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2014年12月21日(日)

『新生FFXIV』パッチ2.5特集プロデューサーレターLIVEまとめ。新クリスタルタワーやゴールドソーサー情報が公開

文:megane

 12月20日~21日に開催されている『新生FFXIV』のイベント“ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル”。21日午前中に行われた第19回プロデューサーレターLIVEの内容をお届けする。

『新生FFXIV』
▲プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏(左)とコミュニティマネージャーの室田俊夫氏(右)。

 プロデューサーレターLIVEでは、おなじみプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏とコミュニティマネージャーの室田俊夫氏が登場。パッチ2.5のタイトルが“BEFORE THE FALL 希望の灯火”となったことをロゴとともに発表した。

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 今回のプロデューサーレターLIVEは、拡張ディスクの情報が公開された前日の基調講演とは変わって、パッチ2.5特集として進行した。これはラスベガスのファンフェスティバルと同様となっている。

■今回のプロデューサーレターLIVEの議題

 今回のLIVEで話された議題は以下の通り。

・パッチ2.45で実装されたゾディアックウェポンの選定基準
・パッチ2.5のパッチタイトルとロゴ
・パッチ2.5前半(Part1)と後半(Part2)で実装予定のコンテンツ
・パッチ2.5で実装されるクリスタルタワー:闇の世界
・パッチ2.51に実装予定のゴールドソーサー
・ミニゲームのトリプルトライアド
・新IDの黙約の塔、ワンダラーパレス(ハード)、古城アムダプール(ハード)
・DirectX9とDirectX11の比較&公開時期
・コアメンバーに聞く(サウンド・祖堅正慶氏)
・ゲーム内イベント&その他告知

●ゾディアックウェポンでラグナロクが斧になった理由は?

 パッチ2.5の新情報の前に、パッチ2.45で実装されて話題になったゾディアックウェポンに関する話が行われた。

 議題となったのは、両手斧のゾディアックウェポン進化系がラグナロクとなっていたこと。これまでの『FF』シリーズといえば“ラグナロクは剣”という扱いになっていた。これが斧に名付けられた理由は何なのか。

 これについて吉田氏はまず、ゾディアックウェポンの各ジョブの武器を考えるにあたって、「武器の格を同じにする必要があった」と語った。剣は“エクスカリバー”、弓は“与一の弓”というのがすんなりと決まった中で、最強の武器に値するゾディアックウェポンにおいて斧が“ルーンアクス”となるのはちょっと格として落ちるという。

 そこでラグナロクが与えられることになったが、そもそもラグナロクというのは北方神話において“最終戦争”や“終末の日”を表す単語で、武器の名前ではない。『FF』において剣の名前としてラグナロクが用いられるようになった理由は「当時の『FF』は剣と魔法の世界だったから」とのこと。当時の伝統がそのまま変わらずここまで来ているというわけだ。ちなみに同じオンラインゲームの『FFXI』では両手剣にラグナロクの名が冠されている。

 しかし、これまでの『FF』の伝統を大事にする一方で、これからに向けて新しい『FF』も作っていかなければならないと吉田氏は語る。その1つが今回のラグナロクの理由とも言える。この新しい『FF』を作るのは、シリーズのナンバリングタイトルを作る者の使命であるとも語った。

■パッチ2.5はPart1でストーリーの2/3が語られる

 続いて、パッチ2.5のタイトルとロゴが前述のように“BEFORE THE FALL 希望の灯火”と発表された。このパッチ2.5は前半(Part1)と後半(Part2)の2つに分けられる。Part1でメインストーリーや事件屋クエスト、新たなクリスタルタワーである“闇の世界”編、新たなインスタンスダンジョン(ID)などが配信される。

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 また、フリーカンパニー単位でさまざまなクラフトなどを行う“エーテリアルホイール”と呼ばれるコンテンツも実装される。このエーテリアルホイールに関する情報は今後の公開に期待しよう。またフロントラインに新ルールが追加される。マップはこれまでと同じものだという。

 パッチ2.51にて、これまでに何度も存在が明かされていたゴールドソーサーが追加される。パッチ2.5 Part2では、メインストーリーの後半部分が実装される他、イシュガルド防衛戦というコンテンツが用意されていることも明らかに。これらについては現時点では詳細は明かされなかった。

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■クリスタルタワー完結編にあたる“闇の世界”

 “クリスタルタワー:古代の民の迷宮”、“クリスタルタワー:シルクスの塔”に続く、クリスタルタワーシリーズの完結編として“クリスタルタワー:闇の世界”が実装される。

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 モチーフとなった『FFIII』と同様にザンデを倒した後に到達するのが、この闇の世界だ。これまでのクリスタルタワーとは趣の異なる、オドロオドロしい雰囲気に包まれている。

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 なお、現在実装されているクリスタルタワー:シルクスの塔では、防具とともに戦記装備を強化するアイテムをドロップしていたが、実装当初は防具か強化アイテムか、どちらかを1週間に一度しか取ることができなかった(現在では1週間縛りは解除されている)。クリスタルタワー:闇の世界では、防具と詩学装備強化アイテムの入手フラグが別に管理され、防具を取ったらアイテムが取れないということにはならないという。

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▲クリスタルタワー:闇の世界で入手できる防具の数々。

 その他、それらのアイテムとは別にクラフター用の素材もドロップすることが明らかになった。これらは武器の素材として利用できるとのこと。

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▲闇の世界で入手できる素材を使って、ティターンの持つ剣などを製作できる。

■正式名称は“マンダヴィル・ゴールドソーサー”に決定

 パッチ2.51で追加されるゴールドソーサーの名称が“マンダヴィル・ゴールドソーサー”と発表された。マンダヴィルと言えば、有名なNPCが2人ほど思い起こされるが(おそらく父親のほう)、施設にまつわるクエストでの登場に期待したい。

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 なお、ゴールドソーサーでは“マンダヴィル・ゴールドソーサーポイント”と呼ばれる特別なポイントを用いて、各アトラクションを行う。ポイントは2000ポイントまでギルで購入できる。それ以上はギルで購入できず、2000ポイント以上にするにはゴールドソーサー内で増やす必要がある。このポイントを使ってさまざまなアイテムに交換でき、今回はその中でも一番高いポイントが必要となるアイテムが公開された。

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▲ゴールドソーサーポイントを使って交換できる男性用装備。『FFVI』に登場したキャラクター“セッツァー”になりきることができる。

 その他、ゴールドソーサーと同時に実装されるコンテンツとして“チョコボレース”と“トリプルトライアド”の情報も公開された。チョコボレースは、現在連れて一緒に戦ったりしているバディチョコボとは別に、チョコボレース用のチョコボが与えられる。チョコボのレベルが上がるとフィジカルボーナスのようにステータスを上げることができ、育てたチョコボと他のチョコボを配合して、新たなチョコボを作り出せる。

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▲身も蓋もない運営コメントも寄せられた。

 トリプルトライアドは『FFXIII』で登場したカードゲームタイプのミニゲーム。基本ルールは『FFXIII』を踏襲しつつ、『FFXIV』独自のルールも用意されるとのこと。

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 トリプルトライアドは、ゲーム内のさまざなNPCと対戦してカードを集めていく。世界各地にいるNPCと戦えるため、新たなトリプルトライアド用のマークが用意される。トリプルトライアドで戦えるNPC、一度撃破したNPCが一目でわかるようになるとのこと。なお、マークが出ていなくても“実はカードを持っている”隠しキャラもいるとか。

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 このトリプルトライアドは、ゴールドソーサー内で他のプレイヤーと対戦することもできる。1週間かけて行われる大会も用意され、期間内に何勝以上をした人に与えられるカードなどもあるとか。

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■帝国戦艦と幻龍ミドガルズオルムがテーマとなるIDが登場

 パッチ2.5で実装されるIDは“幻龍残骸 黙約の塔”、“武装聖域 ワンダラーパレス”、“邪念排撃 古城アムダプール”の3種類。

●幻龍残骸 黙約の塔

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 黙約の塔は、モードゥナ地方にある湖・銀泪湖に浮かぶ、帝国戦艦アグリウスと幻龍ミドガルズオルムが激突して墜落した残骸が舞台となる。メインストーリーに深く結びつくIDである。

●武装聖域 ワンダラーパレス

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 武装聖域 ワンダラーパレスは、レベル50になってから行けるようになるIDの“旅神聖域 ワンダラーパレス”のハードモードとなる。学者のジョブクエストにて存在理由が明らかになるワンダラーパレスだが、ハードモードでは高地ラノシアにいるマムージャ族に占拠されたような形になっている。

●邪念排撃 古城アムダプール

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 レベル50からの最初の壁として記憶に新しい“邪教排撃 古城アムダプール”がハードモードに。文字通り壁として登場したデモンズウォールが張り切って再登場。ノーマルにあった奈落の底に落ちるギミックはなくなっているものの、デモンズウォールが4体になっている他、プレイヤーを苦しめたブラッドラッパー(ハエ)も登場する?

●ゼーメル要塞やオーラムヴェイルよりもワンパレやアムダがハードになった理由は?

 ここでプレイヤーからの質問として、『旧FFXIV』から登場しているゼーメル要塞やオーラムヴェイルのハードモードは登場しないのかというものが挙げられた。

 これについて吉田氏は、『旧FFXIV』で製作されたダンジョンは『新生FFXIV』から製作したダンジョンのレギュレーションに合わないものが多く、それらをハードモードに作り直すのと、新しいIDを作るのはほぼ同程度の労力がかかるとコメント。すでにあるIDを作り直すのなら、新しいIDを作るほうがいいということで、今後もゼーメル要塞やオーラムヴェイル、トトラクの千獄といった『旧FFXIV』のIDのハードモードは登場しなさそうだ。

■DirectX11になると『FFXIV』はどれくらい変わるのか?

 DirectX9とDirectX11の比較映像が公開。DirectXとは、マイクロソフトが提供するゲーム用のAPI(アプリケーションプログラムインターフェース)の集合体で、かいつまんで説明すると、DirectXの後の数字が大きくなる(新しくなる)と、さまざまな最新技術がゲーム内で利用できるようになる。

●DirectX9とDirectX11の違い

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 DirectX11バージョンの『FFXIV』は“蒼天のイシュガルド”の発売と同時期に提供される。DirectX9バージョンから11バージョンにするには、クライアントをインストールし直す必要があるが、UIなどは使っているものをそのまま利用できるとのこと。画像ではわかりくいということで、今後動画として公開される予定だ。

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▲タンクの詩学装備もより忠実に……?(ならない)

■祖堅氏に聞くサウンドについてのアレコレ(主に要望)

 プロデューサーレターLIVEの後半ではサウンドディレクターの祖堅正慶氏を招いて、コアメンバーに色々とプレイヤーからの要望をぶつけるコーナーが展開された。その一部をここで紹介する。

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▲前日の早朝4時までリハーサルを行っていたとのことで、お疲れの祖堅氏。コーナーにはなんとかギリギリ間に合った。
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▲祖堅氏を加えた3人でコーナーが進行した。

――スレイプニルなどのマウントに専用BGMが欲しい。

 それを製作する時間をいただければ……。作っておいた魔導アーマー用のティナのテーマがまだ使われていないので、どこかに入れられるかがんばってみます。

――ジュークボックスのようにハウジング内で音楽を変えられる調度品が欲しい。

 オーケストリオンというアイテムが実装予定。曲をどこかから取ってくることで、曲がかけられるようになる。パッチ3.0(蒼天のイシュガルド実装時)かパッチ3.1くらいで。

――戦闘曲はイシュガルドで変わりますか?

 完全新曲になります。

――“究極幻想”の曲が好きなので歌詞を知りたいです

 夢を壊すようで申し訳ないのですが、あれはソフトウェアのランダム機能で使ったものです。ラテン語基準のプリセットなので、たぶんラテン語です。

――発注が一番ムチャだった曲を教えてください

 大迷宮バハムート:真成編の第3層突破時のムービーです。尺などがすべて決まった状態で発注されたものの、音楽のことをまったく考えていない構成のムービーだったので、頭を抱えました。

――祖堅さんが好きな音楽のジャンルやバンドを教えてください

 今日もTシャツを着ていますが、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンです。

――『FFXIV』以外でBGMが好きなゲームを教えてください

 セガの『バーニングレンジャー』です。先日、作曲した光吉猛修さんにお会いしたので、どこで収録したのかを聞いたところ、NY(ニューヨーク)だと言われました。うらやましい!

 「君にはNY(直樹 吉田)がいるじゃないか」(吉田氏)

――本作は環境音やSEがとても素敵ですが、一番気に入っているものは?

 グリダニアはどこにいても好きです。ちなみにサウンドのスタッフで環境音をずっと作り続けている者がいて、彼は自分で車を出して、環境音を収録しに行っているんですね。ただ、日本って車の音が聞こえない場所がほぼなくて、山ごもりのような状態になることもあります。

――スノークローク大氷壁の曲が聞きたいのでサントラの発売予定はありますか?

 サントラを発売する構想はあります。ただ、まだ何も企画しておりません。パッチ2.51の作業が終わったくらいからサントラの作業を始める感じかな……。拡張版(蒼天のイシュガルド)が出る前くらいには。とりあえず年明けに音楽スタジオを3日押さえましたが、3日ではどうにもならないですね。

――『FFXIV』の曲を作る時に『FF』という部分は意識していますか?

 もちろん意識しています。しかし一部でそこから逸脱して、自分の色を出すということもあります。しかし、『FF』の曲はまず植松伸夫さんありきだと思っていますし、そこは大事にしています。

――クリスタルタワーで戦闘曲と探索時のBGMがスムーズに切り替わるのがすごいですが、どうやっているのですか?

 これは説明だけで講演が1本できてしまうくらいの内容ですね。CEDECでDynamix Plus(※Dynamix Endのこと?)というものを使って、なんかすごいことをやってああなっています。ちなみにモグ王戦で、モグの数が少なくなるとテンポがスローになるのも、実は最新技術を使っています。

 そうそう、サウンドプログラマーの新人が全然入ってこないので、ぜひ来てください。

――蒼天のイシュガルドの曲はどれくらい完成しているのでしょうか?

 ……いくつかですね。とても発注が来ています。前廣さん(イベント統括の前廣和豊さん)からとてつもない数の発注があったところを、吉田さんがだいぶ削りました。が、削ったと見せかけて「余力があれば追加」というところでリストアップされています。

――シリウス大灯台のようにBGMのロングバージョンは今後もありますか?

 そもそもロングバージョンを追加する予定ではありませんでした。戦闘の間に30秒くらい流れるように曲を作っていたはずなんですが、それがいつしか40秒、50秒と伸び始めたのが今ですね。これも余力があれば。

――作曲に一番苦労したり、思い入れがあったりする曲を教えてください。

 これはもう『天より降りし力』ですね。でも、昨日のピアノライブで聴いていて『灼熱の地へ』もいいなと思いました。吉田さんから『天より降りし力』は『新生FFXIV』を印象付ける曲なので、ぜひ力を入れてほしいと頼まれて、半端ないプレッシャーでした。メロディーはお風呂に入る前にヒゲを剃っている最中に思いついて、その場でスマホに録音しました。

■年末年始に向けてゲーム内外でイベントを予定

 最後に年末と年始に向けたゲーム内およびゲーム外でのイベントの告知が行われた。なお、詳細は未確認だが元旦に池袋にあるニコニコ本社にて『新生FFXIV』のレジストレーションコード付きのクライアントが先着3000本で配られるというアナウンスもあった。こちらについては詳細な情報が公開されるのを期待したい。

『新生FFXIV』 『新生FFXIV』
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(C) 2010-2014 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

データ

▼『From Astral to Umbral ~FINAL FANTASY XIV: BAND & PIANO Arrangement Album~』
■発売元:スクウェア・エニックス
■品番:SQEX-20017
■発売日:2014年12月17日
■希望小売価格:4,000円+税
 
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