2014年12月27日(土)
皆さん、こんにちは。ライターのカワカミ雁々です。KADOKAWAが手がける美少女キャラクター満載のTCG、『アンジュ・ヴィエルジュ』最新ブースターパックの第6章『救済と希望の剣』が12月18日に発売されました。
『救済と希望の剣』では、バトル中のプログレスがリンクに失敗してしまった時、バトル終了時にそのプログレスと入れ替わる形でコストを払わずに登場できる能力“希望”を持ったカードが収録されています。
▲《愛すべき妹 千尋》 | ▲《煌めく紅光 ルビー》 |
これらのカードの登場により、リンクの失敗をメリットに転換できるようになったため、リンクをめぐる駆け引きやデッキに投入するプログレスの選定基準など、戦略性がアップしたと言えそうです。
この記事では『アンジュ・ヴィエルジュ』のプロデューサーである荒井健史さん、大和田隆さんのお2人にインタビューを行い、『救済と希望の剣』のポイントとなる部分やオススメのカードについてお話をうかがったので、その模様をお届けします。
▲イベントやニコ生でおなじみの荒井プロデューサー(左)と大和田プロデューサー(右)。今回もよろしくお願いします! |
――『アンジュ・ヴィエルジュ』のタイトルはこれまで『○○の××』となっていましたが、今回は少しタイトルが変わりました。これには何か意味が込められているのでしょうか。
荒井さん:今回、新たな能力の“希望”が登場します。これまでも“奇跡”が登場した第2章は『黒き夜の奇跡』、“オルタネイト”が登場した第4章は『蒼空の変転世界(オルタネイト)』のように、新しい能力をタイトルにも絡めてきたので、まず“希望”はタイトルに含めようと。
そして“希望”の効果はまさにリンク失敗を“救済”するものなので、それが合わさって『救済と希望の剣』となりました。
――“剣”はマユカの武器など、特定のものを暗示しているのでしょうか。
大和田さん:そういうことではないですね。“剣”はいわばαドライバー(プレイヤー)の“心の剣”、攻める心だと思っていただければ。
荒井さん:まっすぐ攻める心があれば、失敗ししまっても“希望“という名の“救済”がまだ残されているよ、と。そういった感じの意味をこめたタイトルになっています。
――ちなみに先日『アンジュ・ヴィエルジュ』発の声優ユニット“L.I.N.K.s”に新メンバーとして山本希望さんが加入しましたが“希望”はこのこととリンクしているのでしょうか?
荒井さん:あまりにもバッチリなタイミングだったので、そう思われるかもしれませんが、そこは本当に偶然です(笑)。
大和田さん:これを“救済”にからめるのはちょっと違うかもしれませんが、第5章のレミエルに続いて、今回もイレーネスやアーシア、琉花たち、過去の章でのメインヒロインたちが再登場しています。そのような形で、過去のヒロインを今後も登場させていく意味も込められてます。
――再登場したメインヒロインの選定基準は、ユーザーさんの要望などを反映したものなのでしょうか。
荒井さん:再登場の理由はさまざまですね。ユーザーさんからの要望ももちろんですが、ΩとΣのバランスを考慮したり、そういったすり合わせの結果、今回はイレーネスやアーシアたちが再登場することになりました。
――3.5章の『少女たちの休日』でSR化されたラウラが、今回再びSRで収録されているのには驚きました。
荒井さん:そうですね、彼女は“出世枠”ですね(笑)。もちろん、考えなしにプログレスたちは再登場させているわけではなく、カード種類数も増えてきたので、順次いろいろなプログレスでキャラ単デッキを作れるようにしたいなと思っています。美海やソフィーナなどはすでにキャラ単でも強力なデッキが組めますが、それをいろいろなプログレスでやりたいな、と。
大和田さん:せっかく登場したのに、1回だけでサヨナラでは寂しいですからね。
――つまり、第7章以降も再登場するプログレスがいるのですね。
荒井さん:もちろんです。第7章では御影葵やロザリーが再登場する予定です。それと、第3章のメインヒロインたちの新しいブーストカードが収録されます。
――新能力の“希望”は、どういう経緯で製作され、収録されたのでしょうか。
荒井さん:『アンジュ・ヴィエルジュ』は、皆さんのおかげで今年の10月に1周年をむかえることができました。10月に発売した第5章は、緑の世界が加わって再スタートを切ったので、“新たな第1章”の気持ちもあります。
今回の『救済と希望の剣』は、第1章と第5章の関係と同様に新たな“第2章”として、『黒き夜の奇跡』とつながりの深いデザインにしようと考えていました。『黒き夜の奇跡』では、“奇跡”や他のプログレスのリンクが成功していたら自分のリンクが増える、いわゆる“絆”に関連した能力が登場したので、今回もリンクをフィーチャーしようとデザインを用意しました。
その過程でリンク成功時だけでなく、失敗時にメリットを得られる能力もおもしろいんじゃないかと今回の“希望”が生まれたわけです。
大和田さん:開発当初は“リカバリー”という、そのままな名前がついていましたね(笑)。
荒井さん:これによって、リンク成功時はもちろんですが失敗時にもメリットを受けられるようになり、新しい戦い方を楽しんでもらえるかなと思います。リンクはやはり『アンジュ・ヴィエルジュ』の中心なので、失敗をおそれず、自分の好きなプログレスとどんどんリンクしてほしいですね。
――先ほど、“キャラ単デッキをもっといろいろなキャラで”とお話がありましたが『救済と希望の剣』の発売記念大会では新しい美海のブーストカードが配布されますね。
荒井さん:《真・覚醒 日向美海》ですね。
▲《真・覚醒 日向美海》 |
荒井さん:これも、キャラ単サポートの一環と言えるカードです。美海デッキは強いのですが、それでも第1章のブーストカードはやや力不足になっているので、そこをフォローする目的があります。
――これまで『アンジュ・ヴィエルジュ』のイベントなどで配布されるプロモーションカードは、デッキの主力になるものではなく“小回りの利く使いやすいプログレス”の印象がありました。
荒井さん:そうですね。今後は、こういったプロモーションカードなどを使って、少しずつキャラ単デッキの足りない部分を補い、環境に新しい風を吹き込んでいこうかなと考えています。
大和田さん:ぜひ、ショップ大会の景品などにも注目してもらえればと思います。ちなみに、1月のショップ大会の参加賞はマユカの“キーパー”となるアゲハなので、マユカデッキを使いたい人はぜひ集めてほしいですね。
▲《見守る者 アゲハ・サナギ》 |
――続いて『救済と希望の剣』の収録カードで、ぜひ使ってみてほしいカードをあげていただけますか?
荒井さん:環境に一石を投じそうなカードといえば《封印の弓 フェルノ・ガーディーヴァ》ですね。
▲《封印の弓 フェルノ・ガーディーヴァ》 | ▲《収穫の女神ミシス》 |
荒井さん:Ωのバーンデッキは、このプログレスの登場である程度の完成となるんじゃないでしょうか。リンク成功時はほぼ確定に近い確率で相手のダメージを増やすことができます。リンクをのばすために、“他のプログレス2体がリンクに成功”させる条件があって条件達成は難しいように見えますが、《収穫の女神 ミシス》のような登場時にリンク判定を持つものでサポートすれば意外と達成は容易です。
条件を満たせば、リンク成功時はパワー17000、かつガードされてもほぼ1点通るので、相手としては押さえ込むのが難しくなります。赤Ωデッキを使っている人には、ぜひ試してみてほしいですね。また、Σでは《十二杖 アルスメル》も要注目でしょう。
▲《十二杖 アルスメル》 |
荒井さん:いわゆる“希望”デッキを作るのではあれば、間違いなく入ってくるカードになるのではないでしょうか。レベル2、レベル3のアルスメルとシナジーが形成されているところもポイントですね。
▲《錬金術師 アルスメル》 | ▲《分解の杖 アルスメル》 |
荒井さん:リンク成功時の能力も非常に強力で、これと《L.I.N.K.s ソフィーナ》などを軸にした手札破壊デッキなども非常に強力だと思いますよ。あとは、緑の《華開きし力 シルト・リーヴェリンゲン》もかなりの存在感を持つカードです。
▲《華開きし力 シルト・リーヴェリンゲン》 |
荒井さん:リンク枚数を2枚減らす効果は、リンクとはなんなのかと考えさせられます(笑)。リンク8-5(8枚中フレーム5個で成功)でも難しいのに、9-5ですら7-5まで下げてしまうわけですし。
カードをデザインする側としては、“7-4と9-5は成功しやすい、8-5は失敗と紙一重”のバランスで考えていて、プレイヤーさんの中にはしっかりそこを考えてデッキ構築をしている方も見受けられます。しかし、それを彼女は根底から引っくり返します。
実際に使われると思いますが、そうでなくてもこのカードの存在とがデッキ構築、ひいては環境に影響を及ぼすことになると思っています。
――既存デッキの起爆剤になるもの、新しいデッキタイプを生み出すもの、そして環境を定義するものとよりどりみどりですね。では、大和田さんはいかがでしょうか。
大和田さん:私のオススメは《クルタボルグ フィーリア・グレンハルト》ですね。
▲《クルタボルグ フィーリア・グレンハルト》 |
大和田さん:白の世界に“相手のターンの終わりまでパワーが上昇する”プログレスはいましたが、フィーリアは受けるダメージそのものを0にする鉄壁の防御能力を持ちます。攻撃に使える能力ではないのですが、ゲーム終盤までパワーの低いプログレスが残ってしまった時などにフォローが可能になります。これによって、また違ったゲームプランを展開するデッキが生まれたらうれしいですね。
荒井さん:リンクが“奇跡”込みで9-5と成功しやすく、また1ターン効果が持続するのでアウェイクからの再アタックにも強いカードです。
大和田さん:あとは《異能付与ポステリオル》もおもしろいカードですね。
▲《異能付与ポステリオル》 |
大和田さん:能力を持たない、いわゆるバニラプログレスを支援するアクションで、リンクを付与して成功時はストライク3でアタックできるようにします。レベル2のバニラプログレスはデッキへの投入率も高く、タイミング次第で彼女らの攻撃力を高められるこのカードを一緒に投入すれば、思わぬところでダメージを稼げるのではないでしょうか。
――“希望”も含めて、過去になかったタイプのデッキを作れそうなカードが多い印象ですね。
荒井さん:次の大きなイベントは、発売記念大会と2015年1月のウィンターカップとなりますが、『救済と希望の剣』の登場によりいろいろなデッキを作れると思うので、ぜひ好きなプログレスでデッキを作ってほしいですね。
――3回目の“青蘭学園祭”、今回は全国7大都市での開催となりましたが、ユーザーさんからの反応や手ごたえはどのようなものでしょうか。
荒井さん:開催場所を増やしたことで地元感が生まれたのではないでしょうか。ユーザーさんがそこまで遠くに足をのばさなくても参加できるようになったのが一番の手ごたえですね。夏以降は、公認サークル制によって地域のコミュニティをサポートしていましたが、それもあいまって各地域に『アンジュ・ヴィエルジュ』のコミュニティが根付いたかなと感じます。
――公認サークル制が成功していると?
荒井さん:そうですね。やはりTCGは1人では遊べないので、サークルに入れば対戦や研究、遠征なども一緒にできますし、より楽しく遊べるようになるのかなと思います。
――L.I.N.K.sメンバーのTwitterなどを見ていても、仲間と遊ぶことは楽しいなと思わせられますね。
大和田さん:イベント前後だけじゃなくて、各地のご当地グルメも楽しんでもらえているようです。福岡の時もラーメンなどの画像をアップしていましたね(笑)。
――新メンバーの山本さんも、ついにブルーミングバトルコロシアムに参加されるようになりました。
荒井さん:まだ不慣れな点もありますが、緑単Σマユカデッキで早くも初勝利をあげていますから、今後に期待ですね。移動中も、他のメンバーと戦い方の研究などをしているようです。
――次回のウィンターカップにもL.I.N.K.sの皆さんは出られるのでしょうか。
荒井さん:今回は2チームで挑んでもらおうと思います。
――L.I.N.K.sが2チーム参加すれば、ユーザーさんも対戦機会が増えますね。
大和田さん:やはり、それを楽しみにされている方もいらっしゃるので、なるべく機会は増やしてあげたいですね。
――今後の展開について、お話しいただけることはありますか。
大和田さん:まず『救済と希望の剣』の発売によって第5章から始まった“必ずもらえる! バーコード応募キャンペーン”の景品への応募と発送がスタートします。
■「必ずもらえる! バーコード応募キャンペーン」の詳細
以下の3つの商品についているバーコードを応募用紙に貼付して応募すると、人気のプログレスカード2種が必ずもらえるキャンペーンとなっています。
○応募に必要なバーコード
・12月18日発売 ブースターパック第6章『救済と希望の剣』のBOX
・10月9日発売 ブースターパック第5章『緑の門を喚ぶ少女』のBOX
・10月9日発売 アドバンスドスターター『侵緑のグリューネシルト』
○もらえるプロモーションカード
▲《薔薇園の主リゼリッタ》 | ▲《アネモネの花フローリア》 |
荒井さん:こちらは、12月末までに送っていただければ1月中旬ごろに、1月に送っていただければ2月中旬ごろに発送します。早めにもらうもよし、2月にもらってプログレスからバレンタインチョコをもらう気分を味わうもよしです。
――第7章について、お話しいただけることはありますか。
荒井さん:先ほども少しお話ししましたが、新キャラクターに加えて御影葵やロザリー、ウェンディといった面々が再登場します。また、新能力として“ラッシュ”と“シールド”が登場します。
▲“ラッシュ”のイメージ(※画像は開発中のものです) | ▲“シールド”のイメージ(※画像は開発中のものです) |
大和田さん:どちらも、序盤からバトルの行く末を左右する能力なのでお楽しみに。
――では最後に、2014年をしめくくり電撃オンラインの読者、『アンジュ・ヴィエルジュ』ユーザーにメッセージをいただけますか。
荒井さん:今年の『アンジュ・ヴィエルジュ』で一番大きかったのは、やはりL.I.N.K.sの本格始動だったと思います。TCGとして楽しめるものを作ることに加えて、L.I.N.K.sという1つの象徴が生まれ、『アンジュ・ヴィエルジュ』ならではの魅力を作れたかなと思います。
彼女たちには、来年以降も『アンジュ・ヴィエルジュ』を楽しみつつ、いろいろなことにチャレンジしてもらおうと思っています。どうか皆さんも、L.I.N.K.sと一緒に思いきり楽しんでいただければとうれしいです。
そして、いよいよアニメ化プロジェクトも始動しました。こちらも追々情報を発信していきますので、楽しみにしていただければと思います。
大和田さん:振り返ってみると、1月の“ウィンターカップ”から春の“青蘭学園祭”、夏は“サマーカップ”に“ビギナーズツアー”、そしてまた“青蘭学園祭”と、たくさんイベントを開催した1年だったと思います。その中で、都市部はもちろん地方のショップさん、ユーザーさんと身近にゲームやお話をさせていただけたのが何よりの収穫と感じています。
来年以降は、ここで得られたものを糧に、どんどん楽しいことをショップさん、ユーザーさんに還元していきたいと思っておりますので、来年はまた『アンジュ・ヴィエルジュ』をよろしくお願いします!
――ありがとうございました。
今回のインタビューの際に、第6章のカードをふんだんに使ったデッキで両プロデューサーとの対戦も行いました。その際の模様は、後日お届けしますのでお楽しみに!
(C)Ange Projec
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