2015年3月13日(金)

『Bloodborne』完成発表会では製品版“聖杯ダンジョン”が初披露。最新プロモーション動画の公開も

文:皐月誠

 3月12日、東京都・秋葉原UDX内のUDXシアターにおいて、SCEによるPS4用ソフト『Bloodborne(ブラッドボーン)』の完成発表会が開催された。

 OPを飾ったのは、斬撃音と獣じみた悲鳴、赤い照明というホラー映画じみた演出。続いてゲームプレイやカットシーンのラッシュ映像が上映された。

 最初に登壇したのはSCEJAの森田厚プレジデント。同氏は日本におけるローンチから1年が経ったPS4について、スクウェア・エニックス『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』の好評にも触れつつ、販売数が好調に推移していることを語った。また国産タイトルである『Bloodborne』のリリースについて、PlayStation誕生の地である日本からの市場アプローチを強調していた。

『Bloodborne』

 余談として、話題は1月の“台北國際電玩展(台北ゲームショウ) 2015”における現地ゲームメディア“巴哈姆特(バハムート)”ブースにて、藍井エイルさんが『Bloodborne』をプレイしていたことにも及んだ。それにあわせてSCEスタッフは藍井さんを迎えたディナーの場を設けていたのだが、森田プレジデントはその席に呼ばれていなかったとのことで、冗談交じりに悔しみのコメントを語って会場に笑いを誘っていた。

 続いて、SCEワールドワイド・スタジオの吉田修平プレジデントが登壇。PS4の発売以前まで遡る開発経緯を語った他、クオリティアップのための発売延期を振り返って釈明しつつ、完成について喜びのコメントを語った。次に登壇した本作のディレクターでもあるフロム・ソフトウェアの宮崎英高取締役社長は、フロム・ソフトウェア初のPS4用ソフト開発に相応の困難があったとコメント。しかし出来栄えについては確かな自信がある模様で、基本的な背景設定の紹介とあわせて「ユーザーの皆さんには、この“おぞましい体験”を楽しんでもらえれば」と来場者に語っていた。

『Bloodborne』 『Bloodborne』

 代表者のあいさつの後、会場先行での公開となるローンチトレーラー動画が上映された。この動画では、数々の奇妙なクリーチャーや暗示的な台詞などが収められた壮大な物語の一旦を確認できた。Web版を以下に掲載するので、チェックしてほしい。

●動画:『Bloodborne』ローンチトレーラー

 さらに、SCEJA『Bloodborne』宣伝担当の北尾泰大氏による解説のもと、SCEワールド・ワイド・スタジオの山際眞晃プロデューサーが実機プレイを披露した。聖杯ダンジョンのプレイ自体は昨年末にラスベガスにて開催された“PlayStation Experience”などでも行われていたが、その際のマップはプレゼン専用のものであり、製品版と同様の聖杯ダンジョンが一般の目に触れるのは今回が初めてだ。

『Bloodborne』

 聖杯ダンジョンは、宝箱や倒した敵から入手した“儀式の聖杯”を“儀式の祭壇”へ捧げることで作り出せる。聖杯には固定構造のダンジョンが生成される物と、ランダム構造のダンジョンが生成される物の2種類があるという。

 “儀式の祭壇”では、ネットワークを通じた他プレイヤーの聖杯ダンジョンへのアクセスも行える。生成された聖杯ダンジョンには“聖杯文字”と呼ばれるユニークIDが割り振られるので、それを検索すれば特定の聖杯ダンジョンを見つけることが可能だという。

『Bloodborne』 『Bloodborne』

 生成に必要なゲーム内マネーが足りないというハプニングはあったものの、持ち物を売却してどうにか生成に成功。さっそく挑戦を開始し、まずはボスルームのロックを解除するためのスイッチを探しに行く。

 今回の聖杯ダンジョンでは、スイッチがある部屋へ行くために細い空中通路を通っていかなければならなかった。ただし、その通路には3本のペンデュラム(振り子状の鎌)が不揃いに揺れており、空中通路の反対側には毒ナイフを投げてくるエネミーが待ち構えている。さらに空中通路から落ちた場合に行き着く下階フロアには強そうなエネミーが徘徊と、開始早々にもかかわらずシチュエーションは非常にソリッド。客席からは笑い声すら上がっていたほどだ。

 山際氏は慎重に進むが、毒ナイフを食らったノックバックでペンデュラムに突っ込み、最初の1デスを喫してしまった。二度目の挑戦では突破に成功するが、先のルームには無限にエネミーを呼び出すジェネレータ型のエネミーや、巨体の強力なエネミーが存在しており、どこまでも油断できない構成となっていた。

『Bloodborne』 『Bloodborne』

 実演プレイでは、敵の攻撃にあわせて銃撃を当てれば怯ませられること、それで怯んだ相手には“内蔵攻撃”という高威力の攻撃を行えること、ダメージを受けてもすぐに反撃すれば体力を取り戻せる“リゲイン”システム、武器へ炎属性をエンチャントするアイテム“発火やすり”などが紹介された。

 最終的にはボスの“死体の巨人”に打ちのめされ、1階層目のクリアを見せられなかった山際氏。結果は残念だったが、同氏はテストプレイにおいて同僚と相談しながら攻略していることに触れて「いい大人が子どものように夢中になれる」ゲームであると語り、難度の高さゆえのおもしろさをアピールしていた。

『Bloodborne』 『Bloodborne』

■グッズに関する新発表

 ゲーム自体の他、関連グッズについての情報も発表された。Geccoからは、プレイヤーキャラクターである狩人(ハンター)のスタチューフィギュアが12月に発売される。会場では、未彩色原型の展示も行われていた。

『Bloodborne』 『Bloodborne』

 ソフトの発売から約1カ月後の4月22日には、CDアルバム『Bloodborne オリジナルサウンドトラック』が発売される。2枚組構成となっており、価格は3,200円+税。

『Bloodborne』

■TV特番の放映

 TV特番『死闘×GAME~金子ノブアキが全世界待望アクションRPGに挑戦~』が、3月16~19日および3月23~26日の25:30~35にかけて(3月25日のみ25:50~55)、テレビ東京において放映される。この番組は、ゲームファンとしても知られる俳優・ミュージシャンの金子ノブアキさんが本気で『Bloodborne』に挑戦するドキュメンタリーだ。制作は、『ゲームセンターCX』を手がけたガスコイン・カンパニーが担当している。なお、公式サイトでもロングサイズのディレクターズカット版が配信されるとのこと。

●動画:『Bloodborne』ノブアキ死闘(番宣映像)

●動画:『Bloodborne』ノブアキ死闘(インタビュー映像)

■巨大スクリーンでの実機プレイ!

 会場には試遊台が設置されており、多くの来場者が実際に聖杯ダンジョンへ挑戦していた。また、限られた時間ながらUDXシアターのスクリーンを使用したプレイも解放されていた。一般来場者の後、メディアにもスクリーンでプレイする機会が与えられたので、筆者も参加してみた。

『Bloodborne』 『Bloodborne』
『Bloodborne』
▲一般来場者の中には、見事に1階層目のボスを倒した人も! しかし、これはまだまだ導入部分……。

 事前に練習していた山際氏でも開始5分で1デスを喫した難度の『Bloodborne』。筆者は本作が初披露された“PlayStation E3 2014 Press Conference”や国内向け発売日(当初)が発表された“SCEJA Press Conference 2014”の取材に参加し、“PlayStation Experience”や“台北國際電玩展”における本作のステージイベントもレポートして来たが、実際にハンズオンするのは今回が初となる。しかし、ゲームをプレイする際はインセインやベテランなど最高難度でスタートするのがモットーなので、多少難しい程度なら突破する自身はあった。

 高所で待ち伏せしている敵を投げナイフで仕留め、投げられる毒ナイフは水平方向への移動でかわし、強敵の重い一撃をギミック作動アクションの無敵時間でやり過ごす。複数の敵に囲まれた際は慌てたものの、概ね順調だ。ボスルームへと辿り着いた時、アテンドしていただいた山際氏から一言のアドバイスをもらった。

「開幕で飛んでくることがありますから気をつけてくださいね」

 先んじての一般来場者によるプレイを見ているため、それはわかっているつもりだった。しかし。

グシャアッ!!

 わかっていれば待機している敵への対処はできる。しかし、わかっていても経験がなければ、能動的に突っ込んでくる敵には対処しがたい。そんなわけで初手で大ダメージを食らい、立て直せないまま押し潰されてしまった。道中を足取り軽く進めても、ボスとの戦いはまったくの別問題だ。大画面で見る瞬殺ぶりの迫力とあっけなさは痛快なほどで、思わず笑ってしまう。

 シアター画面でのプレイは1人10分に限られており、残念ながら今回の挑戦はボスとの一戦までにて終了となった。今回は負け越しとなったが、製品発売の際には絶対にリベンジしたい。『Bloodborne』は、間もなく3月26日に発売となる。

『Bloodborne』
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▲会場は狩人の衣装や武器が飾られており、雰囲気満点。巨大な胸像は“聖職者の獣”というエネミーとのこと。ゲーム中ではどのような形で相対するのだろうか。
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▲オリジナルデザインのPS4本体や限定版パッケージも展示されていた。 ▲こちらは来場者にプレゼントされた。PS4本体のスキンシールと、本作のマスコットキャラクター的な“使者”の付箋。

データ

▼『Bloodborne オリジナルサウンドトラック』
■発売元:ティームエンタテインメント
■販売元:ソニー・ミュージックマーケティング
■品番:KDSD-00772,00773
■発売日:2015年4月22日
■希望小売価格:3,200円+税
 
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