2014年11月27日(木)
『ニセコイ ヨメイリ!?』レビュー。『ときめきメモリアル2』のスタッフによる恋愛ADVの感想は?
KONAMIから11月27日に発売されるPS Vita用ソフト『ニセコイ ヨメイリ!?』。イチャラブ気分満載な本作のレビューをお届けします。
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本作は、今年の1~5月にかけて放送されたTVアニメ『ニセコイ』をモチーフにしたADV。恋愛アドベンチャーの題材としては、これ以上ないっていう素材なわけですが、そんな作品をあのKONAMIがゲーム化するということで、期待はますます高まっていたタイトルです。
というのも、KONAMIといえばあの伝説の恋愛シミュレーション『ときめきメモリアル』を生み出したメーカーです。しかも、この『ニセコイ ヨメイリ!?』には『ときメモ2』のスタッフがかかわっているという話を小耳にはさんだものですから、男性の担当編集に「サンプルROMをもらわなければキスするぞ!」と脅して、なんとかROMをゲット。そんなわけで、本作がどんなゲームなのかをお届けしていこうと思います!
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ちなみに、『ときメモ』ってどんなゲームだっけ? という人がいるなら、いや、まさかいるとは思いませんが、もしいるなら周年連載の振り返りコラムも読んじゃってください。
【関連記事】『ときめきメモリアル2』15周年記念。好きとか嫌いとか言って伝説の鐘を鳴らすのはあなた
■ゲームオリジナルのストーリーで繰り広げられる恋模様!
原作があるタイトルとしてまず気になるのは、どんな物語なのかというところでしょうか。本作で描かれるのは、アニメ終了後を時間軸としたゲームオリジナルのストーリー。もちろん、アニメで登場した主要キャラは全員登場します。
ゲームを始めると、主人公の一条楽(いちじょう らく)が近所の稲荷神社で不思議な少女と出会います。なんでも願いを叶えるという自称神様と、30日間の同居生活を送ることになった楽。そんな楽がどんな人間関係を築くのかを追う形でゲームは進行していきます。
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▲料理上手な楽のいなりずしを食べたことで、彼を気に入ってしまった自称神様。一緒に暮らすことで楽の願いをかなえようとするのですが、まあこれがトラブルを呼び込むわけで……。 |
もちろん、楽と深い絆を結ぶのは、原作でもおなじみのヒロインたち。原作の魅力そのままに、ゲームでしか見られない一面が描かれているところも本作の大きな魅力です。セリフはフルボイスなので、アニメからファンになった人もプレイしやすいはず。
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▲オリジナル展開を生かした、原作にはない展開はファンならずとも要チェックですよ! |
●登場キャラクター紹介
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▲桐崎 千棘(きりさき ちとげ)声:東山奈央……運動神経がバツグンで成績優秀だが、ケンカっ早いハーフ少女。ギャング組織“ビーハイブ”のボスの一人娘で、楽の実家である極道一家との抗争を止めるために、やむなく恋人関係を装っている。 |
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▲小野寺 小咲(おのでら こさき)声:花澤香菜……楽が想いを寄せるクラスメイト。小咲も楽のことを想っているが、千棘の登場でややこしいことに。実家は和菓子屋を経営しているが、本人の料理の味は絶望的。 |
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▲鶫 誠士郎(つぐみ せいしろう)声:小松未可子……ギャング組織“ビーハイブ”のヒットマン。千棘のことが大好きで、彼女を護衛するという名目で同じ高校に転入してくる。男性のような名前は、彼女の親代わりのクロードが彼女を男だと思い込んでいるため。 |
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▲橘 万里花(たちばな まりか)声:阿澄佳奈……警視総監の父親を持つ楽のクラスメイト。楽とは、両親同士が決めた許婚で、本人も周囲を気にせず猛烈なアタックをかけるほど楽のことが好き。カワイイ。 |
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▲ここまでスキスキオーラを出されて好きにならない理由がわからないし、それなのに体が弱いってところもカワイイ。 |
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▲ちょっとパニックになった時に出る九州弁もカワイイ。 |
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▲血液型がO型ってところもカワイイし、誕生日が3月3日ってところも桃の節句的なカワイさだし、ショートっぽいけどロングみたいなヘアースタイルもカワイイし、それをアップにしてまとめた髪形もカワイイ。 |
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▲もちろん声もカワイイし、ちょっと腹黒いところもカワイイ。全部カワイイ、ぜ・ん・ぶ、カワイイの!! |
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▲宮本 るり(みやもと るり)声:内山夕実……楽のクラスメイトで、小咲の親友。小咲が楽を好きなことを知っており、なかなか思いを伝えられない彼女を、やや強引にサポートする。 |
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▲おたま 声:竹達彩奈……楽が稲荷神社で出会った仙狐を目指す女の子。不思議な力を持っており、その力で楽の願いをかなえてくれるというのだが……? |
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▲もちろん、ヒロイン以外のサブキャラも多数登場。どのキャラクターもセリフはボイス付きです。 |
■ニセのコイは卒業!? 30日で真実の恋をつかめ!!
ゲームは、昼と夜の行動で1日が経過し、それを30日間続ける間に意中のヒロインとのイベントを発生させるという流れで進みます。原作では、「何人鍵持ちが出てくるんだ!?」って感じでどのキャラとくっつくのかが楽しみな展開ですが、ゲームでは自分の好きなキャラに一直線で突き進めるのが最大の魅力! マップ上に表示されるミニキャラを選択するだけで、そのキャラとの恋愛模様をフルMAXで楽しめるわけです。非常にシンプルなシステムにまとまっているのもうれしいところ。
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▲キャラクターを選択すると時間が経過。その繰り返しでキャラ固有のイベントをどんどん進めていくのが、ゲームの大きな目的です。キャラにハートマークがついている時は、特別なイベントが発生する目印! |
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▲ハートマークのイベントなどでは、PS Vitaのタッチパネルを使った直感的な操作も楽しめます。“言霊キープ”では浮き出てくる言葉の中から最適なワードを選んだり、“アナグラム”では複数の文字をつなげて相手が望む言葉を作ったりとさまざま。 |
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▲これは! どう答えてもうれしい展開に!? |
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▲“?”マークでは、サブキャラのイベントやミニゲームが発生。ためしに“?”マークだけを追っかけてみたところ、おたまに怒られちゃいました。 |
イベントや会話を進めると、“ザクシャドロップ”と呼ばれるポイントが蓄積していきます。これが、本作をただのテキストアドベンチャーの枠に収めていない重要な要素。ポイントをためることで、特殊なイベントがアンロックされたり、プロフィール画面の項目がオープンになったりと、あらゆる要素にかかわってきます。作中でも重要な鍵型のアイテムと要素のアンロックをうまくかけているところも、原作への愛を感じられるうれしいポイントです。
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▲“ザクシャドロップ”は、ハートマークのイベントなどを成功させたりすると大量にもらえることも。また、一定数ためることで、イベントの内容が変化することもあったりして、1周クリアしただけではやり尽くせないかも。 |
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▲“ザクシャドロップ”以外に、アイテムでアンロックされるイベントもあります。 |
ちなみに、本作は『ときメモ2』のスタッフが制作されたということで、『ときメモ2』ファンならニヤリとできるような要素が盛り込まれていたりします。まあ、本当にスタッフが意図して入れたものなのか、自分が深読みしすぎなのかはわかりませんが……。
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▲本作には“HPゲージ”というものが用意されていて、これがゼロになると半日行動できなくなってしまいます。これって、『ときメモ』の体力っぽくないですか? |
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▲ちなみに、“HPゲージ”はイベントでガシガシ削れます。おもに、小咲の料理を食べたり、誠士郎に蹴られたり、千棘に殴られたり千棘に殴られたり千棘に殴られたりという理由で、ですが……。 |
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▲また、1人のヒロインばかりを追っかけていると、こんなメールが送られてくることも。最初にこのメールをもらった時は、「爆弾を発生させちゃったか!?」とヒヤヒヤしました。どうやら、爆発することはないようなのでひと安心。 |
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▲逆に『ときメモ』っぽくないのは、ヒロインのほとんどが最初っから楽のことを“スキ”だということ。プレイした感じ、好感度が下がるということもないので、そりゃもうハーレムですわ。 |
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▲マリーにいたっては、最初っから“ゾッコン”! カワイイ。 |
■KONAMIマニア必見! こだわりのミニゲーム
ゲームを進めることで、さまざまなミニゲームが発生することも。そのミニゲームは、某スニーキングミッション風な“ヌキアシ”や、某人気アーケードクイズゲーム風の“クイズ”など、KONAMIの人気ゲームを思い起こさせる内容になっているこだわりよう。ただのパロディではなく、それぞれしっかりつくってあるところもこだわりの表れかと。
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▲“ヌキアシ”は、楽を追いかけるキャラに見つからないよう、遮蔽物を駆使してゴールを目指すミニゲーム。会話画面が専用の演出になったり、画面右上にレーダーが表示されたり、例のゲームを連想させる“ダンボール”なんてアイテムも! |
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▲ステージによっては、かなり頭を使う場面もあって、個人的に一番のお気に入りでした。 |
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▲千棘ルートでプレイできるクイズゲーム。もう、まんまアレですわ。ちなみに、かつては“白銀賢者”まで上げたり、DS版も買ったりしていました。PS4とかPS Vitaのオンライン対応でまたコンシューマ版を出してほしい! |
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▲他にも、“ババヌキ”のミニゲームも収録。残り2人になると熱いタイマン演出に! |
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▲ちなみに何度かプレイしましたが、表情やセリフで取るカードを予測できるのかは謎でした。この“ババヌキ”と“ヌキアシ”は、クリア後に単体で遊ぶこともできます。 |
■本編が序章!? クリア後モード“マジコイ+”
ストーリーでグッドエンドをむかえた~! で終わらないのが、本作のおもしろいところ! グッドエンドでクリアすると、“マジコイ+”という新たなモードが出現するんです。このモード、クリアしたヒロインとのその後のイチャラブっぷりを堪能できるモードで、ラブストーリーのプラス要素、ラブでプラスなゲーム内容なんです。原作では描かれないであろう夢のシチュエーションが展開する、『ニセコイ』ファンにはたまらない内容になっているわけですよ!
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▲選べるシチュエーションは、“ガッコウ”と“オデカケ”の2種類。屋内でイチャつくか、屋外でイチャつくか! |
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▲DLCを購入することで“ヨメイリ(※)”と“ユメコイ”というさらにラブラブなシチュエーションも追加されるみたいです。そっちもやってみたい! |
※……初回生産版には“ヨメイリ”シナリオのダウンロードコードが封入されている。
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▲2人きりのラブでプラスなシチュエーション。中には、本編でゲットした“ザクシャドロップ”が一定数ないとアンロックされないイベントもあるので、心の鍵を大量に集めて、お気に入りのヒロインをたっぷりと愛でましょう! |
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▲ちなみに、まったく関係ありませんが、自分の3DSはコレです。マナカ派です。 |
■『ニセコイ ヨメイリ!?』は攻略しがいのある上質な恋愛ADV
ひととおりプレイして思ったのは、やっぱりマリーはカワイイなってことです。
あ、すいません、ちょっと甘い日々に浸っちゃいました。ゲームはサクサク進められるし、ストーリーも原作の雰囲気をしっかりつかんでいて、違和感なく入り込める上質なアドベンチャーゲームだと思います。
そこに“ザクシャドロップ”やアイテムといったアンロック要素がうまくからんで、ゲームとして攻略しがいのある内容もいい按配です。個性的なキャラが多い作品なだけに、彼らがワイワイやっているだけでもそれなりに楽しくなるってもんです。アニメの第2期も発表されているので、それまでは原作の展開にドギマギしながら、ゲームではイチャラブしてみるってのはどうでしょう?
■初回生産版でさらなる愛の高みへ!
初回生産版には、“マジコイ+”で夢のようなシンコン生活を楽しめる“ヨメイリ”シナリオのダウンロードコードが封入。さらに、パッケージのジャケットは『ニセコイ』の携帯アプリ『ニセコイ マジコレ!?』で開催された“センター争奪戦”の結果を反映した“リバーシブルジャケット”仕様! もちろん、“センター争奪戦”を制したのはマリーです! 橘万里花! 橘万里花を皆さんどうかよろしくお願いします!
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▲新婚定番の「ご飯にする? お風呂にする? それとも、ワ・タ・シ?」を楽しめるもよう。マリーのセリフは哀愁を誘います。“ヨメイリ”シナリオは、後日有料で購入することもできますが、初回生産版なら無料でプレイできますよ! |
さらにダウンロード版では、店舗特典である“ユメコイ”シナリオと“ナビキャラ”のキャラ単位でのセットがダウンロード可能に。“ユメコイ”は“マジコイ+”でプレイできる、普段とはちょっと違うヒロインたちとのラブラブ生活を描いたシナリオ。
“ナビキャラ”は、ゲーム中のナビボイスなどが特殊なものに変化するというコンテンツです。また、ダウンロード版だけの特典として、“PS Vita用カスタムテーマ”も用意! リバーシブルジャケットのイラストの他、全10種類のカスタムテーマが楽しめます。
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▲おしとやかな千棘とか、男勝りな小咲とか!? いつもと違った性格のヒロインが登場する“ユメコイ”シナリオ。 |
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▲ナビボイスが変化するだけでなく、プロフィール画面の衣装も変化するんです! “ユメコイ”シナリオと“ナビキャラ”ともに、後日有料での購入は可能です。 |
(C)古味直志/集英社・アニプレックス・シャフト・MBS
(C)古味直志/集英社
(C)2014 Konami Digital Entertainment
データ
- ▼『ニセコイ ヨメイリ!?』ダウンロード版
- ■メーカー:KONAMI
- ■対応機種:PS Vita
- ■ジャンル:ADV
- ■発売日:2014年11月27日
- ■希望小売価格:6,000円+税