2014年8月19日(火)
『Civilization Revolution 2』で文明格差が起こると弓で戦車に立ち向かう!? 人気ストラテジーゲーム最新作をレビュー
地球上に人類が誕生してから現在に至るまで、幾度とない文明の発展と衰退がありました。その時代を生きてきた偉人たちの活躍によって今の社会があると言っても過言ではありません。そんな長い歴史の流れをモチーフにしたiOS用ストラテジーゲーム『Civilization Revolution 2』のレビューをお届けいたします。
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■史実に存在した指導者となり、自分が思い描く歴史を辿るおもしろさ
プレイヤーはゲームスタート時にリンカーンやナポレオン、クレオパトラといった史実上の人物たちを選択し、数千年にもわたる歴史を築きながら、設定されている“勝利条件”を他の文明よりも早く達成するのが目標となります。
勝利条件は下記の4種類があり、宇宙飛行の技術を開発する“テクノロジーによる勝利”、他国の首都を4カ所占領する“制覇による勝利”、ゴールドを一定額まで貯める“経済による勝利”、偉人の出現や文化遺産の建設を20回発生させる“文化による勝利”いずれか1つを達成するとゲームクリアとなります。他国と友好関係を保ちながら文明を発展させたり、全世界を支配するために力を奪ったりと、プレイの仕方は自由。歴史上の人物を操作しながらも今とまったく異なる未来に向かって世界を動かしていく感覚は、本作でしか味わえないおもしろさがあります。
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▲リンカーンやナポレオン、クレオパトラなど選べる指導者は20人近く登場。 | ▲ゲーム開始前に難易度を選択可能。自分の実力にあわせてプレイすることができます。 |
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▲各勝利条件の進行度はゲーム中に確認できます。 |
■広大なマップを開拓しながら文明を発展させていく、探究心をくすぐるシステム
筆者の初回プレイは戦国時代を生き抜いた武将・徳川家康を指導者として選択し、ゲーム難易度は一番簡単な族長でスタート。ゲームが始まった直後は自国の首都付近以外は雲で覆われて見えないので、まずは世界を探索する兵士、空いた土地に町を築く開拓者という2種類のユニットを使って活動領域を拡大します。開拓を進めていく過程で異なる文明と接触しますが、侵略して領地をすべて奪うか、または友好関係を築いてお互い支えあいながら発展させていくか、その後の歴史作りに大きく左右する重要な存在です。ちなみに筆者は最初に接触した異文明と友好的に接したものの、突然寝返りをくらったので力をもって制裁を加えてやりました。こういったイベントが発生するのも刺激的でおもしろいポイントだと思います。
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▲ゲーム開始時は、森と平原が広がっており、さらに雲に隠れて周りの様子がまったくわかりません。ここから少しずつ兵士を派遣し、世界の全貌を明かしていくのです。 |
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▲マップには文明に属さない“蛮族”が配置されていることも。敵対心丸出しの彼らを懲らしめてやれば、ボーナスとしてゴールドを得られます。 | ▲時に友好的に接してきたり、逆に高圧的な態度をとってくる異文明。これに対してどう接していくかがゲーム進行のうえで重要となります。 |
慣れない手つきでプレイしながらも徐々に開拓が進んできたので、新たな試みとして“建物”の建設と“テクノロジー”の開発に着手しました。これらは文明発展に欠かせない要素で、前者は建設した町に対して種類に応じたボーナス効果を付与し(例えば“兵舎”を建設すれば、その町で生産する兵士の能力が高くなる)、後者は生産できるユニットや建物などの種類が増えていきます。
この行動、どれから先に手をつけていくかで各勝利条件の達成速度が段違いに変わってくるので、自分が目指しているゴールをしっかり決めていないとかなり頭を悩ます要素でもあります。これはプレイしていく過程で知識を身につけていくものなので、失敗を恐れずにチャレンジしていくといいでしょう。かくいう筆者は適当にプレイを進めた結果、いつのまにか達成が近づいていた“制覇の勝利”でクリアという、なんとも計画性のないゴールインに……。
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▲テクノロジーを開発していけば新たなユニットや建物を作り出せるように。 | ▲建物を建設すると、建物に設定されている特殊効果が都市内に付与されます。 |
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▲時折、さまざまな偉人たちが登場してこちらに有益な行動をとってくれます。 | ▲達成するとボーナスが得られる“お題”が極稀に発生。ただし、達成までのターン数が定められているので、できそうなものをしっかりとチョイスしましょう。 |
ここで筆者が注目したポイントは、ゲームの舞台となる世界がプレイのたびに構造を変えること。前回のプレイでとった行動や戦術が通用しないために展開がマンネリ化せず、何度プレイしても飽きることのないゲームデザインが採用されている点はコアゲーマーとしてはうれしいかぎり。ゲームモードも数種類あり、今回プレイした“ランダムマップ”以外に達成すべき勝利条件が決められていたり、特殊なルールの中でプレイする“シナリオをプレイ”や、ゲーム設定とルールを自分の思い通りにできる“シナリオクリエイター”といったように、やり込み要素も盛りだくさん!
■一度ハマるプレイのやめどきを見失う中毒性を秘めた傑作!
筆者はこの手のゲーム経験が浅いこともあり、序盤はシステムを把握することに精いっぱいになってしまいましが、そこを乗り越えたあとは、プレイを止めるのをためらうほどに高い中毒性を感じさせていました。
どの勝利条件を達成するかを決め、それを成しえるための開拓や建設、テクノロジーの開発を行い、異文明とやりとりをしていく。それらの行動を長期的な計画を立てたうえで進めていき、見事勝利条件を達成できた時の喜びと序盤の苦労も相まってほどよいゲーム性を感じさせてくれました。
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▲おまけ要素の“シヴィロペディア”では、ゲーム中に登場する各要素の解説を見られます。得られる効果はもちろんのこと、辿ってきた歴史や豆知識も載っているので、気づけばじっくり読んでしまっていることもしばしば。 |
ストラテジーゲーム初心者の筆者も、原稿を書いている途中で、油断するとスマホを弄ってしまうほどにハマった『Civilization Revolution 2』(締切がヤバい!)。人によってはとんでもない“時間ドロボウ”になってしまう危険性がありますが、このジャンルが好きな人は本作を迷わずプレイしてほしい! 価格以上の価値を見いだせること間違いなしですよ。
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