老舗オンラインコミック専門店のベテラン書店員がおすすめするコミック『王国ゲェム』。その唯一無二の魅力とは!?　【電撃大王建国20周年】

文：電撃オンライン

　コミック販売のプロに「いま」おすすめのコミックを紹介してもらうコラム企画“書店員さんが選ぶおすすめコミック”。第2回目となる今回はまんが王八王子店・まんが王倶楽部のコミック担当さんにおすすめてしていただきました！

　まんが王倶楽部はコミックや小説、DVDやCD、フィギュアまで取り扱うオンラインまんが専門店です。利用者が希望にあわせて発送できるシステムや、重複注文しないように購入履歴表示をしたりなど利用者にやさしい、まんがファン注目のオンラインショップです。まんが王八王子店はその直営店となっており、八王子市を中心におすすめのコミックを、まんがファンに熱く紹介し展開している書店さんです。

▲まんが王倶楽部のTOPページ（左）とまんが王八王子店内のコーナー写真。まんが王倶楽部では新刊情報をはじめ、人気商品やおすすめ商品などの情報が定期的にアップされ、最近のトレンドもチェックできる。“スタッフオススメページ”も充実しており、ユーザーの知らないコミックとの出会いにも一役買っている。直営店である八王子店でも手作りのPOPなどでおすすめのコミックを展開。

　まんが王倶楽部ができてから15年以上の間、少年コミックはもちろんのこと、少女コミックや成年向け、小説まで幅広くおすすめしてきているベテラン書店員・星野さんのレコメンド作品をご紹介！　熱の入ったおすすめ文を読んだ方に“変態”と言われることを勲章ととらえる、星野さんおすすめの作品はこちら!!

▲電撃大王にて好評連載中、実力派・天瀬晴之先生が描くホラーサスペンス『王国ゲェム』!!　謎のデスゲームに巻き込まれた少年少女たちを描く作品です。まずは『王国ゲェム』について簡単にご紹介!!

　まずは『王国ゲェム』について簡単にご紹介!!

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　『王国ゲェム』はこんなお話――

　とある屋敷跡に来ていた鹿取たち7人グループは、屋敷の奥で佇む謎の少女・アグニアに出会う。それが欲望にまみれた命令と服従のゲームの始まりだった。

　そのゲームの目的は7人で一つの王国を建設すること。一日置きに王・貴族・平民がランダムに決められ、王は貴族と平民に、貴族は平民に絶対服従の命令ができるというもので……。謎のデスゲームに巻き込まれた少年・少女たちを待つものは果たして――。

▲リーダー的存在の鹿取と、篠束なつみら班のメンバーたち。構成は男子3人、女子4人の計7人。謎のゲームに巻き込まれたこの7人の中にもさまざまな感情がうずまいている……。

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　では早速『王国ゲェム』の魅力について星野さんにうかがっていきましょう。

――『王国ゲェム』のおすすめのポイントはどこですか？

星野さん：電撃コミックの中でもあまりないジャンルということで目立っていたのですが、それに加え最初のペナルティのインパクトが大きかったことで注目しました。「選ばれた少年少女が死と生の紙一重のゲームに強制的に参加させられる。」といった設定の作品は珍しくないのですが、この作品は読者やプレイヤーに恐怖を与えるための安易な死を主人公の周りで大量生産させることなく、主人公たちに考えさせ、行動させているところが他と異なり、おすすめできます。徐々にルールが明かされていくという流れも上手く、読者にも主人公たちと同じようにゲームのルールを理解させる話の構成も見事です。

▲鹿取たちが手に入れた謎の本に記載されていたこのゲームのルール。読者も同じタイミングで登場人物と同じ情報だけを手に入れ、同じ心理で物語を堪能できる。

▲“貴族”となった鹿取が何気なく試した「命令」と、それに強制的に「服従」させられた“平民”のなつみ。このことで上の身分の人は、下の身分の人は強制的に服従させられてしまうことが判明。悪用することも可能!?　最上位の王様ならさらになんでもできる。王様のいうことは絶対!!

▲下の立場の人間を「服従」させられることを知った者は、自らの願望を叶えようと動く。登場人物の反応が生々しくリアルに描きだされているのも本作の魅力のひとつ。

――「最初のペナルティのインパクト」というお話がありましたが、おすすめのシーンはそのペナルティのシーンでしょうか？

星野さん：そうですね。やはり、紗香の“革命”シーンですね。上位のものが単純に下位のものに死を与えられるというわけではないことの証明でもあり、主人公たちに本当の意味での死を感じさせたシーンでもありますから。

▲“王様”に選ばれた紗香は、自らの望みのために想い人・鹿取以外の全員に死を“命令”しようと試みるが、下位の存在である“平民”が3人集まり“革命宣言”がなされてしまい――。

▲星野さんがイチオシしたシーン。“革命”された“王様”にくだされるのは罰。“革命”をされた“王様”の末路を目のあたりにし、鹿取たちそして読者は、改めてこのゲームの非情さを実感。

――『王国ゲェム』には多くの登場人物が登場しますが、その中で星野さんが好きなキャラクターはいますか？

星野さん：主人公たちの背景がまだ描かれていませんが、現時点では鹿取です。個人的には熱血よりは冷静なキャラが好きなので。冷静な彼なら、多分今後登場する他の王国とは違う選択をすると思うので、王国をどう発展させていくのか楽しみです。

▲冷静にゲームのルールを分析しゲームに対処、そして時には仲間を鼓舞し引っ張る。王国には欠かせないリーダー的存在となっている鹿取。危機に陥った時に精神的支えとなる男には憧れます。

▲発売中の第2巻では鹿取たちの“王国”とは“別の王国”が登場！　彼女たちの存在が鹿取にもたらすものは？　そして、鹿取たちの“王国”の行方は？　まったく先の読めない展開から目が離せない!!

――最後に電撃大王の他のおすすめの作品もありましたら、お教えください。

星野さん：コミカライズ作品も多いのですが、『王国ゲェム』のほかでは『NOT LIVES ‐ノットライヴス‐』や、新連載の『この島には淫らで邪悪なモノが棲む』などのオリジナル作品が今熱いです。生き残りが激しいだけに質の高い作品が多いので特に注目してください。

▲発売中の電撃大王7月号掲載『NOT LIVES ‐ノットライヴス‐』（左）と『この島には淫らで邪悪なモノが棲む』（右）最新話の一幕。電撃大王では今回おすすめしていただいた2作品のほかにもクールなオリジナル作品が好評連載中!!

　星野さん、お忙しい中ありがとうございました。今回星野さんにおすすめいただきました『王国ゲェム』は「電撃大王」にて好評連載中。試し読みも実施しているので、気になった方は今すぐ見てみよう。

●今回おすすめされた『王国ゲェム』の試し読みはこちらから

▲まんが王倶楽部さまでも『王国ゲェム』を特集ページにておすすめいただいております！　こちらも紹介記事もぜひチェックしてみてください

　『王国ゲェム』はただいまコミックス第2巻まで発売中。今回の記事や試し読みで興味を持った方はぜひお手にとってください。

　以上、第2回目の「書店員さんが選ぶおすすめコミック」をお届けしました。次回は、どんな方が、どんなコミックスをレコメンドしてくれるのか？　ぜひ、楽しみにしていてください。

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(C)KADOKAWA CORPORATION 2014

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