2014年11月14日(金)

『ウィッチャー3 ワイルドハント』は親しみやすいゲーム性とキャラを実現! 前作未体験者も問題なく楽しめる

文:豊臣和孝

 スパイク・チュンソフトから、2015年2月26日に発売されるPS4/Xbox One用RPG『ウィッチャー3 ワイルドハント』。本作を手掛けた開発者インタビューを掲載する。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

 『ウィッチャー』シリーズは、ポーランドの作家アンドレイ・サプコフスキ氏のファンタジー小説を原作とした作品。本作は魔物退治を生業とする“ウィッチャー”の1人・ゲラルトが主人公で、さまざまな人物の陰謀が渦巻く戦いの中へと身を投じていく。プレイヤーの行動によって物語が変化し、その後の展開に影響を与えるゲームシステムを搭載しているうえに、広大なオープンワールドのマップでは自由な探索や冒険を楽しめる。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』 『ウィッチャー3 ワイルドハント』

 インタビューに応じてくれたのは、開発元のCD PROJEKT REDから、シニア・QA・アナリストのバルトシュ・オクマンさん、シニア・ライターのヤクブ・スザマレクさん、ビジネスデベロップメントマネージャーのラファール・ヤキさん。そして日本版発売元のスパイク・チュンソフトからローカライズ・プロデューサーの本間覚さん。開発経緯や現在の進捗具合などを交えつつ、世界的に注目度の高い本作の魅力を語っている。本作は“3”というナンバリングがついているが、シリーズ未体験者でも問題なく楽しめるため、注目している人はぜひご覧いただきたい。なお、インタビュー中は敬称略。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』
▲左からバルトシュさん、ヤクブさん、ラファールさん、本間さん。

■環境も利用する戦略性に富んだ戦闘システム

――まずは、開発の進捗など近況をお聞かせください。

ヤクブ:既にコンテンツロックがされていて、ゲームの内容自体は固まっております。今我々がやっているのは、安定性の確保、細部の調整、ブラッシュアップというところ。発売までに、もっと高いところまでクオリティを上げていきたいと思います。

――自社開発の最新グラフィックエンジン“REDEngine 3”を使用しておられますが、本エンジンの特徴や特性……他に比べてここが秀でている、といった点を教えてください。

ヤクブ:前作『Witcher 2』では“REDEngine 2”というグラフィックエンジンを使いました。本作は“REDEngine 3”を使用しています。これは単なるグラフィックエンジンではなく、RPGを作る総合的なエンジンだと思ってください。グラフィックなども誇るべきところではありますが、プレイヤーの選択が環境にどういった影響を与えるといったRPG的な要素も、このエンジンがすごく得意とするところではあります。

――“前作からここが特にパワーアップしてる”という部分や、本作の見どころをお教えください。

ヤクブ:大きな違いは、フィールドがオープンワールドになったこと。それと詳細に作り込まれたストーリーが高い次元で融合しているところが、本作でもっとも大きいセールスポイントではないかと考えています。戦闘面では、プレイヤーが“この怪物とはどう戦おう?”など、戦闘前にいろいろと考えて実行しなければなりません。例えば、いったん水に潜って再出現する際に汚いものをぶつけてくる怪物は、なかなか接近できないため石弓のような遠隔武器を使ったり、印と呼ばれる呪文が有効だったりします。飛んでいる怪物であれば、当然有用な戦い方があります。怪物に応じた戦い方ができるのも、本作の特徴です。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

――そうした戦闘で“状況的に行き詰る”といったことはあるのでしょうか? 例えば、剣しかもっていない状況でハーピーなどの飛行するモンスターに襲われたりとか……。

ヤクブ:例えばハーピー相手に剣しか持っていなければ実質的に戦うすべがないため、“アード”と呼ばれる手から衝撃波を出す印でいったん地面に落としてから戦うといったことをしなければなりません。

――デモなどでその衝撃波を効果的に使っている場面が多々見受けられましたが、このように印を使った戦い方が基本的なスタイルになるのでしょうか?

ヤクブ:『ウィッチャー』では“アード”は相手のバランスを崩すために有用な印ですが、魔法の罠“イャーデン”、火を放てる“イグニ”、相手の精神を操る“アクスィー”、バリアを張る“クエン”など、他にもさまざまな印があります。各印には2つの使い方が用意されています。例えば“イグニ”であれば、放射状の炎を放てる他、火炎放射器のように一定時間集中して放火するという使い分けができます。

――デモでは、蜂の巣を使って怪物の気をひきつけるなど、環境を使った戦闘も見受けられました。それによって難易度が劇的に変わることもあるのでしょうか?

ヤクブ:“イグニ”で説明させていただくと、単にダメージを与えるだけではなく、服を着ている人に対して使うと服が燃え上がり、単なる火のダメージ以上の効果を与えられます。あとは、水棲の生き物に対してはより多くのダメージが通るなど、環境や種類に応じて効果が変わります。もし盗賊団が酒樽を盗もうとしている場面に遭遇したら、“イグニ”で酒樽に火をつけると誘爆でダメージを与えられるといった環境に応じた使い方が可能です。戦闘中はつねに周囲に気を配り、何か役に立つものがないか調べると、より有利に展開していくのではないでしょうか。

――戦闘シーンでは、随所にそういう利用できる要素が配置されているのでしょうか?

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

ヤクブ:環境によりますね。沼地であれば、瘴気のようなガスに引火させると誘爆でダメージを与えられます。また、リアルタイムで変化する天候が印の威力にも影響を与えることがあり、単純に考えると“イグニ”は雨天時に通常より効果が低くなります。逆に雨天時に効果が高まる印も存在します。

――怪物のバリエーションはどれくらい用意されるんでしょうか?

ヤクブ:具体的な数を申し上げることはできませんが、水の中にしか棲息しないもの、空を飛ぶもの、俊足タイプなど、特色ある怪物が多種多様に存在します。ただ、我々がフォーカスしているのは“数よりも質”です。『ウィッチャー』は怪物退治の物語なので、それぞれにきちんとした設定があり、原作の設定を正しくゲームに反映させなければなりません。そのため、個々の怪物にバックグラウンドや弱点を埋め込むことを優先しています。

――怪物のサイズについてはいかがでしょう?

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

ヤクブ:一番小さな怪物は腰の高さくらい、大きなものは巨人であれば主人公の約3倍など、多種多様なものを取り揃えています。

――怪物のバックグラウンドという話がありましたが、マップの地形や環境を見て「ここにはあの怪物がいそうだな」といった推察をつけられるのでしょうか?

ヤクブ:画面右上に地図が表示されますが、その左に天候や怪物のアイコンがあったと思います。本作では、自分がトラッキングする怪物をそのように設定できます。追跡したい怪物を設定すると、その怪物が残す痕跡などが画面に表示されるようになります。怪物退治の仕事を請けたときは、そうした情報を元に目標の怪物を探すことができます。

 先ほどのお話ですと、一見してすぐわかるというよりは、主人公が特定の怪物を探す時、目撃者の話を聞いたり、怪物の被害にあった死体を捜して調査したりといった“ウィッチャー”ならではのプロセスを経て、その怪物がどこにて正体は何なのかということをつかんでいくことがゲームプレイに影響していきます。

■前作を知らなくても問題なく楽しめる! 重厚なストーリーは豊富な分岐を用意

――日本版ローカライズでもっとも苦労された点はなんでしょうか?

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

本間:開発元であるポーランド・ワルシャワにあるCD PROJEKT RED様に伺い、テストをしています。そこで最新版をプレイしつつ、それまでに収録された音声やテキストが正しいかをチェックしていきました。一番大切かつ困難なのは、本作には多種多様な分岐があり、プレイヤーの選択によってストーリーが枝分かれしていくことです。それもAならA、BならBといった単純なものではなく、例えばPC版であれば前作での決断も関係して、以前のクエストで“とある行動”を取っていると、同じ選択肢でも違う結果が導かれるなどガラッとストーリーが変わります。

 また、複雑な分岐があり、かつFPSやアクションゲームと比べて圧倒的大ボリュームの翻訳が必要な本作では、翻訳者が前後の意味を取り違えて、誤訳や声優さんの演技の誤解につながるケースが多々あります。それらを可能な限りなくためにゲームを何度もプレイして、収録の際にもスタジオで細かく指示するなど、作家さんが原稿で伝えようとしていることを、なるべく漏らさず、誤解なく、正しい日本語で伝えようとしたのが一番苦労したところであり、本作のローカライズで何よりも重要視している点です。

――ドラマ性が高い『ウィッチャー』シリーズですが、前作をプレイしていないユーザーも『ウィッチャー3』を楽しめるよう工夫した部分はございますか?

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

ヤクブ:私たちは、シリーズを今まで遊んだことがない方々にも手に取っていただけるような仕組みをいくつか用意しています。本作には“プロローグ”というクエストがあり、“ウィッチャー”とは何なのか、主人公や友人の紹介、世界観などをゲームの流れにそってじっくり説明しています。戦闘のチュートリアルなどを含めプレイしていただくと、メインストーリーに入るころにはゲームの世界観にスッと入っていただけると思います。

 それ以外にも、ゲームの中に“用語辞典”という仕組みを導入しており、新たな人との出会いや場所に出くわすと情報が掲載されていきます。もちろん必要なことは会話中に説明されますが、もっと詳しく世界観を知りたい時は用語辞典で紐解いていくことができます。また、私たちの公式サイトや同梱される解説書でもカバーされていますので、そちらもご覧いただければと思います。

 今一度私が言いたいのは、『ウィッチャー3』はシリーズ3作目でありながら、スタンドアローンとして設計されていて、過去シリーズをプレイした人も、そうでない人も楽しめるということです。この点は強く伝えたいですね。

――主人公ゲラルトは前作で記憶を取り戻す目的を達成しましたが、今作では彼のどこがフォーカスされるのでしょうか?

ヤクブ:本作で一番フォーカスされているのは、ゲラルトと友人や恋人関係も含んだ周囲の人間関係です。ゲラルト周辺のキャラクターがすべてメインストーリーに関与してきます。人間関係に重きを置いていますが、とはいえゲラルトは怪物退治の専門家ですから、仕事でお金を得て生きていくことも落とし込み、その両立を図っています。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』 『ウィッチャー3 ワイルドハント』
▲ゲラルトは、養子のシリの行方を探している。

――マップサイズが前作比で35倍以上と飛躍的に拡張されていますが、特殊な地形や仕掛けなどもあるのでしょうか?

ヤクブ:世界を広くするということは、いろいろな要素を詰め込まなければゲームが退屈になってしまうので、私たちはいろいろなことを考えて組み込むことにしました。例えば移動方法ですが、前作は徒歩だけでしたが、『ウィッチャー3』では馬に乗る、船を操作する、水中に潜るといったことができます。また、オープンワールドでの探索を退屈なものにしないよう、ランドマーク的なものを配置しています。

 感覚になりますが、地平線をパッと見た時に2~3カ所くらいは何かおもしろいものがつねにあるイメージです。それは廃墟となったお城かもしれないし、焼かれた村かもしれないし、ダンジョンということもあります。私たちはそうしたものをただ設置するだけではなく、報酬はもちろん、ちょっとしたサブクエストを配置したり、何かしらストーリーとからめたりすることで、その場所を探索する意味を持たせる作りにしています。

――具体的にはどういうことでしょうか?

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

ヤクブ:例えば、変哲もないところを探索することでまったく新しいストーリーが始まることもあります。その一例が、ゲラルトが伝説的な武器や防具の部品を集めて仕上げる“トレジャーハント”です。“ウィッチャー”にはいろいろな流派があってゲラルトは“狼”出身なので狼のメダルをつけているのです。他にも猫、グリフィンなどいろいろな流派があり、それぞれ伝説的な武器や防具が用意されており、それを“トレジャーハント”で少しずつ集めていく。その過程で、伝説的な“ウィッチャー”の情報や知識が明かされていきます。

――猫など、他の流派の装備を身につけることもできるのでしょうか?

ヤクブ:可能です。猫流派ですごく有名な“ウィッチャー”の過去の逸話などは、その中で明らかになっていきます。流派にはそれぞれ特徴があり、例えば猫流派は機敏な動きに重点を置いたトレーニングを提唱しており、猫流派の装備をすると機敏性が上がります。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

――戦闘スタイルも変化するのでしょうか?

ヤクブ:それについては、まずスキル構成から説明しなければなりません。主人公には“剣”、“印”、“錬金術”の3スキルが用意されており、成長に応じてそれぞれ習得していく形になります。剣の道を突き進んでいくなら、熊流派が適したステータスを有している。逆に魔法を中心に上げていくなら、別の流派のほうが適したものになります。

■ゲラルトとしてオープンワールドを自由に探索

――これだけ細部まで作り込まれていると、水場で釣りをしたり、料理をしたりといったRPG的な遊びを楽しんでみたくなるのですが、そういったことは可能でしょうか?

ヤクブ:私たちのゲームの主人公は“リヴィアのゲラルト”という既存のキャラクター。そのキャラクターが戦闘においてどう成長していくかはぜひプレイヤーに決めていただきたいのですが、あまりキャラクターにそぐわないような暇の潰し方を実装することは考えていません。

 ミニゲームに“拳闘試合”があったり、ゲラルトが自ら装備品を“鍛冶”で製作できるのは、ゲラルトが存在していたらおそらくやったであろうと私たちが考えているからです。

 本作のミニゲームの中でおそらくもっとも力が入っているものが“グウェント”と呼ばれるカードゲーム。これも原作中に存在が明記されており、プレイヤーが世界を回っていろいろなカードを集め、自分のデッキを組んでNPCたちと戦うのです。カードゲーム大会で勝つと、レアなアイテムをもらえることもあります。ゲーム自体、単体で遊べるくらいのクオリティになっています。これはプレイヤーに強制するものではなく、あくまでこちらから用意しているものです。ちなみに、カードは4つのグループに分かれており、200種類以上あります。

――プレイヤーには“ゲラルトのイメージ”で遊んでほしい、ということですね。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

ヤクブ:私たちは、ゲラルトが“とても興味深い性格をした人物”と思っていて、「もし実在したらどういう選択をしただろうか?」などをプレイヤーに追体験していただきたいと考えています。どこにでもいるような、何の意見も持たない主人公ではなく、あくまでもゲラルトという1人の人物の興味深い点を探っていただければと思います。リヴィアのゲラルトは、人々から怪物退治をして感謝されることもあれば、すごい力を持った脅威として社会から嫌悪される二面性を持っているキャラクターでもあります。これは単純に善悪で片付けることのできない二面性と考えていて、それがさまざまな形でクエストにも影響してきます。

――そうした作りの中で、いわゆる“わき道にそれる”プレイを好むユーザーさんもいます。サブクエストなど、そうした幅の部分はどれくらい用意されているのでしょう?

ヤクブ:先ほど申し上げたように、ゲラルトはきちんとした設定があるキャラクターですので、ゲラルトがやらないようなことは実装されていません。とはいえ、このゲームにはたくさんの選択肢があるので、その中でプレイヤーが善悪を判断してストーリーを進めていけます。このゲームがフォーカスしているのは、プレイヤーがゲラルトになり変わり『ウィッチャー』という世界観の中でどういう決断をしていくかです。それがあるため、度を越えた行動は難しいですね。

 ただし、ストーリーラインについてはとてもフレキシブルです。大きなメインストーリーはありますが、当然その中でも選択肢があります。例えば、ある時点でメインストーリーを止めて、全然違うサイドストーリーをプレイすることもできます。メインストーリーについて少しお話させていただくと、一本道ではありません。広大なオープンワールドの地域ごとにメインクエストに関連したものがそれぞれ用意されており、プレイする順番などは完全に自由。逆にいえば、メインストーリーを進めるペースをプレイヤーがコントロールできる作りとなっています。

――では、メインストーリーも選択に応じてプレイヤーごとに違いがでてくるのでしょうか?

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

ヤクブ:プレイヤーの選択は、クエストの流れだけでなく世界の状況にも影響を与えます。ゲラルト本人だけでなく、周辺の人々がどうなっていくか、ひいては世界の運命がどうなっていくかといったところまで影響を与えていくので、プレイヤーごとに異なる体験をするのではないかと思います。本作のエンディングは大きく分けても3種類があり、それぞれ内容がまったく異なります。さらに、このキャラクターや国がどうなったかといったバリエーションまで含めると、ぼう大な数になります。エンディングの流れ以外にも、一番最後にゲラルトの冒険をまとめた映像が10種類以上あり、それもプレイヤーの選択で変化します。このように、大きな選択だけでなくて小さな選択もエンディングに影響を与える作りになっています。

■100時間のボリューム! 丁寧に作りこまれた超大作シングルRPG

――全要素をコンプリートしようとしたら、どれくらい時間がかかりますか?

ヤクブ:ひと通りプレイするという枠で申し上げても、100時間くらい必要だと考えています。そのうち半分くらいがメインストーリーで、残り半分がサイドクエストやミニゲームですね。

――前作は周回プレイが可能でしたが、今作も同様でしょうか?

ヤクブ:そこはまだ決めていません。

――オンライン要素の導入が検討されているという話がありましたが、現段階で発表できる情報などはございますか?

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

ヤクブ:現時点でオンライン要素はありません。例えば『ウィッチャー2』のころに“アリーナモード”があり、クリアタイムをランキングで競うこともしたのですが、賛否両論でした。それもあって、本作はシングルプレイに専念していただき、最高の経験を引き出せるようリソースを投入しています。

――ダウンロードコンテンツの配信予定はありますか?

ヤクブ:前作で発売後もアフターサポートとしていろいろなことをしてきましたし、そのポリシーを変えるつもりはありません。ただ、現時点で詳しいことは申し上げられません。もう少しお待ちいただければと思います。

――海外版と日本版で違いなどはありますか?

本間:CEROに付随する部分のみ、可能性があります。本作にはアダルトな表現がたくさんあって、それは前作でも非常に物議をかもしましたが……北米版や欧州版が完成していないので、私たちも最終的に日本版と差が生じるか、正直まだ把握できていない状態です。

 私がワルシャワにいった際にカットシーン・ディレクターと話をして「日本版だと、例えば乳首は見せられないので、そこはなんとかしなければいけない」と伝えたところ、「それならカメラの角度を変えてうまく隠したらどうか」といったところまでは詰めてきています。日本ではどうしてもダメなこともあると思うのですが、そこを回避したうえで可能な限り残す方向で調整しています。……正直、なかなか難しいです。

――最後に、本作を楽しみにしている日本のユーザーにそれぞれメッセージをお願いします。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』

バルトシュ:シリーズ未体験の新しい人に手に取っていただきたいと思います。特に日本では、多くの人が『ウィッチャー』を新しく手に取っていただくことになると思いますので、知らない人がいたらぜひ教えてあげてください。本作は、新しい人に向けていろいろな仕組みがありますので、スムーズにシナリオに入っていただけると思います。

ヤクブ:私たちのスタジオは、日本語吹き替えをとても気に入っています。素晴らしい仕事の成果を、ぜひ楽しんでプレイしてください。

ラファール:ゲラルトのキャラクター性はとてもカッコイイので、日本のプレイヤーにも気に入っていただけると思います。

本間:世界でトップクラスのRPGをローカライズできることが大きな喜びです。今回はフルボイスとなっています。私も過去にさまざまなタイトルをやってきましたが、それらと比べてもトップクラスに物量が多く心労も重なりましたが、原作者の想いを日本語で正しく伝えられるよう頑張っております。開発メンバーも気に入ってくれている日本語ボイスを収録しているPS4/Xbox One版を手に取って買っていただけると、我々としては非常にうれしいです。

――本日はお忙しいところをありがとうございました。

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