2014年9月10日(水)
高橋弥七郎先生が贈る電撃文庫の新作『カナエの星』の紹介記事をお届けします。
世界には2つの“未来”がある。“新たに見出す可能性”へと進むか――“誰知らず降りる破滅”に沈むか――。
なんでも直感的に行動する少年・直会カナエ。とある相談を受け、古い校舎へと踏み入った彼は突如、謎の“星”へと飛ばされてしまう。そこで1人、待っていたのは“星平線のそよぎ”と名のる謎の少女。彼女は軽いノリで告げる。
「ズバリ、世界を救ってもらいます!!」
カナエは、新たな可能性の象徴“半開きの目”に選ばれ、世界を破滅に導く“ハインの手先”を止めなければならない……らしい。
同じ頃、彼を慕う少女・一条摩芙も、何かを感じ、悩み、決断していた。
「“あれ”が動き出したら……私も、やらなきゃいけなくなる」
世界の“未来”を懸けた運命の戦いが今、始まる――!
3度にわたってTVアニメ化され、コミカライズも大人気!! 累計発行部数は860万部を越え、まさにモンスタータイトルと呼ぶにふさわしい電撃文庫『灼眼のシャナ』シリーズ。その生みの親である高橋弥七郎氏が、3年ぶりの新刊となる電撃文庫『カナエの星』をリリースしました。
今作は世界を救う“力”をその身に宿した中学2年生の直会カナエが、運命を操って未来を破滅させようと企む“ハインの手先”と戦う学園伝奇アクション!! この物語の鍵を握っているのは、カナエを兄のように慕う小学5年生・一条摩芙ちゃんです。
一見、ごくふつうの内気な少女に見えるのですが、なんと彼女には誰も知らない別の顔が……。それから、登場人物の名前にも注目してみてください。まず、カナエといえば、古代中国の3本足の祭器を想像しますね? 一説には生贄を捧げる器だとも。名字の直会は、神事のあとにお供えした供物や酒を飲み食いする行事のこと(この場合は、読みは“なおらい”です)。
名は体を表すといいますし、彼の未来を暗示しているのか、それとも別のなにかが――? なんてドキドキの妄想が広げられるのも、裏設定にもこだわる弥七郎氏の作品ならでは。『灼眼のシャナ』に勝るとも劣らない深い世界が広がっている本作。想像力をふくらませながら、楽しんでください。
以下はおまけなのですが、他の登場人物たちの名前には、古代から霊力が宿るといわれている植物が使われています。下記にまとめましたので、興味のある方はご参考までに。
・桧原里久:カナエの親友。檜=ヒノキは霊のこもる木だと考えられ、古代より神社や船の建材に使われている。ヒ=日という説も。
・山辺手梓:カナエの世話を焼く先輩。梓=アズサは魔除け力を持つという。神事で使う梓弓の材料。正倉院にも奉納されている。
・橘樹愛:カナエと里久の担任。橘=タチバナはカンキツ類の常緑樹。日本書紀や古事記でいう常世の国の不老不死の薬“非時香菓”は、この橘であるという説がある。
激しいバトルに胸躍らせ、作り込まれた設定と世界観に夢中になり、愛らしいヒロインに萌える!! これが“学園伝奇アクション”というジャンルの正統な楽しみ方ではないでしょうか。
ということで、本作のメインヒロインを紹介します。まずは、小学5年生の一条摩芙ちゃん。引っ込み思案な性格で、いつもカナエがそばにいないと不安そうにしています。その描写が半端なくかわいい♪ 特に内気なロリッ娘らしく、カナエの袖をキュッと握って歩くシーンなどは、「こんな妹が欲しかったんだ!!」と熱くなる人、続出の予感です。
「小学生は守備範囲外なんだけど……」というみなさんには、カナエに世界の運命を託した“星平線のそよぎ”と名乗る異世界の美少女をオススメします。ロングヘアをなびかせ、素肌にセクシー衣装を1枚さらりとまとう無防備な人。性格は明るくて無邪気。隙あらば、会話中に鋭いツッコミを入れてくるというスペックの高さが魅力的♪
2人の美少女の存在が、物語とカナエの今後にどう影響するのか。その愛らしい姿を愛でつつ、怒とうの物語を最後まで楽しんで!
(C)高橋弥七郎/KADOKAWA CORPORATION 2014
イラスト:いとうのいぢ
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