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2015年3月12日(木)

『FF』初の吹奏楽コンサートツアーがスタート! 200人で演奏した『チョコボ』に植松さんも感激!!

文:りえぽん

 国民的RPG『ファイナルファンタジー(FF)』のコンサートツアー“BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra”が、3月7日からスタートしました。

BRA★BRA FINAL FANTASY

 東京公演を皮切りに、大阪、福島、熊本など16都道府県で行う本ツアー。『FF』音楽コンサートの全国ツアーは、2004年に行われたオーケストラコンサートツアー“Tour de Japon”から実に10年ぶり。また『FF』シリーズ初の吹奏楽でのコンサートとなり、すでに東京での追加公演が決定しているほどの人気となっています。

 アンコールで、来場者も参加できる“みんなで吹こうBRA★BRA FINAL FANTASY”が実施されるなど、新たな試みも用意されていたコンサート。3月7日に東京オペラシティで行われた、昼公演の模様をレポートします。

“BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra”概要

【作曲】植松伸夫
【オーケストラ】シエナ・ウインド・オーケストラ
【指揮】栗田博文
【MC】山下まみ
(※敬称略)

 コンサートが始まる前に、まずはステージに植松伸夫さんが登場。植松さんのコンサートではおなじみの“ブラボー係”(歓声をあげる盛り上げ役)を募り、手をあげたファンにお菓子をくばるなどさっそく会場は楽しげなムードに。植松さんは、「コンサートをせいいっぱい楽しんで!」とコメントしていました。

 コンサートは、2015年3月4日に発売されたCD『BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO』に収録されていた楽曲を中心に演奏が披露されました。1曲目は、CDでも1曲目に収録されている『FF バトル2 メドレー』。『FFIV』、『FFV』、『FFIX』の『バトル2』と、『FFVI』の『死闘』のメドレーです。

 いわゆる“中ボス”とのバトル曲のみで構成されためずらしいメドレーでしたが、「雑魚戦(通常戦闘)の楽曲はよく聞くし、ラストバトルも皆さん思い入れがあると思うので、あえて『バトル2』を選んでみました」と植松さんは曲を選んだ理由を話していました。

BRA★BRA FINAL FANTASY
▲吹奏楽団のシエナ・ウインド・オーケストラ。最後まで楽しい演奏を届けてくれました。

 続く2曲目は、『FFIV』から『赤い翼~バロン王国』。ゲームのオープニングに流れる印象的な楽曲ですが、これまであまりアレンジで使っていなかったと植松さん。吹奏楽の木管・金管の重厚なハーモニーで、『FFIV』のオープニングの重々しい雰囲気が思い出される演奏でした。

BRA★BRA FINAL FANTASY
▲植松伸夫さん(右)。MC担当は、電撃オンラインの連載でもおなじみの山下まみさん(左)です。オフィシャルでの『FF』吹奏楽コンサートは初めてとのことで、「やっぱり生はちがうね! 客席で聞きたい!」と植松さん。

 3曲目は、ダンジョンの楽曲だけで構成された『FF ダンジョンメドレー』です。『FFIV』と『FFV』の『ダンジョン』、『迷いの森』(『FFVI』)、『Find Your Way』(『FFVIII』)がメドレーになっていて、木管のやさしい旋律で幻想的なダンジョンの雰囲気が表現されていました。続いて、『J-E-N-O-V-A』、『闘う者達』、『更に闘う者達』の『FFVII バトルメドレー』が演奏されました。

 ここで植松さんから、「音楽はリズムが大切。リズムの楽しさを皆さんと一緒に楽しみたい」とコメントがあり、『FF モーグリのテーマ』(『FFV』)にあわせて客席全員でボディパーカッションで演奏に参加することに。シエナ・ウインド・オーケストラのティンパニ奏者・荻原松美さんの指導の元、手拍子や足踏みを交えたボディパーカッションのミニ講座が行われました。

BRA★BRA FINAL FANTASY
▲指揮の栗田さんの合図で会場全員で演奏に参加! 会場が一体となった楽しい演出に植松さん、山下さんもこの笑顔! 荻原さんは白いヘルメットに赤いポンポンを付けたモーグリのコスプレ(?)も披露していました。

 6曲目に植松さんが紹介したのは、「歌がないアレンジはめずらしい」という『アリア』(『FFVI』)。クラリネットでメインメロディが演奏されたり、後半が明るいアレンジになっていたり、オーケストラで演奏する『アリア』とは雰囲気が違った楽曲となっていたのが印象的でした。第一部の最後は『FF メインテーマ』が演奏されました。

 第二部は、『FF メドレー』と題し、『FFIII』の『勇者の帰還』、『FFI』の『船』、『FFIII』の『山頂への道』、『FFI』の『メイン・テーマ』のメドレーからスタートしました。

 会場では、“あなたにとって「守るべきもの」は?”というテーマのアンケートが実施されており、9曲目の『守るべきもの』(『FFIX』)の演奏前に、寄せられたアンケートの紹介をするトークコーナーもありました。

 深夜のラジオ番組からアイデアを得て、このトークコーナーを用意したという植松さん。BGMとしてハープ奏者・津野田圭さんによる『Eyes On Me』の演奏があり、しっとりとした雰囲気でさまざまな“守るべきもの”が紹介されました。

BRA★BRA FINAL FANTASY
▲指揮の栗田博文さん。

 10曲目からはオーケストラが少人数編成となり、サックス、トランペット、ドラムセットで演奏された『飛空艇メドレー』、クラリネット四重奏で披露された『Fragments of Memories』(『FFVIII』)、サックスアンサンブルアレンジの『ザナルカンドにて』(『FFX』)が続けて演奏されました。

 『飛空艇メドレー』は全体的にジャズ風でおしゃれなアレンジになっており、『FFIV』の『親方シド』のメロディも入ってきたりと聞いていておもしろいアレンジになっていました。

 13曲目は『FFVIII』から『Never Look Back~Dead End』。14曲目には、CDには未収録の『ビッグブリッヂの死闘』(『FFV』)が披露されました。また、アンコールとして、こちらもCDには収録されていなかった『FFVII』の『片翼の天使』を演奏。『片翼の天使』もコーラスがないアレンジになっていて新鮮でした。

 そして最後に、“みんなで吹こうBRA★BRA FINAL FANTASY”として、公式サイトで告知されていた観客参加の『マンボ de チョコボ』(『FFV』)が演奏されました。観客も舞台にあがって一緒に演奏するアンコールは、シエナ・ウインド・オーケストラでは定番の演出とのことですが、『FF』のコンサートでは今までなかったこと。

 楽器を持ち込みの参加もOKで、今回の公演ではなんと参加者は150名にものぼり、シエナ・ウインド・オーケストラのメンバーと合わせて総勢200名での『マンボ de チョコボ』に、植松さんもミニマラカスを手にノリノリで参加していました。

BRA★BRA FINAL FANTASY
▲ステージ上からあふれそうになるほど客席からの参加がありました。皆さん、とても楽しそう! 中にはギターを持ち込んだスクウェア・エニックスの時田貴司さんの姿も! 客席もマンボの掛け声や、物販の特典で配布されたミニタンバリンなどで演奏を盛り上げました。

 公演終了後に、植松伸夫さんへの囲み取材が行われました。植松さんは、初めての吹奏楽コンサートで「こんなに楽しくなるのか!」と驚きを隠せない様子でした。やはり最後の『マンボ de チョコボ』が印象的だったようで、「楽器を持ち込んで参加した人も、シエナ・ウインド・オーケストラのメンバーも、客席の皆さんも、全員が笑顔だった。あんな幸せな空間は人生の中でもなかなかない」とうれしそうにコメントしていました。

 “みんなで吹こうBRA★BRA FINAL FANTASY”への参加は、吹奏楽の楽器でなくてもOKで、マンボらしくギロやマラカスなども持っていた人もいました。植松さんが気になった楽器は“アンデス”という鍵盤のついたピアニカに似た楽器で、それを持っていた人が3人くらいいたのでびっくりしたとのこと。ウケ狙いでもいいのでいろいろな楽器で参加してほしいと植松さん。今後のツアーに参加する予定の人は、アンコールでのステージへの登壇も考えてみてはいかがでしょうか。

 また、今までのアレンジでは選ばなかった楽曲も意図して選んでいるとのことで、特に『ザナルカンドにて』のアレンジは今までは「綺麗にアレンジしよう」というものばかりだったのが、とてもファンキーなアレンジになっていたので最初は編曲をやり直してもらおうかと思ったそうです。しかし、聞いているうちに「これもありだな」と思って採用したと裏話を披露していました。

 これから楽器で『FF』の楽曲を演奏してみたい人に向けて、「とにかく人と一緒に音を出してみて、演奏してみて楽しさを感じるといい」と言う植松さん。今回の“みんなで吹こうBRA★BRA FINAL FANTASY”はみんなで演奏してみるいい機会になるのではないでしょうか。

 とにかく、会場の全員が楽しめた“BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra”。植松さんは今後も、CDのリリースやコンサートを続けたいと話していたので、今後の展開にも期待したい、すばらしいコンサートでした。

BRA★BRA FINAL FANTASY
▲シエナ・ウインド・オーケストラのパーカッション奏者にマラカスの持ち方を教えてもらったという植松さん。ツアーが進めば他の楽器での参加もあるかもしれない!?

■“BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra”セットリスト

<第一部>
01.『FF バトル2 メドレー』
  ・『バトル2』/『FFIV』
  ・『バトル2』/『FFV』
  ・『死闘』/『FFVI』
  ・『バトル2』/『FFIX』
  ・『勝利のファンファーレ』/『FF』シリーズ
02.『赤い翼~バロン王国』/『FFIV』
03.『FF ダンジョンメドレー』
  ・『ダンジョン』/『FFIV』
  ・『ダンジョン』/『FFV』
  ・『迷いの森』/『FFVI』
  ・『Find Your Way』/『FFVIII』
04.『FFVII バトルメドレー』
  ・『J-E-N-O-V-A』
  ・『闘う者達』
  ・『更に闘う者達』/『FFVII』
05.『FF モーグリのテーマ』/『FFV』
06.『アリア』/『FFVI』
07.『FF メインテーマ』/『FF』シリーズ

<第二部>
08.『FF メドレー』
  ・『勇者の帰還』/『FFIII』
  ・『船』/『FFI』
  ・『山頂への道』/『FFIII』
  ・『メイン・テーマ』/『FFI』
09.『守るべきもの』/『FFIX』
10.『飛空艇メドレー』
  ・『エンタープライズ空を飛ぶ』/『FFIII』
  ・『飛空艇』/『FFIV』
  ・『親方シド』/『FFIV』
  ・『飛空艇ブラックジャック』/『FFVI』
  ・『Ride On』/『FFVIII』
11.『Fragments of Memories』/『FFVIII』
12.『ザナルカンドにて』/『FFX』
13.『Never Look Back~Dead End』/『FFVIII』
14.『ビッグブリッヂの死闘』/『FFV』

<アンコール>
15.『片翼の天使』/『FFVII』
16.『マンボ de チョコボ』/『FFV』 ※観客参加

(C)2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

データ

▼『BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■品番:SQEX-10487
■発売日:2015年3月4日
■希望小売価格:2,500円+税
 
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