2014年11月29日(土)
スクウェア・エニックスは、PS4/PS3/PC用MMORPG『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』(以下、新生FFXIV)のアップデートであるパッチ2.45の配信日を12月9日と発表した。
▲プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏(左)とコミュニティマネージャーの室内俊夫氏(右)。 |
本発表は、11月29日に福岡にて開催されている“FINAL FANTASY XIV: Full Active Time Event in FUKUOKA”の第18回プロデューサーレターLIVEにて発表されたもの。
▲来場者全員との記念撮影。 |
パッチ2.45では、ゲーム内での結婚システムである“エターナルバンド”やゾディアックウェポンの新章、竜騎士をはじめとするジョブバランスの調整などが行われる。ここではプロデューサーレターLIVEで公開された内容をお届けする。
公式フォーラムなどで募ったユーザーからの質問に答える形で、竜騎士の調整内容が語られた。現状の竜騎士ではエンドコンテンツなどにおいて、魔法防御力の低さから他のジョブと比べて生き残れない状況が多く、まずはその部分を他のジョブ並に強化する。その上で総DPSの向上を目的とした調整が行われる。それは方向指定のある攻撃を違う方向から行ってもバフが付くようになったり、いくつかのスキルのリキャストタイム減少、捨身のマイナス補正の軽減など多岐にわたるとのこと。
一方で、新ジョブの忍者については総DPSが開発の想定よりも数%高くなっていたとのことで、現在のスキルローテーションを行った際のDPSの調整が行われる他、TPの消費量が引き上げられる。
・結婚システム“エターナルバンド”
・白魔道士に非戦闘時のみパーティメンバー全員にストンスキンをかけられる“ストンラスキン”が追加
・ゾディアックウェポンの新章追加。ここで武器のデザインが新たに変わる
・大迷宮バハムートでのお手伝いシステムが実装。クリアした週でも手伝いで参加が可能に。ただしアイテムのNEED・GREED権はなく、手伝いのメンバーの数によって宝箱の個数が変わる
・レターモーグリのクエスト追加
・レベル50以降のクラフターのクエストの緩和(トップは変わらず)
・ゼルファトル天然水の交換レートの変更
・ほか
パッチ2.45ではないが、パッチ2.5にてフロントラインの新ルールが追加されることも発表された。マップは現在と同じものとなる。また、コンテンツルーレットにフロントラインが入るとのこと。さらにパッチ3.0では新マップが導入される。小規模PvPであるウルヴズジェイルはその後、調整に入るという。
DirectX11対応は2015年春に予定。12月20日~21日に行われるファンフェスティバルにてDirectX9と11を比較した映像の公開構想があるとのこと。なお、パッチ3.0に向けて新たなベンチマークソフトが公開され、どちらのバージョンも用意されるという。さらにMac版が2015年3月下旬~4月にリリース予定。
現在、PC版のみで実施されているフリートライアルサービスがPS3とPS4でも開始されることになった。まずはPS Plus加入者に対して12月11日から開始され、12月24日からは誰でもフリートライアルを利用することができる。その他、PS3からPS4に移行する際の無料乗り換えキャンペーンが2015年3月31日まで延長されることも明らかになった。
ゲーム内の結婚システムであるエターナルバンドの仕組みやセレモニー(結婚式)を行うための流れが公開。エターナルバンド用のスペシャルクエストを受注し、行うことになるが、現実と同じくいろいろとやることがあるという。
また、セレモニー(結婚式)を行う際には、スタンダード(無料)、ゴールド(1000円)、プラチナ(2000円)の3種類からプランを選ぶことになる。ゴールドとプラチナの2つでは2人乗りのマウントやセレモニー参加者全員に対する引き出物(ミニオンなど)が付くという。
▲2人乗りチョコボと参加者への引き出物は有料のみとなる。 |
▲特設サイトが現在急ピッチで制作されているとのこと。 |
なお、プロデューサーレターLIVE後半では、熱心なプレイヤーであるレベルファイブの日野晃博社長が登場。『妖怪ウォッチ』の公式イラストレーターに描かせたジバニャンと『FFXIV』のコラボイラスト“シガクニャン(タンクの詩学装備に身を包んだジバニャン)”を公開した。
その後、日野社長が吉田プロデューサーに要望を伝えるコーナーが行われた。現在、大迷宮バハムート真成編3層の最終フェーズを練習しているという日野社長。ガチでプレイしている日野社長らしく、マクロを複数作動させて欲しいなど、プレイしているユーザーならではの要望を語っていた。
また、釣りにもハマっているという日野社長は、ヌシ釣りの際のジンクスとして、マメット・トンベリを連れているとヌシがかかる率が上がるという持論を展開。これにより各サーバーでマメット・トンベリの価格が即座に高騰するという状態になった。
開発者視点ではなく、ユーザー視点で強く語る日野社長に対してニコニコ動画のコメントでも好意的な声が多く上がっていたようだ。
お知らせコーナーにて、12月20日~21日に開催されるファンフェスティバルのステージスケジュールが発表された。1日目の午前中に基調講演が行われ、各日のラストにライブが行われるのは、これまでのファンフェスと同様。そして2日目にはプロデューサーレターLIVEが開催される。
▲当日券は各日200枚のみの販売となる。 |
ニコニコ生放送での配信も決定しており、基調講演とライブに関しては有料放送(1500円)となる。
▲有料となるのは基調講演とライブ部分。 |
▲ベテランリワードにはナナモのミニオンが登場! | ▲アレンジBlu-ray Disc Musicが発売。 |
▲クリスマスシーズンには星芒祭が、年末シーズンには降神祭が開催される。 |
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“FINAL FANTASY XIV: Full Active Time Event in FUKUOKA”終了後に、吉田氏と日野氏にお話しを伺うことができた。電撃の旅団おしょうによるミニインタビューをお届けする。
――今回、改めてプロデューサーレターLIVEにて、日野さんの『新生FFXIV』のやり込み度を拝見しましたが、そこまで日野さんを熱中させる要素とは何でしょうか?
日野晃博氏(以下、日野):もともと自分はゲーマーなんですよ。MMORPGも好きですし、『TESV:SKYRIM』のようなオープンワールドも好きです。そんな自分にとって、『新生FFXIV』は好きな要素を持っている作品というわけです。もう1つあるとすれば、吉田さんの人格を知ってるので、作っている人たちの顔が見えている感じがするのも、楽しめている理由だと思います。最初は「お手並み拝見」という感じだったんですけど、普通にユーザーとしてハマって、楽しんでますね。プレイヤーとして遊んでいるのも楽しいし、吉田さんと飲むのも楽しいし(笑)。
――開発者の視点から見た『新生FFXIV』はいかがですか?
日野:開発者としてはジェラシーを感じることが多いですね。「うらやましいな」と。僕もいろいろ作っていますが、ユーザーとすごく対話して作っているところが、モノを作るうえでの理想型だと思うんです。僕らも『妖怪ウォッチ』を作っているときは子どもたちの意見をすごく聞いて、子どもたちのリサーチをしているんで、そういう意味ではステージは違えど、似たようなアクションをしているから、参考になることも多いです。
――今日来場した方も“大迷宮バハムート”だけでなくクラフターまでやり込んでいる日野さんに驚いたと思いますが、非常にお忙しい中、どうやってプレイ時間を確保されているのですか?
日野:さっきプロデューサーレターLIVEでも言ったとおり、家に帰った12時から朝3~4時くらいまでが僕のコアプレイタイムなんです。だから深夜でも人が集まるように、なんとしてでも全ワールド対象のパーティ募集を実現してもらわないと(笑)。最近は遅くまで仕事をしているケースが多いので、夜中の12時くらいからしか自分の時間をとれないことが多くて。ここ1年くらいはずっと『新生FFXIV』ですが、これまでも好きなゲームをやる時間は必ず確保して、いろいろとやっています。
吉田直樹氏(以下、吉田):日野さんは、むちゃくちゃゲームするんですよ。僕もショートスリーパーと言われていますが、日野さんもまったく同じで、2人とも4時間半くらいの睡眠で起きられる。だから12~4時までといったプレイ時間が普通になっていますね。
――ちなみに、お2人が親しくなられたのは、何がきっかけだったのでしょうか?
日野:もともとは、『ドラゴンクエスト』関連で一緒になったのがきっかけなんですよ。
吉田:ちょうど『DQXIII』の制作が終わって、僕が『DQX』のために入社し、最初に堀井さんを含めた合宿を行った際に初めてお会いしました。その後は僕が『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』のディレクターをやっていた時に、『DQXIII』でレベルファイブさんが作ったリソースをお借りして作ったりしました。その時にまたご挨拶をしたり……。でもそのあとはイベントでちょっと話すくらいでしたね。
日野:実は僕、『FFXIV』をリセットして作り直すという時に、吉田さんの名前があげられていたのを見て、ちょっと心配だったんですよ。
吉田:(笑)。
日野:「ヤバイんじゃないの?」と思ったりしたんですが、それがまったく違っていて、本当の立て直しができていた。「クリエイターとして尊敬に値することをやっている」と思っているんですよ。だから飲んでいてもすごく楽しいし、普通にクリエイターのライバルとしても友人としても、楽しくつきあえるんです。そうしてだんだんとお互いの苦労話もするようになっていって……。
吉田:当時あれだけ言われていた『FFXIV』ですが、「そうはいっても、これだけのものを作り出すのなんて、世界的に見たってないことなんだぞ、すごいことなんだぞ」と日野さんが言ってくださっていたんです。そして『新生FFXIV』が発表になったあとも、おもしろくなったと言ってくれました。『旧FFXIV』をしばらくプレイしないでいて、戻ったらえらい変わっていたと。
日野:新生の前の『旧FFXIV』の後半ですね。あそこで変わって、すごいねって話すようになったんです。
吉田:そこからですね、かなり話すようになったのは。
日野:ちなみに新生の前、ダラガブが降ってくるときのイベントの時は、「楽しみにして」とさんざん言われていましたね。だからその日は、僕もともにプレイしている人たちと一緒に「あれだけ吉田さんが言ってたから、今日はもうこのために1日空けよう」と。そしたらつながらない、10秒で落ちる(笑)。
――あのときはすごい人が殺到して大変でしたからね。
日野:「吉Pが言ってたのってコレ?」とか(笑)。
吉田:お恥ずかしい(苦笑)。でもその後ホントにいろいろな話をするようになって、最近はとくに、ゲーム観やゲーム業界全体のことなども話すようになりましたね。最近は月イチくらいで会っています。「日野さんだったら時間空けるから!」って。
――日野さんもMMORPGを作ってみたくなりませんか?
日野:たしかに作りたいですけど、やっぱり『新生FFXIV』で勉強させてもらってからにします(笑)。それから順を追ってやろうかなと。
――日野さんはナイトをやられているということですが、DPSと比べるとプレイヤー数が少なめなタンクについて、その魅力をお聞かせください。、
日野:最初は黒魔道士でした。で、途中でナイトになりました。最初は黒魔道士のほうが楽しかったんです。今はだいぶ楽になりましたが、最初にやり始めた頃は、タンクだと面倒くさいダンジョンがいくつかありましたよね、ワンダラーパレスとか。タンクが先導役をしなければならず、あれを勉強するのがおっくうで最初はやらなかったんです。
でも一度やってみたら楽しくて(笑)。みんなが自分の指示に従って動いてくれるという、ちょっとした快感がありますよね。MIPが実装されてからはMIPの評価が一気に入ったりしますし、根っからのリーダー気質もあるのかもしれません。むしろ今となってはタンクをやらないとちょっと物足りないくらい。だから今日話した要望のように“大迷宮バハムート:真成編”の3層でも、ベンヌに対処するマクロを出しながら、“挑発”のマクロも操作できるようになってほしい(笑)。
吉田:僕も最近集中してタンクをやっています。たしかに大変かもしれませんが、メンバーのパーティスキルもまちまちの中できちんと作戦を立てて、その場で集まった人たちでクリアできたときのうれしさというのは、タンクが一番感じられる気がするんですよ。あれはタンクの一番の魅力かもしれません。
日野:あとは、ボスキャラを前から見られますからね。ただ油断すると危ないのが、たまに黒魔道士でプレイする時に、いつのまにか敵の正面にまわったりしちゃうんです。本能的に前にいっちゃう。危ない危ない(笑)。
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