2015年3月23日(月)

4月2日発売の3DS『テラフォーマーズ』を紐解く。火星を舞台に繰り広げられる人類と害虫の王の戦いとは

文:megane

 フリューは、3DS用ソフトとして『テラフォーマーズ 紅き惑星の激闘』を4月2日に発売する。本記事をはじめとする特集では、発売がいよいよ3週間に迫った本作についてさまざまな角度から『テラフォーマーズ』という作品について紐解いていく。まずはゲーム版『テラフォーマーズ』の概要についてお伝えする。

『テラフォーマーズ』

 ゲーム版『テラフォーマーズ』では、2014年に単行本に同梱されたOVA前後編と、2014年9月から12月まで放映されていたアニメ版を追体験できるストーリーが展開される。火星にてテラフォーマーとして強大な進化を遂げた害虫の王、そして火星を由来として地球で致死率100%を誇る“A・Eウィルス”。A・Eウィルスに対抗できるワクチンを作るため、地球から選抜隊が火星に向かうというのが、『テラフォーマーズ』の骨子となる。

『テラフォーマーズ』

【あらすじ】

 人類の増加により、人類による火星へのテラフォーミングが計画された21世紀の中頃、火星に特殊な苔とゴキブリが大量に放たれる。それから約500年が経過した2577年、火星の調査のため、宇宙飛行士6人を乗せた宇宙船・バグズ1号が火星へと降り立つ。

 しかし、火星へ到着したバグズ1号を待っていたのは、人間大の姿に進化し、人間を遙かに凌駕する力を持つゴキブリたちだった。到着後、なすすべもなく全滅してしまうバグズ1号のメンバーたちだったが、そのうちの1人であるジョージ・スマイルズによってサンプルが地球へと送られる。そしてそのサンプルを元に、人類は昆虫の力を身に付ける“バグズ手術”という新たな技術を身につける。

 それから22年経った2599年、火星に残る害虫の王たちを一掃するという名目で、15人のメンバーで構成された宇宙船・バグズ2号が再び火星の地に到着する。ドナテロ・K・デイビスを艦長としてバグズ手術により昆虫の力をつけた彼らだったが、テラフォーマーたちの力は強く、そして大量だった。生存者として地球に戻ったのは、小町小吉と蛭間一郎の2人のみ。

 それから20年、地球では火星を由来とする致死率100%のA・Eウィルスが猛威をふるっていた。このA・Eウィルスのワクチンを作るべく、火星へ再び渡ってテラフォーマーを捕獲するアネックス計画が立ち上がる。乗務員にはバグズ手術を発展させた“M.O.手術”が施されたメンバーが採用され、総勢100名でテラフォーマーとの戦いに挑む。

■9人のプレイアブルキャラクターを使用して火星を戦い抜け

 本作は、バグズ2号計画で生存者となった小町小吉を艦長とするアネックス1号が再び火星へと向かい、火星に到着する所から始まる。アネックス1号は、6名の幹部と94名のメンバーの計100名で構成されており、ゲームでは、5名の幹部と4名のメンバーをプレイアブルキャラクターとして使用できる。ここではその9人のキャラクターを紹介する。

■第二班 メンバー:膝丸 燈
 特性:オオミノガ

『テラフォーマーズ』

 絶滅危惧種であるオオミノガの特性を持つ。古流武術とオオミノガの力を合わせて戦うが、ミッシェルと同様に別の特性も持つ。A・Eウィルスに侵された幼なじみを救うために、非合法トーナメントに参加して賞金を稼いでいたが、その場に小吉とミッシェルが訪れ、アネックス計画へとスカウトした。


●アネックス1号艦長兼第一班 班長:小町小吉
 特性:オオスズメバチ

『テラフォーマーズ』

 2599年のバグズ2号での生存者であり、2620年のアネックス1号艦長。年齢は42歳。バグズ手術のみで、能力を向上させるM.O.手術は受けていないが、基本的な戦闘能力の高さにより、マーズ・ランキング3位まで上り詰める。正義感が強く、涙もろい場面も。


●アネックス1号副長兼第二班 班長:ミッシェル・K・デイヴス
 特性:パラポネラ(弾丸アリ)&バクダンオオアリ

『テラフォーマーズ』

 バグズ2号の艦長だったドナテロ・K・デイヴスの娘であり、父の特性であるパラポネラを遺伝している“奇跡の子”。その上でM.O.手術により、バクダンオオアリの特性を持つ。パラポネラの特性によって筋肉が異常に発達しており、体重が85kgもある。またバクダンオオアリの特性で揮発性の液体を出し、敵の体内に流し込むことで、体内から爆発させて倒すことができる。ただし、手加減ができないため捕獲には向かない。


■第三班 班長:シルヴェスター・アシモフ
 特性:タスマニアン・キング・クラブ

『テラフォーマーズ』

 ロシア支部の隊長で柔道7段の段位を持つ、巨漢の男性。娘がA・Eウィルスに侵されていることを知り、アネックス1号計画に参加する。甲殻類であるタスマニアン・キング・クラブの特性を生かし、テラフォーマーから殴られても致命傷にならない他、至近距離からの弾丸からも身を守る。また、手足を切り落としてもまた再生させることができる。


■第五班 班長:アドルフ・ラインハルト
 特性:デンキウナギ

『テラフォーマーズ』

 M.O.手術の実験台として、人類初のM.O.手術の成功例となった。デンキウナギの特性を利用し、全身の筋肉に発電器官を備える。マーズ・ランキングは2位であり、その電気は殺傷・捕獲にも最適である。他のメンバーに対して、一見して冷酷な態度を見せるが、心優しい性格を持つ。


■第六班 班長:ジョセフ
 特性:不明

『テラフォーマーズ』

 第6班の班長であり、プレイボーイな言動が目立つ24歳。専用武器は剣で、それだけでテラフォーマーたちを切り伏せられる超人類。マーズ・ランキング1位。ニュートンの一族と言われ、人間の限界を超えているとも。どの特性を持っているかも、いまだにわかっていない。


■第一班 メンバー:マルコス・エリングラッド・ガルシア
 特性:アシダカグモ

『テラフォーマーズ』

 貧困街で生まれ育ち、幼なじみのアレックスとともにギャング団と諍いを起こし、ともにアネックス計画に志願する。テラフォーマーたちの天敵とも言えるアシダカグモの特性を生かし、テラフォーマーを上回るスピードで攻撃ができる。一方でアシダカグモと同様に持久力に劣る場面も。


■第一班 メンバー:鬼塚慶次
 特性:モンハナシャコ

『テラフォーマーズ』

 全生物の中でも屈指の目のよさを誇るモンハナシャコをM.O.手術に施した、ボクシングライト級の元世界王者。人間には見えない不可視光線も見える目に加えて、固い貝を割るパンチ力を身につけている。女性には決して攻撃しないという信念を持つ。


■第三班 メンバー:アレクサンドル・アシモフ
 特性:スマトラオオヒラタクワガタ

『テラフォーマーズ』

 第3班班長であるシルヴェスター・アシモフの娘・ジーナと結婚しており、シルヴェスターの義理の息子にあたる。クワガタの特性として、両手はテラフォーマーを切断できるほどの切れ味。全体的に地味だが、軍人として優秀である。

 また、プレイアブルキャラクターの他にも、三条加奈子やアレックス・K・スチュワートといったアニメで活躍したキャラクターもサポートキャラクターとして登場。使用していないプレイアブルキャラクターやこのサポートキャラクターを同行させて、援護攻撃を行わせることが可能だ。

●第四班 班長:劉 翊武(特性:ヒョウモンダコ)

『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』
▲ヒョウモンダコの能力を使い、テトロドトキシンといった毒攻撃や触手を利用した攻撃を行う。

●第二班メンバー:アレックス・カンドリ・スチュワート(特性:オウギワシ)

『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』
▲オウギワシの握力、視力を生かした投球による長距離攻撃を行う。

●第一班メンバー:三条加奈子(特性:ハリオアマツバメ)

『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』 『テラフォーマーズ』
▲加奈子が持つハリオアマツバメの特性により、時速300km/hを超えるスピードで飛行してテラフォーマーたちを切り裂く。

●第一班メンバー:ジャレッド・アンダーソン(特性:シャチ)

『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』 『テラフォーマーズ』
▲シャチの能力を活用して、広範囲の索敵が可能。

●第三班メンバー:イワン・ペレペルキナ(特性:チョウセンアサガオ)

『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』 『テラフォーマーズ』
▲チョウセンアサガオの能力を使い、敵に幻覚症状を起こさせて動きを止める。

■ストーリーモードでTVアニメを追体験!

 ゲームモードは、ストーリーモードとチャレンジモードの2つが用意されている。ストーリーモードでは、前述のようにアニメ同様のストーリーが展開され、『テラフォーマーズ』の物語を追体験できる。チャレンジモードでは、ストーリーモードよりも難度の高いバトルがいくつも用意されている。

『テラフォーマーズ』

 ストーリーモードは用意されているミッションを選択してプレイしていく形となり、物語を進めるメインミッションとそれ以外のサブミッションの2つがある。

『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』
▲アニメと同様に緊迫感あふれるシーンが再現される。

 メインミッションは赤い六角形のマスで表され、サブミッションは緑のマスで表されている。物語では、6班に分かれたアネックス1号のメンバーたちが火星に別々の場所に降り立つため、アネックス1号を中心とした周囲にメインミッションが表示される。

『テラフォーマーズ』
▲赤いマスがメインミッション、緑のマスがサブミッションを表している。

 アクションシーンでは、上画面にテラフォーマーたちと戦う画面が、下画面にさまざまな情報が表示される。ここでは各画面に表示されているゲージ類や要素の解説を行おう。

『テラフォーマーズ』
▲上下の画面にそれぞれ情報が散りばめられている。

 上画面に表示されているゲージは、自分の体力、薬の数、薬の耐性ゲージ、そして敵の体力ゲージの4つ。アネックス1号のメンバーたちは薬を使うことで、“M.O.手術”によって自らの肉体に施した“人為変態”を引き起こすことができ、強力なバースト状態となって戦うことができる。しかし、アニメでも薬の使い過ぎは寿命を縮めるという設定があったように、バースト状態で耐性ゲージの赤い部分まで到達してしまうと、暴走状態になって防御力が低下するなどのリスクもある。

『テラフォーマーズ』
▲上画面。自分の体力や敵の体力、そして薬の耐性ゲージなどが表示されている。

 下画面ではミッションの目的やミッションで訪れたフィールド内での現在地、プレイヤーキャラクター、そしてサポートキャラクターと使用できるサポートの残数が表示されている。

『テラフォーマーズ』
▲下画面。プレイアブルキャラクターはアレクサンドルで、サポートキャラはシルヴェスターとイワンの2人。シルヴェスターはあと4回呼び出せる。

 戦闘中にサポートキャラのアイコンにタッチすると、そのキャラクターによる援護攻撃が行われる。それぞれのキャラクターが持つ能力を駆使して、画面内にいるテラフォーマーへの全体攻撃を行ったり、動きを止める攻撃などを行い、うまく使いこなせばピンチ状態を凌ぐこともできるだろう。

 その他、ボスや特定の敵に対して一定のダメージを与えるなどの条件を満たすと、“アクティブバトルイベント”が発生する。上画面に表示される指示に従ってボタンを押すことで、ダメージを与えることができる。失敗すると逆にダメージを受けてしまう。

『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』
▲『テラフォーマーズ』の山場の1つであるアドルフと、高い知能でテラフォーマーたちを統率していたスキンヘッド型との戦いの場面。

 また、テラフォーマーを倒した時にアイコンが表示されることがある。この際にボタンを押し続けるとテラフォーマーを捕獲できる。ただし、捕獲中は動くことができず、他のテラフォーマーから攻撃を受けてしまうと、捕獲が失敗となってしまう。

『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』
▲アイコンが表示されたら捕獲の準備。捕獲をするとスコアとして加算される。

 捕獲は『テラフォーマーズ』を語る上でなくてはならない要素の一つ。なぜならば、アネックス1号のメンバーが火星に行く大きな理由が、A・Eウィルスのワクチンを作るためだからである。このA・Eウィルスは、培養ができないため地球ではワクチンを作ることができない。そのため、テラフォーマーを大量に捕獲し、サンプルとしてワクチンの研究を進める必要があるというわけだ。

■原作者の貴家先生・橘先生考案&描き起こしによる
 オリジナルテラフォーマーが登場!

 コミックやアニメには登場しない、オリジナルのバグズ型となる4体のテラフォーマーが本作には登場する。

●フンコロガシ型

『テラフォーマーズ』

 フンコロガシの特性を持つテラフォーマー。自身や仲間の糞、もしくは死肉の破片を転がし巨大な球状の塊を作り、強靭な後足で蹴飛ばして攻撃を行う。

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●ジャンピング・チョーヤ型

『テラフォーマーズ』

 ジャンピング・チョーヤの特性を持つテラフォーマー。もともと空気の振動で棘を飛ばす殺人サボテンといわれているが、テラフォーマーにとり込まれることにより、さらにその特性はパワーアップ! 無数の棘を広範囲に飛ばして攻撃してくる。

『テラフォーマーズ』 『テラフォーマーズ』

●ヌタウナギ型

『テラフォーマーズ』

 ヌタウナギの特性を持つテラフォーマー。全身が粘液で覆われており、敵からのダメージを軽減することできる。また、この粘液を飛ばすことで敵の自由を奪うことも可能である。

『テラフォーマーズ』 『テラフォーマーズ』

●ウロコフネタマガイ型

『テラフォーマーズ』

 ウロコフネタマガイの特性を持つテラフォーマー。硫化鉄の鱗を甲冑のように全身に纏っており、打撃、雷撃、銃による攻撃ではほとんどダメージを受けない。また、両手両足は鋭利な刃物のように、あらゆる金属を引き裂くことができる。

『テラフォーマーズ』

 これらのテラフォーマーは、イラストだけでなく細かい設定まで用意されており、ゲーム内での登場が楽しみな敵キャラである。

■マテリアルを使用してキャラクターを成長させろ

 テラフォーマーを倒したり、ミッションをクリアするとマテリアルとよばれるものを入手できる。このマテリアルを使用するとキャラクターをパワーアップさせることができる。マテリアルで強化できる項目は攻撃や防御、体力といった各ステータスの他、コンボ回数上限やサポートの回数を増やしたりできる。

『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』

 前述したチャレンジモードでは、このマテリアルをストーリーモードよりも多く手に入れることができる。こうして手に入れたマテリアルで強化したキャラクターをストーリーモードで使うことも可能なので、ストーリーモードで敵が強くて詰まってしまった時などの育成モードとして利用できる。

『テラフォーマーズ』

■全国のプレイヤーと順位を競える“超・マーズランキング”

 アニメにはアネックス1号メンバー100人の強さの序列を決める指標として“マーズ・ランキング”というものが存在する。これをインターネット上でプレイヤーにあてはめるのが超・マーズランキングだ。元となるマーズ・ランキングは、強さそのものだけでなく捕獲能力などもあわせて計測され、登場人物たちはこのランキングの上位を常に目指していた。

『テラフォーマーズ』
▲インターネットを介してランクを競う、超・マーズランキング。

 超・マーズランキングでは、用意された12のミッションから1つを選んでプレイし、クリア後にインターネットを介してランキングデータをアップロードすることで、ランキングに臨むことができる。ミッションクリア時のスコアでランクが競われ、上位100位までが表示される。

 ちなみにアニメでのマーズ・ランキング1位は“人類の到達点”とも言われ、すべてにおいて高い能力を持つジョセフ・Gニュートン。2位は“M.O.手術”の基礎ともなったアドルフ・ラインハルト。3位には小町小吉とシルヴェスター・アシモフの2人が。そして、5位にはミッシェル・K・デイビスとアネックス1号の幹部がそれぞれランクインしている。なお、第4班の班長である劉翊武は幹部の1人ながら44位とランキングは振るわないが、これにはある理由がある……。

■予約特典で“金のテラフォーマー”が使用可能に!

 なんと敵であるテラフォーマー、それも金色に輝くテラフォーマーをプレイアブルキャラクターとして使用することができる。

『テラフォーマーズ』
『テラフォーマーズ』 『テラフォーマーズ』
▲画面写真を見る限り、その体躯を生かした攻撃を行うようだが……。
『テラフォーマーズ』
▲なんとテラフォーマーの捕獲までも行う?

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 以上が現在判明している本作の主な内容となる。ストーリーモードのミッションではどのような物語が展開していくのか? またサブミッションはどのような内容になっているのか? 各キャラクターの強さはどうなのか? まだまだ詳細が明らかになっていない部分は多いが、4月2日の発売に向けて、今後もお伝えしていくのでお楽しみに。

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