2014年12月27日(土)
DeNAより配信されているiOS/Android用アプリ『ハッカドール』は、漫画・アニメ・ライトノベル・声優・キャラクターグッズ・コスプレ・VOCALOID・特撮・BLという、いわゆるオタク系ジャンルのニュースを扱うアプリです。
何やら月曜深夜のデラックスなバラエティ番組のごときタイトルですが、オタク系エンタメコンテンツに関するアンテナの高さはTV番組以上! 忙しいユーザーに代わってアレコレ気になるニュースを届けて運んでくれると評判です。その『ハッカドール』の開発者を直撃して、魅力や周辺情報を特盛りでお届けします。
▲ハッカドールのプロダクトオーナーである岩朝暁彦さん。「最近は1号ちゃんと写真を撮ることが多い」と話していたので、編集お気に入りの2号ちゃんと! |
岩朝暁彦さん(以下、岩朝):発端は去年の冬の“コミックマーケット”ですね。KADOKAWAさんともご一緒させていただいたのですが、今までDeNAはリアル系のイベントにほとんど出たことがなかったんですよ。今後は、コミケのようにコアなユーザーさんが集う場所でもしっかりやったほうがいいのではないかという話になりました。
ご存じのとおり、コミケは年に2回しか開催されず、夏と冬の間にそこまで規模の大きなイベントも少ないじゃないですか。イベントがない間でも情報を提供できる何かがあったほうがいいのではないかと社内で議論した結果、「そういう新規事業をYou、考えちゃいなよ!」という流れになって、2014年の1月くらいからプロジェクトが始動しました。
岩朝:当時はまだサービスの形が明確に決まっていなかったんですよ。社会人になると自分がオタク趣味であることを開けっぴろげにできない空気がありますよね。好きな作品について語り合ったり、「この作品おもしろいよ」と伝える機会にも恵まれなくなる。アニメやゲーム、マンガのことを熟知して、新しい作品を知るきっかけになる友人のようなものを作ったほうがいいのではないかと。
そんなサービスをテクノロジーでどうにかできないかなと社内で相談したところ、それってキュレーションだよねという話になり、議論を重ねるうちに現実味を帯びて、4月から制作が始まりました。どうせ出すならコミケ合わせだよねということで、夏コミに間に合わせるべく目標は8月。アプリマーケットに2週間は余裕をみて、3カ月で作ろうというのが地獄の始まりでした。
岩朝:その地獄は今も続いています(笑)。
岩朝:秋葉原の街とかフィギュア、美少女ゲームなど、カテゴリに特化して情報を発信されている媒体さんがいくつかあるくらいですね。たとえば『魔法科高校の劣等生』が好きだとして、ノベルだけでなくマンガも読むしゲームも遊ぶしアニメも見る。
そうなると、カテゴリ特化ではなくて作品軸だったり、作者軸だったり、もしかしたらブランド軸だったりと、いろいろあると思うんですよ。そういったアプローチになると、競合するものはあまり見あたらなかったので、サービスとして新規性があったのではと思います。
岩朝:そうですね。オタク知識に精通したプロが、インターネット検索を駆使して、ユーザーさんの好みにあったものをピックアップして「どうぞ」とオススメしてくれるようなアプリとでも言いましょうか。
それこそ『地獄のミサワ』に登場するようなアレな人物が「お前のために調べてやったぜ。カチャカチャ、ターン!」と情報を出すようなスタイルが、ある意味『ハッカドール』のイメージです。
岩朝:キュレーションという単語が小難しく受け取られるかもしれませんので、サービスの中身を説明する時には“キミにシンクロするニュースアプリ”というフレーズを使っています。
岩朝:そう言っていただけると開発陣も喜びます。
岩朝:ああ、動作がちょっとイヤラシイ感じの。
岩朝:意外と広告が出てないと?
岩朝:ボクも探しているんですけど見あたらないですね(笑)。今現在、そういった形の広告はないです。
岩朝:やはりそこが気になりますよね(笑)。これに関しては考えかたのポイントが3つあります。まず、我々がゲームやサービスを提供させていただく中で、『ハッカドール』が大切なお客様とのコンタクトポイントになったり、今後行うであろうサービスの情報も発信できる。それなら、ゲームや新たなサービスのほうで収益を確保できれば、『ハッカドール』単体で儲けなくてもいいのではないかというのが1つ。
岩朝:2つ目は、ユーザーさんのコンテンツの消費であるとか、おもしろいものとの出会いがもっと広がっていかないと、マーケットそのものが大きくならないし、そうでないとなかなか尖ったものも出てこない。それはいち個人としても悲しいですし、業界にとってもよくないですよね。そこで、ユーザーさんの広がりを確保するためにも、広告だらけの使いづらさとか、敷居の高さとかを払拭しようと考えました。
岩朝:地元の本屋に行っても平積みの本しか読まなかったような人が、自分で探したマンガを買いに行ったり、あまり知られていない作者の昔の本を探すようになったり。そういったことで貢献して、少しでも業界が活気づけば理想的ですね。
岩朝:3つ目は、今回のサービスはテクノロジー的に新しいことや難しいことをやっていて、こういったものを作れるんだということが社内に伝わって、社内のエンジニアにとってもすごくいいテストケースになるのではと思っています。それが巡り巡って新しいサービスやゲームにつながればいいんじゃないかなと。そういった理由から、会社にはいったん短期的な収益に目を瞑っていただいて、のびのびとやらせてもらっています。
岩朝:まあ足枷といえば、自分が忙しすぎて足を引っ張っている感じですね(笑)。
このDeNAの開発フロアの一角にある美少女島で、『ハッカドール』たちは生まれました。名前からして入室したとたん、ふりっふりのメイド服を着た美少女が三つ指ついてお出迎えしてくれる夢の部屋……かと思いきや、別の意味で肌色成分たっぷりのカオスなスペースが(笑)。参考資料という名の比較的薄めな本などがいっぱいで、他部署からは「うるさい!」と苦情の張り紙が貼り付けられることも。
岩朝:当初は自分とプロジェクトマネージャーとエンジニア数名で、しかも自分はほとんどコミケにかかりっきりでした。チームの人数は現在でもそれほど増えていません。
岩朝:よく聞かれるのですが、人数を伝えると皆さんその3倍くらいは想像しているみたいですね。そんなにいたら幸せですよ。他にも「開発期間は何年くらいかかりました?」と聞かれて、「うん、0.2年?」と答えたり(笑)。
岩朝:開発期間と人数のわりには、作っては直しを繰り返しています。個々のエンジニアが提案してきた機能をみんなで議論することもあれば、いきなり「作ってきました!」というケースも多々あります。持ち込まれたものについては、よほど酷くなければ止める理由もないので「お、おう、わかった」という具合に機能が増えたりしますね。
岩朝:ありますね。今ではユーザーさんも『ハッカドール』の二次創作を作られているようで、パズルゲームが4つくらいできているそうです。
岩朝:知ったのが今朝なので、これからかかるんじゃないかなと。
岩朝:ありがとうございます。皆さんそうおっしゃるので、戦々恐々としながら日々彼女たちについて考えるという職務に就いております(笑)。
岩朝:いくつかはありますが、コラボに関してはお互いに世界観を損なわないように、相性のいいところを中心にやらせていただいています。社外のゲームディベロッパー様とも、会社の枠を越えてコラボさせていただいているので、いずれは「こんなところにハッカドールが出てくるの!?」という場面もお見せできるかと思います。
岩朝:特撮などの情報も入りますが、だいたい二次元が中心です。
岩朝:基本的にはマンガやアニメ、ゲームを軸にそれらと食い合わせが悪くないものへと広げています。アイドルというジャンルでも、AKBと“Wake Up, Girls!”とか『ラブライブ!』のμ'sとかって、同じようで違うじゃないですか。
なぜμ'sは扱うのにAKBは扱わないのか、というところに明確な基準はないのですが、たとえば声優のアイドルユニットなどのカテゴリにAKBが混じっているとたぶん違和感を覚えますよね。そういった議論とかテストを積み重ねて、じわじわと現在の範囲に決まっていったという感じです。
岩朝:そんな感じですね。今のところリアル系のアイドルは扱っていなくて、検索エンジンに引っかかったとしても、機械が勝手にフィルターをかけて外すようになっています。例外として、アイドルがゲストキャラやゲスト声優としてアニメやゲームに絡んだ場合は扱いますが、それ以外ではまず出てこないですね。
岩朝:そうですね、実写映画や俳優についてもカテゴリの外です。実写映画の『寄生獣』のように、コミック原作ものだと当然ニュースとして扱いますが、普通の映画なら別に『ハッカドール』じゃなくてもいいので扱っていません。
岩朝:価値観や判断基準は人それぞれなので、そういった選別を人の手でやるのもまた難しいと思います。『ハッカドール』には我々が定義した“オタク度”があって、扱おうとする記事がどれだけ合致するかを判定するという仕組みがあるんですよ。
ここは結構頑張っているところで、判定に応じてスコアをつけて、一定のスコア以下の記事は出さないようにしています。主に政治を扱うサイトにオタクネタが紛れ込んだとしても、判定が揺らぐことはまずないです。
岩朝:そうですね。『ハッカドール』自体がパーソナルエンタメAIという“設定”になっているので、それを愚直に実現しようという努力は続けています。本当にAIかと突っ込まれるとアレですが、ニュースのタイトルや本文の分析だったり、内容の判別、さらには記事のおもしろさといったところまで機械が判定しているんですよ。
岩朝:私もよく分からないくらい難しいんですよ(笑)。他にもいい文章と悪い文章を解析したり、読んだ記事とスルーした記事などを判別したり、ユーザーさんごとの好みも分析します。記事そのものの評価と、ユーザーさんの行動評価をかけ合わせたうえで、“アナタはこういう記事を読むでしょう”という予測を立てて記事を配信したり、検索結果を並べ替えたりもしています。
岩朝:プロモーションの足りなさに反してダウンロード数は順調に伸びて、数十万はいっていると思います。我々としてはダウンロード数よりもアクティブ率や使用頻度を重視していて、幸いにも『ハッカドール』では週に5日以上使われるヘビーユーザーのほうが7~8割といったところに手応えを感じています。
岩朝:そこはかなり悩んだ部分で、すぐ記事に飛ばせばいいのにという意見もありました。世の中には頭3スクロール分が広告などというサイトもあって、タイトルだけですぐに中身が分からないこともあるじゃないですか。気になるニュースの触りだけ読めるというのは、検索結果として大事な要件だと思うんですよ。
そうすることで“読むに値しないような記事”を読むことがなくなるよねと。さらに、画像という大事な判断基準を加えて、続きはWebでという形になっています。また、タップした瞬間に記事が出てくるようにするため、こっそり先に読み込みをしているので、ストレスを感じることなく読み進められるかと思います。
岩朝:他にも多くの予測処理を詰め込んでいるおかげで、エンジニアは血反吐を吐いているようです。
岩朝:公開できる範囲でいうと、何万件読んでも重さが変わらないという処理をしています。これは先読みではなくメモリリーク(※)の少ない方法というもので、私自身、すごさがわかっていないんですよ。至極当たり前のことだと思っていたら、エンジニアから「当たり前ではありません!」と怒られました。
検索機能の部分でも予測変換やら履歴、辞書、読み替えもやっています。たとえば“すまぶら”と入力すると『大乱闘スマッシュブラザーズ』の関連記事が出てきて、これが英語やカタカナで入力しても全部同じになるようにしています。
※メモリリーク:コンピュータの動作中に、使用可能なメモリ容量がだんだんと減っていく現象のこと。
岩朝:他にも『ハッカドール』はTSUTAYA オンラインショッピングともつながるのですが、「岩朝さん、TSUTAYAとつながるって、Amazon.co.jpを作り直すようなもんですよ?」「ああ、そうだね」「Twitterとつながるって、半分作り直すようなもんですよ?」「ああ、そうだね」「検索の部分ってGoogleをイチから作っているようなもんですよ?」「ああ、そうだね」としか言えなくて(笑)。
岩朝:「え? GoogleとTwitterとAmazon.co.jpを全部作るの?」と聞いたら「そんな感じです」と言われて、そこで初めてすごいことなんだと理解しました。さらに検索機能についても「これ、Googleだと簡単に出てくるよね?」「それはGoogleだからです!」「あ、はい……でも、Googleだと出てくるじゃん?」「わかりました、作りますよ」などといったやりとりもありました。
岩朝:まあ、みんな好きなものを作っているという自負があるので、自分たちも届かない、もどかしいというところは勝手に頑張るという感じですね。他にも、画像が重くてパケ死するという問題があったので、予防策として画像をダウンロードする前に圧縮というプロセスを入れました。
Googleでもやっているから『ハッカドール』でも入れたいと二週間くらい騒いでいたら、根負けしたのか作ってくれました。ユーザーの立場で必要だと思った部分はワガママを言わせてもらっています。
岩朝:おかげさまで、イワクソPという素敵な愛称をいただきました。
岩朝:プロモーションとしてこういうものが好きな人にお届けできればいいよねということで、TRIGGER(※)というアニメ制作会社さんに相談してアニメを作ることになったんですよ。
そこで「岩朝さん、名前を決めてください」と言われて、仕様書には1号(仮)、2号(仮)、3号(仮)と書いたんですよ。正式な名前はいつぐらいまでに決めればいいですかと聞いたら「アニメが上がる前にお願いします」と言われたのですが、アニメが上がったのがアプリのリリース前日だったんですね。
※TRIGGER:代表作は『リトルウィッチアカデミア』や『キルラキル』など。
岩朝:まあ主に自分が悪いのですが、大体どこかで聞いたような名前ばかり浮かんだので、じゃあもう1号、2号、3号でいいやと。アプリ内でも(仮)がついていたのを、配信日当日に(仮)を取りました。
岩朝:TRIGGERさん宛の企画書で1~5号のラフを提出したのですが、「岩朝さん、アニメの尺がどれくらいか覚えていますか?」「2~3分です」「5号まで出すってどういうことか分かりますか?」「分かりません」「破綻するということですよ!!」という感じに怒られて、なるほどと(笑)。そこで議論を重ねた結果、2号と3号の中に4号と5号の要素を入れ込んで現在の形になりました。
岩朝:プロモーション動画を作って終わりかなと思っていたら第2弾も作らせていただきましたし、声優さんと一緒にステージイベントを行うこともありました。番組的な企画もあって、気がついたら『ハッカドール』たちがプロモーションの枠を越えて、コンテンツとしての世界観を持ち始めてしまいました。ありがたい反面、ちゃんと育てなければいけないなと、サービスの運営と同じくらいの力加減で取り組んでいます。
岩朝:淡い期待があったくらいですね。どうせコミケで出すなら薄い本も出ればいいよねという軽い気持ちで同人マークをつけたところ、IT業界では初だと驚かれました(笑)。主題歌も作っていただいたのですが、まさかあんなにしっかりとした振り付けをステージでお披露目するとは。
岩朝:そうですね。リリースのひと月前だというのに主要スタッフが現地入りして、ステージの横でコードを入力しながらイベントの台本を書くという珍事もありました。
岩朝:当時の監督とプロデューサーさんがコミケで出した本には、没キャラのデザインも大量に掲載されていたんですよ。デザイン自体は十数パターンあって、自分と監督とでお互いに絵を描いてやり取りしていたのですが、最終的には弊社の会議室に籠もって“キャラデザ決まるまで帰れま10”状態に……。
岩朝:前職はちょっとお堅い感じの経営コンサルタントでした。新しい何かを始めるってすごくエネルギーがいると思うんですね。熱意もそうだし、説得する材料とか力を示して、夢とかビジョンを伝える。そこは図らずも、前職の経験が生きたと思います。絵を描くことに関しては、完全に学生時代のお土産ですね。
▲コレが件のイベントステージの模様。観客も大盛り上がりで、もはやアイドルイベントのような勢いです。 |
岩朝:以前から根強く言われているものでは、1号ばかりで2号と3号が全然出てこないじゃないかという話があります。現在『ハッカドール』内に『ハッカゲームセンター』(※)というコンテンツがあるのですが、その中のゲームに関しては2号や3号を順次増やす予定です。
今回のインタビュー記事が掲載されるころには、3人が登場する何かが実装されているかもしれません。今後は、2号と3号の登場機会も増やしていきたいですね。
※『ハッカゲームセンター』:1号ちゃんとコミュニケーションがとれる『ハッカト~ク! ふぁーすとしーずん』が遊べる。いわゆる美少女ゲーム風のミニゲームなのだが、なんとフルボイス仕様となっている。加えて、12月18日には『ハッカドッカ~ン』も登場。1~3号と爆弾を爆発させないように対決するミニゲームとなっている。『ハッカドール』で記事を読むとたまる“ハッカ”を使って遊ぶことが可能。
岩朝:皆さんそうおっしゃられて、辛いところなんですよ。「オレ、1号推しじゃないんだけど、どこをタップしたら2号に変わりますか?」といった質問も寄せられる有り様です。記事を読むというメインの機能をごちゃごちゃと汚さない解決策として、2号や3号の通知ボイスを年明けくらいに予定しています。
これは音声をONにするといい具合に恥ずかしボイスが流れて、電車内で顔が青ざめるという罰ゲームみたいな機能です。考えたヤツは頭のネジが飛んでいるんじゃないかという感じのボイスなのですが、まあ、そういうこともあるだろうと収録してみました(笑)。
岩朝:正解ですね。実際の通知音は朝昼夜で何パターンかあって、たまに「夜のニュースが届きました」とか意味深なニュアンスにも取れるボイスがランダムで再生されますよ。
岩朝:やりたいですね。今度電撃オンラインさんでプレゼントとかやりますか。たとえば、アップデートの告知をしていただく際に、合わせて抱き枕カバーとかいかがでしょう? もそもそと中に入れるくらいのサイズで……。
岩朝:あまりアダルトな方向に寄ってしまっても困りますが、そこはキャラクター性を生かす方向で。1号は主役ということで元気があって健全。2号はお姉さん風でグラマラスなタイプなので、ちょっとそういったものを匂わせるようなニュアンスだったり。3号はかわいらしくて保護欲を掻き立てる“男の娘”なので、男性よりも女性に人気があったりするんですよ。そういう意味でバランスを取りながらという感じですね。
岩朝:それが必要ないように作っています。『ハッカドール』では、ユーザーの興味に応じたタグを勝手に追加するようになっています。マニュアルで追加するというのは導入時のみで、あとは普段使いの中でユーザーの趣向を覚えていくという形になっています。セクシャルなネタについても、アダルトな画像などはフィルターをかけていますし、文章においても機械が判断して除外することがあります。
岩朝:これがまたおもしろいロジックになっていて、機械だとこう判断するのかと驚かされることもあります。これは普通に出しちゃいけないレベルだよねというアダルト度の判定を……もう笑うしかない世界ですよね(笑)。
岩朝:もっと複雑なんですよ。単語だけではなく、組み合わせとか文脈まで見て判断しています。
岩朝:あ~、単語ベースだとそうなるかも。『ハッカドール』では日本語の解析が入っているので、そこに放送禁止用語が含まれているというような判断はしませんね。
岩朝:当たり前です(笑)。でも、アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の登場人物・安城鳴子の愛称としての“あなる”は大丈夫なんですよ。不思議でしょ?
岩朝:制限はないのですが、App Storeでは16歳以上推奨といったレーティングがされていますね。
岩朝:そうですね、オタクの人々にとっては万人向けで、ユーザーを成人以上に限定したくないんですよ。『ハッカドール』ではセクシャルな部分でも、普通にブラウジングするより安心して使えるということで一定の評価をいただいて、App Storeさんでは“ベスト オブ 2014 今年のベスト”に選ばれました。
また、受賞とかではないのですが、Google Playさんからも「すごくいい取り組みだと思います」というお言葉をいただきました。それだけ評価をいただけるのであれば、我々としても健全に楽しめるアプリ開発を続けていきたいと思っています。
岩朝:はい、まさか賞をいただけるとは思ってもいなかったので、何かしら楽しんでいただけるネタをご用意できればと思っています。
岩朝:認知度不足感は否めないので、そこは今後の課題ですね。でも、TVをつけたら名前が連呼されるような展開は『ハッカドール』のサービスに合っていないと思いますし、本当にその人がいいと思えば、広告だろうが記事であろうがタップして読むし、買おうと思えば買うよねと。
貫くのは大変ですが、ユーザーさんに対して誠意を見せた機能作りとかプロモーションの姿勢はこれからも守っていきたいと思っています。
岩朝:そうですね、この企画やサービス自体、世の中にあまり前例がなかったので。要素としての技術はあったかもしれないけれど、この組み合わせがアリなのかというところで、確信はしていても確証がなくて、立ち上がりからチャレンジな部分はありました。
だからこそ現在の形を生み出せたし、これからもユーザーさんに支持されるべく走り続けます。こう言うとなんだかマグロみたいですけど、今のペースで作業を続けていると、止まらなくてもいつか死んじゃいますよね、お刺身になって……。
岩朝:まずは、いつもご愛用ありがとうございます。『ハッカドール』はまだ生まれて4カ月と赤ちゃんのようなものなので、さまざまなご要望をフィードバックしてよりよいものにしていこうと思っています。お問い合わせいただいた機能は順次対応していますので、今後もよろしくお願いします。
これから使ってみようという人は、「キュレーションって難しい?」という不安はあるかもしれませんが、だまされて広告をいっぱい踏むようなことはありません。このキャラクターがカワイイからとか、フルボイスで何か遊べるらしいとか、どんなきっかけでもいいので、気になったら少しだけ触れてみてください。コミケに行くよりはハードルが低いですし、一回使っていただけたら、いろいろと捗るかもしれませんよ?
とまあ、コミケの準備真っ盛りというタイミングにお邪魔して、気になるアレコレを好き放題うかがってきました。件の美少女島にはその道のエキスパートが数多く潜んでいるということなので、機会があれば続報をお届けしたいと思います。
(C)DeNA Co.,Ltd. All rights reserved.
データ