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2014年7月31日(木)

TCG『ゼクス』久保田プロデューサーインタビューをお届け! 2周年をむかえた『ゼクス』の最新セットと今後の展開について切り込んでみた

文:カワカミ雁々

 皆さん、こんにちは。ライターのカワカミ雁々です。この夏で2周年をむかえるブロッコリーのTCG『Z/X -Zillions of enemy X-(ゼクス)』。

『Z/X -Zillions of enemy X-』

 先日発売された第9弾ブースター『覇者の覚醒』に続いて、8月には予想外のコラボであるEXパック『回転むてん丸』が登場、さらに夏休み期間に合わせて新規ユーザーにもオススメのイベント“イグニッションキャラバン”の開催や、『ゼクス』の世界を味わえる“ゼクスコラボカフェ”が名古屋で開かれるなど、アイテム・イベントともに目白押しとなっています。

 ここでは、夏本番にむけてますます盛り上がる『ゼクス』について、本作のプロデューサーであるイグニッション久保田さんにインタビューを行いました。先日掲載した対戦レポートと合わせてお楽しみいただければと思います。それではさっそくどうぞ!

『Z/X -Zillions of enemy X-』
▲今回も久保田さんにいろいろとお話しをうかがいました。ところで、すっかりお馴染みとなった久保田さんのこの姿ですが、夏のイベントなどではやはり暑くて大変なのだとか。

■スターターデッキが好評で嬉しい!

――6月に発売されたスターターデッキ『英雄王の進撃』と『妖艶なる魔力』ですが、ユーザーさんの反応はいかがだったでしょうか。

 これについては好評をいただけているようで、嬉しく思っています。TCG業界全体として、スターターの低価格化、ワンコイン化が進んでいるなかで、あえて1,500円という金額を設定しました。高いお金をいただくぶん、内容についてはお客様に満足して頂けるように手を尽くしたという気持ちがありましたが、それを受け入れてもらえたようでよかったという気持ちですね。

『Z/X -Zillions of enemy X-』

 『ゼクス』は定期的にフリーカードを配布していることもあって「とりあえず始めてみる」「とりあえず遊んでみる」というハードルは高くありません。では、そのあとどうするかとなった時、安いとはいえお金を出して買うものがフリーカードとほとんど変わらないというのは意味がないと思いました。なので、ちょっとお値段はしてしまうんですが、フリーカードとはまた違った面白さを感じられるものを作ろうと考えた結果が、今回のスターターですね。

――どちらのスターターも、限定カードがかなり強力ですよね。

 そうですね。特に『英雄王の進撃』の《オリジナルXIII Type.VII“Ju17Ca”》や『妖艶なる魔力』の《八大龍王 阿那婆達多》は構築環境でもかなり活躍できるスペックになっています。これから『ゼクス』を始める方だけでなく、すでに遊んでくださってる方にも楽しめるアイテムになったのではないかと思います。

 また、再録カードも《猫の恩返し》などユーザーさんの需要が高いものを入れられたかなと。そのほかにも《戦国の華 森蘭丸》や《復讐の魔神 ウルティオー》など、古いセットに収録されていてちょっと手に入りにくいものを収録しています。

『Z/X -Zillions of enemy X-』 『Z/X -Zillions of enemy X-』
『Z/X -Zillions of enemy X-』 『Z/X -Zillions of enemy X-』

 また、最近出たフリーカードが青黒のものなので、スターターにこれらを追加することでデッキ改造の楽しさも味わってもらいたいですね。1つ前に出たフリーカードは本当なら7月いっぱいで期間限定能力が切れるんですが、今回は長く遊べるようにということで8月いっぱいまで強化されるようになっています。

 これのスターターから『ゼクス』を始めた方も、フリーカードでデッキをアレンジしてぜひ8月の店舗大会などに参加していただいて、そこで『ゼクス』を面白いと思ってもらったら『覇者の覚醒』やEXパック『回転むてん丸』を買ってもらえればと思います。

■新能力“アルターフォース”の登場経緯、そして活用法を聞く!

――続いて第9弾『覇者の覚醒』についてうかがいたいと思います。これは3年目に入った『ゼクス』初めてのパックとなりますが、それを意識して作った面はあるのでしょうか。

 そうですね、3年目に入って最初の商品なので何か新しいものを入れたいという考えはありました。実際、開発段階ではゼクス・イベント・プレイヤーに続く「第4のカードタイプ」を登場させるという案があったくらいです。

 しかし『ゼクス』はまだまだ新しいプレイヤーさんが増えている段階なので、ここでカードタイプを追加して複雑化するのは避けたいと思って調整した結果“アルターフォース”という新能力が登場することになりました。

『Z/X -Zillions of enemy X-』 『Z/X -Zillions of enemy X-』

――ということは、しばらくは新しいカードタイプの追加はないということでしょうか。イラストが9弾に収録されている“イグニッションオーバーブースト”など、楽しそうですが(笑)。

 はい、現状では考えていません。ただ、ユーザーさんから意見もいただいていますし、いつか増やす可能性はあると思います。

――ところで“アルターフォース”は、トラッシュを参照する能力ということでドローや同じくトラッシュを参照するカードのある青や黒では使いやすく、逆に白などでは少々扱いにくい印象があるのですが、各色の特性に対してどういったバランスで調整されたのでしょうか。

 青や黒はドローやトラッシュを司る色なので、確かに“アルターフォース”を使いやすい感はありますね。とはいえ“アルターフォース”の基本はトラッシュにあるカードのコストを参照するというもので、条件を達成するのはどの色でも難しくはありません。

 たとえば緑なら《碧の狩人フィーユ》や新カードの《最大巨虫エレファントオオカブト》などのサーチ能力を使う、赤ならばほかの色のデッキよりも積極的にイグニッションができるので、その過程で多くのカードをトラッシュに送るというようなプレイングで“アルターフォース”を使いこなせるのではないでしょうか。

――なるほど、色ごとに“アルターフォース”の活用法も変わるということですね。

 そうですね。“アルターフォース”に特化させるというよりは、細かいプレイングやデッキ構築の面で少し意識をすることで、より“アルターフォース”を活かせるのではないかなと思います。

――具体的には、どのようなことが挙げられますか。

 たとえば手札の引き直しですね。新SRには特定のカードをフォースとして参照するものがありますが、それらを使うデッキでは参照先のゼクスを初手に含めてゲームを始めたいところです。特に登場ターンの早い《オリジナルXIII Type.V“Vb11De”》に対応する《目覚めたType.V》や《八大龍王 跋難陀》に対応する《修行中の跋難陀》などですね。

『Z/X -Zillions of enemy X-』 『Z/X -Zillions of enemy X-』
『Z/X -Zillions of enemy X-』 『Z/X -Zillions of enemy X-』

 また、デッキ構築という面ではイベントを採用するかどうかという点も重要になりそうです。特に、IGアイコンがついているコスト4以上のイベントに改めて注目しておくといいかもしれません。《猫の恩返し》や《フィーユはいつも元気だぞっ!》といった定番のカードはもちろん《クリムゾンロアー》や《渇望》なども、イグニッションでめくれてアドバンテージを取れるだけでなく、その後すぐにコストを参照するタイプのフォースとしても使えますね。

■『覇者の覚醒』の注目カードは?

――『覇者の覚醒』発売後の注目カード、注目デッキなどについてはお話しいただけますか。

 SRカードには、いくつか新デッキの軸になりそうなものがあるのではないでしょうか。《五頭領 天眼忍者ウェアジャガー》は《仲良しショッピング》や《獣人ウェアハスキー》などとコンボデッキが組めるでしょう。もちろん《そよ風のゼフィール》《夢幻蝶スワロウテイル》なども併用できます。

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 特定のカードを参照する“アルターフォース”持ちでは《七大罪 暴食の魔人グラ》は青黒の《思希者アマディウス》《舞踏骸骨スケルタルダンサー》を使うデッキにすんなり入りそうです。《紅血将軍ジェネラルブラッド》も同様ですね。

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 《空中大戦艦タングステン》は《イリュージョンノイズ》を組み合わせるのがよさそうですね。さらに《八大龍王 難陀》も加えれば早期に大量のリソースを得て《空中大戦艦タングステン》を普通にプレイするということもできそうです。

 《暁十天クテール・マシャカ》は上に挙げたような腰の重いデッキに対するアンチカードになるでしょう。攻撃的なデッキでは息切れを防止しつつ、手札を整えてさぁこれからと思っている相手を叩くことができます。

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 今回は“種族デッキ”でも強いけれど“種族をタッチする”というかたちで色々なデッキに入れられるカードをいくつか作っています。こちらもぜひ使ってみてもらいたいですね。

 たとえば《切断機械カッティング》は“キラーマシーン”デッキを作ってもいいですが、IGアイコンを持つゼクスを“キラーマシーン”にしておけば他のデッキでも問題なく運用できます。《風光明媚な旅 パドル》もパワー8000の“リーファー”をリソースから登場させるだけでもじゅうぶん仕事をしてくれますし《くつろぎのウィッカーマン》なども同様です。《くつろぎのウィッカーマンは同じ第9弾に収録された《スラスラするハルタール》も強力なので、コンビで使ってみてはいかがでしょうか。

『Z/X -Zillions of enemy X-』 『Z/X -Zillions of enemy X-』
『Z/X -Zillions of enemy X-』 『Z/X -Zillions of enemy X-』

 また個人的なオススメとしては《馬上槍マエストロ ジョスト》ですね。ぜひ《手甲職人ガントレット》などと“マイスター”デッキを組んでみてください。今回はレア以下のカードにもデッキを作ってみたいと思わせるものが多いと思うので、色々なデッキを試してもらえればなと思っています。

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■夏はイベントも盛りだくさん!

――続いて、8月以降のイベント情報などをお話しいただけますか。

 8月は“英雄達の軌跡”第3章が全国のショップさんで行われています。新プレイヤーキャラクターである《蝶ヶ崎ほのめ》のパートナーゼクス投票権をかけた戦いとなりますので、ぜひ参加してお気に入りの候補ゼクスに投票していただきたいですね。

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▲《愛の女神プシュケー》▲《囲炉裏の精霊アペフチカムイ》▲《妙声鳥迦陵頻伽》(みょうせいちょうかりょうびんが)

――3人とも女性の姿ですが、この3体のゼクスはどういったイメージで作られたのでしょうか。

 《蝶ヶ崎ほのめ》のイメージである「蝶」「炎」「麗」というキーワードに合うゼクスというのがテーマですね。これらは皆“ミソス”のゼクスなので、世界中の神話や伝説からイメージに合うものを選びました。

 《愛の女神プシュケー》は蝶の姿で描かれる神、《囲炉裏の精霊アペフチカムイ》は囲炉裏の精、《妙声鳥迦陵頻伽》は美しさの代名詞としても使われる神話上の存在です。ちなみに全部女性なのは、男を入れても投票してもらえないからです(笑)。

――このなかから1人が選ばれるわけですが、残りの2人はどうなるのでしょうか。

 そのままお蔵入りというのはあまりにもったいないので、どこかで登場させることになると思います。今回はあくまでパートナーゼクスになるものを決める、ということですね。

――パートナーゼクスになった時の能力などは、もうデザインされているのでしょうか。

 それはどのゼクスが選ばれるか決まってからになりますね。ちなみに《蝶ヶ崎ほのめ》とそのパートナーゼクスは第11弾に収録される予定になっています。

――それ以外にはどのようなイベントを予定されていますか。

 イベントとしては8月に名古屋の大須で「ゼクスコラボカフェ」が開かれます。また、東京・大阪・名古屋の三都市で街頭広告を出す、TVCMを流すといった各種プロモーションもしていくので、こちらもぜひご覧いただければと思います。

 9月には『トレカアイテムくじ』の第3弾と大型イベントである『ゼクストリーム』ですね。この『ゼクストリーム』で、秋以降、来年度までのいろいろなお話しをさせていただく予定です。

■『ゼクス』ファンへのメッセージ

――この夏はアイテム、イベントともにまさに目白押しで『ゼクス』漬けの夏休みなんて方もたくさんいらっしゃいそうですね。そんな『ゼクス』のユーザーさんに一言メッセージをお願いします。

 6月のスターターから10月の第10弾まで、カードやサプライ、イベントなどさまざまな楽しめるモノをご用意したつもりでいます。「多すぎ!」といわれるかもしれませんが、ご自身を気になったものに手を伸ばしてもらえればうれしいです。

 EXパック『回転むてん丸』などはカード種類も少ないですしね。ぜひ夏休みなどを利用して思い切り『ゼクス』を楽しんでもらえれば幸いです。よろしくお願いします!

――ありがとうございました。

 というわけで新商品・イベントラッシュで熱い夏をむかえている『ゼクス』のイグニッション久保田プロデューサーにお話しをうかがいました。電撃オンラインでは今後8月に発売されるEXパック『回転むてん丸』に合わせて、ふたたび対戦レポートやインタビューをお送りする予定ですので、こちらもお楽しみに!

『Z/X -Zillions of enemy X-』 『Z/X -Zillions of enemy X-』
▲最後に見せていただいた、来年1月発売予定の《ソードスナイパー リゲル》フィギュア。ダイナミックなポーズにくわえて、髪やパーツなど細部まで丁寧に作られていて非常にカッコよく、またカワイイです。PRカードやスリーブもついてくるのでぜひ予約してゲットしましょう!

(C)BROCCOLI / Nippon Ichi Software, Inc.

▼『Z/X -Zillions of enemy X- 第9弾 覇者の覚醒』
■メーカー:ブロッコリー
■発売日:2014年7月17日
■希望小売価格:1パック(カード7枚入り) 280円+税(1ボックス20パック入り)
 
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