2015年2月20日(金)
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『The Order: 1886』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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SCEから、本日2月20日に世界同時発売されたPS4用ソフト『The Order: 1886』。この作品の開発を担当するスタジオReady At DawnのCEOで、『The Order: 1886』のクリエイティブ・ディレクターでもあるルー・ヴェーラスリヤ氏が、1月下旬に来日した。
この記事では、ウィーラスリヤ氏によるプレゼンテーションの模様と、本作の一部を実際に試遊した際の感想をお伝えしよう。
▲『The Order: 1886』の開発を担当するReady At DawnのCEOで、同作のクリエイティブ・ディレクターを務めるルー・ヴェーラスリヤ氏(左)と、SCEでローカライズを担当する片見龍平氏(右)。 |
アメリカ・カリフォルニア州にあるゲーム開発会社“Ready At Dawn”は、これまでにPSP版『ゴッド オブ ウォー』2作や、そのPS3版などの開発を手がけてきた。そして2011年からは、同社初となるオリジナルタイトルの制作に着手している。それがこの『The Order: 1886』となる。
オリジナルタイトルを企画するにあたっては、ヴェーラスリヤ氏は人類がこれまで歩んできた歴史に興味があり、「もし歴史に“IF”を加えたらどのようなものになるか」という点が、本作の企画の根幹になっているという。
そして本作を作り上げる際には、たとえ歴史にIFを加えたフィクションであっても、徹底的にリアルさを追求し、可能な限り現実的なものとして描き出すことを目指したそうだ。
▲物語の舞台となる19世紀のロンドンをリアルに表現するため、ヴェーラスリヤ氏をはじめとする本作の開発スタッフは実際のロンドンを取材し、数千枚に及ぶ参考写真を撮影したという。 |
こうして作り上げられた『The Order: 1886』は、そのタイトルが示すとおり、西暦1886年のロンドンが舞台になっている。当時のロンドンは産業革命を迎えた“ビクトリア朝”と呼ばれる時代であり、それは本作でも同様なのだが、現実の歴史とは異なる歩みを経てきたことにより、実際には存在しなかった組織や科学技術が存在している。
本作の世界では、人類から枝分かれして異なる進化を遂げた“半獣”と呼ばれる種族が存在している。人類と半獣は長い歴史の中で戦いを繰り広げてきたが、次第に人類が劣勢に立たされてしまう。
この状況で果敢に立ち向かったのが、“アーサー王と円卓の騎士団”だ。騎士団は人間の寿命を延ばす効果を持つ“ブラックウォーター”を発見し、円卓の騎士たちは数世紀にわたって生き長らえることができるようになった。
そして19世紀のビクトリア朝時代に、人類と半獣との戦いは新たな局面を迎えることになる。産業革命によって技術が飛躍的に進歩し、半獣に打ち勝つことのできる武器を手に入れたのだ。だが一方でこの時代には、騎士団は半獣だけでなく、政府に反抗する人類の“反乱軍”とも戦うことになってしまった……。
▲“半獣”は、人類から枝分かれして独自な進化を遂げた生命体だ。 |
このように緻密に作り上げられた世界観に基づく本作は、騎士団(オーダー)の一員であるガラハッド卿を操作して、半獣や反乱軍と戦うTPSになっている。
ガラハッド卿は、産業革命によって生み出された強力な武器を手にして敵と戦う一方で、“反乱軍がなぜ騎士団と同じ武器を持っているのか?”、“半獣と反乱軍が結託しているのではないか?”といった物語の謎をも解き明かしていくことになるという。
ここでヴェーラスリヤ氏によって、本作のキャラクターが紹介された。主人公のガラハッド卿をはじめ、パーシバル卿、レディ・イグレインなど、騎士団のメンバーには“アーサー王伝説”の登場人物と同じ名前を持つ人々が存在している。
さらに本作には、歴史上の著名人も登場している。ラファイエットはアメリカ独立戦争やフランス革命で活躍した実在の貴族だが、本作では騎士団の見習いとして登場するという。また、現実の歴史では交流電源の発明で知られるニコラ・テスラは、本作では新たな装備を開発して騎士団に提供する役割を担っているとのことだ。
▲主人公としてプレイヤーが操作することになるガラハッド卿。アーサー王伝説に登場する騎士と同じ名前だが、これが意味するものとは……? |
次に、ヴェーラスリヤ氏が自らゲームを操作する実機デモが披露された。ここで紹介されたのは、“ライカン”と呼ばれる狼男のような半獣を相手にして、ガラハッド卿がナイフを使った格闘戦を繰り広げるという場面だ。
この場面では、Ready At Dawnが独自に開発した“シネメーレー(Cinemelee)”と呼ばれるシステムが使用されている。映像を見ていると、画面にボタン連打の操作が表示されるのに加えて、まるでムービーかと思うようなハイクオリティなCGで表現されているため、最初はいわゆるQTEのような操作なのかと誤解してしまった。
だがヴェーラスリヤ氏の説明によると、プレイヤーは敵であるライカンを中心として自由に回り込むことができる他、攻撃を仕掛けるタイミングなどもプレイヤー自身でコントロールできるという。まるで映画のように迫力のある映像と、こうしたインタラクティブな操作の融合が、シネメーレーの特徴となるようだ。
▲ナイフを手にして、ライカンと対峙するガラハッド卿。敵であるライカンを中心にして、その周囲をグルリと回り込むことができる。 |
▲こちらから攻撃を仕掛けたり、逆に相手から攻撃を仕掛けられたりすると、ボタン連打のアクションで攻防が繰り広げられる。 |
続いての実機デモで披露されたステージは、反乱軍が占拠している建物の内部に、ガラハッド卿が騎士団の仲間とともに突入するという展開が用意されていた。ここではTPSらしい銃を使った戦闘が楽しめるようになっており、カバーポジションを巧みに使って隠れながら、敵を倒していく様子を見ることができた。
また、ステージ内には通常は開けることのできないドアが存在しており、電子回路に影響を与える機械を使用することで、ドアを開けて中にあるアイテムなどを入手できるといった要素も紹介された。
ウィーラスリヤ氏によると、本作では半獣や反乱軍を相手にして戦う激しいバトルと、ステージを探索して謎解きに挑む展開とが、バランスよく盛り込まれているのだという。
▲銃を手にして戦うステージ。リアリティを重視しているためか、本作では一撃のダメージが重くなっているので、カバーポジションに入って敵の銃弾を避けることが重要になる。 |
ヴェーラスリヤ氏によるプレゼンテーションが終了した後は、ゲーム中のステージを実際に試遊することができた。試遊できたステージは、ロンドンの中心部に実在する“ウェストミンスター橋”での戦闘となっていた。先にも説明したように、架空の歴史の中でも徹底したリアリティを追求している本作では、こうした実在の場所が舞台になることもあるそうだ。
とはいえ、ウェストミンスター橋の上には現実と違い、多数のバリケードが築かれている。このステージでは反乱軍の攻撃を撃退しつつ、橋の上にある馬車の内部で孤立している騎士団の仲間を救出することが目的となるようだ。
▲このステージでは、ロンドンにあるウェストミンスター橋が戦場となっている。木箱やバリケードで身を隠しながら、反乱軍に包囲された馬車を救出するために前進していく。 |
主人公のガラハッド卿は、騎士団の新装備である“アークガン”を装備している。アークガンはR2トリガーを引き続けると電流をチャージし、トリガーを放すと電撃を一気に放出して、敵に強力なダメージを与えることができる。ただしため撃ちが必要なため、こちらに向かって突撃してくる敵に対して、素早く対処することは難しい。
反乱軍には通常の兵士に加えて、“ショットガン兵”と呼ばれる防弾装備の強力な兵士が存在しており、出現すると仲間のNPCが「気をつけろ!」と声をかけてくる。筆者の場合は、アークガンをチャージしている間にショットガン兵に接近されて、倒されてしまうという事態になってしまった。
アークガン以外にも、倒した敵の武器を拾って装備することができるのだが、実際に使用してみた感覚では、連射できるが一発ごとのダメージは低い自動小銃や、一撃のダメージは大きいが弾数の少ないショットガンなど、本作ではそれぞれの武器の特徴がかなり強調されているという印象を受けた。
そのため、カバーポジションに隠れて周囲の状況をよく観察して、その場にふさわしい武器を装備するといった戦略を、しっかりと考えることが重要になるようだ。
▲騎士団専用のアークガンは、攻撃力は高いものの発射までに時間がかかる。本作ではこうした武器ごとのクセを把握して、状況に応じて使い分けることが必要となる。 |
▲ブラックウォーターによって数世紀もの年月を生き延びる騎士といえども、決して不死身ではない。うかつに突っ込みすぎると、敵の銃弾に倒れてしまうことも。 |
そうしたTPSとしての手応えはもちろんだが、本作では登場人物の服装から建物や武器のデザインに至るまで、細部まで緻密に作り込まれた世界観が大きな魅力となっている。
今回の試遊では、ストーリー的な部分にはほとんど触れることができなかったが、それでもビクトリア朝時代のロンドンの風景とハイテク技術、そして“円卓の騎士”といった伝説が混在している独特の雰囲気は、いったいどのような展開が繰り広げられるのかとワクワクさせてくれた。
発売されたゲームをすでに手にしている人もそうでない人も、この『The Order: 1886』の全貌を、ぜひ自分自身で体験してみてほしい。
▲プレゼンテーションの会場には、本作の世界観を表現した展示物も用意されていた。ガラハッド卿の立像やアークガンのレプリカは、いずれも原寸大の大きさとなっており、存在感が非常によく伝わってくる。 |
▲展示物の中でもひときわインパクトがあったのが、全部で2メートル以上もある巨大な生物の骨格標本だ。半獣の骨だと思われるが、こんな相手と戦うことを考えるとゾッとする。 |
(C)2015 Sony Computer Entertainment America LLC. Created and developed by Ready At Dawn Studios LLC.
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