SCEが7月17日に発売するPS Vita用RPG『俺の屍を越えてゆけ2(俺屍2)』。15年前にPS版の初代『俺屍』を遊んだシリーズファンによるレビューをお届けします。
本作は、ゲームデザイナーの桝田省治さんが手掛ける世代交代RPG『俺の屍を越えてゆけ』の最新作。2年ほどしか生きられない“短命(たんめい)の呪い”と人との間に子を成せない“種絶(しゅぜつ)の呪い”をかけられた一族が、呪いを解くために宿敵・阿部晴明に立ち向かうことになります。
前作の基本要素はそのままに、新キャラクターや新システムはもちろんのこと、他プレイヤーとの交流も行えるようになったのが特徴です。PS Vita TVにも対応しているので、大画面でじっくりとプレイできるところもポイントですよ!
今回は、これまで何度か掲載してきたレビューを振り返りつつ、新職業である陰陽士の能力や、キャラメイクに役立つ髪型カタログなどをお届けします!
⇒『俺の屍を越えてゆけ2』攻略wikiはこちら
1回目のレビューでは、なぜ主人公一族が戦うことになるのか? なぜ世代交代をすることになるのか? といった、ゲームの基本となる設定やゲームシステムについてお届けしました。
おさらいをしますと、主人公一族は2年ほどしか生きられない“短命(たんめい)の呪い”をかけられているため、次々と子孫を残していくことになります。ただし、人との間に子を残せない“種絶(しゅぜつ)の呪い”をかけられているため、神様と交神の儀(こうしんのぎ)を行うことで、子を成すことになるわけです。
このように、物語の設定とゲームシステムが密接にからんだ作りになっているところが『俺屍2』の大きな魅力となっています。
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▲ネタバレになるので物語については軽くしか触れません。でも、あの桝田省治さんや生田美和(しょうだ みわ)さんがシナリオを担当しているだけあって、確実におもしろいですよ! |
2回目のレビューでは、迷宮を探索したり神様と子どもを成したりと、実際のゲームの流れについてお見せしました。普通のRPGが1人の主人公を育てるのに対して、『俺屍2』は一族全体を育てていくことになるので、ちょっと複雑に感じるかもしれません。
でも、“育てれば強くなる”というRPGの基本となるルール自体は『俺屍2』も同じです。ちゃんと一族が強くなっていくことを実感できる絶妙なバランスになっているので、育成系のRPGが好きな人は『俺屍2』と相性がいいと思いますよ!
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▲“世代交代”と聞くとちょっと難しそうに感じるかもしれませんが、基本的にはスタンダードなRPGです。じっくりと育てていく育成ゲームが好きな人は、特に楽しめる傾向があるようです。 |
前作との違いは多々ありますが、その中でももっとも特徴的な要素が、他国への遠征です。オフラインでも楽しめますが、インターネットやアドホックモードを利用することで他のプレイヤーと交流できるところがポイントになります。
特に『俺屍2』では、プレイヤーによって出現する迷宮や迷宮内の構造、鬼神(おにがみ)と呼ばれるボス敵が異なる仕様になっています。さらに、投資の仕方によって街の施設や品ぞろえも大きく変わるので、他のプレイヤーの国へ遠征するメリットも大きいです。
もちろん、損得だけじゃなく、他の一族を養子に迎えたり、結魂(けっこん)をして子を成したりと、交流をはかることも楽しいです。交流試合をして、家紋を集める要素なんかもありますよ!
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▲1人用RPGとしてじっくり遊べる土台の上に、他の一族との交流を楽しめる要素も追加。より長く、じっくりと遊べそうです! |
■新職業の陰陽士(おんみょうし)である夜鳥子(ヌエコ)様の強さは反則級!?
というわけで、前回までのレビューのおさらいはここまで。ここからは、前回の続きとなるレビューをお届けします。
さて、前回の最後で我が一族の一員に加わり、一緒に戦ってくれることになった夜鳥子(ヌエコ)様。彼女の職業は、本作から追加された新職業・陰陽士です。
陰陽士はムカデ鞭という特殊な武器を使い、奥義のかわりに式神を使って戦う特殊な職業。ムカデ鞭の攻撃範囲は薙刀士と同じで前列すべてを攻撃できるので、とても使いやすい感じですね。彼女も他の一族と同じように、戦う中で成長していきます。ただでさえ強いのに、さらに成長するなんてとっても頼もしい!
ちなみに夜鳥子様は命を落としても、“交神の間”の“夜鳥子転生”を選択することで、2カ月ほどすると復活します。プレイヤーが任意のタイミングで転生させることができるので、他の一族とは少しだけ育成の感覚が異なりますが、基本的なルールは同じなので、そんなに難しく考えなくても大丈夫です。
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▲新職業・陰陽士は、物理攻撃も術も使える強力な職業。鬼神戦や百鬼祭りなどで活躍してくれます。 |
夜鳥子様という強力な助っ人を得たので、前回のレビューで敗北した百鬼祭りにリベンジすることにしました。戦力が増えると、やっぱり戦いが格段に楽になりますね。道中の鬼も楽々蹴散らし、百鬼祭りのボスとの戦いに!
このボス戦では夜鳥子様や、物語に関係するおもしろい話が……。今回の百鬼祭りで、すごく物語が動き出した感じがします。
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▲シリアスな物語の前ですが、今回の百鬼祭りでも記念写真を残してきました。もちろん、夜鳥子様も一緒。 |
戦いの中で、陰陽士が使う式神も入手できました。この式神というのは基本職における奥義のようなもので、健康度を消費することで強力な攻撃ができます。この時点で使えるのは1種類だけですが、陰陽士の式神はまだまだ他にもいるようなんですよ。早く他の式神も使ってみたいところです。
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▲式神を使う時は、特殊な演出が用意されています。夜鳥子様、キレイで強くてカッコいいとか、最高ですね。 |
鬼神との会話や夜鳥子様関係のイベントで、少しずつ物語の輪郭が見えてきました。でも宿敵・阿部晴明の思惑など、まだまだ物語は謎ばかり。桝田省治さんのことなので、今回も前作に負けず劣らずな展開が用意されている気がするんですよね。続きを見るのが怖いけど、早く物語の真相も知りたい。そんなファンの期待に応えるような物語になっているので、ぜひぜひお楽しみに!
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▲ストーリー的にも、とにかく重要な夜鳥子様。声は林原めぐみさんが担当していますが、かなりハマリ役だと思います! |
■特注装備品の成長や新道具など、さまざまな要素がパワーアップ!
『俺屍2』のシステムは、基本的に前作と同じ。そのため、前作を遊び尽くしたプレイヤーならスムーズに遊べるはずです。しかし迷宮でボタンを1つ押すだけで体力を満タンにできたり、コーちんがアドバイスをしてくれたりと、一部変更・改良されている点もあります。ここでは、少し地味だけど遊んでいて「これは!」と思った前作からの変更点を紹介していこうと思います。
●術や道具を使わなくても地図が見えます!
本作からは、画面右下の“火時計”の中に地図が見えるようになっています。これにより迷宮で術の“白鏡(シロカガミ)”や道具の“有寿ノ宝鏡(アリスノホウキョウ)”を使わなくてもよくなりました。“有寿ノ宝鏡”にはとってもお世話になったので、出番が少なくなるのは少しさみしい気もしますが……。
なんて思っていたのですが、本作には新しい鏡が登場しました。その名前も“有寿ノ魔鏡(アリスノマキョウ)”! この鏡を使うと一定時間戦闘で必ず先制攻撃ができるようになります。一族が弱い内は、鬼の先制攻撃はかなりの脅威ですからね。これを使えば、少しだけ安全な旅ができそうです。
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▲“有寿ノ魔境”は、迷宮内などで簡単に手に入ります。ちなみに、“有寿ノ宝鏡”も健在ですよ。 |
●道具の種類が豊富になりました!
よく調べてみると、“有寿ノ魔鏡”以外にもたくさんの道具が増えていました。中でも、鬼に状態異常を付加するものが増えていた印象です。さらに同じ効果のものでも、道具によって効果時間が違うようです。目的に合わせて、買ったり、使ったりする道具を切り替えるといいかもしれませんね。
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▲札や香など、いろいろな道具が用意されています。 |
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▲道具だけでなく、武器や防具の数も豊富になっています。ちなみに、屋敷の蔵は武器の種類や装飾品ごとに収納されるようになったので、かなり探しやすいですよ。 |
●携帯袋の道具を取捨選択する時も、コーちんを頼れます!
迷宮に出撃する時、うっかり携帯袋の整理を忘れることってありますよね? そんな時に限って迷宮内で携帯袋がいっぱいになり、道具の取捨選択が必要になることも……。これが、地味に大変なんですよね。
今回はそんな場面で、“使用”、“破棄”の他に“コーちん”が選べるようになりました。ここで“コーちん”を選択すると、彼女が不要なものだったり、使うものだったりを選んでくれます。これだけで、携帯袋の整理が楽々に♪ めんどうくさがり屋には、とっても便利な仕組みで助かります。
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▲荷物がいっぱいになった時は、提案された内容を参考に整理していきましょう。
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●特注の武器や防具は、見た目も変わるように!
特注の武器や防具は、持ち主の成長とともに強くなっていくステキなアイテム。自分の一族だけに伝わる武器や防具が作れるのは、かなり魅力的ですよね。前作では刀だけしか作れませんでしたが、『俺屍2』ではすべての武器や防具を作れるようになったので、剣士以外の職業でもガンガン特注武器を作っちゃいましょう!
ちなみに『俺屍2』の特注の装備品は、見た目も専用のものになります。通常の武器よりも豪華でかっこいい形となるので、そういう意味でも特別感がありますよ!
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▲特注の装備品は、一族の成長とともに攻撃力や防御力が育っていきます。特注の扇は、とってもハデでキレイです。 |
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▲本作でも特注品は、形見として子孫に継承することが可能です。何代も重ねることで、さまざまな効果がつくことも。また、強敵撃破数なども見られるようになりました。
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ちなみに特注の装備品は一族キャラクターと同様、QRコードにすることができ、他のプレイヤーがQRコードを読み込むと一定期間、他のプレイヤーの国でその特注の装備品が販売されるようになります。鍛えぬいた伝説の装備品をQRコードにして、周りに披露するのも楽しいです!
●迷宮の鬼神によって、鬼の属性が変わる!?
迷宮を進んでいくと、同じ種類の鬼のはずなのに色が違うものが出現することがあります。これは風属性の鬼神が近くにいたら緑、水属性なら青など、鬼神の影響を受けているのです。
これにより通常の鬼にも属性がつき、相性が悪い攻撃をすると効果的なダメージを与えられないことも……。前作以上に、敵の属性に気を付けて戦いたいところです。
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▲属性が変わるだけで、強さに大きな違いはありません。とはいえ、弱点属性が変わるのは、地味にやっかいです。 |
これらの他にもさまざまな追加要素や改善点が加えられ、前作以上にプレイしやすい作品に仕上がっています。また、コーちんがていねいに説明してくれるので、初心者の方でもすんなり遊べると思いますよ。
これまでのレビューでも何度か書いてきましたが、今回はとにかく“コーちんの提案”が親切で便利です。前作を遊んでいない人や、前作がちょっと難しく感じてしまった人でも、きっとすんなりとゲームに慣れることができるはずです!
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▲街への投資や子作りのタイミングなど、コーちんがいろいろと提案してくれます。また、攻略のヒントとなる情報もたっぷりと教えてくれるので、本当に便利ですよ! |
■初代当主作りに役立つ髪型カタログ&カラー集
本作には、製品版にセーブデータを引き継げる体験版が用意されています。ゲーム開始時には初代当主のキャラクターメイクをすることになりますが、豊富な髪型や髪色が用意されているので、どの組み合わせがいいだろうと悩んでいる方も多いと思います。
そこでここでは、特に数が豊富で細かい違いも多い髪型を掲載しちゃいます! キャラクターの外見は遺伝していくので、しっかりと好みの外見を作りましょう。ちなみに髪型は、男性は43種類、女性は52種類となります。
●男性の髪型
●女性の髪型
また髪の色も、体験版からかなり増えています。全16種類ありますので、自分のイメージにあったものを選びましょう。
他にも輪郭や目の種類など、こと細かに決めていくことが可能です。大きさなども調整できるので、時間をかければかなり作り込めますよ。またPS Vitaのカメラを利用して自分の顔を取り込み、それをもとに初代当主の顔を作ることもできます。自分の顔にすれば、一族への思い入れもより深くなりそうですね。
■まとめ:前作ファンはもちろん、本作から遊ぶ方も間違いなく楽しめる作品です!
本作は、私みたいに『俺屍』の大ファンが遊んで満足できる正統派の続編となっています。前作の神様が好きだった方も、システムにハマっていた方も、ダークな物語が好きだった方も、間違いなく楽しめるはずですよ。私も早く発売日になってソフトを入手し、仕事と関係なく遊びたいと思っています。
その一方で、これまでの『俺屍』よりもチュートリアルが格段と親切となり、インターフェース的にも遊びやすく進化したこともポイントです。難しそうだと感じた人でも、コーちんがいろいろとサポートしてくれるので、遊んでいる間に自然とゲームに慣れていくと思います。
とにかく初心者やゲームに慣れていない人でも楽しめるような作りになっているので、本作から心惹かれて遊ぼうという人にも優しいシステムになっています。この作品によって、新たな『俺屍』ファンがたくさん増えてくれたらいいですね!
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▲前作を遊んで少し敷居が高いと感じた人でも、ぜひ『俺の屍を越えてゆけ2 体験版(ゲーム冒頭編)』を遊んでみてください。ゲームの流れをていねいに教えてくれるので、遊びやすくなっていますよ! |
ちなみに皆様、PSP版『俺屍』のセーブデータは、もう準備されているでしょうか? PSP版のセーブデータがあると『俺屍2』製品版でさまざまな特典をもらうことができるので、以前にプレイしたことがある人は、あらかじめセーブデータを準備しておきましょう。
【引き継ぎによる特典】
・PSP版のデータ進行度([1]朱点童子撃破済み[2]ゲームクリア済み[3]裏京都クリア済み)に応じて賞品がもらえる
・PSP版の氏神を『俺屍2』の氏神として迎えられる(上位3柱まで)
・お盆のみ、PSP版の一族のパラメータを引き継ぐ一族キャラを傭兵として雇うことができる
上記のように前作のデータがあれば、本作のプレイがよりスムーズに、より楽しくなること間違いなし! 期間限定でPSP版をエンディングまで遊べる体験版も出ていますので、ぜひぜひPSP版も遊んでみてください。私もより思い入れの深い一族と強い氏神を作るために、再度プレイしています。7月頭に遊び始めてもう裏京都に行っているので、今から始めてもクリア近くまで進められると思いますよ。
といったところで、何度も掲載してきた『俺屍2』レビューも終わりとなります。ゲームの発売後、他のプレイヤーの皆様の国に遠征に行ける日を楽しみに待っております。もしも、どこかで長雨国の一族に出会った方はよろしく&交流戦ではお手柔らかにお願いいたします!
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