤誠が、島から脱出すべくヒロインたちと奮闘していく。ストーリーを楽しめるアドベンチャーパートに加えて、バトルパートでは島内の野生生物から食糧を守り抜く“タワーディフェンス”タイプのゲームが楽しめる。

『IslandDays』 『IslandDays』

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 今回の記事では、メイザーズぬまきちさんと河原木志穂さん、岡嶋妙さんに『IslandDays』だけでなく、来年で10周年を迎える『Days』シリーズについてもいろいろとお話を伺った。『Days』シリーズのファンはぜひチェックしてもらいたい。

『IslandDays』 『IslandDays』
▲河原木志穂さん▲岡嶋妙さん
『IslandDays』 『IslandDays』
▲河原木さんが演じる西園寺世界。▲岡嶋さんが演じる桂言葉。

――それではまず、本作の制作が決まった経緯からお聞かせください。

ぬまきちさんクロンの社長さんから、いきなりサポートの電話番号にご連絡が(一同爆笑)。

クロン制作プロデューサー(以下クロンP):連絡先がそこしかわからなかったようなんです(笑)。

ぬまきちさんサポートのお電話対応は持ち割りでやっていて、ちょうどその時電話を取ったのが私だったんです。クロンの社長さんから「3DSで『Days』新作を!」とお話をいただきまして、「あっ、はい」と(一同笑)。そこがスタートですね。

――クロンさんは、どうして『Days』シリーズを3DSで制作しようと?

クロンP昨年発売したソフトで、タワーディフェンスものがあったんですよ。そのシステムを使ってなにか版権ものをやりたいね、と社内で話をしていたんです。「どうせやるなら衝撃的なもので」という意見が多数を占めつつ、真っ先に浮かんだのが『Days』シリーズでした。うちには、『Days』シリーズのファンが大勢いるんですよ。

ぬまきちさん恐縮です(笑)。

――舞台が島なのは、どうしてでしょうか。

ぬまきちさんやはり、『Days』シリーズが一躍有名になるきっかけでもありましたからね。最初から船を出したいと思っていました。「Nice boat.」から始まるストーリーです。

クロンP「Nice boat.」にちなんだわけではない……とは言いませんが、最初の仕様だと、全部船でしたよね。島に入ってくる時も、出ていく時も。最終的には、1人だけヘリコプターになりましたが(笑)。

ぬまきちさんあともう1つ、登場人物が限定される状況であれば“島”は舞台としてやりやすいのではないかという考えもありました。

『IslandDays』
▲やはり「Nice boat.」は外せない。絶海の孤島で繰り広げられる、新たな三角関係と惨劇に期待が高まるファンも多いのでは?

■来年で10周年! 『Days』シリーズを振り返ってみる

――PCソフト発売から今年で9年、来年で10周年を迎えます。振り返ってみて、いかがでしょうか。

ぬまきちさんクリエイター人生の大半で、ずっと隣にいた相棒ですね。最初のPCソフト『SchoolDays』は、総力を上げて作ろうと思っていました。それまでの作品は普通にADVとして作っていましたが、常々アニメーションを組み込みたいと考えていたんですよ。

 プレイヤーへの訴求力を高めつつ、シナリオにも注目してもらえるような深さを持たせたいなと。ですが、アニメーションのノウハウがまったくない状態からスタートしていたので、まさしく死にもの狂いでしたね。

河原木さん『SchoolDays』は……TVアニメの最終回が放送されなかったりと、いろいろな意味で記憶に残っていますね。

――最終回は……悲しみの向こうへ旅立ってしまいましたね。

河原木さん本当にいろんなことがあって。私の声優人生的にも、一緒に歩んできた相棒のように感じています。

ぬまきちさんTVアニメって毎週が後を引く終わり方でしたし、収録の際に次の回の台本を渡すのですが、いつも「うわぁーっ!!」って騒ぎになっていましたよね。

河原木さんそうなんですよ! 最終話の1話の収録が特に印象に残っていますね。私はAパート(前半)の収録に入っていて。Aパートに出ていない人は収録スタジオの外で最終話の台本をもらっていたんですよ。で、外から「ぎゃ~っ!」という叫びが上がっていた記憶があります。

 私はその時思いましたね、「その台本は今読まないほうがいい、今日の収録がダメになる!」と。収録が終わった後に台本を読んだのですが、「ぎゃ~! アンタなんてことを!」と叫んじゃいました(笑)。収録が終わるまで我慢して正解でしたね。

――ありがとうございます。続いて、『IslandDays』についてもお聞かせください。初めてこのお話をもらった時、どんな印象を持ちましたか?

河原木さんとにかくうれしかったです! 世界は私にとって思い入れのあるキャラクターですし、「また演じられるんだ!」と、素直にうれしかったです。

ぬまきちさん私も、非常にうれしかったですね。ご提案いただいたこと自体がまず今までにないことだったんですよ。これまでは自分で企画して、自分で作る形でしたから。どうしても「ここで動画を入れなきゃいけないのでは?」などと、自分で自分を縛っていた部分があったんです。

 『IslandDays』については、クロンの開発陣からどんどんご提案をいただいて、キャラや展開を当てはめて作っていく流れでした。意識せずに自分で縛ってしまっていた部分以外にも、『Days』が持つ器があるんだな、と違いを再認識させてもらえたのがうれしかったですね。キャラクターの魅力を再発掘できたのではないかと、そう思っています。

――河原木さんは3DSの画面をご覧になって、いかがでしたか?

河原木さんまず、ニンテンドー3DSってこんなにきれいなんだな、と思いました。私はあまりゲームをプレイしないものですから、今の世の中はすごいなーってカルチャーショックを受けました……。持ち運べちゃうんですよね、この娘たちを!

――そうですね、電車の中でも遊べます。

河原木さん私、これなら楽しめそうな気がしました!

――ストーリーパートとバトルパートは、相関関係がありそうですが?

ぬまきちさんストーリーパートで女の子との愛情度が高まると、攻撃力が上がるなど補正が得られるんですよ。そしてバトルパートは、そこで活躍したキャラが次のストーリーパートにおける行動選択で優先的に登場します。バトルで活躍したキャラ=そのストーリーのヒロインであると思っていただければ。なるべく自分のお気に入りをバトルで活躍させて、ストーリーパートでも仲よくしていくと有利に進められます。

クロンPでも、特定のキャラとだけ仲よくしていると他のキャラのヤキモチを妬いたりしますのでご注意を。

河原木さんですので私、世界をいい位置に置いて活躍させようとしたんですけど、きちんと敵が来る方向を読まないとだめですね。言葉さまが活躍しちゃって、つい「チッ!」と思いました(笑)。

――世界のような回答、ありがとうございます(笑)。印象に残ったシーンなどはありますか?

ぬまきちさん声優さんの演技がどれも素晴らしかったですが、やっぱり刺しているとこでしょうかね(笑)。台本では「ギャー」だけなのですが、演技を聞くと「あっ、いま3回刺された」とかちゃんとわかるんですよ。まさしく熱演、そして絶叫がすごかった。

河原木さん一番楽しいところですね(にこやかに)。演じがいがある!

――そういえば、予定よりも早く収録が終わったそうですね。ノリにノった収録だったのでしょうか。

河原木さんそうですね。収録前に、昔演じた時の自分の声を聞いて「こんなに高かったかしら」と思ったんですが(笑)。でも、いざ演じてみたらすぐに戻れました。

ぬまきちさんあとは、誠(主人公)の変態度が上がっているとよく突っ込まれていましたね。

――例えばどのあたりでそう感じましたか?

ぬまきちさんロ●に対して傾倒したり、幼●に興味を持ちすぎだったり……。“はいてない”についてずいぶんこだわったり……。

『IslandDays』 『IslandDays』
▲言葉さまや刹那がはいてない。すばらしいワールド!

――変態度が増したのは、どうしてなんでしょうね。シナリオを担当された方って……。

ぬまきちさんいや~、南の島で開放的になっちゃったんじゃないでしょうか!(笑)

――それはしょうがないですね! ところで河原木さん、本作に登場するキャラの中で、世界以外でお気に入りはいますか?

河原木さん台本を読んでいろいろ知ってしまった私は、可憐ちゃんや心ちゃんと仲よくしようと思いました。

――読者がゲームをクリアした後でこの記事を読み直したら、「ああ、そういうこと!」と言いそうですね(笑)。

ぬまきちさん私の場合は、愛でしょうか。これまで一番セリフが少なくて、本作で再構築を進めた感触がありました。世界と言葉以外の6キャラは、同様にエピソードを新しく作りましたので、どうぞお楽しみに。

■注目のポイントは、三角関係+キャラの新しい側面

――本作で注目してほしいポイントはありますか?

ぬまきちさんシナリオ面では、相変わらず三角関係をちゃんときっちりやっていることでしょうか。あと、愛をはじめとする新しい側面が見られるところ。そして誠の不埒っぷりですね(笑)。

河原木さん誠は相変わらずブレていなかったですねー(笑)。シナリオが進むと、やっぱりみんなの様子がおかしくなってくるわけですよ。そんな時にも誠は「なんでだ?」みたいなことを言っていて。原因はオマエだよ!! とツッコミたくなりました。プレイヤーさんも、なんのためらいもなく「誠氏ね」って思ってくれるはずです。

ぬまきちさん今回はタワーディフェンスのシステムなので、8人同時に進行するんですね。なので、8人を同時に相手にした時、伊藤誠という人間がどんな不埒な行動をするか楽しんでいただければ。いろいろな不埒を見ていただけると思います。

――今後の展開に向けての期待などがありましたら、お願いします。

河原木さんもっと●したい(ボソ)。

『IslandDays』

――!?

河原木さんもっと●されたい!!(クワッ!!)

『IslandDays』

――!?!?

河原木さんというのはさておき、アニメ化してほしいですね。

ぬまきちさん『IslandDays』がたくさん売れてくれれば、もしかして!?

――来年は10周年ですし、映像で見てみたいですね!

ぬまきちさんプレイヤーさんたちの想いが反映されるかもしれません。遊んでみておもしろいと思った人は、周囲の人にも「おもしろいよ!」とオススメしてあげてください(笑)。

――それでは、発売を楽しみにしている読者に向けてメッセージを!

河原木さん『Days』シリーズをご存じの方も初めての方も楽しめる内容になっていると思いますし、とにかくプレイしてほしいですね。台本だけ読んでいてもおもしろかったので。発売されたら、私もプレイしたいと思います。

ぬまきちさん私的にはずいぶん攻めたお話を書いたつもりです。ぜひとも、一番新しい『Days』を楽しんでいただければ幸いです。テキストもさることながら、タワーディフェンス部分もしっかりと作られています。いっぱい“旅立ち方”のパターンを書いたなって思います。

――ありがとうございました!


 メイザ―ズぬまきちさん、河原木志穂さんに続いて、岡嶋妙さんにも個別でインタビューを行った。岡嶋さんのコメントは以下の通り。

――言葉を演じるのは久々かと思いますが、手ごたえはいかがでしたか?

岡嶋さん久しぶりの言葉だったので、『SchoolDays』から楽しんでくれている方、ひょっとしたらこれが初『Days』になるかもしれない方、どちらにも言葉の魅力がちゃんと伝わるように演じられたかどうか……ちょっと不安でしたけど、演じている時はとても楽しかったです。

――『Days』シリーズを振り返ってみて、いかがですか?

岡嶋さん時間が経つのってホント早いですよね……。言葉は変わらないのに……。

――『IslandDays』で、再び言葉を演じることが決まった時の心境は?

岡嶋さんまた言葉に会えるのもうれしかったし、今回は彼女のどんな新しい一面を見られるのか、すごく楽しみに思いました。

――今回の収録で印象に残ったシーン、フレーズはありますか?

岡嶋さん誠くんを巡る世界とのやりとり。このピリピリした人間関係があってこその『Days』ですよね。

――『Days』シリーズで言葉を演じてきて、世界や他のキャラクターへの印象は何か変わりましたか?

岡嶋さん世界は“恋のライバル”というよりは“戦友”のほうが似合うようになってきたかも? そして心は“かわいい妹”から“恋のライバル”へと(笑)。むぅ……。

――お気に入りのキャラクターとその理由は?

岡嶋さんなんだかんだでやっぱり言葉のことが気になりますね。島でのサバイバル生活や誠くんのこと、彼女なりに一生懸命頑張っている姿を見ると、ちゃんとわたしが見ていてあげるからね、と天から励ましてあげたくなります。ああでもここからじゃこの気持ちが届かないっ。

――ゲームはプレイされましたか?

岡嶋さん固くて、少しひんやりしてなめらかで……あ、これ3DS本体を触ってみた感想でした。ゲームは残念ながらプレイできていないので、完成品をどきどきしながら待つことにします。

――読者に向けて、メッセージをお願いいたします。

岡嶋さん孤島で孤軍奮闘(?)する言葉を暖か~く見守ってくださるとうれしいです。みんな無事に孤島から脱出できるように頑張ります! でも、女の子たちの中に誠くんひとり。もちろんひと筋縄ではいかないようで……そっちのサバイバルも楽しんでくださいね。


 以上、メイザーズぬまきちさん、河原木志穂さん、岡嶋妙さんのインタビューをお届けしたが、いかがだっただろうか?

 なお本作の早期予約特典には、テーマ曲やオーディオドラマを収録したスペシャルサウンドトラックと、設定資料集が用意されている。オーディオドラマの脚本を手掛けるのは、TVアニメ最終回で「中に誰もいませんよ」の名言でお馴染みの最終話の脚本を担当した秋月ひろさんとのこと。どのような内容になるのか、今から楽しみにしたいところだ。

 また設定資料集には、キャラクターデザイン・ごとうじゅんじさんの原画を大量に収録。服装差分のもとになる原画まで盛り込まれているため、“服を着ていない”状態のイラストをたくさん拝めるそうだ。これらの特典アイテムが欲しい人は、早期予約特典の有無をしっかりと確認して予約するといいだろう。

『IslandDays』 『IslandDays』
▲こちらは設定資料集に掲載されている線画の一部。

●『IslandDays』早期予約特典紹介動画

■『IslandDays』早期予約特典
【特典1】『IslandDays』スペシャルサウンドトラック
1:『Pradise~Past Plus Parallel~』(『IslandDays』OPバージョン)
2:ボイスドラマ『ボートが辿り着く先』
3:『Pradise~Past Plus Parallel~』

【特典2】『IslandDays』設定原画集
1:カラー20ページ、収録画像50枚以上
2:キャラクター設定原画(キャラクター紹介付き)
3:イベントCG原画

●『ボートが辿り着く先』あらすじ
 主人公・伊藤誠が眠る無人島ツアーのボートの上、そこでは何が起こっていたのか。 サスペンス、コメディ、お色気、怪獣、様々な要素満載の20分。 『IslandDays』本編へとつながる(?)エピソード。

・キャスト
西園寺世界(声:河原木志穂)
桂言葉(声:岡嶋妙)
桂心(声:やなせなつみ)
清浦刹那(声:井本ケイ)
加藤可憐(声:中山依里子)
加藤乙女(声:岩村琴美)
山県愛(声:小林眞紀)
黒田光(声:田中涼子)

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