2015年2月18日(水)
『結城友奈は勇者である 樹海の記憶』は1粒で2度美味しい! その特徴を五箇条で紹介
2月26日にフリューから発売されるPS Vita用ソフト『結城友奈は勇者である 樹海の記憶』。本作は、2014年に放送されたTVアニメ『結城友奈は勇者である』を題材にしたアクションゲーム。TVでは描かれなかったオリジナルストーリーが楽しめる。
この記事では、本作を遊んだライターのプレイレポートをお届けします。お互いに影響し合う3つのゲームモードについて解説しつつ、本作のポイントを五箇条にならってお届けしていく、発売を楽しみにしているファンも要チェック!!
■一つ、3つのモードで『ゆゆゆ』を堪能! ファンなら遊んでおきたいサービス満載の1本!
皆さん、こんにちは! 女の子同士の友情とか日常とか悲劇とか、そういうアニメを見ると、なんだか涙腺が緩みっぱなしで、無限の星がかすみがちになるオッサンライター・まさんです。カワイイ女の子が活躍しつつ、あんなことやこんなことになっていく『結城友奈は勇者である』は、ボクの心にグサグサと刺さったアニメなのですが、そんな『ゆゆゆ』がついにゲーム化! この記事では、本作のレビューをお届けしていこうと思います。
さっそく本作を遊んでみたのですが、プレイして真っ先に感じたのは、想像と違って“まったく違う2つのゲーム”が入っているようなゲームだということでした。
“ストーリーモード”と“ミッションモード”は、友奈たちを操作して敵を倒していくアクション。“イベント鑑賞”は、原作で見たかった日常イベントを思う存分楽しめるアドベンチャー。片方がオマケなわけではなく、どちらもしっかりとしたボリュームがある。これが、まったく違うゲームが2つ入っていると感じた理由です。
それぞれのモードも完全に独立しているわけではなく、たとえばストーリーモードやミッションモードを遊ぶと、イベント鑑賞で見られるイベントが開放。逆にイベント鑑賞の中身を開放していくと、アクション時の能力が上昇したりコンボが増えたりといった恩恵が発生する仕組みになっています。
▲選べるイベントが横一列に揃えば、能力の上昇やコンボ数の増加といった恩恵が得られます。それぞれのモードが相互に関係しあっているため、やり込めばやり込むほど、いろいろな要素が楽しめる仕組みです。 |
なお、誤解されそうなので先に言っておきますが、本作の“イベント鑑賞”は、いわゆるイベント回想ではありません。イベント鑑賞で見られるショートイベントは、ストーリーモードのメインストーリーとは異なる新規イベントのみ。
つまり『ゆゆゆ』っぽいシリアス成分の入ったアクションをプレイしていけば、ドタバタ劇のアドベンチャーも楽しめるって寸法です。アニメの設定を活かしたシリアスな話が見られるメインストーリーと、アニメでももっと見たかった日常ドタバタ劇が見られるイベント鑑賞。どっちも楽しめるなんて、ぜいたくな作品だと思いませんか?
というわけで、ここからはそれぞれのパートについて触れていくことにします。
■一つ、ストーリーモードとミッションモードの紹介はきちんと! ザコ戦はゆるゆる、ボス戦はガチで戦える本格アクション!!
本作の中心となる“ストーリーモード”。ここでは、勇者部の5人から好きなキャラクターを選び、アクションで敵と戦っていきます。物語は1話につき1つのステージで構成されており、ザコ戦をこなして移動してから奥にいるボスと戦うのが基本的な流れ。ボスを倒すと封印の儀に移行するので、あとは逃げ回る“御霊”を撃破すればクリアとなります。
▲フィールドはエリアで区切られています。特定のザコを倒していくか、隠されたカギを見つけると奥のエリアに進めるようになるので、マップを見ながら効率よくガンガン進んでいきましょう! |
ちなみに難易度は、デフォルトの“普通”ならザコ戦は楽勝。ボス戦はきちんと相手のモーションや攻撃を見極めないと苦戦するといった印象です。特にボスは倒すのに苦労するだけではなく、封印の儀の後も油断は禁物。封印の儀の最中は時間制限が短くなるうえに、御霊が思いっきり逃げ回るので滅茶苦茶あせりますよ!
とは言え、アクションが苦手な人でも安心。難しく感じるときはレベルを上げて友奈たちを強くするか、難易度を“易しい”に下げればいいのです。ここらへんは、キャラゲーらしい救済措置といった感じでウレシイですね。歯ごたえのあるアクションを遊びたい人は、難しい以上の難易度でどうぞ。
それとアニメでも強力だった“満開”に頼って進むのもアリです。原作では使うとヤバいデメリットがありましたが、このゲームでは満開を使ってもデメリットがまったくないので使い放題! その威力はボスの体力をゴッソリ削れるくらい強力なので、切り札としてバンバン使っていけます。満開に必要なゲージも、攻撃やジャストガードでガンガンたまるので出し惜しみする必要は0ですよ。
満開が何度も使える理由はストーリーに関係してくるので言えませんが、ここらへんもちゃんとアニメを踏まえたうえで設定されています。アニメ版を見ていたファンなら納得すると思いますし、せっかく使えるのですからバリバリ使っちゃいましょう! 演出もド派手でカッコイイですしね。
▲満開時には特殊な演出が入ります。原作のようにデメリットがあると罪悪感を感じちゃいそうですが、本作ではありませんので(その理由は作中で明らかになります)気にせず使っちゃいましょう! |
そんな感じで、全キャラをひと通り触って思ったのですが、このモードの魅力は何と言っても友奈たちを操作できることにつきるのではないでしょうか。原作を忠実に再現した3Dモデルはとにかくカワイイ! 3Dアクションだから背面視点が基本なのですが、クルッと回転させて表情を見てみると、ちゃんと作り込まれていてアップでスクリーンショットを撮影したくなるくらいです。
いや、そんなことしてないで先に進めよ、と言われてしまいそうですが……。表情や動きも細かいですし、性能も全員違うので、動かしているだけで結構楽しめるんですよ。自分が使っていないキャラクターも、スマホの通信でちょくちょくしゃべりかけてくるので、わりとにぎやかなのもイイ感じです。
■一つ、各キャラクターの特徴を解説! 勇者たちの攻撃アクションは再現度バッチリ!!
プレイヤーキャラクターとして使える5人は、原作通りの武器やアクションでカッコよく戦ってくれます。ここでは、各キャラクターがゲームでどんな感じで再現されているのか、自分が遊んでみた範囲で軽く触れてみることにしました。
結城友奈(声優:照井春佳) |
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パンチやキックなど、得意の格闘アクションで戦う主人公。リーチが短いという弱点はあるものの、手数の多さと周囲を蹴れる強攻撃が便利なので、ガンガン敵を蹴散らしていけます。
コンボも、空中に浮いて安全な位置からカカト落としをするといった集団戦で役立つものが揃っていて、非常にオーソドックス。ゲームに慣れていない1周目に選んでみるのがオススメな主人公タイプですね。
リーチが短くてボス戦だと相手に届きにくいので、ジャストガードでゲージをためてから満開を当てていくのがカギになるかも?
東郷美森(声優:三森すずこ) |
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ライフルやショットガンなどの遠距離攻撃で戦うため、リーチはもっとも長い東郷さん。リーチは長いのですが、なんと左スティックによる移動が不可能という大きいハンデが! ジャンプか回避行動による移動しかできないため、ゲーム的な難易度はおそらく一番高いと思われます。とはいえ、東郷さんだけ左スティックを倒さずに攻撃すると自動ロックオンされる機能が付いているので、遠い高台からバーテックスの動きを観察していれば攻撃ボタンをバシバシ押してるだけでもなんとかなったりもします。
確かに足は動かないけれど……難しくなることがわかっていて、あえて原作再現を取るスタッフに原作愛を感じますね。もちろん、移動が制限されているので、ボス戦はかなり厳しめです。移動の微調整が難しいので、他のキャラクターを使ってアクションに慣れてから遊ぶか、しばらくはレベルアップに徹してキャラ自体の性能を上げたほうがいいかもしれません。
とはいえ、彼女のストーリーモードで開放されるイベント鑑賞は、“あのキャラ”の分も兼ねていると考えると……やっぱり使いたくなりますよね?
犬吠埼風(声優:内山夕実) |
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自分の2倍以上ある大剣を振り回して戦う部長。近接特化に思えますが、リーチが長くて攻撃範囲も広いです。ただ、剣が重たいのか、攻撃が大振りでスキがあるという弱点もあります。その分、威力の高さは魅力的。
何よりもデカい剣をぶん回して戦うのは、使っていて気持ちイイ! 満開時のさらにデカくなった剣で、べたーんとぶったたくのもいいんですよ。
あと、これは完全に余談なのですが、個人的には戦っていないときのほうが好きなんですよ。ストーリーモードでもイベント鑑賞でも、原作以上にうどんを食べているのにほっこりしました。
犬吠埼樹(声優:黒沢ともよ) |
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手首の装備から、ワイヤーのように蔦を伸ばして攻撃します。リーチというよりも攻撃範囲が広く、ザコ戦に強いです。ただ、動きがそこまで早くないのと威力が弱く感じるので、ボス戦では満開の使い方が他の子より重要になるかも。
本作のストーリーがTVアニメ3~4話の時間軸なので彼女のカワイイ“声”も聞き放題ですし、満開してもデメリットはありません。気にせず満開しまくっちゃいましょう!
三好夏凜(声優:長妻樹里) |
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演武のような二刀流がなんとも凛々しい。実際に実力がある彼女ですが、もしかしたら、このゲームで一番強いのではないでしょうか? いえ、別に夏凜が好きだから、ひいきしてるわけじゃないですよ! スピードが速いし、二刀流で攻撃を当てやすいので、ザコ戦でもボス戦でも使いやすく感じました。個人的な感想ですが、初心者救済的な性能のキャラクターになっていると思いました。
1周目で遊ぶキャラクターや、ミッションモードで使うなら、個人的に彼女がオススメだと思います。強いし、やっぱりカワイイですしね。別に夏凜が好きだから、ひ(略)。
■一つ、イベント鑑賞は日常系イベントがテンコ盛り! 時間軸や季節はこの際気にするな!!
このゲームのもう1つのメイン。それが“イベント鑑賞”。本作では“ストーリーモード”や、タイムアタックなどのやり込みを行う“ミッションモード”をクリアしていくことで“イベント鑑賞”で見られるイベントが増えていきます。
先ほども言いましたが、これは、よくあるイベント回想モードではありません。開放されるイベントは季節イベントや日常系の小エピソードになっており、ストーリーモードの物語とはまったく異なる新規イベントになっています。
メインストーリーは、勇者部として戦うシリアスな話が中心でしたが、こちらはアニメの時系列や季節などはいい意味で完全に無視! タカヒロ氏&Studio五組による監修のもと、思いつく限りの日常系ドタバタ話や季節イベントが詰め込まれているアドベンチャーゲームになっているのです。
▲バカバカしいイベントから、これが見たかったという水着姿や季節の行事が盛りだくさん。勇者部の幸せな日常をたっぷり楽しめます! |
アニメは中盤からキツイ展開で、ほのぼのとした日常シーンが描かれることはほとんどない感じになっていましたが、ギャグとドタバタ中心の日常イベントをもっと見たい……そんなファンにはたまらないモードです。もちろん、原作サイドが完全監修しているだけあって、キャラが違っているとか、壊れているなんてこともありません。アニメのキャラクターを保ったまま、勇者部のドタバタな日常が見られます。とりあえず、バーテックスのことは忘れてOK!
多くのファンが見たかったであろう夏休みや冬のイベントが多く用意されていますし、(全部を遊んだわけではありませんが)1つ1つの長さも相当なもの。ボリューム的にも満足できると思います。もしアクションパートが入っていなかったとしても、このイベント鑑賞だけで元が取れるのではないでしょうか? それくらいバリエーション豊富で質も高いです。
なお、イベントの中にはストーリーモードで“副目標”を達成する必要があるものや、ミッションモードをクリアする必要があるものもあり、これらをクリアして開放していくのも楽しみの1つです。
“ノーダメージでボスまでたどり着け”といった一見キツそうな目標も少しありますが、ストーリーモードなら友奈たちの強化や難易度の変更、ミッションモードならキャラクターを変えることで乗り越えられる程度の難しさ。基本的には、遊んでいるだけでどんどん新しいイベントが見られるので「アクションが苦手でイベントだけを見たい!」といった人もここはぜひ頑張っていただきたいと思います。
▲東郷さんの“一番大切な日”って……? もちろんこの他にも楽しいイベントやシチュエーションが盛りだくさんですので、お見逃しなく! |
■一つ、『結城友奈は勇者である 樹海の記憶』はファンなら押さえておくべきである!
こうして語ってみましたが、『ゆゆゆ』は、かなりファンに向けたゲームだということがわかってもらえたんじゃないかと思います。いわゆるアニメのゲーム化というと、日常系のアドベンチャーだけで物足りなかったり、逆にアクションしか楽しめなかったりといったことが多いのですが、本作はゲーム的なアクションも、お話としてのアドベンチャーも両方楽しめる、ちょっとお得な作品です。
アニメを楽しんだ人たち(※中でも日常系を期待していたらワナにはまって最後まで見た人たち)へのファンサービスが強いゲームなので、『ゆゆゆ』の世界をもっと見てみたい、特に幸せな友奈たちの日常が見てみたいファンなら、遊んでみて損はないと思います!
あと、相変わらずのうどん推しなので、プレイすると無性にうどんが食べたくなりますね。オジサンなのに女子力が上がりそうです(笑)。
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