2015年3月13日(金)
皆さま、ごきげんよう。3月19日に発売されるPS4/Xbox One用ソフト『ファイナルファンタジー零式 HD』に付属する『ファイナルファンタジーXV』の体験版『エピソードダスカ』のレビュー第2弾をお届けする。
本作は、『FFXV』の物語序盤を体験版オリジナル展開に置き換えた特別編集版。ストーリーやゲームの流れ、バトルシステムの一部を体験することができる。
この記事では、レビュー第1弾でお届けできなかったやり込み要素をはじめ、筆者が気になったポイントなどをお伝えする。
体験版のダスカ地方を散策していると謎の施設を発見した。ここでは、キャンプ時の料理に使用する食材を買ったり、レジャートレーラーで宿泊したりできる。
▲謎の施設。 |
食材を購入して組み合わせれば、さまざまな料理を楽しむことができ、発動するステータス効果(バフ)も変化する。また、レジャートレーラーでの宿泊は、イグニスの料理を食べることができないかわりに経験値が1.5倍になって清算される効果がある。
▲レジャートレーラー。 |
▲レベルアップをとるか、イグニスの料理をとるか……迷うっ! |
施設内にいるチョコボは、湿地帯の安全が確認できるまで貸し出しを中止しているとのこと。ということは、安全が確認できればチョコボに乗れるかも? 湿地帯の安全ってどういうことなのだろうか、と思いつつプレイを進めた筆者。チョコボに乗れるかどうかは、自身の目で確かめてみてほしいところ。
フィールド内では、黒いチョコボとも遭遇。通常の黄色いチョコボと違い、ご尊顔も少々凛々しい。黒がいるのならば、白もいるのかと勘ぐってしまう筆者。どうして彼らは黒いのだろうか、『FFXV』でも乗って飛べるのか、疑問は尽きない。ちなみに、黒チョコボとは戦闘できないようだ。
▲増えた!? |
前回掲載したプレイ動画で確認できるダンジョンだが、実際どうだったのか。ひと言でまとめるなら「とにかく広くて不気味」に尽きる。入口からして怪しさがあふれているため、積極的に近寄りたくないのだが、好奇心で侵入したくなるのはゲーマー共通の感覚だと思う。
▲プロンプトの感想だが、筆者も同意せざるを得ない。 |
ダンジョンに登場するゴブリンは、毒などの状態異常攻撃やアイテムを盗むなど、いやらしい行動でプレイヤーを追いつめてくる。フィールド上での戦いとはひと味違う、シビアな戦闘がダンジョンの中では繰り広げられた。
これはあくまでも筆者の体感なのだが、本作のゴブリンは恐らく『FF』史上最強ではないのだろうか。攻撃力の高さ、毒という状態異常攻撃、さらにダンジョン攻略に必須の回復アイテムなどを盗むといった狡猾さ、過大評価ではなく、最強のゴブリンであることがうかがえた。
極めつけは盗んだポーションを使うモーションだ(別にシャレではない)。満足気にポーションを飲みほした後に、その容器を地面に投げ捨てる姿は“まさに知性と暴力性を備えた敵”である。なんて悪いやつなんだ、ゴブリン……。
▲「このゴブリン、盗んだポーションを飲みやがる!」 |
▲油断すれば一気に全滅へと追い込まれる。 |
「体験版だし、ちょっとしたダンジョンだろう」と、たかをくくっていた筆者を驚かせたダンジョン。暗所に光るゴブリンの目や唐突に現れる敵に不気味さや恐怖を感じた。
ダンジョンの作りも実際の洞窟に準拠しているのか、狭い場所や見通しの悪い場所などがあり、ここでも本作のリアルな表現が生かされているようにも思えた。間違いなく体験版の目玉要素の1つであるダンジョンをその目で確かめてほしい。
製品版ワールドマップの10~20分の1と、かなり縮小されているように感じる体験版だが、そんなことはない。マップの端から端まで歩きでおおよそ20~30分はかかる。
▲十分に広大なダスカ地方。 |
そして、探索しようとマップを隅から隅まで1周して歩きまわれば1時間では済まない広さとなっている。結構な時間をかけてフィールドを散策した筆者が、見つけた変なものはこちら。
▲おもいでのカエル。ある場所に落ちているが、どう使うかは不明。皆は発見できるだろうか。この画像は場所のネタバレを避けるためにもモザイク処理をしている。 |
実際に端から端まで探索すると、何かありそうな場所がたくさん存在しており、いちいち足を止めて探検してしまう。なんだか幼少期に森の中で冒険しているような、そんな気持ちにさせてくれるフィールド。プレイ時間を忘れて歩き回ってしまう魔力が、そこにはあった。
▲動きが素早い敵。わりと珍しいので、見かけたら戦闘してみてはいかがだろうか。 |
本作のやり込み要素の1つである“ファントムソード”。これを獲得することで、より戦闘にアクション性が増す。体験版では最大で4つまで手に入れることができるが、“ファントムソード”が存在している場所は謎。これを探すこと自体がやり込み要素の1つでもあるのだ。
前回のレビューで少し単調だとお伝えした戦闘面。“ファントムソード”を4つ手に入れて戦闘をじっくり楽しんでみた結果、本作のバトルの印象がまた変わった。
“ファントムソード”を使用するとMPを消費せずにアビリティを使うことができ、シフトやシフトブレイクなども無制限に使い続けられる。ただ、発動中はMPが除々に減少していき、0になった時に効果が終了する。ちなみに発動条件はMPがマックス状態であること。
▲発動はR1ボタン+L1ボタン。 |
これによって戦闘に緩急をつけることが可能だ。一気に押しこみたい時は、“ファントムソード”を使ってアビリティとシフトブレイクで相手に攻撃する時間を与えないように立ち回れる。
敵が多数存在している場合も同様にシフトブレイクなどを連続で発動できるので、敵を殲滅する速度が上昇する。何よりもMPを消費しないという恩恵が大きい。だが、ノンビリ戦っているとMPがすぐになくなってしまうため、そこには注意したい。
普段の戦闘に“ファントムソード”というアクセントが加わることで、『FFXV』のアクションの魅力や戦闘の気持ちよさの一端を感じられた。これらに魔法や召喚獣といった要素が加わる製品版が楽しみだ。
本作をひと通り終わらせるとエンディングが見られる。そのエンディングをファンに見てほしくて仕方がないので、詳しくは書き記さない。ちなみに、エンディングを見た筆者は製品版への期待感がグッと上がったとだけ書いておく。
ちなみに、こちらも詳しくは書けないが、『FF』ファン必見のすごいものも存在しているので、こちらも楽しみにしてほしい。「とにかくヤベェ! マジヤベェ!!」と、ヤンキー風の口調に変わってしまうほど興奮した。後ろでプレイを見ていた『FF』好きの編集も、「なんだこれ、すげぇ……」と衝撃のあまり言葉をなくしていたようだ。
▲余談だが、シドニーちゃんのかわいさにも興奮した。 |
2回にわたってお届けしてきたレビューだが、すべてをひっくるめて体験版を評価するのならば、“プレイの価値有り”というものになった。やり込み要素は期待を裏切らないボリュームで遊び甲斐のあるものになっていたし、戦闘も“ファントムソード”を使うと一皮剥けた印象を受けた。
何よりも、プレイヤーの楽しみを奪ってしまうため、レビューでは書かなかった部分こそが“本当のおもしろい部分”なので、そこを楽しみにプレイしてほしい。あくまでも記事で紹介しているのは、本作を楽しむうえでの付加価値的な部分なのだ。メインディッシュの感想はプレイしたうえで述べてほしい。筆者は、期待度は高まるが決してファンをガッカリさせるものではないと思った。
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