2015年3月11日(水)
KADOKAWAが展開するトレーディングカードゲーム『アンジュ・ヴィエルジュ』の第7章『光輝の風と深闇の盾』が3月5日に発売されました。
この記事では、『アンジュ・ヴィエルジュ』の荒井・大和田両プロデューサーに、『光輝の風と深闇の盾』の見どころやオススメのカードを中心にインタビューしました。また、これから『アンジュ・ヴィエルジュ』を始める人にもぴったりな『スターターデッキ2015』や、先日発表されたロードマップについても伺っています。
▲新能力の“シールド”と“ラッシュ”を全身で表現してもらいました。 |
――さっそくですが、第7章『光輝の風と深闇の盾』のコンセプトを教えてください。
荒井さん:第7章の全体的なコンセプトは“シフト”です。ちなみに、第6章『救済と希望の剣』が“奇跡”や“希望”など、リンクがテーマでした。実はこの関係ですが、過去発売した第2章『黒き夜の奇跡』と第3章『絶対進化の切札たち』と同じになっています。気付きましたか?
『アンジュ・ヴィエルジュ』の基本的なゲームシステムの1つである“シフト”を使って、4つの盤面をどのように構成して戦っていくかを楽しんでもらえるようなカードを収録しました。
そんなわけで、“シフト”で登場した時にお得な効果がある“ラッシュ”と“シールド”が新しいキーワード能力になりました。
▲“ラッシュ”と“シールド”を持つカード |
――“ラッシュ”と“シールド”は、初登場の能力ながらサイクル(各色に同じ能力のカードが収録されていること)になっていません。これはなぜでしょうか。
大和田さん:最初はサイクルを考えていました。しかし『アンジュ・ヴィエルジュ』は5つの色がありますが、原則的にそれを気にせず自由にプレイできるゲームですので、色ごとに同じ能力である必要はないかなと考えました。テストプレイを続けて、色やフレームの特徴にあわせた多くの種類のカードを作っていくことにしました。
――具体的に、どのようにゲームで使っていけばいいのでしょうか。
荒井さん:慣れるまでは、構築時には「とりあえず入れてみるか」くらいの感覚で、あまり気にしなくていいです。しかし、初めて手札に来た時にどういう順番でプレイすればいいのか悩むと思います。まずは、そこでゲームプランの組み立てを考えてみてください。
『アンジュ・ヴィエルジュ』は相当変わった構築にしなければ、だいたいどんなデッキでもそれなりに遊べるようになっています。今使っているデッキから何枚か抜いて、同じレベルの“ラッシュ”や“シールド”を持っているカードを入れていくといいでしょう。
ただ、“本来レベル2のカードだけど、レベル3として運用できるカード”とはアンチシナジー(うまくかみ合っていない関係)になっているので、今までいろいろなデッキに無条件で採用されていたカードも、本当にデッキに入れるかどうか考えてもらうきっかけになるでしょう。
他にも、《薔薇園の主 リゼリッタ》や《特務隊新兵 ユニ・ジェミナス》などの効果で登場すると“ラッシュ”や“シールド”は発動しません。主力のカードだけでなく、いままでとりあえず入れていたサポート用のカードも変わっていくかなと思っています。
大和田さん:ちなみに、最初は“ラッシュ”ではなく“シールド”を作りました。『アンジュ・ヴィエルジュ』は、基本的に“負ける前に勝つ”ゲームなので、そろそろ“負けなければ勝つ”カードを作ってみようかなと思いました。調整段階では、ダメージが0になるのではなく、カードをドローしたりする能力など、さまざまなテストをしました。
その後、新弾の特徴が「守りに強いカードができました!」だけでは地味なので、攻めに強い新機軸のカードとして“ラッシュ”も作りました。結果的に矛と盾のような存在になり、第7章のタイトル『光輝の風と深闇の盾』につながったわけです。
――キーワード能力以外にも、新要素が加わっています。まずは、ストライクが付いているフレームカードがありますが、このカードの使いどころはどこでしょうか。
▲今回の新機軸となるストライクのあるフレームカードたち |
荒井さん:これは、ある日とうくらさん(『アンジュ・ヴィエルジュ』のカードデザイナー)から突然提案されて、僕が「いいね!」と即採用したカードです。単純に序盤から打点が増える大きなメリットがあります。
大和田さん:今までの『アンジュ・ヴィエルジュ』は、最初のターンに《薔薇園の主 リゼリッタ》や《魔石を詠む者 オリヴィア》をとりあえず出しておくのが鉄板だったと思います。しかし、これらのカードは盤面を作る前に攻めるこれまでにない1枚になっています。
リンクが成功することでストライクは2になりますし、もしリンクが失敗したとしても山札がかなり減ります。リメイクまでのスピードも速くなりますので、ガンガン攻めたい人にオススメです。レアリティもコモンで集めやすくなっていますので、皆さん1度だまされたと思って使ってみてください。
――今回、混成フレーム(ΣとΩの両方がリンクに必要なカード)デッキ待望の場に残るブーストを持つ《覚醒 琴吹文》が収録されました。この経緯を教えてください。
▲青の混成フレームを代表するキャラの琴吹文。 |
荒井さん:ちょっと長いので順番に説明しますね。もともと、琴吹文を第7章で収録することは決まっていました。混成フレームのカードも、これまで毎弾少しずつですが収録しています。
テストプレイを進めていくうちに、混成フレームに最終的なパンチ力が欲しくなりました。確かに、混成フレームデッキにもブーストを持つ《理を砕く者 タイプX=01アン》があるのですが、今の混成フレームデッキではあまり使われいないのもまた事実です。
一方、第6章で登場した場に残るブーストが非常に好評で、これの混成フレーム版があってもいいのではないか思っていたところ、「お、ちょうどいいところに文がいるじゃないか」と。そう、文ありきでこのブーストは誕生したのです。さすが文ですね、できる委員長は違います。(※荒井さんは琴吹文がお気に入りです)
――そんな経緯だったとは……。混成フレームデッキだけでなく、エースデッキにも入る1枚ですね。
大和田さん:エースデッキの特徴はフレームに左右されないことですから、ΣとΩをバランスよく採用すれば、“エースデッキと見せかけた混成フレームデッキ”のような活躍をしてくれます。あと、L.I.N.K.sデッキ(※)にも入りますよ。
※L.I.N.K.sデッキ:PRカード《L.I.N.K.s》やL.I.N.K.sメンバー(相坂優歌さん、石原舞さん、高橋李依さん、生田善子さん、山本希望さん)が声を担当しているキャラクター(美海、ソフィーナ、ユーフィリア、ルビー、マユカ)を軸に構成されているデッキ。ファンデッキの枠を超え、使いこなすとかなり強い。
――文をはじめ、第7章ではこれまで登場している多くのキャラクターが再登場している印象があります。
荒井さん:しっかりとそこは意識しています。第5章くらいまでは登場人物を増やしていく方針でした。しかし、キャラクターも多くなってきましたので、そろそろキャラクターの細かい設定をフォローするカードを出していく時期かなと考えています。
今後は、多くのキャラクターでキャラ単デッキを作れるようにしていきたいと思います。今回、葵やロザリーもキャラ単デッキを組めるようになりましたので、ぜひ活躍させてくださいね。
ちなみに、第7章で再登場したキャラが選ばれた裏テーマがあるとするなら“なんとなく春っぽい子”です。発売が春先なので、イラストもそれっぽくなっています。能力だけではなく、イラストにも注目してください。
――ロザリーやユーフィリアが青蘭学園の制服を着ている中、クラリッサが元の衣装に戻っていますが、これは何か理由があるのでしょうか?
▲遊園地を楽しむクラリッサ(画像左)と元々の衣装のクラリッサ(画像右)。 |
荒井さん:ぶっちゃけると、コスプレさせすぎたかなと(笑)。遊園地、海、クリスマスと人間世界に順応しすぎてきたので、春を機に原点回帰を狙いました、ということにしておいてください。
――今後のブースターも再登場キャラを多くする方針なのでしょうか。
荒井さん:基本的にはそうです。先ほども述べたように、同じキャラを集めればキャラ単デッキを組めるようにカードの能力もデザインしています。それぞれのプレイヤーの中にある“青蘭学園のひとコマ”を切り取ったデッキが作れるようにしていきたいと考えています。
大和田さん:ちなみに、今回収録された美海は第3章と違って美海単デッキ以外でも活躍できます。美海は『アンジュ・ヴィエルジュ』の顔ともいうべき子ですので、いろんなところで活躍してもらいたいですね。
――第7章収録のカードでオススメのカードを教えてください。ただ、SRカードはユーザー間での研究も多いと思いますので、それ以外でお願いします。
荒井さん:ではまず青から。青は《伝説の桜の樹》をプッシュします。“相手はガードできない”は、“強制的にダメージを通す”ともいえます。“バトルに勝った時”に何かしら起きるカードとの相性も最高ですので、カードリストとにらめっこして、すごいコンボを見つけてください。とてもときめく1枚ですね。
大和田さん:僕は《暖かな時間 岸部沙織》がオススメです。僕が第1章で初めて『アンジュ・ヴィエルジュ』のデッキを組んだのが、美海、沙織、ツバサの親友デッキでした。その沙織が第6章に続いて活躍してくれるので、青を中心としたアウェイクデッキでぜひ使ってください。
ただ、能力がちょっと複雑で、アタックしてフォールしてしまうとパワーが元に戻るので注意が必要です。アウェイクしていれば相手ターンでもパワーが上がっているので、このターン攻めきれないなと思ったら、アタックしない選択肢もアリだと思いますね。
――続いて黒はいかがでしょうか。
荒井さん:“ラッシュ”を持っている《穿ちの槍 クラリッサ》です。リンクが7-5(7枚中5枚のフレームが必要)なので一見難しそうですが、ラッシュの効果があれば11-5ですからかなりの確率で成功してくれます。ハンデスデッキ(相手の手札を減らして優位に立つデッキ)における、新顔として大活躍が期待できる1枚です。
2周目以降は、“ラッシュ”がなくても∀(オール)フレームがあるのでリンク成功を狙えます。「ラッシュってすげー!」とわかりやすく体感できる1枚ではないかと思います。
大和田さん:地味ですが《鉄壁のゴーレム》に注目です。騒がれそうで騒がれない宿命を背負っていると勝手に思っているのですが、ポイントはこれまでできなかった“アクションカードのサーチ”が限定的ですができることです。
アクション枠を使いますが、誰にでも“キーパー”の能力を持たせるような雰囲気での運用ができます。能力でのパワー+4000は、バトルしているカード以外にも割り振れることを覚えておくといいでしょう。あとはデッキのスロットと戦ってください。
――赤のカードでオススメはどれでしょうか。
荒井さん:僕は《新学期 アウロラ》ですね。《魔石を詠む者 オリヴィア》など、多くのデッキに採用されているレベル1カードに対して1枚で対応できます。このカードが存在することで、《魔石を詠む者 オリヴィア》ではなく《冬の小悪魔 フランボワーズ》を採用したほうがいいのかな、と考えてもらえればうれしいですね。
《新学期 アウロラ》はサーチできないので、他の補助カードとセットで運用することになります。「その補助カードは何かな」、「それに対処するにはどれかな」とデッキの読み合いになっていくでしょう。このような、いわゆるメタゲームを楽しんでいただければと思っています。
大和田さん:僕のオススメは今回の新キーワード能力の“シールド”を持っている《ハルジオンの花 フローリア》でしょうか。リンク7-5なので“ラッシュ”かなと思いきや違うんです。一見かみ合っていないように思えるかもしれませんが、実はガッチリかみ合っている能力です。
リンクが成功すれば最大で4ダメージを与えることができますし、失敗しても返しのターンは“シールド”の効果中なのでダメージが通りません。《百花繚乱 フローリア》や《覚醒 ルビー》など、リンクを伸ばせるカードと組み合わせることで攻守一体の活躍をしてくれます。
――白のカードでのオススメを教えてください。
荒井さん:白はレベル1の《意思あるウィルス ヴェノム666》です。リンク、フレーム、ストライクを持っているカードで、僕は“突撃フレーム”と呼んでいます。序盤からガンガン攻めていけるサイクルなのですが、その中でも白は“相手はガードできない”能力が付いています。
序盤のリンク5も山札を減らす意味で強力ですが、2周目以降ならダメージリバースを考慮すればリンク5-3は成功する可能性が非常に高いです。パワーも10000まで自力で上がるので詰めの1枚にも使えるでしょう。あえて、レベル4からシフトすることも視野に入れるべきです。
大和田さん:僕はちょっと趣向を変えて1枚ではなく1セットで《タイプHU-51ミナ 戦闘モード》を軸とした“タイプHU”シリーズの3姉妹です。第5章で加わった“ユニゾン”を持っているカードを効果で出すカードで、一気に展開することを狙えます。“ユニゾン”はカードゲーム初心者でも使いやすいように作った能力で、とりあえず“ユニゾン”と書いてあるカードを入れておけばアドバンテージが取れるようになっています。
“ユニゾン”を持つカードが手札にあればいきなり展開してもいいですし、なければ《タイプHU-50ニナ お昼寝モード》で、手札を引き込んでもいいでしょう。レアリティも低いので、第7章で作ったデッキとか、SRを入れないデッキとか、『アンジュ・ヴィエルジュ』布教用デッキとかを作ってみるのもいいかもしれませんね。
――最後に緑のオススメカードを教えてください。
荒井さん:最後はアクションカードの《方舟迷宮 ラビリンス》です。同じカードが赤にもありますが、ポイントは第6章環境では対処のしようがなかった“場に残るブーストカードに触れる”ことです。《真・覚醒 日向美海》とかを出されて「終わった……」と感じた人も多かったと思います。その最初のアンサーカードがこれです。
ブースト以外にもレベル4のカードが入っていないデッキは存在しないと思いますので、腐らずに使えると思います。ただ、プレイするのに条件があるのでデッキ構築の際には注意してください。
大和田さん:僕は《冷徹な将校 スレイ・ティルダイン》に注目です。レベル2からレベル4にシフトすることは非常に当たり前の行動なのですが、それに付加価値を与えた1枚です。
能力の“このカードがレベル4のプログレスへのシフトで退却した時”は、各色にサイクルで存在しています。このサイクルは、各色の特徴をそれぞれ持っていて、緑では“フォールしてアウェイクさせない”となっています。
シフトしただけなのにこの能力は非常に強力です。第6章環境では能力による登場が強かったと思いますが、第7章では地道にシフトしていくデッキも強力になっています。“シールド”とあわせて相手を妨害する防御寄りデッキの可能性を考えてみてください。
――ありがとうございます。他に何か第7章の裏話などはありますか?
▲コードネームは“張り手” | ▲“開発陣からの挑戦カード”のシルト |
荒井さん:では、赤の《インジェイン・クアイエット》にまつわるエピソードを。カードを見てもらえればわかりますが、『アンジュ・ヴィエルジュ』のカードイラストとは何かを問う1枚となっています。とうくらさんがこのカードのことを“張り手”と呼んでいて、打ち合わせの際に「張り手のサイクルなのですが……」と言っていたのが印象的ですね。
大和田さん:第7章には“開発からの挑戦状”カード《秘められし蕾 シルト・リーヴェリンゲン》が収録されています。リンクをコピーする今までにない能力です。いろいろと悪さができそうですよね。緑単前提に見えて、パワー6000で運用すれば全色に使えるかも……と考えることもできるかもしれません。
第6章のシルト、今回のマユカやスレイなど、フレーム拘束もないので誰とでも組むことができます。このカードを使って、僕ら開発陣も考えていないような素敵なコンボを決めてください。
それともう1つ。第7章のパックにはスマホアプリ『アンジュ・ヴィエルジュ ~第2風紀委員 ガールズバトル~』で使えるシリアルコートが入っていることがあります。新キャラのクルキアータをさっそくアプリ内で使うことができるので、まだアプリをやっていない人はこの機会にぜひ始めてみてください。
▲アプリで使えるクルキアータのSRかHRカードもしくはゴールドレターが当たる。 |
――先日ロードマップの発表がありましたが、『スターターデッキ2015』やブースター第8章『目覚めし暁天の女神』について何か教えてもらえませんか?
荒井さん:『スターターデッキ2015』のコンセプトは、アドバンスドスターターとオールスターデッキの良さを兼ね備えてます。アドバンスドスターターは、スターター限定カードをたくさん収録し、オールスターデッキには過去の人気のカードを再録しました。
今回はその両方の特徴を持っていて、人気のカードを再録しつつ、スターター限定カードも6種12枚を封入しました。春なので、とりあえず始めやすいセットにしようと作ったのがこの『スターターデッキ2015』です。
――2015と名前がありますが、今年のスターターはこれ1種類のみなのでしょうか。
大和田さん:スターターデッキという名称ではないかもしれませんが、それに似たようなものは検討しています。アドバンスドスターターになるかもしれませんし、オールスターデッキになるかもしれませんし、それとはまったく違うものになるかもしれません。
年に1回しかスターターが出ないと、新規で始めてみたいと思っている人も年に1回しか機会がなくなってしまいますので、それではちょっと少ないかなとは思っています。それも踏まえて、今はご期待くださいと言っておきます。
――スターター限定で収録されるカードが美海らL.I.N.K.sの5人なのはわかるのですが、《カードマスター プロフェッサーA》は何者なのでしょうか? 女の子なのですか?
荒井さん:『アンジュ・ヴィエルジュ』ですから、もちろん女の子です。何を言ってるんですか(笑)。彼女についてはいろいろと裏設定も用意してあるので、公式Twitterをご覧ください。メガネをかけた僕の好みの女の子になっているので楽しみにしていてください。
――前回のアドバンスドスターターに続いてL.I.N.K.sの5人が収録されていますが、やはり『アンジュ・ヴィエルジュ』を代表するキャラクターだからでしょうか?
大和田さん:もちろんそれはあります。また、この5人に関しては、同じキャラクターのカードを集めていけばキャラ単デッキのベースにもなるようにデザインしています。ブースターではカードの種類数や色などの制限もありますが、スターターでそれを補うようにしました。その結果として、アドバンスドスターターに続いて今回も収録されたわけです。
――再録カードも豪華ですよね。特にフレームカードは、そのまま構築のベースにできそうです。
荒井さん:過去の大会での使用頻度などから、多くのプレイヤーに支持されているであろうカードをチョイスしました。既存のプレイヤーの方でも、スターターデッキを2つ購入してもらえれば各4枚ずつ入手できるので、新しいデッキを2つ構築するカードがそろうといっても過言ではありません。
――デッキの内容を見ると混成フレームの構築ですが、混成フレームは爆発力がある反面、プレイングが難しくスターター向きではないように思えますが?
大和田さん:その通りだと思います。ただ、今回のスターター収録カードはブーストカードの《琴吹文》を除いて、両方のフレームをリンクで要求するカードは入っていません。それぞれのフレームのカードをあわせれば、ΣデッキとΩデッキのベースになるようにもなっています。
当初はΣデッキとΩデッキの2つを同時発売することも検討しましたが、「『アンジュ・ヴィエルジュ』は美海がパッケージのスターターを買えばすぐ始められるよ」という感じが大切だと思い今回のスターターに至りました。
――他に、このスターターのポイントはありますか?
荒井さん:非常に使いやすく、まとまりがあるデッキです。さらっと過去のキーワード能力も入っているので、ブースターを使ってデッキをカスタムした時でも、「あ、これはスターターに入っていた能力だ!」と思ってもらえるようになっています。
スターターにはルールを覚えるためのシンプルさは必要だと思っています。しかし、手に取ったその日に『アンジュ・ヴィエルジュ』の魅力を体感してもらうことも必要だと感じていますので、プレイしている楽しさを感じられることを追求したスターターにしました。
《薔薇園の主 リゼリッタ》など、多くのデッキで採用されており、かつ市場での流通があまりないカードを再録している点は、現役の方も新規の方も嬉しい仕様かと思います。過去のカードがないから勝てない、とならないようにしつつも、TCGショップさんへ影響があまり出ないようなタイミングを模索した結果、今回再録することにしました。
――ロードマップで第8章のブースタータイトルが発表されましたが、何か教えてもらえませんか?
大和田さん:第8章のタイトルは『目覚めし暁天の女神』です。つまり、“暁天の女神”が“目覚める”ということです。これ以上は、申しわけないのですが続報をお待ちください。
――イベントスケジュールが昨年と大幅に変わりましたが、この理由を教えてください。
荒井さん:詳細は公式ブログに書いたとおりです。昨年は季節ごとに一気にイベントを行った影響で、すごいテンションで駆け抜けることができたのは確かなのですが、お客様も僕らもちょっと疲れてしまったと思っています。
集中的に一気に開催するよりも、全国各地で毎月イベントを行ったほうが楽しいのではないかなと思い、今年はスケジュールを大幅に変更しました。早めに発表することで、特に社会人の方がスケジュールの調整をじっくりできるようにしました。
大会形式では、個人戦、2人タッグ戦、3人チーム戦といろいろ行いましたが、皆様からのフィードバックを受けて、今年は基本的に個人戦、たまにチーム戦で開催することにしました。チーム戦は参加する側にそれなりの負担がかかるので、たまにやるくらいがちょうどいい気がします。
――エクストラブースターや第9章などの記載もロードマップにはあります。書いてある以上、気になってしまうのですが。
大和田さん:開発中につき続報をお待ちください。……と言いたいところなのですが、せっかくですので1つだけ。エクストラブースターは前回から仕様を大幅に変更しています。通常のブースターに近い形になるように調整していますのでどうぞご期待ください。
荒井さん:今回発表したロードマップは10月までです。10月以降は、このロードマップにない地域でのイベントも検討しています。青蘭学園祭やアンジュフェスタの開催を発表していない地域でのイベントも開催予定です。皆様の地元でイベントがあるその日まで、しっかりと腕を磨いて待っていてください。今年もどうか『アンジュ・ヴィエルジュ』をよろしくお願いします。
――ありがとうございました。
第7章を中心に荒井・大和田両プロデューサーにいろいろとお話しいただきました。アニメ化プロジェクト始動の発表から、プレイヤーのモチベーションが非常に高いことを実感できる『アンジュ・ヴィエルジュ』。電撃カードゲームでも引き続き特集していきますのでご期待ください。それではまた!
(C)Ange Project
データ