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2014年9月18日(木)

ゲーム版『PSYCHO-PASS サイコパス』レビュー。新しいADV体験を実現しそうなXbox SmartGlassに期待!【TGS2014】

文:ごえモン

 東京ゲームショウ2014の日本マイクロソフトブースでプレイアブル出展されている、Xbox One用アドベンチャーゲーム『PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福』のレビューをお届けします。

『PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福』

■遠藤綾さんが演じる女性主人公“誓湯撫子”はどんなキャラ?

 日本マイクロソフトブースでプレイできるのは、TGS 2014のために調整された特別バージョンで、プレイ時間は約5分。ゲーム開始時に主人公を選ぶことになるのですが、今回のバージョンでは遠藤綾さんが演じている女性主人公の誓湯撫子(クガタチ ナデシコ)のみを選択できます。

『PSYCHO-PASS サイコパス』
『PSYCHO-PASS サイコパス』

 ちなみに主人公選択画面では、これまで明らかとなっていなかった誓湯撫子と男性主人公のビジュアルを確認できます。男性のほうは先日公開されたシルエットから察するに、“剱拓真(声:三木眞一郎さん)”でしょうか? 撫子のほうはビジュアルだけではなく年齢も表示されていて、それによると25歳。常守朱より5歳年上ですね。

 プレイしてすぐにわかるのが、撫子のキャラクター性。台詞に抑揚がなく(主人公の撫子もフルボイス)、感情にも起伏がない沈着冷静な人間のようです。落ち着いた大人の女性といった印象で、すぐに登場する朱と比較してみると、あまり人間味が感じられませんでした。それこそ“ロボットのようなキャラ”と感じられるほどです。

 この性格と、ゲーム中に禾生壌宗(カセイ ジュウショウ)から2度も直接指示を受けることも手伝ってか、「何か秘密がありそうなキャラだなぁ」という感想を抱きました。まだまだ主人公について不明なところだらけですが、現段階でもいろいろと妄想させられます。

『PSYCHO-PASS サイコパス』

■“Xbox SmartGlass”で感じるADVの新たな可能性

 TGS体験版をプレイして、もっとも強い衝撃を受けたのが“Xbox SmartGlass”を使った新しい遊び方でした。主人公選択後に撫子が公安局を訪れるところから物語が始まるのですが、そこで試遊台のそばに置いてあるタブレットからSEが発せられます。

 一体なんだとタブレットを見てみると、そこには“指紋認証画面”が。人差し指を置けという指示の通り、自分の人差し指をタブレットに乗せてみると、ゲーム中の公安局の扉が開きました。それだけでは終わらず、今度は電話のアラームのような音がタブレットから鳴り出します。タッチをしてみると、禾生壌宗との通信が始まりました!

『PSYCHO-PASS サイコパス』
『PSYCHO-PASS サイコパス』

 かつて、『STEINS;GATE』は現実の携帯電話を使ってゲームに介入できるようなシステムを導入しようとしていました。残念ながら、さまざまな事情で実現できなかったのですが、今回の『PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福』は“Xbox SmartGlass”を使って、それを現実のものとしていたのです。

 ADVというゲームジャンルにおいて、より高次元のおもしろさを体験するために必要なのは“インタラクティブ性”だと個人的に考えています。プレイヤーを物語に参加させる、プレイヤーと主人公の立場を近づけることで、ゲームキャラとプレイヤーの精神が混じり合い、ただ単に物語を読むだけのADVよりも、もっともっと没入感を得られるようになります。

 TGS体験版では、前述した“指紋認証画面”と“端末を使ったキャラクターとの疑似通信”のみを体験することができましたが、会場で浅田誠プロデューサーに聞いたところ、これ以外にもタブレットやスマホ上で登場キャラの情報を閲覧したり、外出中にミニゲームを遊んで本編と連動させたりといった、さまざまな遊びの実装を検討中とのこと。もちろん、“Xbox SmartGlass”を使わない人でも同じように本編を楽しめるように、内容を調整しているそうです。

 進歩がわかりにくいADVというゲームジャンルで、『PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福』が実現しようとしている“ゲーム外の何かを使ったシステム”というのは、非常にわかりやすい進化点だと考えます。

 “Xbox SmartGlass”を使っても楽しめる、使わなくても楽しめるゲームにするためには、通常よりも多くの労力と苦労がかかると思われますが……どうか! それに負けず、いろいろな遊びをこれでもかと詰め込んで、新しいADV体験を得られるゲームに仕上げてほしいと心から期待しています。1人のADVファンとして、本作の今後が非常に楽しみです。

■Kinectセンサーを使ったシステムは今後に期待

 もう1つ、Kinectセンサーを使った遊びも体験できましたが、朱の問いかけにジェスチャーで答える場面の1カ所だけでした。以前のインタビューでは、あくびをしたり、席を立ったりすると、キャラクターが反応を見せるような仕掛けを検討しているという情報もありましたので、こちらも今後の開発状況に期待ですね。

(C)サイコパス製作委員会 (C)MAGES./5pb. (C)フジテレビ

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