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2014年9月11日(木)

加隈亜衣と井ノ上奈々が『シェルノサージュ』を赤裸々に語る! 電撃PS掲載の“皇女対談”をノーカット掲載。【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 2012年の4月にPS Vitaで発売された株式会社ガストの7次元コミュニケーションソフト『シェルノサージュ』。壮大な世界観と重厚な音楽で多くのファンを魅了した『アルトネリコ』シリーズの生みの親、土屋暁氏が創造した“7つの次元を越えた先にある世界”と、その世界に生きる少女・イオンは、多くのプレイヤーに衝撃を与えた。土屋氏の構想は『シェルノサージュ』は『アルノサージュ』へ、そして『アルトネリコ』をも取り込む『サージュ・コンチェルト』として確立していった。

『皇女対談』 『皇女対談』

 『サージュ・コンチェルト』は、2人の皇女の物語と言っても過言ではない。“ラシェーラ”は1人の皇帝が統べる世界だが、その後継者は2つの大きな勢力である天文派と地文派を代表する2人の皇帝候補=皇女より選ばれる。天文派の皇女、イオナサル・ククルル・プリシェール(イオン)と、地文派の皇女、カノイール・ククルル・プリシェール(カノン)。2人の皇女はときに競い、ときに反発し、ときに支えあって世界を救おうと懸命に生きた。

 2年以上にわたって綴られた『シェルノサージュ』のストーリーが完結した今、『シェルノサージュ』の最初期から、本作に密着して記事を作り続けた電撃PlayStation編集部のとっきーが、イオン役の加隈亜衣さんとカノン役の井ノ上奈々さんに、ロングインタビューを敢行。その胸の内を余すところなく聞いた。積み重なった感動的な言葉と、それに負けないくらい楽しい思い出の数々を、完全ノーカットでご覧あれ!

『皇女対談』

 ※本インタビューは電撃PlayStation Vol.571(2014年7月18日発売号)掲載用に実施されたものです。

◆PROFILE

加隈亜衣さん(右)[イオン役]

主な出演作品:『selector infected WIXOSS』小湊るう子、『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』ネネ、『精霊使いの剣舞』エストなど。マウスプロモーション所属。
Twitter:@aimausu

井ノ上奈々さん(左)[カノン役]

主な出演作品:『はいたい七葉』ラーナ、『大風水(韓国ドラマ)』ウンビ、『ガールフレンド(仮)』川淵一美など。ヴィムス所属。
Twitter:@inouenana

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加隈亜衣さんと井ノ上奈々さんの“皇女対談”を特別にノーカットで掲載!

■何かこう、喪失感が大きくて

とっきー:今回は、『シェルノサージュOFFLINE』発売&『シェルノサージュ』ストーリー完結記念ということで“皇女対談”というテーマで行こうと思っております。よろしくお願いします。

加隈井ノ上:はい、よろしくお願いいたします。

とっきー:いよいよ7月31日に最終幕およびターミネイトパックが配信され、サージュコンチェルトのすべてのストーリーが明かされます。収録を終えての感想を聞かせてください。

加隈:はい。順序としては、『シェルノサージュ』の途中で一回『アルノサージュ』の収録が挟まってから、『シェルノサージュ』のラストの収録を行いました。ユーザーさんが『アルノサージュ』をプレイしていて気になっていたことなどが、『シェルノサージュ』の後半で明らかになります。

 「あ、こういうことだったんだ」っていうのと、予想していなかったことまで、本当にいろんな出来事があったので、『アルノサージュ』をプレイした人にも、一度これをちゃんと見て、真実を見届けてほしいなって思います。イオンちゃんとしても、過去を振り返ると成長したなっていう場面が随所にあったり、「みなさんを泣かせにきてるな!」みたいなところもあります(笑)。

とっきー:おおっ、それは期待できます。

加隈:今まで2年近くイオンちゃんを演じてきて、いろんな方とのセリフのやりとりや掛け合いの中で、ひと言ひと言がすごく重みを増して……っていうところがあるので、もう、ぜひ見届けていただきたいなと思っております。

井ノ上:はい。いや~加隈さん。どうしよう、これ最初の質問だけど最後で良かったんじゃないかなっていう。

加隈:おわった☆ うふふ。おわった!

とっきー:「感想をお願いします」は一番最初に持ってくるべきじゃなかったですね。

井ノ上:ねぇ。

加隈:最終幕の感想になっちゃった(笑)。

井ノ上:本当に亜衣ちゃん……成長しましたね。

とっきー:(笑)。奈々さん、お姉ちゃんというか、お母さん目線ですね。

井ノ上:収録を終えての感想、自分のこと話そうと思ったんですけど……。最初、イオンちゃんとおんなじくらい周りのことがわからず、「(声優として)どうやって歩いていったらいいんだろう?」っていう状態だった亜衣ちゃんが、ここまで立派になって……。本当にストーリーと同じように成長していってたんだなっていうのを、すごく、改めて感じましたね。

加隈:ありがとうございます。いろんなご迷惑とご心配をおかけしながら(笑)。

井ノ上:で、自分のことなんですが……。『シェルノサージュ』本編の私の最後の出番があった幕があるんですけど。それは皇帝編の第2幕かな。

とっきー:えっとお亡くなりになられた?

井ノ上:亡くなってないんです~、死んではいないんです~。

加隈:ちょっとした休息タイムです~。

井ノ上:ですね! そのとき収録したスタジオが“カノン(叶音)”という名前だったんです。私はここで最期のときを迎えられるんだって、偶然なんだけどなんか運命を感じました。

 その後、ちょっとした別のエピソードを収録した日はあまりにも抜け殻状態になってしまったりして。そんな激しく演技をしたわけじゃないんですよ。普通に普通にカノンさんを演じたんですけども、「あ~、これですべてが終わってしまったのかぁ」って思いながら、収録後にとぼとぼ3駅くらい歩いてしまいました。これで帰って寝てしまったら、今日この『シェルノサージュ』の収録っていう日が終わってしまうって、寂しいとか悲しいのはもちろんあるんですけど、何かこう、大事なものがひとつなくなってしまったかのような“喪失感”が大きくて。

とっきー:最近のアニメ作品とかだと短い区切りがあったりしますが、ゲームで2年間ずっとやり続けてっていうのは、少ないんじゃないですか?

井ノ上:ないですね。アニメで言えば、じゃあ1クール終わりましたってなって 終わっちゃったね、寂しいねってなりますよね。でも、第2期があるよ! だったり、未来が見えるじゃないですか。『シェルノサージュ』とか『アルノサージュ』を含めてなんですけど「ここまでやるよ」っていうのを先に聞いてたんですね。

 でもまぁ、意外と収録の時間は長くて、ずっと付き合ってこれました。結局のところ、ここまでやるよっていうラストがわかっているはずなのに、どこまで私たち……時間的な意味で、あとどれくらいこの作品と付き合っていられるんだろうっていう不安というか、そわそわする感じはありましたね。

とっきー:それだけに最後を迎えるときの感慨みたいなのは大きかったんでしょうね。

井ノ上:はい。でも、私よりも亜衣ちゃんのほうが膨大な時間をイオンちゃんと過ごしてきていますから……。

とっきー:ストーリーだけではなく『トークパック』とかも含めてですから、イオンの収録ワード数はゲーム業界でもかなり上位なんじゃないでしょうか? 

加隈:(このインタビュー中)ずっと泣きそう…

井ノ上:泣いちゃう! 撮ってください! ここです!

加隈:うぇ~……。

『皇女対談』

とっきー:それだけ苦労して成長されたんですよね……。ユーザーさんにとっては発売から……(一時中断)。

加隈:失礼しました。初めてインタビュー中に、涙流しながらティッシュをいただいてしまいました。あっ、大丈夫です。聞きます!

とっきー:(笑)。で、最初のオーディションなどから考えると、本作との付き合いはユーザーさん以上に長い時間になるかなと思います。リアルで、お二人が出会ったときの印象とかうかがえますか?

井ノ上:オーディションは一緒だったんだっけ?

加隈:違います、(オーディションでは)お会いしてないです。

とっきー:じゃあ初めてお会いしたのって?

井ノ上:収録のときです。亜衣ちゃんが先に録っていて、その後の時間が私だったんですね。そこで、音響監督をされている納谷僚介さんから「この子がイオンちゃん役の加隈さんだよ」って紹介してもらいました。ご挨拶して、(ゲームの)情報公開はずいぶん先だったんですけど、その時のために今ここでツーショットを撮っておこう! と。

加隈:そう、撮ったんですよね。

とっきー:その貴重なお写真、ぜひ読者さんにお見せしたいです!

井ノ上:ほんとですか。私が自分のスマホで撮ったんですけど、そのときの亜衣ちゃんの顔がガチガチでね。すごい緊張してて。もちろん、初めてのお仕事っていうのにも緊張してたと思うんですけど。先輩にいきなり「写真撮ろうよ」と出会いがしらに言われたら緊張しますよね。

加隈:そうなんです。現場でお会いした、初めての別事務所の声優さんだったから。しかも、私は奈々さんのことを知っていたので。

井ノ上:ホント、子犬のような(笑)。プルプルプルプルした感じでいたなぁっていう印象がすごいありますね。

とっきー:なるほど。加隈さんとしてはどうです? 先輩の声優さんにお会いして。

加隈:私、ちゃんとお話したことなかった気がするんですけど、地元にいたときに見ていたアニメや雑誌でで奈々さんのこと知っていたんですよ。それを覚えていたので……。

井ノ上:へぇ~。

加隈:「あっホンモノだ!」って(笑)。すごい、なんか素人丸出しなんですけど(笑)。

井ノ上:東京に出てきたら芸能人に会えるみたいな感覚ですかね(笑)。

加隈:「現場でお会いしちゃった!」みたいな(笑)。しかも仕事でご一緒するって聞いて「うわー」ってなって、知ってる方と共演できるんだって、さらに「うわー」って。

とっきー:緊張しました?

加隈:すごい緊張しました。あー、絶対に足引っ張るってドキドキしました。

井ノ上:(笑)。

加隈:当時はなんとなく、初めて会った人が“みんな怖い”みたいな印象があったんです。私はデビューもまだしていない養成所生だったし、みんなが自分より大人に見えて、怒られたらどうしよう、とか。先輩は厳しいって先入観があったんですよね。それなのに、フレンドリーに写真撮ってくださったりとか、現場でバームクーヘン食べてらっしゃったりとか、そういう姿を見て「良かった!」って思って。

井ノ上:それ、私は覚えてないんですよね。亜衣ちゃんの前でバームクーヘン食べたことなんて……じゃあ、ちょっとティラミス食べようかな(井ノ上さん持参のお菓子を開けながら)。

加隈:(笑)。

井ノ上:いいよ、お食べ。お菓子をお食べ。

加隈:ありがとうございます!

『皇女対談』 『皇女対談』

■漠然とした『あなた』のイメージが明確になっていきました

とっきー:収録時の印象深い話があれば教えてください。

井ノ上:最初にいただいた資料に“カノンはとても静かにしゃべる人。だけどその声には威厳がある。”と書いてあって、収録前に、そのバランスみたいなものをとりながらテストをして、それで本番をやったんです。でも、これクレームじゃないですよ、決してクレームじゃないんですけど、ゲームになった試練編の第1幕をプレイしたら「カノンの声ちっさ!」って!

加隈:(笑)。

とっきー:“静かに”の部分が強調されていたんですね。

井ノ上:そう! 「私、この声で演説したの!?」って思って。

加隈:バランスなんですよね。

井ノ上:そう、バランスの話なんですけど。これはもうちょっとハッキリ喋らなくてはいけないと思いました。もちろん設定ではそうなんですけど、でも、もしかしたら私の「民たちに伝えよう」っていう気持ちがちょっと足りなかったのかなとか。私たちにとって『シェルノサージュ』の良かったところは、収録したゲーム(DLC)が発売されて、自分でプレイして、そのとき感じた内容を生かしてまた収録に臨める。普通のゲームは基本的に全部録り終ってから、どんな作品になったかを知るじゃないですか。

とっきー:音楽や画面演出などは、基本的に音声収録の後からつけていきますからね。

井ノ上:そうなんです。だから、演技面でもちょっとずつ作品やキャラクターと一緒に成長できたなっていう感じです。カノンさんはあまり感情を外に出さない、自分はこうでなければならないっていう思い描いている理想のカノンがいるんでしょうね。でも、イオンちゃんと出会って、激しい感情を出したり、照れたりとか泣いてしまう、そういう部分が出てきたときに、私がそれまで考えていた“カノン”と全然違う表情が出てきたりするんです。

 そんなとき、どこまでキャラクターを“変えて”いいのだろうか? とか悩むんですが、考えてみたらこの子まだ10代だしな、とか、あんなに尊敬されている皇女様だけど、まだ10代だからこういう弱さって持っているんだよなって、知らなかった部分を台本を読んだりゲームをプレイすることで知っていくことができて……。だから、こういうかたちの収録でよかったなって思いました。

とっきー:とくにカノンは試練編から崩壊編、皇帝編へと進むにつれて、感情の変化がだんだん出てくるキャラクターだと感じました。

井ノ上:そうですね。まぁ、試練編2幕でいきなり崩れましたけどね(笑)。ドカンと(笑)。でも、本人はその崩れた姿を誰にも見られてないと思っているんで。

とっきー:思ってるんだ(笑)。

加隈:思ってる……けど……。

井ノ上:そう。誰にも見せてないと思ってるんで、バレたときに激しく動揺しましたけど(笑)。

加隈:そうですね(笑)。

井ノ上:どうですか、亜衣ちゃんは?

加隈:印象深いエピソードは、すごくいっぱいあるんですけど、一番最初の頃にイオンちゃんを演じているときは、もうイオンちゃんでいること、イオンちゃんのセリフを言うことにいっぱいいっぱいでした。だから、他のキャラとのバランスとか、何も考えられてなかったんです。でも、日を追うごとに気づくことがいっぱい出てきて、周囲の方々に支えられていたんだな、とそこで理解できたんです。

 周囲に支えられてきたなっていうのはイオンちゃん自身にもいえることだし、奈々さんが時間をかけてカノンさんを知っていけたように、私もイオンちゃんと一緒に前に進めてるっていう“シンクロ”みたいなものを感じることが多くなっていきましたね。出演しているキャストさんはもちろん、土屋さん(本作ディレクターの土屋暁さん)を始めとするガストのみなさん、メディアの方々ともイベントや取材などでお会いするんですが、それぞれが独立したお仕事をしているわけじゃなくて、土屋さんと『シェルノサージュ』という作品を中心に輪が広がっていくのを感じました。

  まだまだ、そんなにたくさんの作品を知っているわけではないですけど、他の作品を経験すればするほど、ユーザーさんと強く繋がることができたのは“サージュ・コンチェルト”ならではなんだなって強く感じました。まさかメイドカフェ(秋葉原のシャッツキステさん)でイベントを開催して、ユーザーさんと間近で『シェルノサージュ』のお話ができるとは思わなかったです。

とっきー:『シェルノサージュ』ファンを集めてのイベント、というか、オフ会みたいなものでしたよね、あれは。

井ノ上:ニコニコ生放送でもやっていましたよね。見てた見てた。

とっきー:ガスト×星海社×シャッツキステという、画期的なコラボイベントでしたよね、端末さんにとってはすごくぜいたくな時間だったと思います。

『皇女対談』

加隈:本当にそうですね。土屋さんも来てくださったりとか、マチ★アソビでイオンちゃんが来たりとか(徳島で開催される複合型エンターテイメントイベント。『シェルノサージュ』のイベントも行われ、イオンちゃんが登場したことも!?)、いろいろなかたちで“七次元先と繋がれた”っていう体験をやってきましたよね。それが徐々に積み重なってくごとに、どんどんと七次元とのパイプが太くなってるなーっていうのも感じていたりして。……あ、収録時のエピソードの話でしたね!

井ノ上:いいんだよ。

加隈:えっと、でも、そんな風に感じられることがあったから、「あなた」っていうイオンちゃんのセリフの重みとか、見えてくる世界っていうのがだんだんと広がってきて。最初は漠然としていた「あなた」のイメージが、イオンちゃんの想像の中でも少しずつ絞られてきて、それは私もイベントとかを通して明確になってきたなって……(泣)。……イオンちゃんとシンクロするみたいに、こういうやりとりの中で紡がれていくんだなっていうのを、すごく感じていました。

とっきー:ありがとうございます。

加隈:すいません鼻たれて!

井ノ上:良い表情撮れました?

とっきー:この後、号泣したらもう一回撮影しますので!(笑)

加隈:私、最後の質問絶対にNGなんですよね。事前にもらっていた質問を読んだ瞬間に「あかん」って思ったんだ。

井ノ上:ちょっと、質問にNGとか偉くなったわね!(笑)

加隈:(笑)。顔面崩壊ハンパないですよ! 絶対にとっきーさん、私を泣かせに来てると思った。

とっきー:そんなことはないですよ。端末のみなさんが聞きたいことということです(笑)。

■『アルノサージュ』の台本怖かった

とっきー:次は、自分が演じたキャラクターの一番好きなところと、逆にこれはちょっとっていうところをそれぞれ教えていただけますか? 

加隈:イオンちゃんの好きなところは、まっすぐ素直なところですね。私の場合、自分の考えが「カッコ悪い」と思ったら、少しカッコつけて言ったりしちゃうんですが、そういう部分も包み隠さずぶつかっていけるのは、イオンちゃんの良い所だと思います。

 でも、「この子ってば!」って思うところもそこにあって(笑)。周りともっと協調しなよって思うこともありますね。だって、“ラシェーラ”の全国民が反対って思ってることなのに、イオンちゃんは「これが正しいと思うの、何もできないかもしれないけど!」みたいなことを言えちゃう素直さは、危うさでもあるし、恐ろしいなって。この子は本当に"運を持っている"と思います。

井ノ上:そうだねー。ホントなんかやったらできちゃった! みたいな部分がすごいありますよね。根拠はないのに自信だけはすごいあるじゃないですか、イオンちゃんって。

加隈:「それダメだよ!」っていう感情のまま突っ走れるのも“偽りがない”からだと思いますけど、それ以外の考えはないんだ! みたいな頑固さも持ってますよね。

とっきー:だからこそ、周りの人々の心が揺さぶられるというのもありますよね。でも、僕らの日常からすると、「もう少し空気読もう」みたいなところも確かにありますね(笑)。

加隈:ありますよね。でも、逆にアルノサージュの精神世界では、その“まっすぐさ”とかも、じつは偽っていたんじゃないかみたいになった瞬間に……。

井ノ上:お~こわ~い。

加隈:「やばい!ホントこわい!」って(笑)。

井ノ上:イオンちゃん怖い!

加隈:えーなに、イオンちゃん……っていうか土屋さん怖い! みたいな。

井ノ上:ね、ホント土屋さん何考えてるのって思います。

とっきー:心の奥の奥まで見透かされる感じですか?

井ノ上:そうですね。

加隈:私が今まで信じてきたものでさえ覆されるんだって。

井ノ上:『アルノサージュ』の台本怖かった。

加隈:怖かったんですよ! 私、そのころから一時期、本当に人を見る目が変わっちゃってて。しばらく人とのやりとりがうまくいってなかったんです(笑)。

『皇女対談』

とっきー:カノンさんはいかがですか?

井ノ上:そうですね、好きなところというかカッコイイなと思うところは、自分の立場をすごくよく理解しているところ。だから自分が10代の小娘なのに、おじさんたちに対して対等以上の言葉遣いというか。私だったらきっと、怖くてそんなことは言えないんですけど、カノンは自分が“こうしなきゃいけない”っていうのをわかっていて、責任感のもとに動いているところはすごいなって思いました。

とっきー:確かにカノンさんは人によって意見を変えたりしない、凛々しくて高潔なイメージがありますね。

井ノ上:すごく素敵だなって思っています。で、これは……っていうのは申しわけないんですけど、好きなものが真逆なんですよね。私ちょっとね、トリ苦手で……。

加隈:それ知ってしまうと、若干ショックですね(笑)。

井ノ上:あとカノンさん、バナナでスイーツ作っていたじゃないですか。じつは私、食べ物の中で一番苦手なのがバナナなんです。

とっきー:それはある意味厳しい仕事でしたね。

井ノ上:食べてみて、「美味しい」って言わなきゃいけないんですけど、その美味しさが想像できないんです。

加隈:それって収録のときはバナナの味を想像したんですか?

井ノ上:カノンが幸せになれるくらい、甘い“何か”。

加隈:甘いものカテゴリーで受け入れたんですね……。

■おかっぱの失敗バージョン、超かわいいですよね!

とっきー:企画で読者さんに、好きな衣装を選んでもらおうと思うのですが、お2人にも好みの衣装をチョイスしてほしいと思います

加隈:(コスチュームの資料を見ながら)奈々さんがすごい食いついてます。

井ノ上:こういうの大好き! 学園制服(皇ノ賜)か、サンライトパレスが好きです。こういうちょっと、カッチリしたかわいい系の制服っぽいのが好きです。これに合わせるのが、おかっぱの失敗バージョン(髪型)です

加隈:おかっぱの失敗バージョン、超かわいいですよね!

井ノ上:超かわいいんですよー! 眉毛でちゃって困ってる感じがたまらないですね。

とっきー:端末さん的にも、これは失敗じゃないんじゃないかと評判です。

井ノ上:大成功ですよ!

加隈:絶対かわいいです!

井ノ上:でも女の子的には、「前髪切りすぎちゃった……」って感じの失敗なんですよね。

加隈:成功と失敗の比較から考えると、 「どうやって失敗したの!?」って感じですね。何を考えてたらこんなに! こっちに合わせてこっちを……あ、これ前髪だった!? みたいな?(笑)

井ノ上:そういうのを想像すると、すごく可愛いですね(笑)。

『皇女対談』 『皇女対談』

加隈:純白水着は……ない。ストロベリーセイルも……ない。ただ、最初のローブ姿で来られたらビックリします(笑)。

井ノ上:11幕の●●はいいの? 下半身、けっこうスゴいことになってるけど。

加隈:でも、これでもイオンちゃんの中では隠れてるほうなんですよ~

井ノ上:で腰についてる白いのの境目がわからなくて、これ、かなり肌露出してる気がするんだけど?

加隈:……出ていますね、これ。モモフィッシュなんかは相当ヤバいんですよね。なぜそこが開いている、と。一部で通気口と言われてましたね。

井ノ上:通気口が必要なのかどうなのか……。

加隈:私、「だぼだぼ服」が好きなんですよね。それにメガネ……レッドフレームがいいな。

とっきー:サングラスは怖くて未だに作っておりません。

加隈:me too(笑)。

井ノ上:だぼだぼ服にメガネって組み合わせは……すごくモテる子ではないですね。

加隈:地味な感じがいいんですよ。地味かわいい。

井ノ上:俺だけがこのかわいさをわかっている……そんな、独占欲的なものが亜衣ちゃんの中で働いているんだと思います。

加隈:おー……俺イオン(笑)。髪型はいつものイオンちゃんでいいんですけど、一瞬だけ失敗おかっぱも見てみたいです。

とっきー:普通の男性からはダサい、かもしれないですけど、オタク的にはど真ん中ですよね、ダボダボ服にメガネとか。

井ノ上:あえて露出もなく、俺の前だけしか見せない姿がいいとかね。素晴らしい!

加隈:一緒にいるときで、「なにか出すね~」って言って冷蔵庫から手作り料理とか出してくれたら最高じゃないですか! ……ヤバい、俺の嫁かわいい…。

井ノ上:みんなに人気がある服はどれなんでしょうね?

加隈:リーベルドレスとかじゃないですか?

とっきー:根強い人気はリンカージェンとかですかね。

加隈:一番最初にガラッと雰囲気が変わる衣装ですしね~。

井ノ上:ルウレイさんのお古。

加隈:ポーラーズメモリー2とか月待灯も好きですね。なんか、身近に感じられるものが好きかも。

井ノ上:自分で着るならどれがいい?

加隈:ハピネスウェットとか、普通に着れそう。

井ノ上:私、亜衣ちゃんにね、サンタ服を着てほしい。ロングスカートでこれだけひらひらしているサンタ服ってなかなかないですよね。デザインが素晴らしいと思います。これを着て、私にプレゼントを持ってきてください。

加隈:そのまま住みつきます……。私は奈々さんに、最初に選んでた学園の制服を着てほしいかな。あと……事務所さんがOKならヒュムネステリオン。

井ノ上:どれどれ……ぜんぜんいいよ!

加隈:普通の女の子も着てそうな寝間着だけど、実際にはなさそうなかわいさが。

井ノ上:純白水着とかじゃなければ大丈夫(笑)。

加隈:それにプライムグラスをつけてほしい。

井ノ上:寝る前に着替えて、ゆったり本を読んで……みたいなシチュエーションかな。いいですね!

とっきー:読者のみなさんにも、こんな風に妄想全開でオススメのコスチュームを選んで欲しいですね。

■気分が発売当初の気持ちに戻る曲なんです

とっきー:『シェルノサージュ』では詩が大きな役割を果たしますが、これまでの詩曲でお気に入りはなんでしょうか?

井ノ上:私やっぱり『天地咆哮』ですね。あれは歌い始めがかっこよすぎて、「きたー!」って思って。

とっきー:第1幕でのイオンの詩とはまったく違うイメージですよね。

井ノ上:そうですね。だからキャラクターソングではないけれども、すごいキャラクターのカラーっていうのをすごく大事にして曲を作った結果、このかっこよさが生まれたんだろうなって思っています。でも逆に『美し世界』になるとすごく優しい曲というか、歌詞もすごく包み込むような感じで、カノンさんは両方をちゃんと持っている人なんだなっていう。ただただ強いだけじゃなく。ちゃんとみんなを幸せにしたい、この世界を平和にしたいっていうその信念があるからこそ強くもなったり、優しくもなったりするんだろうなって。

とっきー:『美し世界』を聞くまでは、物語上の役割ではカノンが強さとか高潔さとかを担当して、人々を包み込むのがイオンの担当、のようなイメージだったんです。でも、このあたりから、2人の皇女は同じ気質を持っているんだって、すごく感じさせる展開があって、ここから先の展開が読めなくなってきたんですよね。加隈さんがお気に入りの曲は何ですか?

加隈:私は『ahih rei-yah』ですね。iPhoneにも入れてるんですけど、シャッフルで流れてきたときに、「今聞くときじゃない」って思って止めちゃうんですよ。

とっきー:(笑)。あ、聞くべきときがあるんですね。

加隈:そう。気分が発売当初の気持ちに戻る曲がこれで、やっぱりイオンちゃんの話の中でも大事なときに流れてますし、私の『シェルノ』の歌のイメージはこの曲ですね。気持ちがすごくスタートに戻るというか、リセットするときとか、迷ったときとかっていうのを少し迷っただけのときじゃなくて、本当にどうしようかなとか、すごいモヤモヤがずっと続いてるときに、すごく大事なときに聞く曲として聞いてますね。なんか乱発したら無駄遣いしてるみたいな、この効果が薄れるんじゃないかっていう怖さもあって。だから聞くならフルで聞きたいし、雑踏の中で聞くんじゃなくて気持ちを落ち着けて聞きたいしみたいな。

『皇女対談』

とっきー:じゃあかなり特別感のある?

加隈:そうですね。はい。

とっきー:リアルでも仲がいいお2人ですが、ぜひお互いをどう思っているか聞かせてください。

井ノ上:大好き。

加隈:わー! me too♪

井ノ上:私ね、亜衣ちゃんのこと大好きで、亜衣ちゃんのことを考えていて、ついイオンちゃんって書いちゃったのか、その逆かちょっと忘れちゃったんですけど、Twitterに書き込んだことがあります。それくらい自分の中でイオンちゃんと亜衣ちゃんが一緒になっていて、ちょうどカノンがイオナサルのことが好き……って歩み寄っている時期だったので、その台本を読みながら「たまらんの~~」って思ってました。

加隈:えへへ(照)。

井ノ上:そんな頻繁に会っていませんが、ずっと一緒にいたなーっていう感じもするし。私のほうがお姉さんで、亜衣ちゃんのことを見守ってる感もあったんですけど、私も亜衣ちゃんに会いたくなって寂しくなったりとか、うまく言葉に出来ないんですけど、大切な存在です。

とっきー:加隈さんとしてはそんな愛情を受け取って……。

加隈:幸せものです(笑)。今年で上京してきて4年目になるんですけど、奈々さんみたいな存在の人は奈々さんしかいなくて。だから何か困ってて、奈々さんに聞くべきじゃないことでも、違う話をするだけでもスッキリすることがあったり。私を最初から見守ってくださって、友達だったり先輩だったり先生だったり、本当にイオンにとってのカノンさんと同じような感じで。いろんな大切な人が詰まってる存在です。

とっきー:かなり気持ちの支えみたいな。

加隈:そうですね。

とっきー:WEB配信番組の『七次元通信』をお二人でやられていたのも印象深いです。ゲームの告知番組とは思えないような、いろいろなことをしていましたよね。

井ノ上:そうですね、ロボット対決とか。

加隈:料理作って……(笑)。

とっきー:回を追うごとに、加隈さんのトークスキルが上がってるんだか、下がってるんだか……。

加隈:ねー(笑)。あ、カンペが読めるようになりました、若干(笑)。

井ノ上:よかったー。前は読めなかったのに。

加隈:他の現場で「私、カンペが読めるようになったんですよ」って誇れないから、成長度合いを感じ取っていただけるのが、この場しかなくて(笑)。

とっきー:当時は「ここは奈々さんがいないと!」みたいな感じでしたよね。

加隈:じゃないと、もう番組が成り立たないってことをみんなが危惧していたっていう(笑)。

井ノ上:でも、『七次元通信』の収録のときは、いっつも「『シェルノサージュ』は今後どうなるんですか?」ってスタッフさんに聞いてましたね。

加隈:聞いてましたね。配信スケジュールとか、今後の話はどうなっていくの? とか。

井ノ上:やっぱり、言っていいこととダメなことってあるじゃないですか。で、今後どうなっていってほしいとかを想像で話すと、私たちが知らずに核心ついちゃうときがあって、「それはカット!」みたいな(笑)。

加隈:でも、土屋さんのお話を聞いていると、常に世界が更新されてて、スゴいって思うことが多かったです。

『皇女対談』 『皇女対談』

■収録のたびに台本読んで泣いちゃうんです

とっきー:そんな土屋さんに、当時から今までを含めて言っておきたいことがあれば今のうちに言っていただこうかなと思います。

井ノ上:なんだろう、「いつ寝てるんですか?」。

加隈:本当にそれは思います。

とっきー:土屋さんが寝てる姿が想像できませんね(笑)。

井ノ上:ね、本当にずっとお話を考えていて、頭の中パンクするんじゃないかって思うんですけれども、それでも私たちがいつも驚くようなお話を考えられていたりどんどんキャラが増えていったり。なんだろう、Mなんじゃないかって思うぐらい(笑)。お身体が心配です。

加隈:私は逆にSなんじゃないかなって思うところが多々あって、私もう収録のたびに台本読んで泣いちゃうんです。もういろんな水をたらしながら収録をしてて「また泣かされた」って。すごい回数泣いた記憶があります。

 あと、土屋さんはお会いするたびにいつもニコニコされてて、怒られたことがないんです。素人同然の養成所生を拾っていただいて、土屋さんが命を削ってまで賭けている作品を預けていただいて……もっとこうしてほしいとか、怒らせてしまったこともあるんじゃないかと思うんですけど、いつも「ありがとう」っていう言葉しか言われたことがないくらいなんです。

とっきー:土屋さんには、正直に気持ちをぶっちゃけていただきたいと?

加隈:もし何か……精神世界で訴えたいことがあれば……。土下座でもなんでもしますので(笑)。

とっきー:それでも笑顔の土屋さんしか想像できないんですよね。

加隈井ノ上:うんうん。

とっきー:キャラクターのもう一人の生みの親であるntnyさんに言っておきたいことがあればぜひ。

井ノ上:はい。『アルノサージュ』発売時期のTwitterでお見かけしたんですけれども、「カノンの新しい衣装が、演じているのが井ノ上さんということで半ズボンをイメージしました」みたいに書かれてて(笑)。中がスカートではなくてキュロットタイプなんですよみたいに書いてあって、私の印象それが一番強いんだ……って。

加隈:しかもそれ、若干違いますよね(笑)。

とっきー:本人が着たいわけじゃないですよね。

井ノ上:そうですよ! 別にカノンに着せるよりも私はもうほんと……プラムくんはねー! 早々にいなくなった……あ、私、土屋さんにそれ言いたい!

とっきー:土屋さんに一番言いたいこと、「プラムどこ行った」(笑)。

『皇女対談』

井ノ上:プラムがねー! 早すぎだよ、あの子の退場って思ったんですけど、でもドラマCDでね、ちょっと。お兄さんと一緒に喋っているのがあって私は嬉しかったです。あ、ntnyさんへの言葉でしたね(笑)。

加隈:話してるとズレちゃいますね(笑)。

井ノ上:でも、本当に美少女描かれる人だなって思います。大人の人たちも「あ、この人きっと美少女だったんだろうな」っていう片鱗が見えるような顔のつくりというか。あとネロとかサーリとかネイとかのちっちゃい組が可愛すぎて。もちろん、カノンとイオンにも魅力はたくさんあるんですけれども、小さい子たちの方が魅力が詰まっているような。私の好みなのかもしれないけれども、胸が大きい組よりも小さい組の方が大変可愛らしかったです。

加隈:あれ、きっとntnyさんの好みもありますよね。

井ノ上:そうね、きっとそうなんだろうね。

加隈:布面積的な部分も含め(笑)。そうですね、私はやっぱり今言われたように全キャラすごく可愛くて。『アルノサージュ』になってからも服が変わったりとかすごく可愛いですけど、『アルノ』ではネロがどうしてあそこまで可愛くなったか!

井ノ上:ねー。

とっきー:『シェルノ』でも可愛かったですけど、『アルノ』のネロはちょっと反則ですよね。

加隈:サーリちゃんが一番いろんなもの詰め込んだ子みたいに言われてますけど、「ネロ、そう来たか!」。なんか違うところで上回ってきたぞこれ、って。

井ノ上:うん、イオンちゃんからすれば私がヒロインなのに! みたいなところもあったよね(笑)。

加隈:頭のお花とかイオンちゃんと似てるけど、そこにロリが加わって、ちょっとずるいみたいな(笑)。あと、なんで白鷹さんああなっちゃったんだろうって……私、『シェルノ』の白鷹さんが好きだったんですよ。あとは、やっぱりイオンちゃんは変わらず可愛くて。ほんとうにイオンちゃんを演じられて良かったなって。青い瞳が大好きです。ずっと見つめていたくなる。

井ノ上:綺麗だね。

とっきー:引き込まれますね。イオンちゃんの大きいタペストリーの絵とかたまらないです。

加隈:電撃PSさんの企画で、私の似顔絵も描いていただいたんです。今もTwitterのアイコンにさせてもらっていますが、ntnyさんもこんなに長く使うと思ってなかったんじゃないかな。追加料金かかるんじゃないかなってヒヤヒヤしています(笑)。

井ノ上:追加料金払ってるの?

加隈:私は払ってないので。

とっきー:追加料金発生したら、私が払わなきゃいけないじゃないですか!

加隈:そのときはとっきーさんのほうにお願いします(笑)。

とっきー:ひどいな……まぁ、そんなこんなで加隈さんには電撃PSでもコラムを書いていただきましたが、いかがでしたか? 1年半くらいの連載は、電撃PSでもかなり長期でしたが。

加隈:当時、声優としてもド素人みたいな私の話を載せていただいて、今考えると凄いなって、改めて思います。コラムの企画で取りに行ったカッパの捕獲許可証は、残念ながら失効してしまったんですけど(笑)。

井ノ上:また捕りに行かなきゃ。何県だっけ?

加隈:あの、岩手です。

とっきー:かなり遠い。

加隈:でも、そんな体験をするきっかけを与えてくれたのが嬉しかったです。私、物事を長く続けるっていうことが本当に出来なかったので、いい勉強をさせてもらいました。文章を書くとか人に伝えるって本当に難しいなって思うんですけど、おハガキいただいたり、コラムを毎回楽しみにしてくれたファンのみなさんのおかげです。あと、一番大きかったのは親に恩返しをできたことかな。両親が2冊買って、おばあちゃんのところに届けて「亜衣が出とうよ!」みたいなことをしてくれてたっていうので。以前、実家帰ったときに全部買ってありました(笑)。

 ゲームとかアニメとかあまり見ない家庭だったんですが、本というかたちになっているのがすごく嬉しかったみたいで、すごく喜んでました。上京してから、一番、ホッとしてもらえたのでありがたいなと思います。

とっきー:素敵なコラムをありがとうございます。

加隈:こちらこそありがとうございます!

■2人が気になるキャラクターとは?

とっきー:作中で自分が演じたキャラクターに影響力が強かったキャラといえば誰だと思いますか?

加隈:ネイちゃんですね、ネイちゃんがいないとイオンはいないというか、逆もまた……ですね。いざ自分がそうなったらって考えると耐えられない境遇ですよね。でも2人はそれを受け入れて、お互いのことを好きっていう気持ちでその解決方法を出していくのはスゴいなぁと。物語でも問題がたくさん出てくるけど、ネイちゃんが“皇女の気質”みたいな強い気持ちを持ってなかったら、絶対に『シェルノサージュ』は成り立たないと思います。

とっきー:目標だったり引っ張ってくれる、みたいな。

加隈:そうですね。目に見えてはカノンさんで、ネイちゃんは精神を支えてくれているみたいなところがあったなというのはすごく思っています。

『皇女対談』 『皇女対談』

とっきー:カノンさんとして気になるキャラクターは?

井ノ上:コーザルですかね。カノンは自分の立場をよく理解しているから、大人に対しても結構強気でものを言ったりするんですけど、コーザルだけはなんかちょっと違っていました。強い気持ちは持ってるんですけど、ちゃんとコーザルに意見を聞きに行ったり、頼ってる部分があったと思うんですよね。

とっきー:たしかにそういう雰囲気ありますね。

井ノ上:それで、コーザルもカノンの性格を理解して、こういう風に言うのはあなたに申し訳ないが、みたいな前置きがあった上で言ってくれたりとかしてて。もちろん、現実世界ではイオンが唯一心をゆるせる相手なんですけど、ちゃんと心の中ではコーザルをすごく好きで、尊敬もしているし、多分自分のことを頼ってほしいとも思っていたんじゃないかなと思うんですね。カノンはイオンと違って周りにそんなに人が集まるキャラクターではないので、そのぶん、いつも一緒にいたコーザルというのは大きな存在だと思います。

とっきー:『シェルノ』にはさまざまなサブキャラクターも登場しますが、気になる人は誰でしょうか?

井ノ上:少年好きの私としては、プラムはまぁ特別として(笑)。クーリンとパリーがいいですね。あの2人を見ているとすごく幸せになれます。ケンカしてても、またまた仲良いんだからーって。

加隈:「区長でしょ、あなたたち! 落ち着いて!」みたいな(笑)。

井ノ上:クーリンはカノンに対してビシっとしてるのに、パリーに会うとすごい子どもっぽくなって、おもしろいな、この人って思ってて。私、試練編第2幕のエピソードがすごく好きなんですよ。カノンさんが一人でホテルみたいなところで考えたりとか、お祭りに行って「あ、チュンちゃん」って考えてるときに、なんだろうこの2人はもう、はたから見たらイチャイチャイチャイチャですよ。

『皇女対談』 『皇女対談』

加隈:一番平和なふたりですよね

とっきー:試練編3幕でカノンさんに一緒についてきて、さらにパリーもついてきて。なんでついてくんだっていう。

加隈:裏切られた~。

井ノ上:そうそう、あれ? こっちに来ちゃった。彼と一緒にいたかったのねって思った!

加隈:職権乱用!

とっきー:あの2人は心がほっこりする関係ですね。

井ノ上:子どもたちにそういうシーン多いのかなと思いつつ、『シェルノ』ってやっぱりシリアスじゃないですか、全体が。だけどあの2人がでてくると途端にほのぼのするから、この作品の癒しって感じですね。

とっきー:加隈さんはいかがですか?

加隈:私は付き合いが長いねりこさん。本当に謎ですよね。

とっきー:最近は端末さんとデートまでしますしね。

加隈:本当ですよ! 「ちょっと待って! みんなそれを望んでるの!?」って。なんでしょう、経験したことない不信感(笑)。どういうこと!? って。

井ノ上:端末さんたちも、Twitterとかで「俺はねりこさんとデートしてみたい」とか「カノンがいい、キャスがいい」とか言ってましたけど、本気じゃなかったと思うんですよ。イオンっていう大切な人がいて、なのにねりこさんのほうがデートしてもいい状態になるって、えぇっ?

加隈:しかもなんか、デートに出かけたらそっち行くんですよ。ちょっと待って、ガチじゃない!? みたいな。

井ノ上:端末さんもビックリですよね。

加隈:ね。まぁそんな大切なねりこさんです

一同:(笑)。

『皇女対談』

加隈:あと、テレくんとのちょっとしたやりとりも癒しでしたね。テレくんはブレない、穢れないところっていうのがあるからそれで支えられてた部分と、あとストーリーの後半、テレくんの「自分はできない子だから」っていうコンプレックスの強さがすごく出てくるところがあるじゃないですか。あれ、イオンを見てテレくんも自分は大丈夫だっていう気持ちになって欲しかったなって。そしたらきっと『アルノサージュ』にもいたのにって気持ちもあって。テレ君ももうちょっと一緒に成長したかったなっていうのがあります。もちろんテレ君のおかげでイオンは成長できたんですけど。『アルノサージュ』でも見たかったよテレくん。

とっきー:『アルノ』に出たら、すごい巨大化してたんでしょうね。

加隈:絶対「いけー」とか言って、背中とか持てましたよね。

井ノ上:どうする? テレくんの精神世界がすごい強気だったら。

加隈:「おらーどけー」みたいな?。俺様のしっぽがブンブン鳴るぜ、とか(笑)。

とっきー:テレくんがそれを隠してたらすごいな。

井ノ上:「コーザル? ああ、あいつね」とか「俺、まだまだ若いからさ」とかね。

加隈:「俺のほうが神だから」なんて(笑)。

とっきー:どんなテレくんなんですか……。

井ノ上:たしかに。

加隈:どう更生したらいいですかね?(笑)

■2年以上支えてくれた端末さんたちへ

とっきー:じゃあ、加隈さん曰く最後に泣かせにきてる質問があるんで、まずは奈々さんのほうから先に。2年以上支えてくれた端末さんたちにメッセージをいただければな、と思います。

井ノ上:はい。『シェルノサージュ』から私を知ってくれたという方々から結構お声をいただいたりして、すごく嬉しかったです。DLコンテンツでお話が進むものなので、ユーザーさんは次が配信されるのを待たなきゃいけないじゃないですか。でも、その間にもカノンさんのこういうところが好きですとか、イオンとカノンのこういうやりとりが好きですとか感想を聞かせてもらえました。長く続いた作品なので、それだけ多くのみなさんの支えがあったんだなってすごく実感できるものだったと感じています。

 私自身にとっても亜衣ちゃんとの出会いって自分の人生の中ですごく大きくて大切なもので、それをみなさんに見守っていただけてたっていうのがとても嬉しいです。残念ながらカノンが主役になることはできませんでしたが……。

加隈:デートもできなかった

井ノ上:でも、それを望んでいた多くのファンのみなさんがいるのを私は知っていますよ。まぁ、夢の中ででもいいので、ぜひカノンとデートをしてあげてください。きっと恥ずかしがりながらもあなたについていくカノンがいるんじゃないかななんて思います。『シェルノ』のストーリーは完結しますが、ゲームは何回でも楽しめるのがいいところです。『OFFLINE』もあるので、またキャラクターたちに会いにいってあげてください。

とっきー:とくに『OFFLINE』になることで、いつでも好きなときに好きなだけ遊べるようになりますよね。

井ノ上:そうですね。なのでこれからもよろしくお願いいたします。

とっきー:はい、ありがとうございます。では加隈さん、最後締めてください。

加隈:はー大変! そうですね、みなさんが7次元先と繋がった日は、同時に私も声優業界というか、この世界に入ってみなさんと通じた日でもあります。そこからの2年は、私のこれからの人生で二度と訪れないすごい大事な毎日です。それはみなさんがイオンちゃんや“サージュ・コンチェルト”を愛してくれたからだなって、すごく感じて、すごくありがたく思っています。ずっと関わってた作品が終わるっていうのが初めての経験で……寂しいし、すごく悲しいけど、悲しいだけじゃない、あたたかい気持ちもあります。この気持に整理つけるっていうのはすぐにはできないし、この気持ちって言葉にするのは難しいんですけど、とにかく感謝でいっぱいです。

 『シェルノサージュ』のお話は終わるけど、まだ10月の『OFFLINE』や『アルノサージュPLUS』があるし、もっともっとみなさんと大きく強くつながっていけたらなって思っています。なのでPS Vitaを充電して、いっぱいトントンしてあげてください。よろしくお願いします。

『皇女対談』

とっきー:ありがとうございます。今までもありがとうございました。

加隈井ノ上:ありがとうございました。


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